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16.友人
「トモさん。もし良かったら平日の夕方とか、カフェ巡り一緒に行きません?」
「もちろん、それは俺も嬉しいけど……良いのか?」
「デートにもなって、一石二鳥です。トモさん、なかなか誘ってくれないんだもん」
「タイミング難しくて……それに、シマは忙しいだろうし」
「どこで見られているかわかりませんし、らぶらぶ彼氏が他の人とデートしてたらおかしいでしょ? 俺、トモさん以外の予定入れるつもりないですよ」
「悪い。もしかして、俺のせいでバイトに支障出てる?」
「違いますって。トモさんと、もっといっぱい会いたいなーってだけです」
シマはそう言ってくれるが、確実に智明がシマの収入源を絶ってしまっている状況なのは、確実だろう。
智明の事情に巻き込むという事は、シマの仕事に支障が出てしまうという所まで考えが及ばなかった。
大半は智明の近くにいるとはいえ、ストーカー女性の行動範囲の全てを把握出来るわけがない。
わかっていたら対策も簡単だが、むしろそれではこちらがストーカーである。
となると「本命の恋人」を演じて貰っている以上、確かにシマは別の人と気軽にデートが出来なくなる。
それならば、「忙しいかも」などと考えず、ガンガン予約を入れた方が、シマの実りは大きかったのだ。
ストーカー対策に巻き込んでおいて、変に遠慮していた智明が、全面的に悪い。
「毎日は、金銭面を考えるとちょっと難しいけど……出来るだけ予約入れるようにする」
「待って待って、そうじゃありません。契約とかじゃなくて、単に一緒に出かけたいなって話をしてるんですけど?」
「ダメだよ。シマの時間を貰ってるんだから、お金はちゃんと払う」
「俺は友達として、トモさんと遊びに行きたいんです! 友達同士なら、奢って貰いっぱなしは変ですよね」
「でも……」
何故か「奢る、奢らない」という議題に関して、どちらも譲らないという謎の状況になってしまった。
シマを「レンタル」するからには、智明が出して当然だと思うのだが、シマはあくまで智明と「友人」として出かけたいらしい。
もちろん、事が上手くいってシマとの「レンタル彼氏」の契約が終わった後も、恋人になれる可能性はゼロだとしても、友人として付き合って行けたら楽しそうだとは思う。
智明は甘い物に目がないから、カフェ巡りを断る理由もない。
だが、今の状況はあまりにもシマに頼りすぎていると思った。
智明がシマに報いるには、今のところ金銭しかなく、それを断られる訳にはいかないのだ。
「じゃあこうしましょう。土日に会う時は「トモさんの彼氏」としてデートします。これは今まで通りトモさん持ち。で、平日は「友達」として、俺の勉強兼カフェ開発に付き合って下さい。こっちは、俺持ち。どうですか?」
「……平日は割り勘」
「頑固」
「どっちが」
どっちも譲らないという姿勢を崩さない状況だったので、シマの落とし所は的確なのかもしれなかったが、やはり智明が多めに出さないと釣り合いが取れない。
平日も土日も智明と会ってくれるつもりなのは嬉しいが、シマの時間を割いて貰った上に奢って貰っては据わりが悪いので渋々代案を告げると、シマは笑いながら最後には頷いてくれてほっとする。
そのまま「平日はいつなら空いてますか?」という予定確認に移行し、デートのタイミングを見計らっていた一週間が嘘のように、さくさくと次の予定が決まっていく。
最終的に、お互いの大学や専門学校の時間割などを照らし合わせ、平日の夕方に二日、土日はお互い別の用事が入っていないか確認して、基本的には毎週どちらかは会うという事に決まった。
一人になりたくない智明としては願ってもない高頻度だけれど、シマは面倒ではないだろうかと心配になる。
だが、「楽しみですね!」と言うシマの笑顔に、嘘はなさそうだ。
むしろ授業の空きを見つけては、「ここはどうですか」と全ての隙間を埋める勢いで提案してきたのはシマの方なので、心配はいらないのかもしれない。
今はシマの強引な優しさに、甘えてしまうことにする。
「もちろん、それは俺も嬉しいけど……良いのか?」
「デートにもなって、一石二鳥です。トモさん、なかなか誘ってくれないんだもん」
「タイミング難しくて……それに、シマは忙しいだろうし」
「どこで見られているかわかりませんし、らぶらぶ彼氏が他の人とデートしてたらおかしいでしょ? 俺、トモさん以外の予定入れるつもりないですよ」
「悪い。もしかして、俺のせいでバイトに支障出てる?」
「違いますって。トモさんと、もっといっぱい会いたいなーってだけです」
シマはそう言ってくれるが、確実に智明がシマの収入源を絶ってしまっている状況なのは、確実だろう。
智明の事情に巻き込むという事は、シマの仕事に支障が出てしまうという所まで考えが及ばなかった。
大半は智明の近くにいるとはいえ、ストーカー女性の行動範囲の全てを把握出来るわけがない。
わかっていたら対策も簡単だが、むしろそれではこちらがストーカーである。
となると「本命の恋人」を演じて貰っている以上、確かにシマは別の人と気軽にデートが出来なくなる。
それならば、「忙しいかも」などと考えず、ガンガン予約を入れた方が、シマの実りは大きかったのだ。
ストーカー対策に巻き込んでおいて、変に遠慮していた智明が、全面的に悪い。
「毎日は、金銭面を考えるとちょっと難しいけど……出来るだけ予約入れるようにする」
「待って待って、そうじゃありません。契約とかじゃなくて、単に一緒に出かけたいなって話をしてるんですけど?」
「ダメだよ。シマの時間を貰ってるんだから、お金はちゃんと払う」
「俺は友達として、トモさんと遊びに行きたいんです! 友達同士なら、奢って貰いっぱなしは変ですよね」
「でも……」
何故か「奢る、奢らない」という議題に関して、どちらも譲らないという謎の状況になってしまった。
シマを「レンタル」するからには、智明が出して当然だと思うのだが、シマはあくまで智明と「友人」として出かけたいらしい。
もちろん、事が上手くいってシマとの「レンタル彼氏」の契約が終わった後も、恋人になれる可能性はゼロだとしても、友人として付き合って行けたら楽しそうだとは思う。
智明は甘い物に目がないから、カフェ巡りを断る理由もない。
だが、今の状況はあまりにもシマに頼りすぎていると思った。
智明がシマに報いるには、今のところ金銭しかなく、それを断られる訳にはいかないのだ。
「じゃあこうしましょう。土日に会う時は「トモさんの彼氏」としてデートします。これは今まで通りトモさん持ち。で、平日は「友達」として、俺の勉強兼カフェ開発に付き合って下さい。こっちは、俺持ち。どうですか?」
「……平日は割り勘」
「頑固」
「どっちが」
どっちも譲らないという姿勢を崩さない状況だったので、シマの落とし所は的確なのかもしれなかったが、やはり智明が多めに出さないと釣り合いが取れない。
平日も土日も智明と会ってくれるつもりなのは嬉しいが、シマの時間を割いて貰った上に奢って貰っては据わりが悪いので渋々代案を告げると、シマは笑いながら最後には頷いてくれてほっとする。
そのまま「平日はいつなら空いてますか?」という予定確認に移行し、デートのタイミングを見計らっていた一週間が嘘のように、さくさくと次の予定が決まっていく。
最終的に、お互いの大学や専門学校の時間割などを照らし合わせ、平日の夕方に二日、土日はお互い別の用事が入っていないか確認して、基本的には毎週どちらかは会うという事に決まった。
一人になりたくない智明としては願ってもない高頻度だけれど、シマは面倒ではないだろうかと心配になる。
だが、「楽しみですね!」と言うシマの笑顔に、嘘はなさそうだ。
むしろ授業の空きを見つけては、「ここはどうですか」と全ての隙間を埋める勢いで提案してきたのはシマの方なので、心配はいらないのかもしれない。
今はシマの強引な優しさに、甘えてしまうことにする。
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