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どくどく

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4・・・異世界のお食事情と汚職事情

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それから僕は、自分のスキルを確認しながら街へと向かった。

「んー?まだ使っていない能力は《プール》《正当署名》か・・・まずは」

僕はさっき貰ったお金の入った袋を持って[プール!」と唱えると、さっきまで手に持っていた
お金が袋がごと消えてしまった 無事収納されたようだ。それから何度か実践していく。

(どうやら《プール》の能力は、自分の資産なら出し入れが自由にできるらしい。それに言葉に出さなくても思うだけでも出し入れはできる。だがどうやら体に触れていなかったり、自分の資産でも地面に根の張った植物や 土、石、雑草のような明らかに僕が価値のない物はプールされない。この価値基準は無意識で僕が思ったことのようだ)

「ふー容量は確認出来なかったけど これは便利だ、他の能力も《正当署名》《強制徴収》以外は、ある程度確認できた。実際に使うのが楽しみだ。
あとは《契約書制作》これの「契約書の破棄は契約無効」か――これは要注意だな。」

などと考えているとどうやら街が見える位置に来ていた

「おー、ほんとにファンタジーの世界だな、見た目は中世の街並みってかんじかな?まずは 服屋に寄ってから宿屋探しだな」

そう言って僕は街の中に入って行った

この世界ではすべて共通も貨幣が使われているらしい、下から順に 石貨 銅貨 大銅貨 銀貨 大銀貨 金貨 白金貨 となっている。単位はC
石貨が、1C 銅貨が100C 大銅貨が1、000C 銀貨が10、000C 大銀貨が100,000C 金貨が1、000,000Cそして
白金貨が、金貨100枚 つまり1億Cだ


そして俺は城から、大銀貨1枚 銀貨5枚 計150,000Cが渡されていた。

「これじゃ価値がいまいちわからないな、コレで1か月。服屋で値段の確認をするかな。」

そして商店街のように店が立ち並ぶ場所に入って行った。そしてその中ほどでやっている服屋をみつけた。

「いらっしゃいませお客様、 本日はどのような物をおさがしでしょうか?」

恰幅のいいおっさん店員が話かけてきた

「あの、これで買える服を探しているんですが」
と、僕は持っていた袋から銀貨を一枚出した

「えっ銀貨ですか?・・・・ここでは上下でそれぞれ大銅貨3枚からが最低価格になっています」

そう言って商人は、何人が着まわしたかわからない服を持ってきた。
大銅貨3枚3、000Cでしかも 街の人と比べても汚いとわかる服。

「うっ!あ、あ~ じゃあその服と新しい下着を3枚、あと服を入れるための袋を」

「はい、こちらですね。なんでしたら、こちらより少し上等な服もございますが?」

そーいって出してきたのは、街の人たちが着て居る様な服だった。
確かにさっきよりはましな服だな

「え~とそれっていくらですか?」

「ん~そうですね、本来であればこちらの品、全て合わせて銀貨6枚でお売りするんですが・・・
もしよろしければ、今あなたが着ている服と交換でしたら、銀貨2枚におまけしますが?」

とニコニコしながら店員は、揉み手をしていた

(えーと 安い服が3、000cして、この制服が 40、000cで売れるのか・・それならいいか)

「えーと、じゃあそれで」

と言って俺は買ったばかりの服に着替え 銀貨二枚を支払い店を出た。

そして 服屋を後にした僕は、急に商店街の人たちから 話しかけられるようになった。

「そこの君!どうだいこの干し肉今なら安いよ!銀貨1枚だ」

「この果物は、食べるとHPが回復すると言われているんだよ!大銅貨7枚だよ!」

「これはここでしか手に入らない腕輪だよ!銀貨2まいだよ!」

「薬はいらんかね。もしもの時の為に買って行きなさい。大銅貨一枚からだよ」

「短剣、短剣はいらんか! 護身用に持っておいた方がいいぞ!銀貨5枚だ!」

「見てくれこの石、これは火の精霊の力が使える石だ、買わねえと損だぞ!銀貨6枚だぞ!」


と、さっきまで見向きもされなかったのに急に商店街の人たちが話しかけてきた

「えっと、すいません用事があるので」

と勢いに驚き、断っていった。すると後ろから

「「「「「チッ」」」」」

(ん?)

そうして少し違和感がある商店街を抜けた。

「お客さんどうだい? 一つ食べていかないか?」

と今度は商店街から離れた所にあった屋台のおっさんに呼び止められた

「ボーンラビットにクイックチキンそれにウチの目玉商品、オーク肉もあるよ」

屋台には鉄板の上で肉が焼かれていた これを串に刺してタレを塗って売っているようだ 

(あ、結構うまそうだ)

パチッ! ジュージュウ  パチッ! ジュージュウ

(ジュルリ)

「おっ、買う気になったかい?さあさあ 買った買った!!うまいぞー!」

「じゃ、じゃあ一本ください」

「あいよ!どれにするやっぱオーク肉かい?」

「いえ!!チキンでチキンでお願いします!」

(オークってやっぱあのオークだよな。さすがにそんな冒険は出来ない、でもやっぱいるんだ魔物。魔族がいる時点でもしかしてと思ってたけど、食うんだ魔物。
ハァ~ できるだけさけよ、見たことはないけど想像どうりだったら食いたくは無いな。) 

「はい!お待ち!! クイックチキン一本 銅貨1枚だ!!」
「え?安い?じゃあさっそくいただきます」

ガブッ!

( !!何だこんな肉!!、いままで食ったことないぞ。
タレはそんなに濃い味じゃないのに満足感が口いっぱいに広がる・・・これが肉の味か!?
 脂の甘み、柔らかいところはすぐ溶け、噛みごたえのある場所を包み込みさらに味が絡み合う。噛めば噛むほど味がしみ出して最後は飲み込み喉で味わう。肉で喉が広がる幸福な喉越し。少し酸味のあるタレは肉の味の邪魔を全くしない。そのたれが後味として残る。
そして次に入れる肉が掛け算の様に舌に、喉に、胃に、しみこみ訴えかける。)
ようするに

「うまい!うまいよ!おじさん!!」

「おーそうかそうか!今日獲れたばかりの奴だからな!!」

(そうか鮮度か、今まで下ろしたばかりの肉なんて食ったことないからな~
プハァ~肉うまいィ)

「それにその肉は目玉商品のオーク肉だ!サービスだぞ!! ガハハハ!」

え!?・・・嘘!これオークだったのか・・・いやまだだ、まだ希望はある!

「おじさんオーク肉ってオークの肉だよね? オークってどんな奴なんですか?」

「はあ?お前、オーク見たことないのか?オークってのは豚ずらの魔物だ!
村なんかを襲って女をさらうゴブリンなんかと同じく常時討伐依頼が出ている魔物だよ!…お前本当に知らないのか? 」

「いや~そうでしたね。はははは」

やっぱりか!!そんな女を襲うようなオークを食うなよな! ・・・ん~だけど、だけどさ

「おじさんオーク肉三本追加で」

うまいんだよなコレ!!と銀貨を渡し店の前で両手に持った肉を味わっていると。

おじさんが銀貨を見ながら
「・・・お前、まだ何も気づいてないのか?」

「ん?」


「あのなぁ、今商店街じゃ有名人だぞ?お前」

「有名人?」

「ああ、馬鹿な上客の“カモ”が来たってな」

「ん?カモ? 僕はただ服を買っただけですよ」

「・・・あのなぁ、あんな貴族でも持っていない最上級の服(制服)を、あんなぼろ服と交換したうえに銀貨2枚も払ったんだろ? そんなのカモ以外に無いだろぉが。」

「・・・」

どうやら僕は、ほんとにカモられてしまったようだ

そのあと、おじさんから教えてもらったんだが。
あの服屋で売られている服なんて 高くても値切り次第で大銅貨三枚3,000cほどで買えるらしい。

最初は、商店街の人たちも僕の服装をみて、貴族かなんかだと勘違いしていたらしく近寄れなかったらしい。
だが服屋とのやり取りで、ただのカモだと分かり売り込みをかけてきた、ということらしい。

(クソっ!やっぱりそこらへんの常識はしっかりするべきだった)

それから肉を食いながら屋台のおじさんにこの街の事を聞いていた。

「そういえば、この近くに宿屋ってないかな?」
「あーそれならすぐそこの万福亭てのの二階が宿屋だぞ 部屋は狭いが飯はうまい! 行ってみるといい」

「ありがとう。 行ってみます」

「おう!また来てくれよな!」

そして僕は宿屋へと向かった

「すいませーん」

「・・・飯か、泊まりか・・・」

店の奥から無愛想な筋肉ムキムキのおっさんが出てきた

「え、えと泊まりでお願いします、」

「・・・一泊大銅貨三枚・・・」

「じゃあ、とりあえず三泊でお願いします」

そう言って銀貨を渡した

「・・・鍵だ・・・」

鍵とお釣りの大銅貨1枚を渡して奥の厨房に行ってしまった

(無愛想だったけど夕飯は期待できるのかな?)

そして部屋に着いた僕は、夕飯まで明日の準備をして飯の後すぐ眠りに就いた。
ちなみに飯は薄味だったがなぜかうまいと感じる事が出来た。

まあこの世界のうまい料理だけは、裏切らないようだ。
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