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悠に忘れられた人たちの話
said 王城
時はさかのぼり
悠たちが召喚され 悠以外のクラスメイトが 王様と謁見していた時
「よく来た異世界の勇者たちよ、 我はこのクラストル国、国王 ルギウス3世である」
謁見の間では騎士が整列している階段の最上段で、
でっぷりと肥太った体型に豪華な衣装を身に纏い盛大な態度で椅子に座りながら自己紹介をする王がいた。
そして横には自分達を転移させた宮殿魔術師魔術師長のジュール・マルグリドの姿もある。
「そなたたちには、先の説明どうり魔王の討伐をしてもらいたい。今後の説明は係の者がする、質問、要望等はその者に言うがいい」
そういってルギウスは立ち上がり両手をひろげ
「このクラストル国の為!、人間という崇高な種族の為!、皆心して励んでくれ!!」
そういって会場中が拍手に包まれる。そして一礼し立ち去ろうとしていた すると
「ちょっと、待ってくださいませんか~王様」
と気の抜けるけるような声がした
葉山健司、だ
「王様に一つ質問があるんですけど~」
というと周りの兵たちから抑える声が聞こえてきた。
「不敬になります!今すぐに頭をお下げください!」
するとルギウスは
「よい、そちは確か異世界の勇者の職を得た者だな。 質問か、何だ? 申してみよ」
「はい王様~?、これからの僕らの地位について教えてほしいんですよ~」
「地位、じゃと?」
「ええ、僕らは、これから魔王を倒すため異世界の知識や戦闘に関する知識、スキルなどを習得する必要があると説明されました。 だがこれは僕らだけの力だけでは難しい。だからそれに伴う要求は、出来る限り国が援助するっていう確約がほしいんですよ」
いつのまにか気の抜けた口調から真剣な口調になる健司
「だったら、どこの誰とも知らない下の地位の者に命令されて動くのは真っ平ごめんだ!。僕らは命をかけるんだ!それ相応の地位と発言権が欲しい、もちろんそれにはそれ相応の成果で答える努力をしましょう!」
段々と熱くなる健司にクラスメイトも自分達の為の言葉だとわかり、
「そうだ!俺達は使いっぱしりにされるのはいやだぞ!」
「命がけなんだろ!」「だったら!こっちにも協力しろ!」
「「「そうだ!そうだ!」」」
と男子は健司の意見に賛同してきた、そして女子たちも
「そうよ!葉山君の言うとうりよ!」「葉山君が気づいてくれてよかったわ!」「さすが葉山君ね!」 (かっこよかった (ポッ)
「「「キャーキャー」」」
という始末となった。
すると騎士たちから
「沈まれ!沈まれ!ここは謁見の間王の前であるぞ!」
そしてどうにか静かになった所で王様から
「うむ、分かった。 これから勇者様方にはそれ相応の地位を授ける、さすがに政治的な発言や爵位を渡すわけにはいかんが命令権は王族である我か、ここにいる 魔術師長ジュールのみとする。あとは皆の判断に任せる、以上じゃ!」
そういってルギウスは退出していった
その後勇者たちも各々の部屋に連れて行かれ今後の説明は明日に行うことになった。
そうして王の実室では、国王ルギウスと魔術師長ジュールの二人が会話をしていた。
「ふん!忌々しい!なんだ!あの態度は!」
「ふふ、ルギウスよ落ち着け、ただの子供の駄々だ」
そう言いながらジュールはワインを傾けていた
「ふん、あのような申請に何の意味があるというのだ!あんなもの不満や問題が出たときでよいではないか!」
するとジュールは
「いや、あの者の王への申請は、 別に雑用を危惧してのものではないよ。あれは
変化してしまった状況でも自分がこの集団のリーダーだと他のものに認識させるのが目的だよ」
「・・・ふん、まあこのような不安状態で信頼を得られれば他のものも動かしやすいというわけか」
「ああ、それにそれだけじゃない。 私達へのアピールとけん制じゃな、自分はこの集団を動かせる、だから強行手段も自分次第でとれる、とな」
「ふん、どちらにしろ今はおとなしく経過を観察するしかないか。・・・・やはり忌々しい!」
「ふふふ」
そして翌朝、勇者の案内役ハーゲンが倒れ動けなくなった。なんでもステータスがすべて0になるという謎の奇病にかかったと報告があった。原因は不明だが召喚した人間の中にも0の者がおりハーゲンはその者と最後に何かしていた。という話が流れる。
王城内は一時パニックになりこの情報はすぐに街の方へも広がっていくのだった。
said 冒険者ギルド
冒険者ギルドのギルド長ブラウン・デカルトは憤慨していた。それはユウと名乗った冒険者のせいだった。そいつは自分の子飼いの冒険者パーティーを殺し。その仕返しとして奴隷に落とそうと、クエストを偽証するもこれを達成、いや成功されただけじゃなくおまけに変な契約書を書かされた。これは完全んに舐められている。
「クソが!奴らはまだもどらんのか! 高々ガキ一人にどれだけ時間をかけるのだ!」
そう言ってクリームパンんのような形の右手を机に叩きつけ怒鳴り散らしていた。
最初はチンピラにでも頼もうと思っていたが運よく王都に来ていた裏ギルド『メフィスト』の奴らがいた、何か目的あってやって来たようだがついでにと暗殺の依頼を出したのだ。だが何時までたっても報告が来ない こちらが知りうる情報は渡したのにも関わらずだ!
「クソ!おい!誰か誰かいないか!」
そう言いってブラウンは怒鳴り散らしていた。
実はブラウン、ユウの件以外の事でも焦っていた。時間が無い、と自分はもうすぐ死ぬのではないかと、その理由は王城で起きた奇病の事だ。なんでも急にステータスがゼロになり動けなくなるという病気が発生したそうだ。それが今、なんと自分の身にも起ころうとしているのだ。もうすでに【固有技能】鑑定の魔眼と[スキル]鑑定を失っている そしてステータスも日に日に少しずつだが下がっているのだ。まあこれも原因というか犯人はユウなのだが。
しかもこの事は誰にも知られてはいない。自分はこのスキルと固有技能のおかげで ギルド長になれたのだから無くなったなどと、自分からばらす訳にもいかないからだ。
そうやって部屋の中で椅子に座りながら頭を抱えていた。そんな醜態の一部始終を見られているとも知らずに、
said 宿屋 万福亭
これは悠が王都の宿屋にクコを連れてきて、過去の話を聞きいた翌朝の事だ。
クコは、自分ひとりでベッドを使ってしまい、悠に土下座をして許してもらおうと謝っていた。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」
「わかった、わかった、分かったから。今日は今から、旅用の買い物に行くんだからほら、支度して!」
と支度をさせて
「よし!じゃあ朝ごはんそ貰ってくるから待ってて」
と言うと
「…私が…行く…です」
といってクコは宿屋の一階に有る食堂へと降りて行った。
「…朝ごはん…ふたり…です」
そして店主に朝食を頼んだ
すると調理場の方からあの無愛想な店主が出てきたそして、
「・・・ ・・・」
「… …」
「・・・ ・・・」
「… …」
「・・・ ・・・」
「… …」
とお互い無言で、何かやっているのか?傍から見るとまるでにらみ合っているようにしか見えない。
そして店主が
「・・・ちょっと待ってろ・・・」
そう言って調理場から、通常の倍の量の朝食が出てきた。
「・・・あいつを呼んで来い・・・ここで食って行け」
そう言ってまた調理場の奥へと言ってしまった。クコは言われたとうり悠を呼びに行き食堂で食べそのまま旅へと出発した。
あの二人が何を話したのか、何かを伝え合っていたのかは今になっては、2人にしかわからない。
(チャンチャン!)
悠達が旅立って2日後
その宿屋の一階の酒場で5人の男女が酒を飲みながら話しをしていた。
「ぷは~ ここの酒はうめーなガハハハ」
そう言って盛大に飲んでいるのはユウにこの宿屋を紹介したり、オーク肉を売りつけたりしていた屋台のおやじ 名はグレス。
「・・・・・・・」
「ったくドズはよ~相変わらず無口だなリーシャを見習って愛想笑いぐらい覚えろよ」
そして無言のままグレスに絡まれているこの宿屋の店主、筋肉ムキムキの無口キャラ
名はドズ。
「もーそんな事よりその後どうなのよ情報はあるの?」
そしてこの女性は、ユウを担当した冒険者ギルドの受付嬢、名をリーシャ。
「いや、あの少年に関する情報はなな。他の行商人仲間に聞いたが、ここ2,3日の行方は分からんそうだ。たしかサジム、お前の店で奴隷を買ったんだろ?その時詳しく聞かなかったのか?」
「ええリーシャさんの紹介でうちに来ましたからね。でもユウさんには、国を出るのかどうか聞いて。王都からはすぐにでも出る予定だ、と言う話しかしていませんからねぇ私も詳しい方向までは」
と、返答したのはユウにクコを紹介した男。奴隷商のオーナー サジムだ。
「それにしても私の紹介だからってクコちゃんをあの子に売ってよかったの?結構苦労して見つけてそれでもギリギリになっちゃったんでしょ?」
とリーシャがサジムに話しかける。
「ええ大丈夫でしょう。それに私は助けはしましたが、救えてはいません。その役割はたぶん彼の役目になるでしょう。」
と期待の籠っためで語る。
「ふーん。で?、最後にリーダーあんたはどう思う?ここではメリクと読んでもいいんだろ?」
というグレスの言葉に最後の一人がようやく話しだす。
「ああ大丈夫だよ。それで彼の行き先だけど、きっとその奴隷の子を売った貴族のところに向かったんだろうね」
そう言ってユウの行き先を言い当てた人物。それは何と・・・最初ユウに魔物の解体方法を教えユウにオーガの魔石をプレゼントしたガスールだ。たしか彼はDクラスの冒険者だったはずだ。
だがグレスには今メリクと呼ばれた・・・・これはいったい。
「だけどよ何なんだあの少年は、最初会った時から普通じゃねえ雰囲気まとっていやがったぜ?」
「ええ、そうねスキルや魔法とかとは違う臭いがしてたは、それにあの子他人に対して興味が無さ過ぎるのよね。私を前にして名前すら聞いて来なかったし。私が名乗っても覚えていないわよ、きっとあれは。」
「そーですねぇ私の商会に来た時も私の話など聞かずクコ様ばかりに興味が御有りのようでしたから。私も覚えられていませんね」
などとグレスとリーシャとサジムが話していると 珍しくドズが話に入ってきた
「・・・だが、・・・メリクの事・・・覚えているだろう・・・」
((((コクコく))))
と一同が無言で納得する
「僕?ああ、まあ多分覚えているだろうね。と言ってもこの街で使っている偽名のガスールの方だけどね。潜入の為に使ってたんだけど、こんなことなら本名教えればよかったかな。って思っているよ。今度会ったら話しておかないとね」
とメリクはまた会う事を確信しているように言った
「そう言えばよ、その潜入捜査はどうなってんだよ、確か裏ギルド『メフィスト』がらみのことだったよな」
「うん、ここでの捜査はもう終わりだよ、どうやらあちらさんも予定外の事があったみたいで中止になりそうなんだよ」
「えーと確か 闇魔法に関する実験を人間に試していたのよね?」
「うん、詳しくは闇魔法の無詠唱と強制的な熟練度上げかな。でも唯一の成功例の個体が 何者かに殺されて、スキルがまで無くなってしまったて話だからね」
「それじゃあ お前らはこれからどうするんだ?」
「私は、今ギルド長から目を離せないのよ。いろいろ裏取らなきゃいけない事もあるし、ギルド本部のあの人からも指令も来てるし」
「まあ俺は王都での勇者の動きが気になるからドズと一緒にまだ王都だな」
「・・・(コクッ)・・・」
「私は奴隷商を続けましょう。貴族様からの情報も入り易いですし」
「そうか僕は、ちょっとユウくんを追ってみるよ。 この一連の騒動に関わっていると僕はにらんでいるからね」
「?確かに普通じゃねえとわ思ったが、さすがに俺達の敵に回るような奴じゃないと思うぜ」
「そうよ、それにあのギルド長にあんな事されても自生してたのよ、彼」
「・・・あの娘は・・・敵には回らん・・・」
「私も同意見ですね」
「いやいやそうじゃないよ、『メフィスト』に最初に手を出したのが彼なんじゃないかって僕は思っているんだよ。それじゃあそろそろ時間だお開きにしようか。」
そういって5人は立ち上がりグラスを合わせて
「「「「我ら、冒険者パーティー『黄昏の光景』再開をここに誓わん!!」」」」
そう言ってメリクとリーシャは酒場を出て行った。そしてグレスとドズとサジムだけが残された
「まったく、いつも思うがあの二人、あれで俺らより年上なんて信じられねーよな、・・・ガハハハ」
「エルフにドラゴニュートこの種族は歳分かりずらいですからねえ」
「たく、これから何か起きそうだねぇ――そんな事よりドズ、あの獣人の子やけに気に言ってるじゃねえか、もしかして孫を可愛がるお爺さん気分か?んん?」
「え、そうなのですか?」
「・・・うっさい・・・」
said 王城
時はさかのぼり
悠たちが召喚され 悠以外のクラスメイトが 王様と謁見していた時
「よく来た異世界の勇者たちよ、 我はこのクラストル国、国王 ルギウス3世である」
謁見の間では騎士が整列している階段の最上段で、
でっぷりと肥太った体型に豪華な衣装を身に纏い盛大な態度で椅子に座りながら自己紹介をする王がいた。
そして横には自分達を転移させた宮殿魔術師魔術師長のジュール・マルグリドの姿もある。
「そなたたちには、先の説明どうり魔王の討伐をしてもらいたい。今後の説明は係の者がする、質問、要望等はその者に言うがいい」
そういってルギウスは立ち上がり両手をひろげ
「このクラストル国の為!、人間という崇高な種族の為!、皆心して励んでくれ!!」
そういって会場中が拍手に包まれる。そして一礼し立ち去ろうとしていた すると
「ちょっと、待ってくださいませんか~王様」
と気の抜けるけるような声がした
葉山健司、だ
「王様に一つ質問があるんですけど~」
というと周りの兵たちから抑える声が聞こえてきた。
「不敬になります!今すぐに頭をお下げください!」
するとルギウスは
「よい、そちは確か異世界の勇者の職を得た者だな。 質問か、何だ? 申してみよ」
「はい王様~?、これからの僕らの地位について教えてほしいんですよ~」
「地位、じゃと?」
「ええ、僕らは、これから魔王を倒すため異世界の知識や戦闘に関する知識、スキルなどを習得する必要があると説明されました。 だがこれは僕らだけの力だけでは難しい。だからそれに伴う要求は、出来る限り国が援助するっていう確約がほしいんですよ」
いつのまにか気の抜けた口調から真剣な口調になる健司
「だったら、どこの誰とも知らない下の地位の者に命令されて動くのは真っ平ごめんだ!。僕らは命をかけるんだ!それ相応の地位と発言権が欲しい、もちろんそれにはそれ相応の成果で答える努力をしましょう!」
段々と熱くなる健司にクラスメイトも自分達の為の言葉だとわかり、
「そうだ!俺達は使いっぱしりにされるのはいやだぞ!」
「命がけなんだろ!」「だったら!こっちにも協力しろ!」
「「「そうだ!そうだ!」」」
と男子は健司の意見に賛同してきた、そして女子たちも
「そうよ!葉山君の言うとうりよ!」「葉山君が気づいてくれてよかったわ!」「さすが葉山君ね!」 (かっこよかった (ポッ)
「「「キャーキャー」」」
という始末となった。
すると騎士たちから
「沈まれ!沈まれ!ここは謁見の間王の前であるぞ!」
そしてどうにか静かになった所で王様から
「うむ、分かった。 これから勇者様方にはそれ相応の地位を授ける、さすがに政治的な発言や爵位を渡すわけにはいかんが命令権は王族である我か、ここにいる 魔術師長ジュールのみとする。あとは皆の判断に任せる、以上じゃ!」
そういってルギウスは退出していった
その後勇者たちも各々の部屋に連れて行かれ今後の説明は明日に行うことになった。
そうして王の実室では、国王ルギウスと魔術師長ジュールの二人が会話をしていた。
「ふん!忌々しい!なんだ!あの態度は!」
「ふふ、ルギウスよ落ち着け、ただの子供の駄々だ」
そう言いながらジュールはワインを傾けていた
「ふん、あのような申請に何の意味があるというのだ!あんなもの不満や問題が出たときでよいではないか!」
するとジュールは
「いや、あの者の王への申請は、 別に雑用を危惧してのものではないよ。あれは
変化してしまった状況でも自分がこの集団のリーダーだと他のものに認識させるのが目的だよ」
「・・・ふん、まあこのような不安状態で信頼を得られれば他のものも動かしやすいというわけか」
「ああ、それにそれだけじゃない。 私達へのアピールとけん制じゃな、自分はこの集団を動かせる、だから強行手段も自分次第でとれる、とな」
「ふん、どちらにしろ今はおとなしく経過を観察するしかないか。・・・・やはり忌々しい!」
「ふふふ」
そして翌朝、勇者の案内役ハーゲンが倒れ動けなくなった。なんでもステータスがすべて0になるという謎の奇病にかかったと報告があった。原因は不明だが召喚した人間の中にも0の者がおりハーゲンはその者と最後に何かしていた。という話が流れる。
王城内は一時パニックになりこの情報はすぐに街の方へも広がっていくのだった。
said 冒険者ギルド
冒険者ギルドのギルド長ブラウン・デカルトは憤慨していた。それはユウと名乗った冒険者のせいだった。そいつは自分の子飼いの冒険者パーティーを殺し。その仕返しとして奴隷に落とそうと、クエストを偽証するもこれを達成、いや成功されただけじゃなくおまけに変な契約書を書かされた。これは完全んに舐められている。
「クソが!奴らはまだもどらんのか! 高々ガキ一人にどれだけ時間をかけるのだ!」
そう言ってクリームパンんのような形の右手を机に叩きつけ怒鳴り散らしていた。
最初はチンピラにでも頼もうと思っていたが運よく王都に来ていた裏ギルド『メフィスト』の奴らがいた、何か目的あってやって来たようだがついでにと暗殺の依頼を出したのだ。だが何時までたっても報告が来ない こちらが知りうる情報は渡したのにも関わらずだ!
「クソ!おい!誰か誰かいないか!」
そう言いってブラウンは怒鳴り散らしていた。
実はブラウン、ユウの件以外の事でも焦っていた。時間が無い、と自分はもうすぐ死ぬのではないかと、その理由は王城で起きた奇病の事だ。なんでも急にステータスがゼロになり動けなくなるという病気が発生したそうだ。それが今、なんと自分の身にも起ころうとしているのだ。もうすでに【固有技能】鑑定の魔眼と[スキル]鑑定を失っている そしてステータスも日に日に少しずつだが下がっているのだ。まあこれも原因というか犯人はユウなのだが。
しかもこの事は誰にも知られてはいない。自分はこのスキルと固有技能のおかげで ギルド長になれたのだから無くなったなどと、自分からばらす訳にもいかないからだ。
そうやって部屋の中で椅子に座りながら頭を抱えていた。そんな醜態の一部始終を見られているとも知らずに、
said 宿屋 万福亭
これは悠が王都の宿屋にクコを連れてきて、過去の話を聞きいた翌朝の事だ。
クコは、自分ひとりでベッドを使ってしまい、悠に土下座をして許してもらおうと謝っていた。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」
「わかった、わかった、分かったから。今日は今から、旅用の買い物に行くんだからほら、支度して!」
と支度をさせて
「よし!じゃあ朝ごはんそ貰ってくるから待ってて」
と言うと
「…私が…行く…です」
といってクコは宿屋の一階に有る食堂へと降りて行った。
「…朝ごはん…ふたり…です」
そして店主に朝食を頼んだ
すると調理場の方からあの無愛想な店主が出てきたそして、
「・・・ ・・・」
「… …」
「・・・ ・・・」
「… …」
「・・・ ・・・」
「… …」
とお互い無言で、何かやっているのか?傍から見るとまるでにらみ合っているようにしか見えない。
そして店主が
「・・・ちょっと待ってろ・・・」
そう言って調理場から、通常の倍の量の朝食が出てきた。
「・・・あいつを呼んで来い・・・ここで食って行け」
そう言ってまた調理場の奥へと言ってしまった。クコは言われたとうり悠を呼びに行き食堂で食べそのまま旅へと出発した。
あの二人が何を話したのか、何かを伝え合っていたのかは今になっては、2人にしかわからない。
(チャンチャン!)
悠達が旅立って2日後
その宿屋の一階の酒場で5人の男女が酒を飲みながら話しをしていた。
「ぷは~ ここの酒はうめーなガハハハ」
そう言って盛大に飲んでいるのはユウにこの宿屋を紹介したり、オーク肉を売りつけたりしていた屋台のおやじ 名はグレス。
「・・・・・・・」
「ったくドズはよ~相変わらず無口だなリーシャを見習って愛想笑いぐらい覚えろよ」
そして無言のままグレスに絡まれているこの宿屋の店主、筋肉ムキムキの無口キャラ
名はドズ。
「もーそんな事よりその後どうなのよ情報はあるの?」
そしてこの女性は、ユウを担当した冒険者ギルドの受付嬢、名をリーシャ。
「いや、あの少年に関する情報はなな。他の行商人仲間に聞いたが、ここ2,3日の行方は分からんそうだ。たしかサジム、お前の店で奴隷を買ったんだろ?その時詳しく聞かなかったのか?」
「ええリーシャさんの紹介でうちに来ましたからね。でもユウさんには、国を出るのかどうか聞いて。王都からはすぐにでも出る予定だ、と言う話しかしていませんからねぇ私も詳しい方向までは」
と、返答したのはユウにクコを紹介した男。奴隷商のオーナー サジムだ。
「それにしても私の紹介だからってクコちゃんをあの子に売ってよかったの?結構苦労して見つけてそれでもギリギリになっちゃったんでしょ?」
とリーシャがサジムに話しかける。
「ええ大丈夫でしょう。それに私は助けはしましたが、救えてはいません。その役割はたぶん彼の役目になるでしょう。」
と期待の籠っためで語る。
「ふーん。で?、最後にリーダーあんたはどう思う?ここではメリクと読んでもいいんだろ?」
というグレスの言葉に最後の一人がようやく話しだす。
「ああ大丈夫だよ。それで彼の行き先だけど、きっとその奴隷の子を売った貴族のところに向かったんだろうね」
そう言ってユウの行き先を言い当てた人物。それは何と・・・最初ユウに魔物の解体方法を教えユウにオーガの魔石をプレゼントしたガスールだ。たしか彼はDクラスの冒険者だったはずだ。
だがグレスには今メリクと呼ばれた・・・・これはいったい。
「だけどよ何なんだあの少年は、最初会った時から普通じゃねえ雰囲気まとっていやがったぜ?」
「ええ、そうねスキルや魔法とかとは違う臭いがしてたは、それにあの子他人に対して興味が無さ過ぎるのよね。私を前にして名前すら聞いて来なかったし。私が名乗っても覚えていないわよ、きっとあれは。」
「そーですねぇ私の商会に来た時も私の話など聞かずクコ様ばかりに興味が御有りのようでしたから。私も覚えられていませんね」
などとグレスとリーシャとサジムが話していると 珍しくドズが話に入ってきた
「・・・だが、・・・メリクの事・・・覚えているだろう・・・」
((((コクコく))))
と一同が無言で納得する
「僕?ああ、まあ多分覚えているだろうね。と言ってもこの街で使っている偽名のガスールの方だけどね。潜入の為に使ってたんだけど、こんなことなら本名教えればよかったかな。って思っているよ。今度会ったら話しておかないとね」
とメリクはまた会う事を確信しているように言った
「そう言えばよ、その潜入捜査はどうなってんだよ、確か裏ギルド『メフィスト』がらみのことだったよな」
「うん、ここでの捜査はもう終わりだよ、どうやらあちらさんも予定外の事があったみたいで中止になりそうなんだよ」
「えーと確か 闇魔法に関する実験を人間に試していたのよね?」
「うん、詳しくは闇魔法の無詠唱と強制的な熟練度上げかな。でも唯一の成功例の個体が 何者かに殺されて、スキルがまで無くなってしまったて話だからね」
「それじゃあ お前らはこれからどうするんだ?」
「私は、今ギルド長から目を離せないのよ。いろいろ裏取らなきゃいけない事もあるし、ギルド本部のあの人からも指令も来てるし」
「まあ俺は王都での勇者の動きが気になるからドズと一緒にまだ王都だな」
「・・・(コクッ)・・・」
「私は奴隷商を続けましょう。貴族様からの情報も入り易いですし」
「そうか僕は、ちょっとユウくんを追ってみるよ。 この一連の騒動に関わっていると僕はにらんでいるからね」
「?確かに普通じゃねえとわ思ったが、さすがに俺達の敵に回るような奴じゃないと思うぜ」
「そうよ、それにあのギルド長にあんな事されても自生してたのよ、彼」
「・・・あの娘は・・・敵には回らん・・・」
「私も同意見ですね」
「いやいやそうじゃないよ、『メフィスト』に最初に手を出したのが彼なんじゃないかって僕は思っているんだよ。それじゃあそろそろ時間だお開きにしようか。」
そういって5人は立ち上がりグラスを合わせて
「「「「我ら、冒険者パーティー『黄昏の光景』再開をここに誓わん!!」」」」
そう言ってメリクとリーシャは酒場を出て行った。そしてグレスとドズとサジムだけが残された
「まったく、いつも思うがあの二人、あれで俺らより年上なんて信じられねーよな、・・・ガハハハ」
「エルフにドラゴニュートこの種族は歳分かりずらいですからねえ」
「たく、これから何か起きそうだねぇ――そんな事よりドズ、あの獣人の子やけに気に言ってるじゃねえか、もしかして孫を可愛がるお爺さん気分か?んん?」
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ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
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