こちらに、サインをお願いします。(笑)

どくどく

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21・・・代理人

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クコの強化を終えた俺たちは、気配察知でモンスターを見つけ狩りを続けていった。
クコにも強化した能力になれてもらうために戦闘に参加してもらっていたのだが

「またか、ゴブリン4匹だクコ頼めるか?」

「…うん…弱すぎる…です」

そうしてクコが4匹のゴブリンに向かって言った短剣で急所をついて瞬殺。

本来は、足などを攻撃して動きを止め。その後確実に一匹ずつ殺していくんだろうけど、相手がゴブリンだとクコの場合一撃必殺になってしまう。クコも少し不満そうにしていた。その後も急所をつく攻撃やワザと攻撃させて回避の練習をしていたがやっぱり物足りなさそうだった。

そしてクコががっかりしている後ろで俺も少し悩んでいた。それは、狩りの効率の悪さだ。
クコと一緒に狩りをするとモンスターの標的が殆どクコの方に向かってしまうのだ。
これでは俺の《正当署名》の効果が使えず、スキルもステータスも奪えない。
ゴブリン達はどうやら俺よりもクコをさらうのが目的の様だ。

「んーさっきの実験で俺の能力は俺しか使えないのは実証済みだし、クコ自身が《強制徴収》を使えなければ意味ないし・・・んーどうする」

と俺はブツブツいいながら考えていた。

さっきも狩りの効率を上げるために俺の能力《契約書制作》《正当署名》《強制徴収》をクコが使えるように契約書を交したのだが、全く変化が無かった。
やっぱり俺の能力は俺にしか使えないらしくステータスにも効果が無かった

「相手の殺意が、クコに移れば《正当署名》が使えないどうすれば」
と俺はクコのステータスを見ながら考えていた。
「ん?殺意、殺気、殺す気配。気か・・・・気の感知なら気配察知や危機察知で出来る。じゃあ殺意も同じように感じるんじゃ。二つを合わせて使えばより確実にわかるかもしれない。
んーでも殺意が分かったとしても《正当署名》で署名させなければ意味がないし。俺が代わりに《正当署名》だけでも使って処理出来ればな・・・・変わり、代わりか、代わりに使う。・・!!代理かっ!! そうか俺が第三者側で代理人の契約をすれば能力を渡さなくても同じような事が!!」

「…ご主人様…大丈夫?…さっきから…ちょっとこわい…です」

とクコが心配して来てくれた。
気がつくと俺は一人で地面んに向かって三角形を書きがら独り言を言っていたようだ。

(クコ、そんなに眼をそらしながら心配そうな態度を取るのはやめてくれ! 俺はお前の為にだな)

「ん、んん」

俺はワザとらしく咳払いをしてから。

「クコ、これから実験をしたいんだが付き合ってくれるか?」

「…?はい…です」

そういって俺は二枚の契約書を作りクコに渡した

「いいかクコこの一枚目は、危機察知と気配察知のスキルをレベル9まで上げる契約書だ本当は10まで上げてもいいんだが固有技能に上がってしまうと、何が起こるか分からないから一応9までにしておく、9でも相当高性能だから最初は意識して使ってくれ。そして2枚目この契約書は簡単に言えば代理契約を結ぶ契約書だ」

「…だいり…契約を頼む…契約書?…です」

「ああやっぱ分かりにくいか?まあ実際やってみるか。」

そう言ってクコにサインをしてもらってから。俺は気配察知でモンスターを探した。

「お!またゴブリンかちょうどいい。いいかクコ今渡した気配察知と危機察知を使ってゴブリンの気配を感じるられるか?」

「…はいゴブリン…3匹居る…です」

「よし、そのまま気配を感じたままゴブリンを死なない程度に攻撃を加えてくれ。するとさっきとは違う気配が加わる、それを意識してスキルを使ってくれ。」

「…分かった…です」

そうしてクコはゴブリンの前に姿を見せ、肩や足に攻撃を加えて行った。
するとゴブリン達は威嚇し武器を構えて襲ってきた

「どうだ?わかるか?」

「…ん…少し混ざって…気配濃くなったです…です。」

「よしその混ざったのが殺意の感覚だ覚えていてくれ」

そう言ってクコは、ゴブリンを殺さずに攻撃を避けて殺意の感じを覚えていった。

「よし!成功だ!!もういいぞ、こっからは俺の仕事だ」

そうして俺は契約書を作り出しゴブリンに《正当署名》を使った

〈代理受理、契約により本人への殺意を確認〉
〈代理《契約書制作》により契約書を作成〉
〈代理《正当署名》により契約が成立しました〉
そしてここから、殺されていくゴブリン達に
〈代理《強制徴収》により相手の徴収ポイントを徴収します〉

「よし!成功だ!これでクコが倒した敵のステータス、スキルが手に入るようになったな。
代理契約書に書かれた本人が殺した奴から奪ったステータスは俺に来るように出来た。ステータスは必要に応じて逐次上げて行く。ただスキルの方は渡すとすぐレベルMAXになるからそれは後で調整しながらだな、いいか?」

「…あ、あの…倒した分だけ…絶対…強くなる?…です」

「ん?ああそうだな。まあ今は倒したモンスターの半分のステータスを渡そうと思っている。」

「…ご主人様ぐらい…強く…なれる?…です」

「あ、ああ、まあ半分は俺が貰うからその分俺も強くなるけどな。今の俺くらいにはすぐなれるな」

「!!…狩りに行く…ご主人様…休んでいい…私が狩る…です」

そう言ってクコは走ってほかの獲物を探しに行ってしまった

「あっ!おいクコ!」

呼び止めたが俺の言葉はクコには届かない。

「俺の気配察知から外れると流石に代理で能力を使うのは無理なんだが」

そう言ってるうちに森からモンスターの気配がすごい勢いで消えていった。

「コラー!!ちゃんと殺意と行動を確認してから殺しなさい!!やっぱ分かってねえんじゃねえか」
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