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29・・・悠の元契約書完成。シエルの妄想が暴走。村長の「村長をやめる」発言の三本です。
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という訳で盗賊団、研究者一団の捕縛する事が出来た。
今は村人全員普通の人の格好に戻っている。人や魔物の特性によって魔人化のコントロールが難しいそうだが。なんとか、全員感覚をつかむ事が出来たようだ。
死んだのはあの研究者の筆頭だけで後は生かしてある。これから色々聞きたい事もあるし利用価値もありそうだ。
「さー後は、お前らの処遇に付いてだがどうする?村の人達からは俺に全て一任すると言っているが?」
すると、盗賊団と研究者の一団から命乞いが始まった。
「何でも話す!話します!」「俺達は雇われているだけだ」「あの研究班筆頭のジマスに従っただけだ。」「私達は研究の事は何も知りません」「俺達は雇われ兵で何も知らなかった!」
「私達もほとんどがサポートで『メフィスト』に付いても詳しくは知りません」「私は今日初めて来たばかりです!無関係です!」「私は知らなかったんだ!」「俺は反対だったんだ!」
「「「「「お願いします助けてください」」」」」
「あー、はいはい(パンパン)みなさん静粛に、静粛に」
と俺は、手を叩きながらみんなを落ち着かせる
(で?どうシエル。終わりそうか?)
〈はいマスター。盗賊団は全員殺意により契約締結 違反により徴収限界超過。よって全ステータスポイント凍結してあります。ですがやはり研究者の方は殺意が足りて無いようで契約自体が出来ていない方がいますね。やはり研究職はこの世界でも死が遠い所にあったのでしょう。まあそのせいで平気で実験材料に人間を選べるのだと思われますね。それでどうしますか?〉
(とりあえず契約した奴は殺すよ?まあ脅しにも使えるしね。)
そして俺は、契約を結べた人間からステータスを抜きながら情報収集を行って行った。
「助けて、やめてくれ!・・・うそだ!ステータスが減って行く!!・・・誰か!誰でもいい!!知っている事を全部はなしてくれ!・・・そうじゃないと俺!俺は!・・・ス、ステータスが、・・・」
とステータスを確認するように指示し一人づつステータスを少しずつ奪って行く。全部奪い取った奴は首に手を当て「グキグキ」そうして集めた情報をまとめると
どうやらこの集団はやはり裏ギルド『メフィスト』の研究班とその護衛だったようだ。
盗賊団はもと囚人、国に属していた騎士や他の下請け裏ギルド部隊でほとんどが本部本元の裏ギルド『メフィスト』の情報を持っていなかった。
だが盗賊団の部隊長と研究者は結構な情報を持っていた。
なんでもこの研究は『メフィスト』の単独での研究ではなく依頼され、研究成果研究結果を提出している相手がいると言うことだった。しかしそれが誰なのかは知らされいないらしい。だがおかしな事に帰る時は、遠回りしてとある街に毎回、必ず一泊はしていくということだった。そしてその街が・・・・
「シュベール領の主都テアリスか。・・・興味本位で聞いたんだが。めんどくさい事になりそうな予感がするな。」
と隣に立っているクコを見ると、無言で俺の事を見つめ返している。
「…………」
「クコ?行きたいか?お前の復讐相手のその街に」
そう聞くとクコは大きくうなずき自分の持っている短剣を引き抜き、暗い瞳に細長い光が差す。
「…行きたい…でも…復讐は…私だけで…する…です」
「そうか、じゃ・・・。」
俺は腰に手を当て太陽を指差して言った
「次の目的地は決まった!!次の目敵地は!シュベー「あ、あのーその前によろしいですか?」
と村長に宣言を遮られた。
(・・・え?べ、別に気にしてませんよ?カッコいいとか思って宣言やったわけじゃないですしー・・・)
「えー我々をこれからどうされるのでしょう?命を救っていただいたばかりかこんな強力な力まで貰ってしまいました。貴方は我々に何を望んでいるのでしょう?何を差し上げればよろしいんでしょかか?」
村長を含めその後ろに村人が全員整列し覚悟の決まった顔で俺の方を向いていた。
「?・・・別に何も?」
「へ?」
と村長を含め村人全員の頭上に「ポカーン」という文字が浮かんだ。
「いや、俺はみんなに要求する事なんて無いし、逆にみんなにはこの実験報酬としてステータスかスキル欲しいものをプレゼントする予定だったんだ。ほらもうみんな俺のせいで自力でのステータスの向上が出来なくなっただろ?だからある程度は謝罪も込めた数値をと思っていたんだよ。」
と言うとさらに村人たちの頭上に浮かんでいた文字が伸びた「ポカー―――――ン」
(え!伸びるのそれ!あぁ、あれに乗って空飛べるかな。飛びたいなー「ギャー」って言葉に乗って)
そんな馬鹿な事を考えていると村長が
「それは我々を自由にしその上これ以上の力を与えると言うのですか?そんな事をしていただく訳には」
「ああいいから、いいから。やっぱ想定外だったからなこの事は。そうだ、どれくらい渡すかはまだ決めてないから要望があったら聞くぞ?」
村長は村全員で話があるから、と少し待ってて欲しいと言われた。
(あ、そうだシエル。あの生き残りの研究員を脅して俺等に有利な契約書を結ばせてストック作って置くって出来ないか?)
〈契約書のストックですか?出来なくはないですか同意ではなく強制での契約の締結は取消になり契約書自体が消滅しストックにする事が出来なくなる恐れがあります。《正当証明》は相手の非がある場合の行使なので問題がないですが、元となる契約書は脅迫での制作はやめておいた方がよろしいと思います。まあこの基準は御創りになった制作者つまりマスターの基準なんですけどね〉
(そうかじゃあ、どうしよう村の人たちに丸投げするか?研究者達あんなにビクビした状態で契約なんて出来ないだろうし。)
〈いえマスター今だからこそです。脅迫ではなく救済の手として契約書をお作りになればよろしいのです。今手を差し伸べれば何も考えずすぐにサインぐらいするはずですよ。こんな紙切れぐらいと軽視する方ばかりですし確認すらせずに読み飛ばしますね。脅迫はダメですが、錯誤まで面倒みるほどやさしくは無いんですよ?マスターの作った能力は。溺れる者は藁をもつかむ、です。それが何処にも繋がっていなくても毒がべったりと塗られた藁だとしても救済と信じて、助かると希望を持って握り閉めるんです(フフフフ)〉
シエルが俺の頭の中で変な方向へ行ってしまった。
(俺の頭はそんなにスペースないと思うんだが何処へ行こうとしてるんだ)
「シエル大丈夫か?・・・まぁそれにしても、なるほど救済ね・・・救済か」
と俺は未だに自分達の処分が分からず不安になっている研究員たちを自分達が研究で使っていたダンジョンのか中に連れて行った。
「おほん!えー君達の処分は俺に一任されている。ここに連れてきたのは村の人たちには、見えないようにと言う配慮だ。今みんなは今後の自分の処遇を心配しているだろう俺は、価値の無い殺しはしたくない。と言う事で君達を見逃そうと思う。まあ今後の事を考えてこの契約書にサインしてもらう。」
と俺にそんな事を言われて、研究者の中から歯を食いしばって耐えてる奴が数名いた。
(価値の無い殺し。が自分達を価値の無い人間と言われたと思ったのか?まだプライド捨てずに悔しがる余裕があるのか。逆にすごいな)
そう言って俺は、契約書を広げた。
契約書
契約者本人(以下これを『甲』とする)に対して高石悠(以下これを『乙』とする)
が要求する制限契約。
禁止事項
原則甲は乙の意図しない行動、行為の禁止。
甲は乙に対する一切の妨害行為、妨害工作の禁止。
甲は乙の所有する特権、利権など乙の所有している物に不利益になる漏洩の禁止。
甲は今回のこの契約に対する口外、漏洩を禁止。
甲が乙に対し敵対行動、その疑いのある行動の禁止。
甲が乙に対する敵対行動の中には殺意の有無を含まれその感情自体の禁止。
甲が乙に対し徴集に対する無視、逃亡の禁止。
甲の予想知うる乙への損害に関する傍観を禁止。
甲は以上の項目を乙の類する者への行動も同様に禁止。
以上の禁止事項をそれぞれ違反した場合順次それに応じた財産が徴収の対象になる。
故意の有無によって徴収額の増額が認められる。
違反継続などによる故意と認められる違反の場合それに合った徴収額が加算され重大違反となる。
この契約違反後の甲の死後現在所持している財産を全て乙へ徴収額に加算される。
この契約の終了は契約書破棄によるもののみとする。
署名欄は本紙または別紙に記載。
署名
「こちらに、サインをお願いします(笑)」
要するに今までの契約を合わせた物だ。さらに徴収額を重複しあってサインした違反者はすぐ破産させるように調整した契約書だ。そして署名欄を別の紙に移してスペースを大幅に開けた。成功すればこれ一枚で前回までの十倍の効率、1000人以上の契約のカバーできるだろう。これはシエルの発想だ。
あとは甲と乙へのあこがれかな。
一度は使いたい『甲』と『乙』
「んーこれは、どちらも甲乙つけがたいな!」「へい!」みたいな。
そして案の上、署名欄が別紙にある事もあって全員が契約内容も流し読み程度でサインしていく。効力が無いと思っている契約書しっかり見定めて読む奴なんていないと言う訳だ。
これがこれからのエースの元契約書になって行くだろう。
(それにしても全員が立ったまま羽ペンでサインしていく・・・・すげーな、なんであれで文字が書けるんだ?俺なんかかわざわざ隣の部屋でイスとテーブル用意して書いて来たのに。)
と無事研究員26人全員と契約成立。そして俺は入口の階段の方へと歩き出した。
すると後ろから俺に向かって透明なガラス瓶が投げられた。
パリ―ン、バシャ・・・
「ん?なんだ?これ・・・うわ!くさっ!」
と俺は服にかかった液体を嗅いでみるとものすごい異臭がした。
「ふっあはははは!馬鹿め!!その液体は我々が開発した対S級モンスターの為の毒薬だ!!かけられると体内に入り血液と混ざり合いさまざまな器官に潜伏、拡大その場所の機能を強制的に停止させる。しかも真っ先に足などの移動に使う場所の筋肉から収縮弛緩の制限、停止をさせ逃亡を阻むのだ!さらに大型のモンスター用に体内での器官内増殖機能まで実現させ少量でも中で増殖し致死量に至る最強の毒薬だ!!これは伝染の恐れも無く確実に一体を殺せる毒だ。これは蠱毒の実験中に偶然出来たものだが我々はその増殖機能を使い量産に成功させた。まだ複製だと効果が安定しないがそれは原液だ!!お前が一人になり、さらに油断して無防備に後ろをさらしたのが運のつきだったな!ハァハァハア」
と結構な早口で噛まずに叫んでいた。
「油断したか!!」「なめるな!」「我々の力だ!」「思い知れ!!」「ここで終わる訳にはいかないのだ!!」「よくやった!!」「これで我々の勝ちだ!!」「さあ計画の練り直しだ!!」
そう言って段々と罵声を飛ばしていく研究員達。その中からさっきの長い説明セリフを言っていた男が息を切らしながら前に出てきた。
そして俺の前に立つ
「さあみじめに我々の前で死んで逝け!!」
そう言って研究者の男は俺を見た。そして見返す俺。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
見つめ合う俺と研究者・・・両手を開き状態を確認する俺。それを見る研究者・・・屈伸や背伸びとストレッチをする俺。それを見ながら口が徐々に開いていく研究者・・・ジャンプからのバク天バク宙をする俺。それを見ながら目を開いたまま眼球を擦る研究者・・・さっきの様に服の匂いを嗅ぎ顔をしかめる俺。それを見て効いて来たのか?と思いながらつばを飲み込む研究者・・・《プール》してあった水入りの樽と桶を出して体を洗い全裸になって新しい服に着替える俺。それをちょっと恥ずかしそうに俯きながらチラチラ見る研究者・・・それに気づき影響させて照れながらすねる俺。それを見て両手を合わせて片目を閉じながら口パクで軽く謝る研究者・・・そして臭いも取れて真顔に戻ってから。また見つめ合う俺と研究者
そしてようやく研究者のセリフ
「へ?・・・平気なの?・・ですか?」
パチン
俺が指を鳴らすそして崩れ落ちる26人。目の前には26人の死体の山が出来上がる・・・・・
「これで終わりかなシエル?」
〈はい全ての契約書制作後全員の違反を確認ステータス徴収しオール0。この部屋にのみ[威圧]を全開で展開して心停止させました。これで契約書に従い全てのステータス取得です〉
「ありがとうシエル。さて地上に戻るか」
〈はい、あっ!マスター、さっき良い感じだった研究者の方はもういいんですか?マスター×研究者ん?これはもしかして・・・・・マスター「おい!またこんな所に籠もって研究か?」研究者「な!それに触るな!それは時間をかけて作り上げた僕の大事な!、あっ」研究者の顎をつかみ親指で唇をなぞるマスター。マスター「じゃあお前になら触っていいんだろ?今度は俺が時間をかけてお前に×××かけて大事にしてやるぜ」(ハアハア)
もしくは研究者×マスター研究者「僕の研究対象はやはり君しかいないようですねさぁ君の全てを僕に研究(弄ら)させて下さい」眼鏡キラ―ン・・・・・・〉
「何も聞こえないー 何も聞かせてくれない、僕の身体が昔より 大人になったからなのかぁ!!
あれ!この流れでこの歌詞だと違う大人になっちゃうんじゃ・・・」
と地上に出た俺を待っていたのはクコだった。
「…ご主人様…お疲れ様…お帰りなさい…です」
(あー癒される。クコ、お前は何も知らなくていいんだよ?そのままのクコでいておくれ)
「…ご主人様…大人になったの?…です」
「いっや――――やーめーてー(シエルてめえ)」
orz土下座からの・・・はっダメだ!ダメだ!こ、こんな事では俺はもう挫けない。
クコの頭をなでて挫けそうな心を回復。そして俺は腰に手を当て太陽を指差した。
「気を取り直して!!改めて次の目的地は決まった!!次の目敵地は!シュベール領主都テアリス!行くっ「ユウ様!!申し訳ないが聞いていただきたい。我々は先ほど天啓を受けました。ユウ様に魔人化の手術を受けた者達でユウ様を影ながらサポートさせていただく忍。ユウ様の信者「悠撃部隊」と名乗り見守らさせてもらう事に致しました。私は村長をやめ、村長と名を改めさせていただきます。」
「えっいや、ちょっと村長?ムラオサ?急になにを」
〈マスター今度は村長とですか?ヤッパリ魔人化した村長と?んんーこれはこれで(ニヤニヤ)グヘへッ〉
「シエルその方向へ行くのはほんとやめて・・・」
「…ご主人様…さっき教えてもらった…主都テアリスは…ご主人様の…後ろの方角…です」
「・・・・・・・」
_○/|_ 土下座からの _O__ 土下寝 (ゴロゴロゴロ―)
俺、マジで今日は『乙』(チャンチャン)
今は村人全員普通の人の格好に戻っている。人や魔物の特性によって魔人化のコントロールが難しいそうだが。なんとか、全員感覚をつかむ事が出来たようだ。
死んだのはあの研究者の筆頭だけで後は生かしてある。これから色々聞きたい事もあるし利用価値もありそうだ。
「さー後は、お前らの処遇に付いてだがどうする?村の人達からは俺に全て一任すると言っているが?」
すると、盗賊団と研究者の一団から命乞いが始まった。
「何でも話す!話します!」「俺達は雇われているだけだ」「あの研究班筆頭のジマスに従っただけだ。」「私達は研究の事は何も知りません」「俺達は雇われ兵で何も知らなかった!」
「私達もほとんどがサポートで『メフィスト』に付いても詳しくは知りません」「私は今日初めて来たばかりです!無関係です!」「私は知らなかったんだ!」「俺は反対だったんだ!」
「「「「「お願いします助けてください」」」」」
「あー、はいはい(パンパン)みなさん静粛に、静粛に」
と俺は、手を叩きながらみんなを落ち着かせる
(で?どうシエル。終わりそうか?)
〈はいマスター。盗賊団は全員殺意により契約締結 違反により徴収限界超過。よって全ステータスポイント凍結してあります。ですがやはり研究者の方は殺意が足りて無いようで契約自体が出来ていない方がいますね。やはり研究職はこの世界でも死が遠い所にあったのでしょう。まあそのせいで平気で実験材料に人間を選べるのだと思われますね。それでどうしますか?〉
(とりあえず契約した奴は殺すよ?まあ脅しにも使えるしね。)
そして俺は、契約を結べた人間からステータスを抜きながら情報収集を行って行った。
「助けて、やめてくれ!・・・うそだ!ステータスが減って行く!!・・・誰か!誰でもいい!!知っている事を全部はなしてくれ!・・・そうじゃないと俺!俺は!・・・ス、ステータスが、・・・」
とステータスを確認するように指示し一人づつステータスを少しずつ奪って行く。全部奪い取った奴は首に手を当て「グキグキ」そうして集めた情報をまとめると
どうやらこの集団はやはり裏ギルド『メフィスト』の研究班とその護衛だったようだ。
盗賊団はもと囚人、国に属していた騎士や他の下請け裏ギルド部隊でほとんどが本部本元の裏ギルド『メフィスト』の情報を持っていなかった。
だが盗賊団の部隊長と研究者は結構な情報を持っていた。
なんでもこの研究は『メフィスト』の単独での研究ではなく依頼され、研究成果研究結果を提出している相手がいると言うことだった。しかしそれが誰なのかは知らされいないらしい。だがおかしな事に帰る時は、遠回りしてとある街に毎回、必ず一泊はしていくということだった。そしてその街が・・・・
「シュベール領の主都テアリスか。・・・興味本位で聞いたんだが。めんどくさい事になりそうな予感がするな。」
と隣に立っているクコを見ると、無言で俺の事を見つめ返している。
「…………」
「クコ?行きたいか?お前の復讐相手のその街に」
そう聞くとクコは大きくうなずき自分の持っている短剣を引き抜き、暗い瞳に細長い光が差す。
「…行きたい…でも…復讐は…私だけで…する…です」
「そうか、じゃ・・・。」
俺は腰に手を当て太陽を指差して言った
「次の目的地は決まった!!次の目敵地は!シュベー「あ、あのーその前によろしいですか?」
と村長に宣言を遮られた。
(・・・え?べ、別に気にしてませんよ?カッコいいとか思って宣言やったわけじゃないですしー・・・)
「えー我々をこれからどうされるのでしょう?命を救っていただいたばかりかこんな強力な力まで貰ってしまいました。貴方は我々に何を望んでいるのでしょう?何を差し上げればよろしいんでしょかか?」
村長を含めその後ろに村人が全員整列し覚悟の決まった顔で俺の方を向いていた。
「?・・・別に何も?」
「へ?」
と村長を含め村人全員の頭上に「ポカーン」という文字が浮かんだ。
「いや、俺はみんなに要求する事なんて無いし、逆にみんなにはこの実験報酬としてステータスかスキル欲しいものをプレゼントする予定だったんだ。ほらもうみんな俺のせいで自力でのステータスの向上が出来なくなっただろ?だからある程度は謝罪も込めた数値をと思っていたんだよ。」
と言うとさらに村人たちの頭上に浮かんでいた文字が伸びた「ポカー―――――ン」
(え!伸びるのそれ!あぁ、あれに乗って空飛べるかな。飛びたいなー「ギャー」って言葉に乗って)
そんな馬鹿な事を考えていると村長が
「それは我々を自由にしその上これ以上の力を与えると言うのですか?そんな事をしていただく訳には」
「ああいいから、いいから。やっぱ想定外だったからなこの事は。そうだ、どれくらい渡すかはまだ決めてないから要望があったら聞くぞ?」
村長は村全員で話があるから、と少し待ってて欲しいと言われた。
(あ、そうだシエル。あの生き残りの研究員を脅して俺等に有利な契約書を結ばせてストック作って置くって出来ないか?)
〈契約書のストックですか?出来なくはないですか同意ではなく強制での契約の締結は取消になり契約書自体が消滅しストックにする事が出来なくなる恐れがあります。《正当証明》は相手の非がある場合の行使なので問題がないですが、元となる契約書は脅迫での制作はやめておいた方がよろしいと思います。まあこの基準は御創りになった制作者つまりマスターの基準なんですけどね〉
(そうかじゃあ、どうしよう村の人たちに丸投げするか?研究者達あんなにビクビした状態で契約なんて出来ないだろうし。)
〈いえマスター今だからこそです。脅迫ではなく救済の手として契約書をお作りになればよろしいのです。今手を差し伸べれば何も考えずすぐにサインぐらいするはずですよ。こんな紙切れぐらいと軽視する方ばかりですし確認すらせずに読み飛ばしますね。脅迫はダメですが、錯誤まで面倒みるほどやさしくは無いんですよ?マスターの作った能力は。溺れる者は藁をもつかむ、です。それが何処にも繋がっていなくても毒がべったりと塗られた藁だとしても救済と信じて、助かると希望を持って握り閉めるんです(フフフフ)〉
シエルが俺の頭の中で変な方向へ行ってしまった。
(俺の頭はそんなにスペースないと思うんだが何処へ行こうとしてるんだ)
「シエル大丈夫か?・・・まぁそれにしても、なるほど救済ね・・・救済か」
と俺は未だに自分達の処分が分からず不安になっている研究員たちを自分達が研究で使っていたダンジョンのか中に連れて行った。
「おほん!えー君達の処分は俺に一任されている。ここに連れてきたのは村の人たちには、見えないようにと言う配慮だ。今みんなは今後の自分の処遇を心配しているだろう俺は、価値の無い殺しはしたくない。と言う事で君達を見逃そうと思う。まあ今後の事を考えてこの契約書にサインしてもらう。」
と俺にそんな事を言われて、研究者の中から歯を食いしばって耐えてる奴が数名いた。
(価値の無い殺し。が自分達を価値の無い人間と言われたと思ったのか?まだプライド捨てずに悔しがる余裕があるのか。逆にすごいな)
そう言って俺は、契約書を広げた。
契約書
契約者本人(以下これを『甲』とする)に対して高石悠(以下これを『乙』とする)
が要求する制限契約。
禁止事項
原則甲は乙の意図しない行動、行為の禁止。
甲は乙に対する一切の妨害行為、妨害工作の禁止。
甲は乙の所有する特権、利権など乙の所有している物に不利益になる漏洩の禁止。
甲は今回のこの契約に対する口外、漏洩を禁止。
甲が乙に対し敵対行動、その疑いのある行動の禁止。
甲が乙に対する敵対行動の中には殺意の有無を含まれその感情自体の禁止。
甲が乙に対し徴集に対する無視、逃亡の禁止。
甲の予想知うる乙への損害に関する傍観を禁止。
甲は以上の項目を乙の類する者への行動も同様に禁止。
以上の禁止事項をそれぞれ違反した場合順次それに応じた財産が徴収の対象になる。
故意の有無によって徴収額の増額が認められる。
違反継続などによる故意と認められる違反の場合それに合った徴収額が加算され重大違反となる。
この契約違反後の甲の死後現在所持している財産を全て乙へ徴収額に加算される。
この契約の終了は契約書破棄によるもののみとする。
署名欄は本紙または別紙に記載。
署名
「こちらに、サインをお願いします(笑)」
要するに今までの契約を合わせた物だ。さらに徴収額を重複しあってサインした違反者はすぐ破産させるように調整した契約書だ。そして署名欄を別の紙に移してスペースを大幅に開けた。成功すればこれ一枚で前回までの十倍の効率、1000人以上の契約のカバーできるだろう。これはシエルの発想だ。
あとは甲と乙へのあこがれかな。
一度は使いたい『甲』と『乙』
「んーこれは、どちらも甲乙つけがたいな!」「へい!」みたいな。
そして案の上、署名欄が別紙にある事もあって全員が契約内容も流し読み程度でサインしていく。効力が無いと思っている契約書しっかり見定めて読む奴なんていないと言う訳だ。
これがこれからのエースの元契約書になって行くだろう。
(それにしても全員が立ったまま羽ペンでサインしていく・・・・すげーな、なんであれで文字が書けるんだ?俺なんかかわざわざ隣の部屋でイスとテーブル用意して書いて来たのに。)
と無事研究員26人全員と契約成立。そして俺は入口の階段の方へと歩き出した。
すると後ろから俺に向かって透明なガラス瓶が投げられた。
パリ―ン、バシャ・・・
「ん?なんだ?これ・・・うわ!くさっ!」
と俺は服にかかった液体を嗅いでみるとものすごい異臭がした。
「ふっあはははは!馬鹿め!!その液体は我々が開発した対S級モンスターの為の毒薬だ!!かけられると体内に入り血液と混ざり合いさまざまな器官に潜伏、拡大その場所の機能を強制的に停止させる。しかも真っ先に足などの移動に使う場所の筋肉から収縮弛緩の制限、停止をさせ逃亡を阻むのだ!さらに大型のモンスター用に体内での器官内増殖機能まで実現させ少量でも中で増殖し致死量に至る最強の毒薬だ!!これは伝染の恐れも無く確実に一体を殺せる毒だ。これは蠱毒の実験中に偶然出来たものだが我々はその増殖機能を使い量産に成功させた。まだ複製だと効果が安定しないがそれは原液だ!!お前が一人になり、さらに油断して無防備に後ろをさらしたのが運のつきだったな!ハァハァハア」
と結構な早口で噛まずに叫んでいた。
「油断したか!!」「なめるな!」「我々の力だ!」「思い知れ!!」「ここで終わる訳にはいかないのだ!!」「よくやった!!」「これで我々の勝ちだ!!」「さあ計画の練り直しだ!!」
そう言って段々と罵声を飛ばしていく研究員達。その中からさっきの長い説明セリフを言っていた男が息を切らしながら前に出てきた。
そして俺の前に立つ
「さあみじめに我々の前で死んで逝け!!」
そう言って研究者の男は俺を見た。そして見返す俺。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
見つめ合う俺と研究者・・・両手を開き状態を確認する俺。それを見る研究者・・・屈伸や背伸びとストレッチをする俺。それを見ながら口が徐々に開いていく研究者・・・ジャンプからのバク天バク宙をする俺。それを見ながら目を開いたまま眼球を擦る研究者・・・さっきの様に服の匂いを嗅ぎ顔をしかめる俺。それを見て効いて来たのか?と思いながらつばを飲み込む研究者・・・《プール》してあった水入りの樽と桶を出して体を洗い全裸になって新しい服に着替える俺。それをちょっと恥ずかしそうに俯きながらチラチラ見る研究者・・・それに気づき影響させて照れながらすねる俺。それを見て両手を合わせて片目を閉じながら口パクで軽く謝る研究者・・・そして臭いも取れて真顔に戻ってから。また見つめ合う俺と研究者
そしてようやく研究者のセリフ
「へ?・・・平気なの?・・ですか?」
パチン
俺が指を鳴らすそして崩れ落ちる26人。目の前には26人の死体の山が出来上がる・・・・・
「これで終わりかなシエル?」
〈はい全ての契約書制作後全員の違反を確認ステータス徴収しオール0。この部屋にのみ[威圧]を全開で展開して心停止させました。これで契約書に従い全てのステータス取得です〉
「ありがとうシエル。さて地上に戻るか」
〈はい、あっ!マスター、さっき良い感じだった研究者の方はもういいんですか?マスター×研究者ん?これはもしかして・・・・・マスター「おい!またこんな所に籠もって研究か?」研究者「な!それに触るな!それは時間をかけて作り上げた僕の大事な!、あっ」研究者の顎をつかみ親指で唇をなぞるマスター。マスター「じゃあお前になら触っていいんだろ?今度は俺が時間をかけてお前に×××かけて大事にしてやるぜ」(ハアハア)
もしくは研究者×マスター研究者「僕の研究対象はやはり君しかいないようですねさぁ君の全てを僕に研究(弄ら)させて下さい」眼鏡キラ―ン・・・・・・〉
「何も聞こえないー 何も聞かせてくれない、僕の身体が昔より 大人になったからなのかぁ!!
あれ!この流れでこの歌詞だと違う大人になっちゃうんじゃ・・・」
と地上に出た俺を待っていたのはクコだった。
「…ご主人様…お疲れ様…お帰りなさい…です」
(あー癒される。クコ、お前は何も知らなくていいんだよ?そのままのクコでいておくれ)
「…ご主人様…大人になったの?…です」
「いっや――――やーめーてー(シエルてめえ)」
orz土下座からの・・・はっダメだ!ダメだ!こ、こんな事では俺はもう挫けない。
クコの頭をなでて挫けそうな心を回復。そして俺は腰に手を当て太陽を指差した。
「気を取り直して!!改めて次の目的地は決まった!!次の目敵地は!シュベール領主都テアリス!行くっ「ユウ様!!申し訳ないが聞いていただきたい。我々は先ほど天啓を受けました。ユウ様に魔人化の手術を受けた者達でユウ様を影ながらサポートさせていただく忍。ユウ様の信者「悠撃部隊」と名乗り見守らさせてもらう事に致しました。私は村長をやめ、村長と名を改めさせていただきます。」
「えっいや、ちょっと村長?ムラオサ?急になにを」
〈マスター今度は村長とですか?ヤッパリ魔人化した村長と?んんーこれはこれで(ニヤニヤ)グヘへッ〉
「シエルその方向へ行くのはほんとやめて・・・」
「…ご主人様…さっき教えてもらった…主都テアリスは…ご主人様の…後ろの方角…です」
「・・・・・・・」
_○/|_ 土下座からの _O__ 土下寝 (ゴロゴロゴロ―)
俺、マジで今日は『乙』(チャンチャン)
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