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気持ち
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「白宝石ですか、それは珍しい」
一方魔界では、司令官の部屋でラビが進捗報告をしていた。
白宝石の話をすると、司令官は嬉しそうな声でそう言った。クールでドライな司令官がそんな声を出すことの方がよほど珍しいとラビは思う。
「現物はここにはないですけど、おれが確認しました」
「ラビさんのことは信頼してますよ。いやはや、ミリーさんが白宝石ですか」
ふふ、と堪えきれない笑いまで漏れている。ミリーの落ちこぼれっぷりはよく理解している司令官だから、無理もないのかもしれない。
「ラビさんはご存知でしょうが、白宝石は主に淫魔だけが作り出すことのできる宝石です。他の悪魔たちではなかなか作ることはできない。悪魔と人間、どちらの気持ちもプラス方向に共鳴し合うということは難しいですから」
「はい、知ってます。おれも作れたことはないし、初めて見ました」
本当に想い合う二人が交わってできるもの、というのは噂程度の話とラビは思っていたが、司令官が言う『気持ちが共鳴し合う』というのが、つまりそれのことなのだろう。であれば、自分が作れないのは当たり前だとラビは思う。
けれど、田加井とミリーの二人なら、あり得るのだろうか?
ラビは考えを巡らせる。もしかしたら、あり得なくもないのかもしれない。二人のセックスを間近で見ていたからこそ、そう思う。
人間と淫魔が本当の意味で惹かれ合って想い合うこと。それは、そう言葉にするよりもずっとずっと難しいことだった。
それからの田加井とミリーの二人は順調に宝石集めを頑張っていた。
「あっ、あっ♡♡ん……ッ♡たかい、さん……っ♡」
「ミリー、つらくないか?」
「だいじょぶ、です……!♡」
部屋にはぐちゅ♡ぐちゅっ♡と濡れた音が響く。触れ合うたびに気遣う田加井の言葉が、ミリーは嬉しくてもどかしかった。
田加井に対しては、もう気持ち悪さはひとつも感じることはなかった。ふいに触れられるとびくっと反応してしまうけれど、田加井だとわかっているから何も怖くなかった。
積極的にミリーのほうから唇を合わせて、昼でも夜でもお誘いをした。
田加井はといえば、その誘いを断れたことは一度もない。これまで無欲だった訳ではないが、恋人はしばらく居なかったし誰かとセックスをすること自体久しぶりだった。するときも淡白という訳でもなかったが、こんなにも激しく相手を求める気持ちが湧いたことはなかったし、何度も何度も中に出すなんてことはしたことがなかった。
けれど今は、体力に無理がないときには暇さえあればミリーと触れ合い、セックスしていた。軽い触れ合いやキスから始まって、それで終われたことはない。
ミリーのうるうるとした赤い唇に触れて小さな舌を吸って、そうするだけでとろりと蕩ける瞳を見ると、抑えがきかなくなる。
熱い声でミリーの名前を呼んで、壊れてしまうんじゃないかと思うくらいに強く抱き締めて、ミリーが気持ちよくてとろとろになってしまうまで身体を味わって、ミリーが意識を飛ばすまで抱き潰してしまう。
「アッ、あ、や♡ぁ♡♡はあっ、ん……ッ♡は、あ♡ そ、そこっ♡♡ きもちぃッ……♡♡♡」
「俺も、気持ちいいよ……っ♡」
ぐちゅ♡ぐちゅッ♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱんッ♡ぱちゅ♡ぱちゅ♡ぱちゅッ♡ぱちゅッ♡♡
濡れた声に塗れて、部屋中が甘い空気で満たされている。まるで恋人同士のように睦み合って、確かに胸の中に愛しさを感じながら抱き合っている。
好きだ、と、ふいに口から溢れたこともある。
ただそれが、本当にミリーのことを好きになってしまったのか、それともその感情の昂りさえ淫魔のフェロモンによるものなのか、田加井の脳裏にはいつも疑問がチラついていた。
自分の気持ちがはっきりとわからないというのは、どうにもスッキリしないものだった。
こんなにも愛おしくて、恋人のように抱き合っているのに、それが偽りの感情なのかもしれないと思うと、途端に虚しさを感じるときがある。
それがどうしようもなく、胸を締めつけて切ない。
一方魔界では、司令官の部屋でラビが進捗報告をしていた。
白宝石の話をすると、司令官は嬉しそうな声でそう言った。クールでドライな司令官がそんな声を出すことの方がよほど珍しいとラビは思う。
「現物はここにはないですけど、おれが確認しました」
「ラビさんのことは信頼してますよ。いやはや、ミリーさんが白宝石ですか」
ふふ、と堪えきれない笑いまで漏れている。ミリーの落ちこぼれっぷりはよく理解している司令官だから、無理もないのかもしれない。
「ラビさんはご存知でしょうが、白宝石は主に淫魔だけが作り出すことのできる宝石です。他の悪魔たちではなかなか作ることはできない。悪魔と人間、どちらの気持ちもプラス方向に共鳴し合うということは難しいですから」
「はい、知ってます。おれも作れたことはないし、初めて見ました」
本当に想い合う二人が交わってできるもの、というのは噂程度の話とラビは思っていたが、司令官が言う『気持ちが共鳴し合う』というのが、つまりそれのことなのだろう。であれば、自分が作れないのは当たり前だとラビは思う。
けれど、田加井とミリーの二人なら、あり得るのだろうか?
ラビは考えを巡らせる。もしかしたら、あり得なくもないのかもしれない。二人のセックスを間近で見ていたからこそ、そう思う。
人間と淫魔が本当の意味で惹かれ合って想い合うこと。それは、そう言葉にするよりもずっとずっと難しいことだった。
それからの田加井とミリーの二人は順調に宝石集めを頑張っていた。
「あっ、あっ♡♡ん……ッ♡たかい、さん……っ♡」
「ミリー、つらくないか?」
「だいじょぶ、です……!♡」
部屋にはぐちゅ♡ぐちゅっ♡と濡れた音が響く。触れ合うたびに気遣う田加井の言葉が、ミリーは嬉しくてもどかしかった。
田加井に対しては、もう気持ち悪さはひとつも感じることはなかった。ふいに触れられるとびくっと反応してしまうけれど、田加井だとわかっているから何も怖くなかった。
積極的にミリーのほうから唇を合わせて、昼でも夜でもお誘いをした。
田加井はといえば、その誘いを断れたことは一度もない。これまで無欲だった訳ではないが、恋人はしばらく居なかったし誰かとセックスをすること自体久しぶりだった。するときも淡白という訳でもなかったが、こんなにも激しく相手を求める気持ちが湧いたことはなかったし、何度も何度も中に出すなんてことはしたことがなかった。
けれど今は、体力に無理がないときには暇さえあればミリーと触れ合い、セックスしていた。軽い触れ合いやキスから始まって、それで終われたことはない。
ミリーのうるうるとした赤い唇に触れて小さな舌を吸って、そうするだけでとろりと蕩ける瞳を見ると、抑えがきかなくなる。
熱い声でミリーの名前を呼んで、壊れてしまうんじゃないかと思うくらいに強く抱き締めて、ミリーが気持ちよくてとろとろになってしまうまで身体を味わって、ミリーが意識を飛ばすまで抱き潰してしまう。
「アッ、あ、や♡ぁ♡♡はあっ、ん……ッ♡は、あ♡ そ、そこっ♡♡ きもちぃッ……♡♡♡」
「俺も、気持ちいいよ……っ♡」
ぐちゅ♡ぐちゅッ♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱん♡ぱんッ♡ぱちゅ♡ぱちゅ♡ぱちゅッ♡ぱちゅッ♡♡
濡れた声に塗れて、部屋中が甘い空気で満たされている。まるで恋人同士のように睦み合って、確かに胸の中に愛しさを感じながら抱き合っている。
好きだ、と、ふいに口から溢れたこともある。
ただそれが、本当にミリーのことを好きになってしまったのか、それともその感情の昂りさえ淫魔のフェロモンによるものなのか、田加井の脳裏にはいつも疑問がチラついていた。
自分の気持ちがはっきりとわからないというのは、どうにもスッキリしないものだった。
こんなにも愛おしくて、恋人のように抱き合っているのに、それが偽りの感情なのかもしれないと思うと、途端に虚しさを感じるときがある。
それがどうしようもなく、胸を締めつけて切ない。
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