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第1-3章 徳妃付侍女→紅玉宮妃(新版)
「徳妃様は慈愛に満ちていました」
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「ああああ、やってしまったぁぁっ……!」
後宮に戻って自室に帰ってきたわたしは、勢いだけで暁明様に自分の想いを打ち明けてしまったことを振り返り、寝具の上で恥ずかしさと後悔でいっぱいになりながら転がり回った。
だって相手は春華国における第五皇子であらせられる紅玉宮殿下。いくら彼とわたしが互いに望んでも婚姻が許されるとは到底思えない。愛妾になれればまだいい方で、金輪際暁明様に近寄るなと永久追放を言い渡されてもおかしくない。
とはいえ暁明様がわたしに好意を寄せているのは公然の事実。わたしがかの方の想いを受け入れたと知れ渡るのは時間の問題に違いない。
じゃあ早いうちに打ち明けた方が傷は浅い、と覚悟を決めて徳妃様に今日のあらましを報告したところ……、
「そうか。大義であったぞ」
「はい?」
徳妃様はとても優しい笑顔でわたしを褒め称えてきた。
わたしは困惑する他無かった。
更に付け加えるなら、そんな反応を示したわたしに対して徳妃様は怪訝な表情を浮かべたのだからなおたちが悪い。
「あの、よろしかったんですか?」
「ん? ああ、もしや貴様、自分では到底紅玉宮と釣り合わない、どうせ許されないだろう、などとくだらぬ考えを抱いておったのか?」
「普通はそう考えますって……! だって暁明様は恐れ多くも春華国の皇子であらせられるんですよ?」
「紅玉宮が名前で呼ぶことを許している時点で何を今更じゃろうが」
ごもっともな指摘にぐうの音も出ないわたし。呆れ果てる徳妃様。
周りの同僚たる侍女達はどうもわたしを非難するような眼差しを送っている……気がするのはわたしの思い違いかしら?
「身分の差を理由にあげるなら些事じゃな。皇太子殿下を筆頭に優秀な皇子が揃っている中で紅玉宮が皇帝の座につく確率は無に等しい。かと言って有力豪族や官僚の娘をあてがうほど紅玉宮も妾も地位に固執はしておらぬ」
「えっと……つまり、政略的な婚姻は考えていない、と?」
「そうじゃ。無論紅玉宮に相応しい女子をあてがいたいとの親心はあるぞ。いくら人格、家柄が申し分なかろうとそりが合わなければ互いに不幸せになるだけじゃからな」
「ですけど、暁明様は……その……なんて言いましょうか」
「一目惚れ、であろう?」
わたしがあの方の目に留まったのは帝都での一件があったからだ。それから成り行き上後宮に務める他なかったわたしは彼と再会して、それ以降彼の方から積極的にわたしと交流を深めていったんだ。
最初のうちは年下の男の子って印象に過ぎなかった。それが親しくなるにつれてあの方と一緒にいる時間が楽しくなってきたし、楽しみになってきたんだ。
いつの間にかわたしの方から彼を求めるようになった。そう気付いた頃にはそれが恋だと自覚した。
「いいんですか? どこの馬の骨とも分からないわたしが選ばれても」
「あのなあ雪慧。妾もただ紅玉宮の恩人だからと貴様を重宝してきたわけではないぞ。今までの間、常に妾の息子に相応しい相手かを見定めておったのじゃ」
「そうされるのは当然だとわたしも思いますが……お眼鏡にかなったと?」
「うむ。託しても良い、との考えに妾は至ったぞ」
「徳妃様……」
許可をいただけた、と感動した自分に呆れてしまいたかった。皇子と添い遂げるなんて一大事はそんな単純に片付けられる筈がないのに。
感情が理性をねじ伏せている、と自覚はあったけれど、なお改めたくないと考えてしまうほどわたしは恋の虜になってしまったのか。
「大体なあ、かなり遅くなかったか? 紅玉宮は貴様に救われたその時には一目惚れしておきながら、まずは良好な関係を構築するなどと呑気に言っておったからな」
「確かに。雪慧の方から心を開いてくれるまでは地道に付き合う、と仰っていましたっけ」
「最初は事務的な応対だった雪慧も紅玉宮殿下の魅力にころっといっちゃったのよね」
「我々は殿下の想いが報われたこと、大変喜ばしく思っています」
そんな感じに侍女頭を始めとする侍女達が徳妃様に同調するものだから、祝福されているのかからかわれているのか、はたまたは呆れられているのかが判断つかず、わたしは苦笑いを浮かべるしかなかった。
けれど、好き放題言い合った後、彼女達はわたしに微笑みかけてきた。特に徳妃様は慈愛に満ちた想いがこもっているようで、わたしは彼女から実の母のような優しさと強さを感じた。
「雪慧よ。どうかこれからも妾の愛する息子を支えてやってくれ」
「……。はい、天に誓って必ずや」
そして徳妃様……いえ、暁明様の母君からくだされた命令を、わたしの全てをかけてでも果たそうと心から誓ったのだった。
「さて、そうと決まればそれ相応の準備をしていかぬとな」
「準備、ですか?」
……と、そこまでで終わっていたらその場面は暁明様とわたしが織りなす恋愛劇を盛り上げる一幕だったんだろうけれど、そうは問屋が卸さなかった。むしろ徳妃様や侍女達がやる気に満ち溢れだしたのだ。
「当たり前であろう。紅玉宮はもうじき成人の儀を迎える。大人の仲間入りするということは、紅玉宮が大黒柱となる家族を作ることも可能となるんじゃろう?」
「えっと、まさかですけれど……」
「紅玉宮、十中八九成人の儀を終えた直後に暁明と夫婦になるつもりじゃろうな」
あまりにも突然突きつけられた可能性にわたしはめまいを覚えた。
いや、冷静に考えたら暁明様ならやりかねないと納得出来るのだけれど、無意識のうちに頭の中から外していたんだ。
だって、あまりにも現実離れしていたから。わたしが皇子様と結ばれるなんて。
「皇帝陛下は寛大じゃ。紅玉宮本人と妾が望めば問題なかろう。問題は皇太后様じゃが……皇帝、皇后両陛下からのお許しを後ろ盾として言いくるめる他あるまいな」
「では許可していただけることを前提として準備を進めましょう。婚姻の儀については通常でしたら宮廷側が主体となって執り行いますが、決まりに従って我々で準備を進めてもよろしいですか?」
「後宮勤めの女官が皇族に見初められた場合は後宮が主体となる決まりだったか。うむ、我らで催すべきじゃろう」
「畏まりました。直ちに取り掛かります」
侍女達は恭しく一礼すると、侍女頭と文月を除いて足早に退室していった。直前のやり取りだけで今後の方針を定めて行動に移る手際の良さは相変わらず凄いとの感想を抱いた。むしろ一番下っ端なわたしの為だから気まずさすら感じた。
「で、だ。今の皇帝陛下は寛大じゃから女官程度であれば個人を評価しておれば良かった。しかし皇子妃となれば全く勝手が違う」
「一族全てを調査されなきゃ駄目、ですよね」
春華国では罪人が裁かれる場合、一族にまで罰が及ぶ。それだけ一族の繋がりが重要視されている証なのだけれど、それはすなわち本人に何も問題なくても一族の誰かが罪を犯してしまったら汚点とみなされてしまう。
正直わたしはそんな価値観には複雑な心境だ。
自分の尻ぐらい自分で拭うし馬鹿馬鹿しいと思う反面、一族の罪は自分も償うべきだとの考えも持っている。結局は肉親を罰せられたくなかったら規律を守れ、との国のお達しだろうと納得させて今に至る。
「北伯候領の出身だとは聞いておるが、親は元気にしておるか?」
「多分。たまにわたしから一方的に文は送ってしますがいつも返事が無いので」
「ん? 貴様だけじゃなく親も文字の読み書きが出来るのか? それなりの家柄なのだな。では娘を息子の嫁とする旨の手紙をしたためるから、家の事情を教えるがよい」
「んー……」
わたしは少しの間悩んだ。何しろ故郷から旅立って見識を広げる為に春華国中を回っていたのは家の方針だ。まだ帝都にしか来ていないのに勝手に暁明様に嫁ぎました、と報告して許される自信が無い。
「はあ? 貴様の親が何者だろうと皇帝陛下の勅命は絶対だ。事後報告でも問題ないというのに何が不安なのだ?」
「じゃあ告白しますけれど、わたしは――」
ここでわたしは初めて出自を明かした。
すると徳妃様も分かっていただけたようで、深刻な面持ちで頭を抱えたのだった。
後宮に戻って自室に帰ってきたわたしは、勢いだけで暁明様に自分の想いを打ち明けてしまったことを振り返り、寝具の上で恥ずかしさと後悔でいっぱいになりながら転がり回った。
だって相手は春華国における第五皇子であらせられる紅玉宮殿下。いくら彼とわたしが互いに望んでも婚姻が許されるとは到底思えない。愛妾になれればまだいい方で、金輪際暁明様に近寄るなと永久追放を言い渡されてもおかしくない。
とはいえ暁明様がわたしに好意を寄せているのは公然の事実。わたしがかの方の想いを受け入れたと知れ渡るのは時間の問題に違いない。
じゃあ早いうちに打ち明けた方が傷は浅い、と覚悟を決めて徳妃様に今日のあらましを報告したところ……、
「そうか。大義であったぞ」
「はい?」
徳妃様はとても優しい笑顔でわたしを褒め称えてきた。
わたしは困惑する他無かった。
更に付け加えるなら、そんな反応を示したわたしに対して徳妃様は怪訝な表情を浮かべたのだからなおたちが悪い。
「あの、よろしかったんですか?」
「ん? ああ、もしや貴様、自分では到底紅玉宮と釣り合わない、どうせ許されないだろう、などとくだらぬ考えを抱いておったのか?」
「普通はそう考えますって……! だって暁明様は恐れ多くも春華国の皇子であらせられるんですよ?」
「紅玉宮が名前で呼ぶことを許している時点で何を今更じゃろうが」
ごもっともな指摘にぐうの音も出ないわたし。呆れ果てる徳妃様。
周りの同僚たる侍女達はどうもわたしを非難するような眼差しを送っている……気がするのはわたしの思い違いかしら?
「身分の差を理由にあげるなら些事じゃな。皇太子殿下を筆頭に優秀な皇子が揃っている中で紅玉宮が皇帝の座につく確率は無に等しい。かと言って有力豪族や官僚の娘をあてがうほど紅玉宮も妾も地位に固執はしておらぬ」
「えっと……つまり、政略的な婚姻は考えていない、と?」
「そうじゃ。無論紅玉宮に相応しい女子をあてがいたいとの親心はあるぞ。いくら人格、家柄が申し分なかろうとそりが合わなければ互いに不幸せになるだけじゃからな」
「ですけど、暁明様は……その……なんて言いましょうか」
「一目惚れ、であろう?」
わたしがあの方の目に留まったのは帝都での一件があったからだ。それから成り行き上後宮に務める他なかったわたしは彼と再会して、それ以降彼の方から積極的にわたしと交流を深めていったんだ。
最初のうちは年下の男の子って印象に過ぎなかった。それが親しくなるにつれてあの方と一緒にいる時間が楽しくなってきたし、楽しみになってきたんだ。
いつの間にかわたしの方から彼を求めるようになった。そう気付いた頃にはそれが恋だと自覚した。
「いいんですか? どこの馬の骨とも分からないわたしが選ばれても」
「あのなあ雪慧。妾もただ紅玉宮の恩人だからと貴様を重宝してきたわけではないぞ。今までの間、常に妾の息子に相応しい相手かを見定めておったのじゃ」
「そうされるのは当然だとわたしも思いますが……お眼鏡にかなったと?」
「うむ。託しても良い、との考えに妾は至ったぞ」
「徳妃様……」
許可をいただけた、と感動した自分に呆れてしまいたかった。皇子と添い遂げるなんて一大事はそんな単純に片付けられる筈がないのに。
感情が理性をねじ伏せている、と自覚はあったけれど、なお改めたくないと考えてしまうほどわたしは恋の虜になってしまったのか。
「大体なあ、かなり遅くなかったか? 紅玉宮は貴様に救われたその時には一目惚れしておきながら、まずは良好な関係を構築するなどと呑気に言っておったからな」
「確かに。雪慧の方から心を開いてくれるまでは地道に付き合う、と仰っていましたっけ」
「最初は事務的な応対だった雪慧も紅玉宮殿下の魅力にころっといっちゃったのよね」
「我々は殿下の想いが報われたこと、大変喜ばしく思っています」
そんな感じに侍女頭を始めとする侍女達が徳妃様に同調するものだから、祝福されているのかからかわれているのか、はたまたは呆れられているのかが判断つかず、わたしは苦笑いを浮かべるしかなかった。
けれど、好き放題言い合った後、彼女達はわたしに微笑みかけてきた。特に徳妃様は慈愛に満ちた想いがこもっているようで、わたしは彼女から実の母のような優しさと強さを感じた。
「雪慧よ。どうかこれからも妾の愛する息子を支えてやってくれ」
「……。はい、天に誓って必ずや」
そして徳妃様……いえ、暁明様の母君からくだされた命令を、わたしの全てをかけてでも果たそうと心から誓ったのだった。
「さて、そうと決まればそれ相応の準備をしていかぬとな」
「準備、ですか?」
……と、そこまでで終わっていたらその場面は暁明様とわたしが織りなす恋愛劇を盛り上げる一幕だったんだろうけれど、そうは問屋が卸さなかった。むしろ徳妃様や侍女達がやる気に満ち溢れだしたのだ。
「当たり前であろう。紅玉宮はもうじき成人の儀を迎える。大人の仲間入りするということは、紅玉宮が大黒柱となる家族を作ることも可能となるんじゃろう?」
「えっと、まさかですけれど……」
「紅玉宮、十中八九成人の儀を終えた直後に暁明と夫婦になるつもりじゃろうな」
あまりにも突然突きつけられた可能性にわたしはめまいを覚えた。
いや、冷静に考えたら暁明様ならやりかねないと納得出来るのだけれど、無意識のうちに頭の中から外していたんだ。
だって、あまりにも現実離れしていたから。わたしが皇子様と結ばれるなんて。
「皇帝陛下は寛大じゃ。紅玉宮本人と妾が望めば問題なかろう。問題は皇太后様じゃが……皇帝、皇后両陛下からのお許しを後ろ盾として言いくるめる他あるまいな」
「では許可していただけることを前提として準備を進めましょう。婚姻の儀については通常でしたら宮廷側が主体となって執り行いますが、決まりに従って我々で準備を進めてもよろしいですか?」
「後宮勤めの女官が皇族に見初められた場合は後宮が主体となる決まりだったか。うむ、我らで催すべきじゃろう」
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「で、だ。今の皇帝陛下は寛大じゃから女官程度であれば個人を評価しておれば良かった。しかし皇子妃となれば全く勝手が違う」
「一族全てを調査されなきゃ駄目、ですよね」
春華国では罪人が裁かれる場合、一族にまで罰が及ぶ。それだけ一族の繋がりが重要視されている証なのだけれど、それはすなわち本人に何も問題なくても一族の誰かが罪を犯してしまったら汚点とみなされてしまう。
正直わたしはそんな価値観には複雑な心境だ。
自分の尻ぐらい自分で拭うし馬鹿馬鹿しいと思う反面、一族の罪は自分も償うべきだとの考えも持っている。結局は肉親を罰せられたくなかったら規律を守れ、との国のお達しだろうと納得させて今に至る。
「北伯候領の出身だとは聞いておるが、親は元気にしておるか?」
「多分。たまにわたしから一方的に文は送ってしますがいつも返事が無いので」
「ん? 貴様だけじゃなく親も文字の読み書きが出来るのか? それなりの家柄なのだな。では娘を息子の嫁とする旨の手紙をしたためるから、家の事情を教えるがよい」
「んー……」
わたしは少しの間悩んだ。何しろ故郷から旅立って見識を広げる為に春華国中を回っていたのは家の方針だ。まだ帝都にしか来ていないのに勝手に暁明様に嫁ぎました、と報告して許される自信が無い。
「はあ? 貴様の親が何者だろうと皇帝陛下の勅命は絶対だ。事後報告でも問題ないというのに何が不安なのだ?」
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