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Interlude1 アレクサンドラのその後
元王太子アルフォンソの陥落(後)
そして、アルフォンソは正式に王家より追放された。
民も土地も無き名ばかりの公爵になり自由を得たアルフォンソは、真っ先にルシアへの面会を願った。
彼自身それが許されるとは思っていなかった。それでも何とかして父である国王を説得出来ないか、と寝る間も惜しんで考えていたが……、
「いいんじゃありませんか? 積もる話もあるでしょうし」
なんとアレクサンドラが国王を説得し、承認されたのだった。
これには国王夫妻はおろかジェラールも驚いたのだという。
「……何のつもりだ?」
「直に会いたい、会ってやってほしいことがある、とルシアに願われたんですよね」
アレクサンドラはジェラールが兄を咎めるのを制してアルフォンソに相対し、微笑を湛える。それはまるであの断罪劇を彷彿とさせる、ルシアの言葉を借りるなら「悪いことを考えてる時の笑顔」だった。
ちなみにアレクサンドラがアルフォンソに送られてきた手紙の内容を知っていることについては疑問に思っていない。幽閉中の彼に送られる手紙等は全て中身を確認されている。それに彼女が関わっていたとしても何も不思議ではない。
「ますます分からんな。お前を破滅させようとした私達への仕返しとして生涯離れ離れにしてやる、と思っていてもおかしくないからな」
「建前を並べてごまかしてもいいんですけど、折角の機会ですもの。本音を語ってあげますわ。ただし、それを貴方様が理解するかは別問題ですけれど」
アレクサンドラは優雅に髪をかきあげた。学生時代は少し背伸びしている印象を覚えたが、子を生み母となった今の彼女のその動作は実に様になっていた。淑女の模範、と讃えられる日も近いかもしれない。そうアルフォンソは素直に感想を抱いた。
「ルシアが修道院行きになってアルフォンソ様が聖戦で負けた。それで『どきエデ』はエンディングを迎えたんです。後はエピローグで私とジェラールが挙式を上げて大団円。終幕ですね」
「……は?」
そんな彼女から語られる話をアルフォンソは最初のうち頭の中に入れられなかった。
何らかの劇や物語の類を例えているんだろう、と強引に解釈して自分を納得させた。
「そして私達は『次』に向けての布石を打っていっているわけです。『次』を破綻させないよう細心の注意を払いつつ、ね」
「『次』……? 一体何を言っているんだ?」
「今は分からなくて結構。ただ、私は彼女が何をするかを期待している、とだけ」
聞くんじゃなかった、と後悔しても遅かった。
ルシアとアレクサンドラの間には自分の知らない関係が築かれている。そしてそれはアルフォンソの……いや、目の前の立派になったジェラールを含めて周囲の者達全員を巻き添えにすることになるだろう、との確信もあった。
また振り回されるのか、との得体の知れない恐怖もあったし、まだルシアが自分を求めていることに歓喜もした。ただ、アルフォンソは二人がもたらす刺激に今後も付き合わされることになる、と予感し、あの断罪の時のように戦慄した。
■■■
「アルフォンソ様ぁ! 会いたかったです……!」
そうしてついに再会を果たしたルシアは、アルフォンソに会うなり彼に思いっきり抱きついた。目尻に涙を浮かべて見上げてくる愛しの女性は娘を生んでもなお可愛らしく、そして魅力的に彼の目には映った。
神に祈りを捧げるために身を清めているのか、彼女からはほのかにいい匂いがただよってくる。それは彼女の温もりと柔らかさと合わさって戦場、そして幽閉生活を経たアルフォンソの理性を大いに揺さぶってきた。
「遅れてすまなかった。けれどこうして帰ってこれた。全てルシアのおかげだ」
「信じてました、アルフォンソ様はきっと戻ってきてくれるって……!」
アルフォンソがルシアの頭を撫でるとルシアはほのかに笑った。それが学園時代の幸せだったひと時を思い出させて、アルフォンソも自然と顔を綻ばせる。そしてまた彼女が愛おしくなり、強く抱きしめる。
何だ、やっぱり気の所為だったんだ。あの断罪の場での豹変ぶりも、匿名を装った助言も、アレクサンドラの確信だってそうだ。ルシアはルシアのまま、自分が惹かれてやまなかった少女じゃないか。
「ダリアのことはすまなかった。私が至らなかったばかりに」
「いいんです。今のわたし達じゃああの子は幸せに出来ませんから……」
「悲しむことはない。いつか必ず迎えに行こう。私達二人で」
「……はい!」
それからアルフォンソとルシアはお互いのことを語り合った。修道院生活はどうだったか、戦場ではどのように戦ったか、捕らえられてどう切り抜けたか、ダリアのこと、今後の展望、など、話題は尽きなかった。
それにしても、とアルフォンソはふと気になった。厳格な修道院と聞いていたからてっきり面会にも見張りが付くか、格子窓越しでの対面になるかと想像していたが、まさか密室で二人きりにしてくれるとは思っていなかった。
「一年間真面目にしていましたから、信頼されての措置だと思います」
「そうか。それは幸いだ。私から何か送ることは出来ないのか?」
「基本的には修道院への寄付扱いで没収されます。手紙一式だって指定のもの以外駄目なんですよ」
「そう言えば色々と持ってきたんだが持って帰ってくれと突き返されてしまったな」
「大丈夫です。アルフォンソ様からは花束とか着替えより大事なものを頂きますから」
「いや、そうは言うがこの部屋には何も持ち込めなかった――」
とまで喋って、アルフォンソは言葉を失った。
目の前のルシアが立ち上がり、修道服を徐にたくし上げたから。
しばしの静寂が部屋の中を支配しても、アルフォンソは鼓動の高鳴りがうるさくてたまらなかった。落ち着け、早まるな、と理性は警鐘を鳴らしても、息は荒くなるし目はルシアに釘付け。顔も熱くなってくる。
「わたし、アルフォンソ様が欲しいんです」
「ルシア……」
「いっぱい、愛してくれませんか……?」
「……ああ、勿論だ。愛しているぞルシア」
唾を飲み込んだアルフォンソは、まるで花へ誘われる蝶のようにルシアへと寄っていき、愛する女性を抱いた。部屋の外に気づかれないよう声を殺すのが大変だったが、彼はこれまで会えなかった我慢を晴らすように彼女へ愛情を注ぎ込んだ。
あの可愛くあどけないルシアが自分に抱かれて恍惚の表情を浮かべるのはやはりたまらなかった。そんな彼女が自分への愛を囁いてくれるのだから最高だ。もう戻れない自覚はあるが、彼女さえそばにいるなら自分は満足なのだから――。
アルフォンソはルシアに溺れていく。既に沈んでいるのに、更に深く、深く。
そんなアルフォンソをルシアは優しく抱きしめ、彼の愛を受け入れる。
アルフォンソを求め、アルフォンソを愛する。アルフォンソが望むように。
そうやってルシアに夢中なアルフォンソは気づかない。
「今度は負けないから、アレクサンドラ。『次』に勝つのはわたし達」
「そう、あたし達『どきエデ』ヒロインの……」
「「――ルシアだもの」」
ルシア『達』がはるか先を見据えていることに――。
民も土地も無き名ばかりの公爵になり自由を得たアルフォンソは、真っ先にルシアへの面会を願った。
彼自身それが許されるとは思っていなかった。それでも何とかして父である国王を説得出来ないか、と寝る間も惜しんで考えていたが……、
「いいんじゃありませんか? 積もる話もあるでしょうし」
なんとアレクサンドラが国王を説得し、承認されたのだった。
これには国王夫妻はおろかジェラールも驚いたのだという。
「……何のつもりだ?」
「直に会いたい、会ってやってほしいことがある、とルシアに願われたんですよね」
アレクサンドラはジェラールが兄を咎めるのを制してアルフォンソに相対し、微笑を湛える。それはまるであの断罪劇を彷彿とさせる、ルシアの言葉を借りるなら「悪いことを考えてる時の笑顔」だった。
ちなみにアレクサンドラがアルフォンソに送られてきた手紙の内容を知っていることについては疑問に思っていない。幽閉中の彼に送られる手紙等は全て中身を確認されている。それに彼女が関わっていたとしても何も不思議ではない。
「ますます分からんな。お前を破滅させようとした私達への仕返しとして生涯離れ離れにしてやる、と思っていてもおかしくないからな」
「建前を並べてごまかしてもいいんですけど、折角の機会ですもの。本音を語ってあげますわ。ただし、それを貴方様が理解するかは別問題ですけれど」
アレクサンドラは優雅に髪をかきあげた。学生時代は少し背伸びしている印象を覚えたが、子を生み母となった今の彼女のその動作は実に様になっていた。淑女の模範、と讃えられる日も近いかもしれない。そうアルフォンソは素直に感想を抱いた。
「ルシアが修道院行きになってアルフォンソ様が聖戦で負けた。それで『どきエデ』はエンディングを迎えたんです。後はエピローグで私とジェラールが挙式を上げて大団円。終幕ですね」
「……は?」
そんな彼女から語られる話をアルフォンソは最初のうち頭の中に入れられなかった。
何らかの劇や物語の類を例えているんだろう、と強引に解釈して自分を納得させた。
「そして私達は『次』に向けての布石を打っていっているわけです。『次』を破綻させないよう細心の注意を払いつつ、ね」
「『次』……? 一体何を言っているんだ?」
「今は分からなくて結構。ただ、私は彼女が何をするかを期待している、とだけ」
聞くんじゃなかった、と後悔しても遅かった。
ルシアとアレクサンドラの間には自分の知らない関係が築かれている。そしてそれはアルフォンソの……いや、目の前の立派になったジェラールを含めて周囲の者達全員を巻き添えにすることになるだろう、との確信もあった。
また振り回されるのか、との得体の知れない恐怖もあったし、まだルシアが自分を求めていることに歓喜もした。ただ、アルフォンソは二人がもたらす刺激に今後も付き合わされることになる、と予感し、あの断罪の時のように戦慄した。
■■■
「アルフォンソ様ぁ! 会いたかったです……!」
そうしてついに再会を果たしたルシアは、アルフォンソに会うなり彼に思いっきり抱きついた。目尻に涙を浮かべて見上げてくる愛しの女性は娘を生んでもなお可愛らしく、そして魅力的に彼の目には映った。
神に祈りを捧げるために身を清めているのか、彼女からはほのかにいい匂いがただよってくる。それは彼女の温もりと柔らかさと合わさって戦場、そして幽閉生活を経たアルフォンソの理性を大いに揺さぶってきた。
「遅れてすまなかった。けれどこうして帰ってこれた。全てルシアのおかげだ」
「信じてました、アルフォンソ様はきっと戻ってきてくれるって……!」
アルフォンソがルシアの頭を撫でるとルシアはほのかに笑った。それが学園時代の幸せだったひと時を思い出させて、アルフォンソも自然と顔を綻ばせる。そしてまた彼女が愛おしくなり、強く抱きしめる。
何だ、やっぱり気の所為だったんだ。あの断罪の場での豹変ぶりも、匿名を装った助言も、アレクサンドラの確信だってそうだ。ルシアはルシアのまま、自分が惹かれてやまなかった少女じゃないか。
「ダリアのことはすまなかった。私が至らなかったばかりに」
「いいんです。今のわたし達じゃああの子は幸せに出来ませんから……」
「悲しむことはない。いつか必ず迎えに行こう。私達二人で」
「……はい!」
それからアルフォンソとルシアはお互いのことを語り合った。修道院生活はどうだったか、戦場ではどのように戦ったか、捕らえられてどう切り抜けたか、ダリアのこと、今後の展望、など、話題は尽きなかった。
それにしても、とアルフォンソはふと気になった。厳格な修道院と聞いていたからてっきり面会にも見張りが付くか、格子窓越しでの対面になるかと想像していたが、まさか密室で二人きりにしてくれるとは思っていなかった。
「一年間真面目にしていましたから、信頼されての措置だと思います」
「そうか。それは幸いだ。私から何か送ることは出来ないのか?」
「基本的には修道院への寄付扱いで没収されます。手紙一式だって指定のもの以外駄目なんですよ」
「そう言えば色々と持ってきたんだが持って帰ってくれと突き返されてしまったな」
「大丈夫です。アルフォンソ様からは花束とか着替えより大事なものを頂きますから」
「いや、そうは言うがこの部屋には何も持ち込めなかった――」
とまで喋って、アルフォンソは言葉を失った。
目の前のルシアが立ち上がり、修道服を徐にたくし上げたから。
しばしの静寂が部屋の中を支配しても、アルフォンソは鼓動の高鳴りがうるさくてたまらなかった。落ち着け、早まるな、と理性は警鐘を鳴らしても、息は荒くなるし目はルシアに釘付け。顔も熱くなってくる。
「わたし、アルフォンソ様が欲しいんです」
「ルシア……」
「いっぱい、愛してくれませんか……?」
「……ああ、勿論だ。愛しているぞルシア」
唾を飲み込んだアルフォンソは、まるで花へ誘われる蝶のようにルシアへと寄っていき、愛する女性を抱いた。部屋の外に気づかれないよう声を殺すのが大変だったが、彼はこれまで会えなかった我慢を晴らすように彼女へ愛情を注ぎ込んだ。
あの可愛くあどけないルシアが自分に抱かれて恍惚の表情を浮かべるのはやはりたまらなかった。そんな彼女が自分への愛を囁いてくれるのだから最高だ。もう戻れない自覚はあるが、彼女さえそばにいるなら自分は満足なのだから――。
アルフォンソはルシアに溺れていく。既に沈んでいるのに、更に深く、深く。
そんなアルフォンソをルシアは優しく抱きしめ、彼の愛を受け入れる。
アルフォンソを求め、アルフォンソを愛する。アルフォンソが望むように。
そうやってルシアに夢中なアルフォンソは気づかない。
「今度は負けないから、アレクサンドラ。『次』に勝つのはわたし達」
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