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第八章
『自由の丘』の真実
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「君の話しと、君から得たデータから推理すると、君ももっと納得がいくと思います」
ランは肯定したくはないが、事実を知りたい。しかし、ジョン・タイターが言うことが事実かどうかも分かりはしない。大がかりな嘘の可能性の方が高い。でも、それを聞かなければ反論もできなかった。
「順番に説明しましょう。まず、君は家でくつろいでいた。そこに君のスマホに電話が掛ってきた。相手を確認すると、【表示限界】となっていた。これは間違いなく、相手は君のオーナーです。これは、双方向コミュニケーションのシステムを使っていないので、現実世界と《V3》の世界ではやむ得ないことなのです。そして、相手は『もうすぐすべてが消える』と伝えてきましたね。その通り、お母様が消え、次に町が徐々に霞のように消えていったのですね。これは、オーナーが何らかの理由でフィールドを削除し始めたからなのです」
「な、何のために?」
「その理由は我々では分かりません。オーナー本人にしか分からないことです。しかし、君は残された。これはオーナーの君に対する愛情の深さだと思います。きっと君のことを消すことができなかったのでしょう。とにかく君は残ったが、君のフィールドは消えてしまいました。君の居場所は削除されたことには間違いありません」
ジョン・タイターは改めて腰を降ろし目線をランに合わせた。
「次に気が付いたとき、君は自分の家、ベッドにいたのですね。そこで君は霞みで包まれていく光景を夢だと思って、ひと安心しました」
ランは頷いた。
「階下に降りると、お母様は戻っていた。しかし、時間が丸一日以上経過していた。ここで考えられるのは、オーナーがフィールドを削除したことを後悔してか、慌てて短時間で君のために新しいフィールドを創ったと思われます」
「でも、家の中もお母さんもまったく今までと同じだったわ」
「すでに登録されているパーツなどは組み合わせるだけで、フィールド自体はすぐに創れます。君の家、家具、そしてお母様の顔や性格は既存のものを再利用しただけのことでしょう。オーナー達は、その基本のフィールドに無数のパーツや登場人物を加えることによって自分のもう一つの世界を創り上げていくのです」
ここまでのジョン・タイターの話しに合理性があることが、ランの用意していた無数にある質問を出せないでいた。
「ところが、オーナーというのは、気分屋で、突然、自分の都合のいいように設定を変えてしまうことがあります。突然、制服を変えたり、通学する学校を変えたり……、そして、知っているはずのない古文の一部が暗唱できたり……」
ジョン・タイターはすべてお見通しとばかりに、ランを上目使いで見た。矛盾がない。ジョン・タイターの言う言葉一つ一つに矛盾がないのだ。突然、目を覚ましたランは、見知らぬ制服を驚いて母親に尋ねたが、いつも通りだと言われた。新しい母親はすでにその設定にされていたということなのか?
「電車に乗っている乗客の顔、学校の友だちの顔がみんな同じだったのは、オーナーの製作が間に合わずに同じ顔のパーツを各登場人物に貼り付けただけのことなのです。そして、古文の先生……お母様と同じ顔だったのですね。なぜか、それがオーナーの理想の大人の女性の顔だから、それを張り付けただけなのです。古文が急に暗唱できたのも、オーナーの軽いジョークかも知れません……」
「……」
「それに、君自身は削除されていないし、オーナーは慌ててフィールドを創ろうとしていたから、君への愛情がある証拠ですよ。悲観する必要はありません。きっとオーナー自身に何らかのトラブルが生じたため、フィールドを削除しなければならない状況になったのであろうと思います」
ジョン・タイターはランをなだめるようにして言った。
「じゃあ、なぜわたしはここにいるの? そんなに愛情があるなら、ちゃんと元の世界に創り直してよ!」
「多分、これも推測の域なのですが……長年掛けて創り上げた君のフィールドを簡単に再現することができずに、君の状態が不安定になってきたことを心配して、別の人のフィールドに、とりあえずランダムに預けたのだと思います」
「もしかして、それが、『自由の丘』や、『桃源郷』?」
「多分そうでしょう。君は得体の知らない奇妙な学校から恐怖のあまり飛び出した。そこであなたは孤独のまま不安定で不完全なサーバー上を漂っていました。それを不憫に思ってか、オーナーは友達が多そうな、賑やかな場所を選んだのでしょう。それが『自由の丘』だったのです……」
次の言葉を言いにくそうにしていた。
「ところが、君のオーナーは知らなかったのです。ただ、若者に人気があるというだけの安心感で選んで、君を預けてしまった。『自由の丘』というフィールドの真の目的を知らなかったのです」
「なんなの?」
「『自由の丘』なんて、言っていますが、我々アバター界では、あそこの通称を『セメタリー』というのです」
「セ、メタリー?」
「墓場だよ」
ルークが口を挟んだ。
「若いアバターが、オーナーに見捨てられ黙って置いていかれるか、用済みを自覚したアバターが、削除されることを嫌がり、自分から志願していくフィールドさ。最近では後者が多いようだけどね。自殺の名所みたいなところさ」
「自殺……墓場って? エリカたちは?」
「多分、志願者だと思うよ」
「あそこは、最後の晩餐のようなところさ。削除されるくらいならって、自分がダスターになることを承知の若い連中が自分のオーナーに頼んで置いていってもらう場所さ。だから、自殺の名所ってこと……。そのかわりダスターになるまでのしばらくの間、好き放題、好き勝手に遊ばせてやろうっていうフィールドなのさ。だから、飲み食いも、遊ぶのも全部タダ。今のうちに人生を謳歌しろよって! そういうフィールドなのさ」
「そして、時期が来ると、仲間がそのアバターを『ヴァリー』に連れて行きます。『ヴァリー』に集められると、そこで永遠に漂うのです」
ランがうっすらと見た、あの風になびくように、何万といる動いていた人間の群れはすべて時期がきたアバターだったのか?
「じゃあ、わたしが『ヴァリー』で見たのは……」
「そう、我々アバターの成りの姿です。君は一瞬だけ『ヴァリー』を見たと思うのですが、オーナーは君に『ヴァリー』の本当の姿を見せたくなかったようで、慌てて移動させたみたいですね。あそこは我々アバターの墓場なのです」
「もしヴァリーに行かなかったら?」
「いつの時代も、いつの場所も友達がいないと大変です。ヴァリーにいかずにダスターになると、あの場で永遠にウロウロすることになるのです。他人には見られたくない姿をさらけだしたまま……」
そう言えば、あの楽しげな集まりの中で、麻薬中毒患者のような人物を見かけたことを思い出した。それが……?
そして、ランは途中で出会ったバイクのグループのことも思い出した。連中は『ヴァリー』から帰ってくる途中だった。あのときのエリカと革ジャンの会話を思い起こした。
そのとき、男たちは不思議そうに四人を見ていた。ダスターらしきアバターを連れていなかったからだろうか?
『あれ、だれを?』
『違うの、この子にヴァレーを見せようと思って……』
『新人?』
『そう。何も分かってない子』
『候補か……』
『バカ言わないで、そんなのじゃないわ。そっちは?』
『ダチだよ』
三人が、やるせなさそうだった意味が分かった。あの三人は友達をヴァリーに置いてきた帰りだったのだ。
「エリカたちも、いつかは……」
「可哀想ですが……」
「ところで、何度も出てくるけど、ダスターって?」
ランはダスターの意味が薄っすら分かってきていたが、自分でそれを考えることをあえて拒否していた。
「もう少し君の経験を振り返ってから説明しましょう」
ランは自分がアバターであることを意識しだしていた。
「次に君のオーナーは、きっと画面の見た目がきれいだったという理由から、飛びついたのではないかな…『桃源郷』……。ところが、思ったより居場所がよくなく、君はベティなる女性に助けを求めました。ベティも、君自身がアバターであることを伝えることができずに『HELP』の看板を持たせ、待つようにアドバイスした。これはとても賢い方法だと思います。ベティに感謝すべきですね」
「どうして?」
ここでルークが話し出した。
「オーナーは常に自分のアバターを見ることができるからさ」
「どこで見てるの?」
「どこからでも見えるさ。彼らはパソコンやタブレットのディスプレイに常に俺たちを映し出しているから、上からでも、横からでも、下からでも、いつも彼らの好きな時に、好きな角度で、好きなズームで俺たちを見ることができるんだ。言い換えれば、常に監視されているってことさ」
「わ、わたしも?」
「もちろん、パソコンをネットにつないで、君のIDさえ打ち込めば、いつでも可能さ。」
「ここも? 今も見られてるの?」
「それは、分からないよ。だから、俺はマスターに連絡をしたいときは、自分のスマホから電話するんだ」
「それができない君に対してベティは、君を傷つけまいと、『HELP』のボードを持たせ、マスターに君の状況を気付かせたんだよ」
「そして、困っている君を見たオーナーは、今度は、改めて地域を『日本』限定として、無数にあるフィールドの中から、どういうわけか俺のフィールドに飛ばしたっていうことさ。多分、これもランダムだと思うけどね」
肯定したくない。しかし、粗がない。なんでもいい、今この二人が言ったおとぎ話を打ち消す方法を探したかった。ランは両手で顔を覆った。こんなバカげた話を信じられるわけがない。
「ランさん、否定したい気持ちはよく分かります。でも、実は本題はここからなんです。ルークがわたしに相談にきた本当の理由です」
ランは肯定したくはないが、事実を知りたい。しかし、ジョン・タイターが言うことが事実かどうかも分かりはしない。大がかりな嘘の可能性の方が高い。でも、それを聞かなければ反論もできなかった。
「順番に説明しましょう。まず、君は家でくつろいでいた。そこに君のスマホに電話が掛ってきた。相手を確認すると、【表示限界】となっていた。これは間違いなく、相手は君のオーナーです。これは、双方向コミュニケーションのシステムを使っていないので、現実世界と《V3》の世界ではやむ得ないことなのです。そして、相手は『もうすぐすべてが消える』と伝えてきましたね。その通り、お母様が消え、次に町が徐々に霞のように消えていったのですね。これは、オーナーが何らかの理由でフィールドを削除し始めたからなのです」
「な、何のために?」
「その理由は我々では分かりません。オーナー本人にしか分からないことです。しかし、君は残された。これはオーナーの君に対する愛情の深さだと思います。きっと君のことを消すことができなかったのでしょう。とにかく君は残ったが、君のフィールドは消えてしまいました。君の居場所は削除されたことには間違いありません」
ジョン・タイターは改めて腰を降ろし目線をランに合わせた。
「次に気が付いたとき、君は自分の家、ベッドにいたのですね。そこで君は霞みで包まれていく光景を夢だと思って、ひと安心しました」
ランは頷いた。
「階下に降りると、お母様は戻っていた。しかし、時間が丸一日以上経過していた。ここで考えられるのは、オーナーがフィールドを削除したことを後悔してか、慌てて短時間で君のために新しいフィールドを創ったと思われます」
「でも、家の中もお母さんもまったく今までと同じだったわ」
「すでに登録されているパーツなどは組み合わせるだけで、フィールド自体はすぐに創れます。君の家、家具、そしてお母様の顔や性格は既存のものを再利用しただけのことでしょう。オーナー達は、その基本のフィールドに無数のパーツや登場人物を加えることによって自分のもう一つの世界を創り上げていくのです」
ここまでのジョン・タイターの話しに合理性があることが、ランの用意していた無数にある質問を出せないでいた。
「ところが、オーナーというのは、気分屋で、突然、自分の都合のいいように設定を変えてしまうことがあります。突然、制服を変えたり、通学する学校を変えたり……、そして、知っているはずのない古文の一部が暗唱できたり……」
ジョン・タイターはすべてお見通しとばかりに、ランを上目使いで見た。矛盾がない。ジョン・タイターの言う言葉一つ一つに矛盾がないのだ。突然、目を覚ましたランは、見知らぬ制服を驚いて母親に尋ねたが、いつも通りだと言われた。新しい母親はすでにその設定にされていたということなのか?
「電車に乗っている乗客の顔、学校の友だちの顔がみんな同じだったのは、オーナーの製作が間に合わずに同じ顔のパーツを各登場人物に貼り付けただけのことなのです。そして、古文の先生……お母様と同じ顔だったのですね。なぜか、それがオーナーの理想の大人の女性の顔だから、それを張り付けただけなのです。古文が急に暗唱できたのも、オーナーの軽いジョークかも知れません……」
「……」
「それに、君自身は削除されていないし、オーナーは慌ててフィールドを創ろうとしていたから、君への愛情がある証拠ですよ。悲観する必要はありません。きっとオーナー自身に何らかのトラブルが生じたため、フィールドを削除しなければならない状況になったのであろうと思います」
ジョン・タイターはランをなだめるようにして言った。
「じゃあ、なぜわたしはここにいるの? そんなに愛情があるなら、ちゃんと元の世界に創り直してよ!」
「多分、これも推測の域なのですが……長年掛けて創り上げた君のフィールドを簡単に再現することができずに、君の状態が不安定になってきたことを心配して、別の人のフィールドに、とりあえずランダムに預けたのだと思います」
「もしかして、それが、『自由の丘』や、『桃源郷』?」
「多分そうでしょう。君は得体の知らない奇妙な学校から恐怖のあまり飛び出した。そこであなたは孤独のまま不安定で不完全なサーバー上を漂っていました。それを不憫に思ってか、オーナーは友達が多そうな、賑やかな場所を選んだのでしょう。それが『自由の丘』だったのです……」
次の言葉を言いにくそうにしていた。
「ところが、君のオーナーは知らなかったのです。ただ、若者に人気があるというだけの安心感で選んで、君を預けてしまった。『自由の丘』というフィールドの真の目的を知らなかったのです」
「なんなの?」
「『自由の丘』なんて、言っていますが、我々アバター界では、あそこの通称を『セメタリー』というのです」
「セ、メタリー?」
「墓場だよ」
ルークが口を挟んだ。
「若いアバターが、オーナーに見捨てられ黙って置いていかれるか、用済みを自覚したアバターが、削除されることを嫌がり、自分から志願していくフィールドさ。最近では後者が多いようだけどね。自殺の名所みたいなところさ」
「自殺……墓場って? エリカたちは?」
「多分、志願者だと思うよ」
「あそこは、最後の晩餐のようなところさ。削除されるくらいならって、自分がダスターになることを承知の若い連中が自分のオーナーに頼んで置いていってもらう場所さ。だから、自殺の名所ってこと……。そのかわりダスターになるまでのしばらくの間、好き放題、好き勝手に遊ばせてやろうっていうフィールドなのさ。だから、飲み食いも、遊ぶのも全部タダ。今のうちに人生を謳歌しろよって! そういうフィールドなのさ」
「そして、時期が来ると、仲間がそのアバターを『ヴァリー』に連れて行きます。『ヴァリー』に集められると、そこで永遠に漂うのです」
ランがうっすらと見た、あの風になびくように、何万といる動いていた人間の群れはすべて時期がきたアバターだったのか?
「じゃあ、わたしが『ヴァリー』で見たのは……」
「そう、我々アバターの成りの姿です。君は一瞬だけ『ヴァリー』を見たと思うのですが、オーナーは君に『ヴァリー』の本当の姿を見せたくなかったようで、慌てて移動させたみたいですね。あそこは我々アバターの墓場なのです」
「もしヴァリーに行かなかったら?」
「いつの時代も、いつの場所も友達がいないと大変です。ヴァリーにいかずにダスターになると、あの場で永遠にウロウロすることになるのです。他人には見られたくない姿をさらけだしたまま……」
そう言えば、あの楽しげな集まりの中で、麻薬中毒患者のような人物を見かけたことを思い出した。それが……?
そして、ランは途中で出会ったバイクのグループのことも思い出した。連中は『ヴァリー』から帰ってくる途中だった。あのときのエリカと革ジャンの会話を思い起こした。
そのとき、男たちは不思議そうに四人を見ていた。ダスターらしきアバターを連れていなかったからだろうか?
『あれ、だれを?』
『違うの、この子にヴァレーを見せようと思って……』
『新人?』
『そう。何も分かってない子』
『候補か……』
『バカ言わないで、そんなのじゃないわ。そっちは?』
『ダチだよ』
三人が、やるせなさそうだった意味が分かった。あの三人は友達をヴァリーに置いてきた帰りだったのだ。
「エリカたちも、いつかは……」
「可哀想ですが……」
「ところで、何度も出てくるけど、ダスターって?」
ランはダスターの意味が薄っすら分かってきていたが、自分でそれを考えることをあえて拒否していた。
「もう少し君の経験を振り返ってから説明しましょう」
ランは自分がアバターであることを意識しだしていた。
「次に君のオーナーは、きっと画面の見た目がきれいだったという理由から、飛びついたのではないかな…『桃源郷』……。ところが、思ったより居場所がよくなく、君はベティなる女性に助けを求めました。ベティも、君自身がアバターであることを伝えることができずに『HELP』の看板を持たせ、待つようにアドバイスした。これはとても賢い方法だと思います。ベティに感謝すべきですね」
「どうして?」
ここでルークが話し出した。
「オーナーは常に自分のアバターを見ることができるからさ」
「どこで見てるの?」
「どこからでも見えるさ。彼らはパソコンやタブレットのディスプレイに常に俺たちを映し出しているから、上からでも、横からでも、下からでも、いつも彼らの好きな時に、好きな角度で、好きなズームで俺たちを見ることができるんだ。言い換えれば、常に監視されているってことさ」
「わ、わたしも?」
「もちろん、パソコンをネットにつないで、君のIDさえ打ち込めば、いつでも可能さ。」
「ここも? 今も見られてるの?」
「それは、分からないよ。だから、俺はマスターに連絡をしたいときは、自分のスマホから電話するんだ」
「それができない君に対してベティは、君を傷つけまいと、『HELP』のボードを持たせ、マスターに君の状況を気付かせたんだよ」
「そして、困っている君を見たオーナーは、今度は、改めて地域を『日本』限定として、無数にあるフィールドの中から、どういうわけか俺のフィールドに飛ばしたっていうことさ。多分、これもランダムだと思うけどね」
肯定したくない。しかし、粗がない。なんでもいい、今この二人が言ったおとぎ話を打ち消す方法を探したかった。ランは両手で顔を覆った。こんなバカげた話を信じられるわけがない。
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