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第八章

真弓の決意

　大学には、やはり行きたい。
　これが真弓の本音だ。反抗的になって、受験に対する矛盾点を探したり、模試の結果の悪さを別の事に転嫁したりもしたが、でも本当は大学に行きたいのだ。今日の西山先生の言葉で気が付いた……『アバターは所詮アバターなんだよ。君たちがせっせとアバターを幸せにしてあげても、アバターが、君たちを幸せにしてくれることはできないんだよ』……自分の幸せをアバターに託し、アバターのフィールドこそが、自分の生きるべき世界と勘違いしていた。自分のしたいこと、やりたいこと、生まれてきた目的を探したい。それらが、まだ見つかっていないのであれば、それを探すきっかけを求めなければならない。もう現実逃避はしない。
　六限目の授業を終え、真弓は久しぶりに学校の自習室へ入った。もうすでに席はほとんど埋まっていた。数学を一問終えたら、家に戻ろう。そう決め、本棚から過去問を掲載した分厚い問題集を一冊取り出した。適当なページを開き、照準を絞った。
「さあ、勝負よ！」