【乙女ゲーム】×【ミステリー】 男装王子~モテの中の1%の殺意~ 毎週金曜日・月曜日 22:00に次話公開!

キルト

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第一章 男装王子誕生

第四話 男装王子誕生

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 第四話 男装王子誕生

 私は男装姿のまま部屋の中心に座っていた。
 右側には兄のタフタと幼馴染のニット。
 左側にはクラウド王国 第二王子のフライスがニヤニヤしながら座っている。
 衝撃の夜会翌日。
 私達はフライス王子に呼び出され見知らぬ屋敷に来ていた。
 フライス王子の命令で私は男装姿で主の席に座らされている。
 訳が分からずに混乱しているとメイド達が次々と食事を運んで来た。

「旦那様、初めまして。
 本日よりお世話をさせていただきますメイド長のウェルトと申します。」

 そう言ってウェルトは私のグラスにワインを恭しく注いだ。
 
「あのっ、フライス王子。
 今日はどのような御用件で。」

 兄のタフタが恐る恐る王子へ訊ねる。
 私も混乱しているが兄達はもっと混乱しているのだろう。
 それはそうだ。
 王宮親衛隊長と下級貴族の次男坊が突然王族に呼ばれ食卓を囲んでいる。
 通常ではありえない。
 混乱するなと言う方が無理だろう。

「別に用などないさ。
 一度志を同じくする者達と共に食事をして語り合ってみたかったんだ。
 さぁ、遠慮なく今日は食べてくれ。」
 
 そう言うとメイド長へ手を上げる。
 ウェルトは頷くと周りのメイド達へ目配せした。
 すると一斉に各グラスにワインが注がれていく。

「では共に愛するリプル嬢の生還を祈って。」

 そう言うと皆がやっと理解したように大きく頷きグラスを捧げた。

 (わ~ん。やりずらいよ。)
 私はいたたまれない気持ちでグラスを捧げた。

「我々は志を同じくする仲間だ。
 愛する人の前では地位も権力も関係ない。
 今日は遠慮なく語り合おうではないか。
 私はリプル嬢の為なら死ねるがタフタ君、君はどうか?」

「殿下、言うまでもありません。
 リプルは私の最愛の妹。
 妹を守れる男になる為に王宮親衛隊に入隊したと言っても過言ではありません。」

「そうか、そうか、君は王国随一の剣豪。
 きっと彼女を守れるさ。」

 そう嬉しそうに言うとワインを飲んだ。

「ニット君と言ったか。
 君はリプル嬢の幼馴染。
 誰よりも長い時間共に過ごしたと聞いた。
 君はリプル嬢の事をどう思っている。」

 突然、王族にそう問われたニットは黙り込んだ。
 無理もない。
 今まで王族となど会った事もないのだ。
 どう振舞えば失礼がないか分からないでいるのだろう。
 そんな様子にフライス王子は少し苛立った。

「なんだっ、どうして黙っている。
 俺が王族だから気を使っているのか?
 君のリプル嬢への想いはその程度かっ。」

 ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ

 そう言われたニットは王子を睨みつけ一気にグラスのワインを飲み干した。

 バンッ

 激しくグラスをテーブルに叩きつけると突然まくし立てる。

「その程度だとっ。
 俺が誰よりもリプルの事を理解してるんだ。
 彼女の為なら今すぐにでもこの場で胸にナイフを突き立てて御覧に入れますよ。」

 ゴクッ、ゴクッ

 そう言うと再び注がれたワインを飲み干した。

「そうかっ、そうでなくては今日集まった意味がないぞ。
 さぁ、共に彼女の魅力について語り合おうではないか。」

 そう言うと次々と私の魅力について語り始めた。
 
 (ひぃぃ、もうやめて~)

 好きなコトが同じ者同士の食事会程厄介なモノはない。
 会話は盛り上がりに盛り上がり私の存在は置いてきぼりだった。
 序盤は引きつった笑顔で頷いていた私。
 だが中盤から誰が一番私の素敵な所を言えるか競争になった。
 そうなるともう手が付けられない。
 フライス王子が綺麗な髪と言うと兄のタフタがスイーツを頬張る顔と言い。
 ニットがいやいや口を開けてうたた寝をする無防備顔が堪らないと力説する。

 (あの~、フライス王子。
  本人が隣に居る事を忘れていやしませんかい。)
 私は魂の叫びを送るが一向に伝わらなかった。
 男達が夢中で私の好きな仕草を叫ぶ度に回りのメイド達が口に手を当ててクスクスと笑う。
 そしてその私の姿を想像するように度々メイド達の生温かい視線が私へ注がれる。
 どうやらメイド達は私が男装したリプルだと知っているようだった。
 このままではニットが私の恥ずかしい過去を暴露しかねない。
 (わ~ん、このままだと私っ、お嫁に行けなくなるよ~。)
 私はいたたまれなくなり会話に割って入った。

「ごほん。
 あっ、あのフライス王子。
 今日は私に何かお話があったのでは?」

 そんな言葉で周りの視線が一斉に私に注がれる。

「そう言えば殿下。
 この男性はどなたですか?
 ここに呼ばれたからにはリプルと関係があるのでしょう。」

 そう問うタフタへフライス王子は頷いた。

「いやいや、ルプリ殿失礼した。
 大事な事を忘れておりました。
 社交界では私が王位を狙って兄のブロード第一王子を暗殺。
 リプル嬢へ毒を盛った等と噂が流れていると言う。
 まずは私のリプル嬢への想いを共有し誤解を解きたかったのです。」

 そう言うと二人は大きく頷いた。

「殿下のリプルへの想い。
 確かに伝わりました。
 あれ程の愛情を持って語れる方が毒を盛るなどありえない。」

 タフタがそう言うとニットも大きく頷いた。
 それを聞いたフライス王子は褒められた少年の様に笑顔になると頷いた。

「当然です。
 だから今日は二人にこの方を紹介したくてお招きしました。
 私が隣国から客人としてお招きしたこの屋敷の当主 ルプリ伯爵。
 訳あって男装していますが髪が綺麗でスイーツが大好きで寝顔が素敵な……。
 私達が愛してやまない。
 リプル嬢のコトを誰よりも知るお方です。
 ここまで言えばもうお分かりでしょう?」

 フライス王子がそう言ってウインクしてみせると二人は立ち上がり涙を流した。

「まさかっ、リプルっ、お前なのか?」

 私も立ち上がり照れ臭そうに微笑んた。

「タフタ兄様、ニット。
 ただいま帰りました。」

 そう言うと三人は肩を寄せ合って泣いた。
 周りのメイド達ももらい泣きをしている。
 一通り喜び合った後にフライス王子が皆に切り出した。

「タフタ王国親衛隊長には明日から私の直轄としてこの屋敷の警備に入ってもらう。
 ニット君は隣国との特別外交官として屋敷へ赴任。
 リプル嬢を徹底的に守ってくれ。」

「分かりました。」
「承知致しました。」

「彼女は命を狙われている。
 だから彼女が眠りから醒めた事は秘密だ。
 王宮内にもリプル嬢は看病空しく亡くなったと噂を流すつもりだ。
 彼女はあくまで隣国から来た私の客人 ルプリ伯爵だ。
 この事はここに居る三人とメイド達しか知らない。
 リプル嬢。
 これから暫くはこの屋敷で過ごしてもらうがいいだろうか?」

 私は少し不安になって周りを見つめる。
 すると兄のタフタとニットは力強く頷いた。
 メイド長達も優しい笑顔で頷いてくれる。
 これだけの人達が私を守ろうと力を尽くしてくれている。
 私は勇気を出して頷いた。

「分かりました。
 皆さん、よろしくお願いいたします。
 あっ、でもできれば、もう一人執事として招きたい方がいるのですが。」

 私はカツラギ様の事を思い出して付け加えた。
 協力してくれるか分からなかった。
 でも私を男装へ導いてくれた彼が居れば心強かった。

「君が信用できると思う者なら構わない。
 そうと決まれば直ぐにでも引っ越しだ。
 これからはルプリ伯爵として社交界へ乗り込み敵と戦っていこう。」

「殿下。
 リプルを守る事に異存はありませんが、敵とは誰なんですか?
 もしかして殿下はリプルを殺そうとした犯人を御存知なんですか?」

 その言葉にニットも息を飲んでフライス王子の言葉を見つめていた。

「いや、それはまだ分からない。
 でもその前に許せない奴がいるだろう?」

「許せない奴?」
「許せない奴?」
「許せない奴?」

 そう首を傾げる私達にフライス王子は不適な微笑みを浮かべた。

「そう、俺達のリプル嬢を口説いておきながら愛人作って逃げ出した奴さ。」

 (えっ、それってまさか。)

「そう、まずは二股野郎、ブロード第一王子へ鉄槌を食らわす。」

 (えぇぇぇ)
 (えぇぇぇ)
 (えぇぇぇ)


 そんなフライス王子の力を借りて私達は郊外の王家所有の屋敷に引っ越して来た。
 当主は私、隣国の伯爵? ルプリ。
 フライス第二王子と意気投合して客人として招かれた事になっている。
 (私が伯爵だなんて……。)
 平民からいきなり伯爵になり私は少し戸惑っていた。
 敷地内には外交と警備の別館が建てられた。
 そこにはニット特別外交官が赴任。
 警備にはタフタ第二王子直轄親衛隊長が赴任した。
 慌ただしく荷物の整理をしているとウェルトメイド長が声をかける。
 
「旦那様はそこで休んでいて下さい。
 今、リノがお茶を淹れますので。」

「ウェルトさん。
 旦那様はやめて下さい。
 これでも私は令嬢ですから。」

 困り顔でそう言うとウェルトメイド長は微笑んで首を振る。

「いいえ、いけません。
 いつボロが出るか分かりませんもの。
 普段から訓練が必要でございます。
 それに私達にとってリプル様はルプリ伯爵。
 当屋敷の旦那様でございます。
 うふふっ、御所望なら付け髭も御用意いたしますわ。」

 私が呆れて苦笑いをしていると見慣れない若いメイドが入って来た。
 大きめのエプロンに赤いリボン。
 背は低いがくりくりっとした瞳が印象的なメイドだった。

「本日より身の回りのお世話をいたしますリノと申します。」

 見れば歳は私と同いだろうか。
 落ち着いた雰囲気のウェルトメイド長とは対照的に活発そうな少女だった。

「うわっ、この屋敷には近い歳の娘が居ないから嬉しいです。
 よろしくお願いします。
 あっ、この紅茶美味しい。」

 そう言うとリノは嬉しそうに焼き菓子も差し出す。

「このクッキーとの相性抜群なんです。
 是非、お試しくださいませっ。」

 二人でキャッキャして菓子を食べているとウェルトさんに声をかけられた。

「旦那様。
 カツラギ様が到着なされました。」

 見ると黒のスーツに白手袋をしたカツラギ様が微笑んでいた。

「カツラギ様っ、
 本当に来てくれたんですね。
 今回は御迷惑をおかけしてすみません。」

「いえいえ、御呼びいただき光栄です。
 屋敷の管理は私にお任せ下さい。
 ではウェルトメイド長。
 早速、屋敷の食器類の確認から始めたいのですが。
 あっ、あと庭園の花の配置についても御相談が……。」

 そう言うといそいそと部屋を出て行った。


「はふぅぅぅ」

 日が暮れてやっと大体の片づけが終わり私は薔薇が浮かんだバスタブで湯浴みをしていた。
 首筋に湯をかけながらこれまでの事を振り返る。
 (何だかあっと言う間の一日だったな~。)
 今までの事を振り返ってもまるで実感が湧かなかった。
 毒を盛られて眠り姫になって
 男装して夜会へ潜入してフライス王子に会って
 気がつけば王国の屋敷の主になっていた。
 しかも明日からは浮気したブロード第一王子を懲らしめに行くと言う。
 
 (はぁぁ、何だか気が重いな。)
 ブロード第一王子。
 それは私が攻略対象と決めて八時間かけて堕とした推し王子だった。
 本当なら今頃、婚約発表がされてハッピーエンディングを迎えていた筈だっだ。
 (それが私に隠れて浮気していたなんて……)
 本当だろうか?
 (まさか私が邪魔になってブロード王子に暗殺されてたりして。)
 ブンブンと首を振り邪念を振り払う。
 もうすぐ十二時になるだろう。
 そろそろベットに入りシフォンへ会いに行こうと思った。
 きっと彼なら的確なアドバイスをくれるだろう。
 今日はシフォンに話したい事が沢山あった。
 私が旦那様とメイド達に呼ばれていると知ったら笑い転げるに違いない。   
 (ふふふ。)
 少し楽しみになってパスタブから立ち上がる。

「失礼いたします。」

 (えっ? きゃー)

 突然にドアが開き、ゾロゾロとメイド達が入って来た。

「えっ、ちょっとウェルトさん?
 何ですか?」

「体を綺麗にさせていただきます。」

 そう言うと目を輝かせたメイド達が近づいて来た。

「いえっ、独りで出来ますから。」

「大丈夫でございます。
 旦那様をピカピカにして差し上げますわ。」

「えっ、ちょっと、ひぇぇぇぇ。」

 微かな叫び声がシャボンと共に夜空にこだまする。
 特別エステによりピチピチの肌でベットへ倒れ込んだのは時間ギリギリだった。

 でもその時の私はまだ知らなかった。
 これから毎日ブロード王子の愛人と壮絶なバトルが繰り広げられるコトを……。


 その頃、王宮の宰相室では一人の男性が報告書に目を通していた。
 
 コンコン

 ドアをノックする音がする。
 返事をし書類から目をあげるとフライス王子が入って来た。

「こんな時間まで仕事かよ。
 宰相って言うのは大変なんだな。」

 そう言うとフライスは机にワインボトルをドンと置いた。
 男は苦笑いしながらペンを置くと向かいのソファーへ促した。

 カチン

 二人はグラスを当てて乾杯をする。

「それであの計画は順調に進んでいるのか?」

 そう男は眼鏡をずり上げながらフライス王子へ訊ねた。
 『クラウド フェル パイル』
 王国 第三王子にして宰相。
 その頭脳と策略は他に並ぶものが居ない程に群を抜いている。
 徹底した現実主義者で効率の為なら平気で古参貴族を切り捨てる。
 鬼畜眼鏡と囁かれる王国一の切れ者だった。

「ああ、準備は万端。
 そろそろ仕掛けようと思っている。
 だが本当にこれでいいのか?」

 心配顔のフライス王子にパイルは邪悪な笑みを浮かべた。

「目の前に料理が出されたら冷める前に食べるのが礼儀だろう。」

 そう言うとグラスのワインを一気に飲み干した。

「怖いね~、お前だけは敵に回したくないわ。
 俺としてもそれなりに時間をかけて準備して来たんだ。
 今更やめる気はないけどな。」

 そう言うとフライス王子もグラスのワインを一気に飲み干した。

「それじゃあ、戦闘開始と行こうか。」

 そう言うと二人は頷き、古来からの出陣の儀式にのっとりグラスを高く掲げた。

「ファイエル」
「ファイエル」

 ガシャン
 ガシャン

 勢いよくグラスを床へ叩きつけると二人はそのまま宰相室を後にした。
 誰も居なくなった宰相室にはワインの香りとキラキラと輝くガラス片だけが佇んでいた。
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