3 / 10
3羽 いきなり窮地
しおりを挟む
シャーロットは鷹行を罵る事に余念がない。
放っておけばこれがいつまでも続くだろう。
「しつこいな! 俺は相沢鷹行。君の事は全く知らないって!」
鷹行は本心から叫んだ。だがシャーロットからの返事は意外なものだった。
「あんたの名前なんて知らないし興味もないわ! でも私を死なせた事実があるからあんたを呪ってここにいる!」
「な、なんだって? 意味が分からないぞ」
状況が掴めなくなった鷹行に対してシャーロットは告げる。
「あんただけじゃない。あの時一緒にいた女にも必ず報いは受けさせる!」
「小鳩の事か!? よせ、あいつは関係ない!」
小鳩の事を出されては黙ってはいられない。
自分と同じ様に存在して居るのかどうかすら分からない恋人ではあるが大切な人だ。
鷹行は彼女を守りたい一心でシャーロットに向かって突進を試みた。
「甘いのよ」
それをシャーロットは難なくかわす。
人間の記憶が戻ったせいで鳩の身体が上手く動かせない鷹行に対してシャーロットはさも雀の様にかわしてみせた。
「くっ!」
「諦めなさい。あんたはここで終わりなのよ」
シャーロットは勝ち誇る。
「......それは無理じゃないか」
鷹行は言った。それは裏付けによる自信。
「雀の身体じゃ鳩を仕留める事はできないだろう。その剣幕には驚いたけどダメージはほとんどない」
だが......
「いいのよ、それで。私は『知ってる』んだから。全てはここへ誘導するため」
「?」
「そう。私はここに『捕食者』がいるのを知ってるのよ。動きの鈍いあんたじゃ逃げられない」
「!?」
「そしてそれはもう......来ている!」
シャーロットと鷹行を何かの影が覆う! それと砂埃が巻き上がるのは同時だった。
「うわぁ!?」
「あーはっは。見ててあげるわ。あんたの命が食い散らかされるその様をねぇっ!」
「うぐぐっ」
鷹行はすごい力で押さえつけられていて動けない。今の衝撃で抜けてしまった羽も辺りに散乱している。それでも首を必死に動かし自分を押さえつけている者の姿を確認しようとした。そして絶望する。
「雀の私であんたをどうこうできるなんて最初から思ってない。ここの生態系の頂点こそ!」
それは鷹行も知っている生き物だった。
(そんな。タカがいるなんて!)
放っておけばこれがいつまでも続くだろう。
「しつこいな! 俺は相沢鷹行。君の事は全く知らないって!」
鷹行は本心から叫んだ。だがシャーロットからの返事は意外なものだった。
「あんたの名前なんて知らないし興味もないわ! でも私を死なせた事実があるからあんたを呪ってここにいる!」
「な、なんだって? 意味が分からないぞ」
状況が掴めなくなった鷹行に対してシャーロットは告げる。
「あんただけじゃない。あの時一緒にいた女にも必ず報いは受けさせる!」
「小鳩の事か!? よせ、あいつは関係ない!」
小鳩の事を出されては黙ってはいられない。
自分と同じ様に存在して居るのかどうかすら分からない恋人ではあるが大切な人だ。
鷹行は彼女を守りたい一心でシャーロットに向かって突進を試みた。
「甘いのよ」
それをシャーロットは難なくかわす。
人間の記憶が戻ったせいで鳩の身体が上手く動かせない鷹行に対してシャーロットはさも雀の様にかわしてみせた。
「くっ!」
「諦めなさい。あんたはここで終わりなのよ」
シャーロットは勝ち誇る。
「......それは無理じゃないか」
鷹行は言った。それは裏付けによる自信。
「雀の身体じゃ鳩を仕留める事はできないだろう。その剣幕には驚いたけどダメージはほとんどない」
だが......
「いいのよ、それで。私は『知ってる』んだから。全てはここへ誘導するため」
「?」
「そう。私はここに『捕食者』がいるのを知ってるのよ。動きの鈍いあんたじゃ逃げられない」
「!?」
「そしてそれはもう......来ている!」
シャーロットと鷹行を何かの影が覆う! それと砂埃が巻き上がるのは同時だった。
「うわぁ!?」
「あーはっは。見ててあげるわ。あんたの命が食い散らかされるその様をねぇっ!」
「うぐぐっ」
鷹行はすごい力で押さえつけられていて動けない。今の衝撃で抜けてしまった羽も辺りに散乱している。それでも首を必死に動かし自分を押さえつけている者の姿を確認しようとした。そして絶望する。
「雀の私であんたをどうこうできるなんて最初から思ってない。ここの生態系の頂点こそ!」
それは鷹行も知っている生き物だった。
(そんな。タカがいるなんて!)
0
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
嫁ぎ先は悪役令嬢推しの転生者一家でした〜攻略対象者のはずの夫がヒロインそっちのけで溺愛してくるのですが、私が悪役令嬢って本当ですか?〜
As-me.com
恋愛
事業の失敗により借金で没落寸前のルーゼルク侯爵家。その侯爵家の一人娘であるエトランゼは侯爵家を救うお金の為に格下のセノーデン伯爵家に嫁入りすることになってしまった。
金で買われた花嫁。政略結婚は貴族の常とはいえ、侯爵令嬢が伯爵家に買われた事実はすぐに社交界にも知れ渡ってしまう。
「きっと、辛い生活が待っているわ」
これまでルーゼルク侯爵家は周りの下位貴族にかなりの尊大な態度をとってきた。もちろん、自分たちより下であるセノーデン伯爵にもだ。そんな伯爵家がわざわざ借金の肩代わりを申し出てまでエトランゼの嫁入りを望むなんて、裏があるに決まっている。エトランゼは、覚悟を決めて伯爵家にやってきたのだが────。
義母「まぁぁあ!やっぱり本物は違うわぁ!」
義妹「素敵、素敵、素敵!!最推しが生きて動いてるなんてぇっ!美しすぎて眼福ものですわぁ!」
義父「アクスタを集めるためにコンビニをはしごしたのが昨日のことのようだ……!(感涙)」
なぜか私を大歓喜で迎え入れてくれる伯爵家の面々。混乱する私に優しく微笑んだのは夫となる人物だった。
「うちの家族は、みんな君の大ファンなんです。悪役令嬢エトランゼのね────」
実はこの世界が乙女ゲームの世界で、私が悪役令嬢ですって?!
────えーと、まず、悪役令嬢ってなんなんですか……?
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる