欲望のままに

姫川 林檎

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知らない真実 3

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目を擦り何とか笑顔で謝り食事の続きをする。
未だそんなに麺はのびてない良かった、先輩に不味い物を食べさせるわけにはいかない。僕はこれ以上迷惑を掛ける訳にはいかないんだから・・・。

食器を片付けて午後からは何をしようかな?
宿題は午前中に終わらせたし。

「そうだ、はじめこの後の予定はあるか?」

「いえ。何もないです。」

「じゃあ、図書館にでも行くか?」
「はい!」

先輩はたまにこうして僕を図書館に連れて行ってくれる。
僕が学校だけでなく街中でも変な目で見られる事それを気にしている事を知っていてくれるので僕が街に行く時には必ず一緒に居てくれるし、僕が見られない様に必ず壁側を歩かせ自分が壁になる事で視界を遮ってくれる。先輩は本当に優しい、僕も先輩みたいな人になりたい。

はぁ、けど先輩はどうして僕なんかと一緒に居てくれるんだろう。
高校でも街中でも変な目で見られる位僕は醜いのにそんな僕に先輩は僕の顔が好きだと言ってくれる、無理しなくてもいいのに。けど、先輩が居なくなったら僕は本当に独りだ。

こうして大体僕は週末を先輩と過ごす。先輩が用で出掛ける時は部屋から出ない、先輩にも「部屋から出るな。誰が来ても開けるな。」と言われているし、怖いので出る気もないけどね。

だから、週末は僕にとって幸せな時間。
誰の視線も気にしなくていいし、先輩は優しいし、僕が僕で居られる。

そんな幸せな週末を過ごすと日曜日の夜が嫌い。
明日から又あの視線の中で過ごさなきゃいけない。学年が違うから先輩には会えないし、そもそも先輩の大切な時間を僕が奪っていい訳がない!僕なんかと週末だけでも一緒に居てくれるだけでも感謝しなきゃ。


今日は金曜日。今日を乗り越えれば先輩との週末!
何事もななく授業は終わった、今週は掃除当番ではないからこれでもう帰れる。鞄に荷物を入れながら明日明後日のお昼の献立を考えていると、クラスメイトに呼ばれ顔を上げると入口に知らない先輩が立っていた。ネクタイの色からして2年生僕に何の用だろう?僕は3人の知らない先輩に連れられて今は使われていない特別教室に入った。

すると先輩の1人が僕を突き倒し僕の上に跨った。

「はぁ、はぁ、この日をどんなに待った事か。ククク」

僕に跨った先輩は他の先輩に目で合図をすると他の先輩が僕の腕を押さえた。
僕が動けなくなると先輩は僕の制服の釦を外し始めた。

「やっ!やだ!!止めて!!」

「あぁ、滑らかで気持ちいい・・・。」

制服が肌蹴ると僕の体を触り出した!!
嫌だ気持ち悪い!!

嫌だ!!先輩助けて!!




先生に頼まれた教材を片付けて教室に戻る途中ふと外を見ると今は殆んど使われていない特別教室棟の方に朔といつも朔をいやらしく見ていた隣のクラスの奴とその腰巾着が一緒に歩いていた。どう考えてろくな事がない組合せだ俺は慌てて後を追い掛けるが教室の数が多くてどこだかわからない、あいつは卑怯者だが頭は回るだから声が届く1・2階は選ばないだろう、だが気が焦っているから上の方にも行かない筈、だとしたら3・4階だろうから3階から見て回る。すると奥から朔の嫌がる声が聞こえる!

扉を開けて乗り込むとそこには腰巾着2人に腕を押さえられあいつは朔の胸に顔を近付けていた!
俺はカッとして殴りたい気持ちを押さえて朔の顔が映らない様に写真を撮る。

「これを学校側に見せる。これでお前らは最悪退学だな。」

「なっ!?そっそんな事をしたらこいつも男に襲われた事が表ざたになるぞ。くくく。意味がなくなったな。」

「俺がそんなへまをすると思うか?こいつの顔はう映らない様に撮るに決まっているだろうが。」

「おっ俺は!命令されただけだ!」
「そう!そうだ!俺達はただ命令されてやっただけで悪くない!!」

腰巾着が言い逃れをしようと言い訳を始めるが醜い!

「お前等!!俺達にも入れさせてくれって言っていただろう!!」
「言ってない!!」
「いや!言った!そもそもお前らが体に教え込めばいいと言い出したんだろうが!」
「言っただけで実際にやったのはあんただ!」
「そうだ!俺達じゃない。」

本当に醜い。醜い言い争いをしている間に朔を抱き寄せると震えながら俺にしがみ付いている姿が可愛いが此奴らを先にどうにかしなければ。

「いい加減にしろ。止めなかった時点で同罪なんだよ、それに今の会話も録画している。諦めろ。それにその言い訳も録画しているもう言い逃れは出来ない。」

「「「なっ!?」」」

「こっこの野郎・・・、こいつを黙らせれば・・・こっちは3人だ。」
「そうだ・・・。やっつけて携帯を奪えば・・・。」
「証拠はなくなる・・・。」

「あ‟ぁ~?」

「「ひぃ―――!!」」

少し睨みを効かせただけで腰巾着は逃げて行った。
残された奴も「覚えてろ!!」っとお決まりの文句を言って躓きながらも逃げて行った。だらしない。

携帯を仕舞い朔を抱き締める。

「もう大丈夫だ。何も心配はないから安心しろ。」

一生懸命声を殺し頷いている、安心する様に優しく頭を撫でてやると次第に安心したのか泣き止み体が重くなる。どうやら気を失った、安心して眠ってしまった様だ。

寮生に俺の荷物を持って来て貰う様に頼み、俺は朔と朔の荷物を持って寮に帰る。食の細いこいつは抱えて帰るのも苦にならない位軽い、もう少ししっかり食べさせないといけないなぁ。


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