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72 不思議な子(料理当番視点)

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俺はライザ。
今週はイルムと料理当番、はっきり言って面倒くさい!当番だと準備の為に早く訓練を切り上げ、片付けの為に後から参加になる。まともに訓練が出来ないのだ!

がだ、今週はいつもと違った。
週の中頃に隊長が拾って来たルネが手伝う様になった。ルネは見た目が10歳位の女の子に見えるが17歳の男。しかも、その辺の女の子より可愛い!表情がコロコロと変わり見ていて飽きないのだ。

そんなルネが‟マヨネーズ”なる物を作った。それは今まで塩・胡椒しか味付けがなかった俺達に画期的な調味料だった。食べ始めると何故か止められないという、とても不思議な味だった。

俺達にはそれだけでも衝撃的だったのに、ルネはそれからも‟ドレッシング”‟コンソメスープ”を作り、今まで塩味だけのスープが‟ミルク”‟トテテ”‟クル芋のポタージュ”と色々なスープを作っていった。

ルネはゲイルさんから色々な野菜を買い新しい食べ物を作る。今夜はイモマメを使うらしいがイモマメは硬くとてもじゃないがルネには切るのは無理だろう、俺達ですら切るのが大変な野菜なのだから。案の定イモマメに包丁を刺し抜けなくなっている、するとしばらく考えると突然魔法を発動させた!?

魔法は本来攻撃に使う物だ、生活魔法もあるがそれだって薪に火を着ける・飲み水を出す程度だ。それなのにここ厨房で攻撃性の高い魔法を使っている、しかも!形を変えた!?風で回転させ敵を切る魔法を縦長に回転させている。ルネが何をしたいのかさっぱり解らない。

シュートーも止めているが自分の世界に入っているのか全く聞いてない。
下手に手を出すと危ないので見守る事にして見ていると、その魔法でイモマメを切り始めた!?

魔法で野菜を切る!?
危ないと注意しても楽に切れるのが嬉しいのか楽しそうに切っている。俺達が動揺している間にイモマメは切り終わっていた・・・。ルネは何事もなかったかの様に調理を続けていた。

ルネは外国から来たらしく生活も言葉も違う国だからか、それともルネの性格なのか解らないが全く行動が読めない。
次は何を使って何を作ってくれる事やら、楽しみでしょうがない。


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