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姫川 林檎

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21 リカルドの勘違い(リカルド視点)

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朝食を持って行くと、顔を赤くしたルネと上機嫌のアルフレッドがそこに居た。

「とうとう手を出したのか!」

アルブレンヒに掴み掛かり締め上げる。相手は未だ子供だ、こちらが思っているよりは上かも知れないがそれでも子供には違いない。それなのに!

「出してないわ!ってかどういう意味だ。」

「お前がルネを好きなのは知っている。だから我慢が出来なくなったのかと。」

「!?なっ!!何故!」

ルネが心配して近づいて来た。手を放し何でもない事をアピールすると安心したみたいだ。子供に心配をかけてはいけないな。

「ん?お前気付いてないと思っていたのか?あから様だぞ、お前うちの子供達にも頭撫でた事ないくせにルネには何かに付けて直ぐに撫でていただろ?」

「なっ!」

「気付いてなかったのか?」

「・・・昨夜気が付いた。」

「おそ!っで何で上機嫌だったんだ?」

「・・・ルネが、・・・頬にキスをしてくれて・・・」

「子供か!まぁ、いいや手を出してないなら。飯にしよう。」

ご飯の準備をする。ルネは大人しくご飯を待っているそんな姿に一寸悪戯心が湧き、ルネの前に俺の分の肉とサラダを置く。するとこの世の終わりの様な今にも泣きそうな顔で見上げて来る。可哀想だから種明かしルネの前に小皿を置く、

「食べたい分だけ取ればいいよ。」

ジェスチャーでも肉を切り小皿に置くふりをする。すると安心して俺の顔を見ながら焼けた部分の肉だけを切り取る、サラダは小皿にいっぱいに取っていた。野菜の方が好きなのかな?

「リカルド、ありがとう。」

「どういたしまして。」

『頂きます。』

いつも言うけど何て言っているんだろう?食前の言葉だろうけど、ルネが言葉を覚えたらいつか教えて貰おう。


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