同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス

文字の大きさ
3 / 4

第2話 彼氏と勘違いされた夜

しおりを挟む
仕事が終わったあと、レジ裏で制服を脱いでいると、背後から紗夜さんの声が聞こえた。

「翔太くん、今日もお疲れさま」

「紗夜さんも、お疲れさまです」

振り返ると、仕事中とは少し違う、柔らかい表情で立っている。
その笑顔を見るだけで、胸の奥が少しだけ落ち着く。

「ねえ、よかったら……今日はうちでご飯食べていかない?」

その言葉に、思わず目を瞬かせた。

「え……いいんですか?」

「うん。一人分増えても大丈夫よ。あっ、男の子はいっぱい食べるか。でも安心して、私張り切っちゃうから。」

冗談っぽく笑う紗夜さんに、俺は小さく頷いた。

「じゃあ……お邪魔します」

水無瀬家の部屋は、どこか落ち着く空気に包まれていた。
淡い照明、整った家具、そして生活の匂い。

「どうぞ、そこ座ってて」

そう言われてソファに腰を下ろすと、キッチンでエプロンをつける紗夜さんの後ろ姿が目に入る。

(……やばい)

別に露出しているわけじゃないのに、
体のラインが自然に分かる服装と、落ち着いた色気が、どうしても目を引いてしまう。

年上の女性特有の柔らかさ。
細すぎないけれど、女性らしい丸みのある体つき特にお尻の大きさに目が行ってしまう。
それでいて姿勢がよくて、どこか上品。

(これ……普通に見ちゃダメなやつだよな……)

「翔太くん、お茶どうぞ」

「ありがとうございます」

カップを受け取ると、距離が一気に近づく。
香りと体温がふわっと伝わってきて、思わず背筋が伸びた。

「緊張してる?」

「い、いえ……ちょっとだけ……」

「かわいいわね」

さらっと言われて、顔が熱くなる。

テーブルを挟んで向かい合って座っているだけなのに、
水無瀬紗夜さんの存在感は、妙に近く感じられた。

料理を取るたびに伸びる腕。
そのたびに、柔らかな体のライン、2つの大きな胸が揺れ谷間が強調される。そして何より、紗夜さんが食べているときがなんかエロい。舌の動きについ目が行ってしまう。


(……見ちゃいけないのに……)

そう思えば思うほど、意識してしまう。

「翔太くん、ちゃんと食べてる?」

「は、はい……」

視線が合うと、紗夜さんはくすっと笑った。

「そんなに緊張しなくていいのよ。私、食べる姿見るの好きだから」

「え……?」

「一生懸命で、素直で……かわいいなって思うの」

その言葉に、胸の奥がきゅっと締めつけられる。

紗夜さんは箸を置いて、少しだけ身を乗り出す。

「ねえ……翔太くん」

「な、なんですか……?」

距離が、近い。
息遣いが分かるほどに。

「翔太くんって……年上の女性、苦手?」

「……苦手というか……」

言葉に詰まる俺を見て、紗夜さんはやわらかく微笑んだ。

「大丈夫。緊張してる顔も、ちゃんと可愛いわ」

また、肯定される。
それだけなのに、胸の奥がじんじん熱くなる。

紗夜さんが立ち上がって、空いた皿を片付けようとしたとき、
俺も慌てて立ち上がった。

「手伝います」

「ありがとう」

その瞬間、手が触れた。

ほんの一瞬。
でも、確かに温もりが伝わる。

「……あ」

二人同時に声が漏れ、視線が重なる。

紗夜さんは一瞬だけ目を伏せてから、そっと微笑んだ。

「翔太くんの手、あったかいね」

「……紗夜さんも……」

それ以上言えなくなって、空気が静かに揺れる。

キッチンで並んで立つ距離は、思った以上に近い。
肩と肩が、ぎりぎり触れそうで触れない。

紗夜さんが振り向いたとき、
俺の胸元に視線が落ちて、そしてゆっくりと目が合う。

「……ねえ」

「……はい」

「翔太くんって、優しそうで……守りたくなる顔してる」

その言葉は、母性なのか、女の目なのか、分からない。

でも確かに――
胸の奥が、恋の熱に似たものを帯びていた。

「……ねえ」

「……はい」

「翔太くんって、優しそうで……守りたくなる顔してる」

その言葉は、母性なのか、女の目なのか、分からない。

でも確かに――
胸の奥が、恋の熱に似たものを帯びていた。

少し気まずくなってしまった空気を誤魔化すように、俺は視線を逸らして言った。

「……あ、食器、洗います」

「え? いいのよ、私が――」

「いえ、今日はご馳走になったので」

そう言って立ち上がると、紗夜さんは少し驚いたように目を丸くしてから、ふっと微笑んだ。

「……じゃあ、一緒にやろっか」

キッチンに並んで立つ。
流し台の前は思ったより狭くて、肩と肩の距離がやけに近い。

水を出す音だけが、小さく響く。

皿を受け取ろうとした瞬間、
俺の腕に、ふわっと柔らかい感触が触れた。人生で初めて感じた柔らかさだった。

「……あ、ごめんね」

紗夜さんが小さく言う。

ほんの一瞬。
でも、その温もりと柔らかさが、はっきりと伝わってしまって――
心臓が跳ねる。

「い、いえ……」

声が少しだけ裏返る。

紗夜さんは気づいたのか気づいていないのか分からない表情で、
すぐ隣で皿をすすぐ。

エプロン越しでも分かる距離の近さ。
腕が動くたび、空気が揺れる。

(……近い……)

それだけで、頭の中が落ち着かなくなる。

「翔太くん、洗い方丁寧ね」

「そ、そうですか……」

「うん。こういうところ、ほんとに優しい」

また褒められる。

言葉よりも、距離の方がずっと強く意識させてくる。

水音と、呼吸と、時々触れそうで触れない腕。
その全部が、妙にくすぐったくて、落ち着かない。

「……あ」

また少しだけ腕が触れる。

今度は、どちらも何も言わなかった。

ただ、お互いに一瞬だけ動きを止めて、
何事もなかったように洗い物を続ける。

その沈黙が、逆に意識を強めてしまう。

「……終わったね」

「……はい」

二人で顔を上げて、目が合う。

その瞬間――

ガチャ。

玄関のドアが開いた。

「ただいまー!」

娘さんの声。

一気に現実に引き戻される。

リビングに入ってきた娘さんは、
俺と紗夜さんが並んで立っているのを見て、一瞬固まった。

「……え?」

次に紗夜さんを見る。

「……え???」

そして、ゆっくりと状況を理解したように目を細める。

「……え、もしかして……お母さんの彼氏?」

「ち、違うって言ってるでしょ!」

紗夜さんが慌てて否定する。

「えー? だってさ、男の人家に入れてるの初めてじゃん」

「それは……!」

俺も慌てて頭を下げる。

「ち、違います! 僕、ただのバイト仲間で……」

娘さんは俺をじっと見つめてから、にやっと笑った。

「ふーん……じゃあ、未来の候補ってことで」

「ちょっと!」

紗夜さんが顔を赤くして抗議する。

その様子が、どこか可愛くて――
そして、さっきまでの距離の近さを思い出して、
胸の奥がまた少しだけ熱くなった。

その夜、帰り際。

「今日は……ありがとう、翔太くん」

紗夜さんは小さな声でそう言った。

「あなたといると、安心するの」

その言葉は、
さっきの距離よりも、
さっきの感触よりも――
ずっと深く、俺の心に残った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

処理中です...