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第二部
遠い告白Ⅵ
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ビビアン様の右手に持っているものがぷらぷらと揺れているのが目に入りました。揺れているものが気になって、目を凝らしてみているとパサリと地面に落ちました。頼みの綱だった糸らしきものが切れてしまったのでしょう。
何だったのかしら? 不思議に思っていましたが、柄のようなもの。
ひゅっ。
その正体に気づいた刹那、喉がなり息を呑みました。
扇子。
右手に持っていたのは扇子です。
ぽっきりと折れてしまった扇子の半分は失われて地に落ち草むらの中。
バキバキッ。さっきの音の正体は……
ちょっとやそっとの力では折れないはず。ましてや女性の力で簡単に折れるはずはありません。
どれほどの力であれを? 想像した途端、今なお、睨みつけているビビアン様の相貌に、ぶわっと鳥肌が立ちました。
思わず、レイ様の腕にしがみつきました。レイ様はあやすようにポンポンと背中を軽く叩くと私を隠すように背を向けます。
「君は……シュミット公爵令嬢だね。どうしてここに?」
レイ様はビビアン様に問いました。
ファーストダンスを踊った相手ですから記憶に新しかったのでしょう。
私を睨みつけた鬼のような形相はほんのわずかの時間だったのかもしれません。レイ様に名前を呼ばれた彼女の表情がとろけるような甘やかな表情へと瞬時に変わりました。
「申し訳ございません。少し道に迷ったようで、気づいたらここへ。申し訳ございません」
しおらしく謝るビビアン様の様子に先ほどの瞋恚の目つきなどどこにもありません。気のせいかもと思ってしまうくらいに見事な変身ぶりです。
私はまだあの表情が頭に焼きついていて、恐怖が先に立ち、ぎゅっとレイ様の服を握りしめました。
「そう。ここは王族専用の庭園なんだ。貴族が足を踏み入れる場所ではないんだよ」
「申し訳ございません」
穏やかに諭すレイ様に謝るビビアン様ですが、一向に立ち去る気配はありません。
「わかったのなら」
「フローラ様がご一緒のようですが、それならば、わたくしもよろしいのではありませんか。フローラ様とはお友達ですから」
私だとばれているのですね。こちらもビビアン様だとわかっているのでお互い様なのでしょうか。
顔を上げたビビアン様は自信ありげな笑みを浮かべてレイ様を見つめていました。嫣然たる様は私の目から見ても美しくて、男性なら一目で心を奪われるのではと思ってしまいます。
「俺は許可していない」
「なぜ、フローラ様と? 貴族は立ち入り禁止ではなかったのですか?」
拒否されているのはわかるはずなのに、レイ様が何を言っても聞く耳を持たず、なおも食らいつくビビアン様の態度に空恐ろしくなりました。
「それは……」
レイ様が言葉に詰まります。その時に
「わたしが誘ったのよ。約束していたの」
空を割くように涼やかで澄んだ声がしました。
そして、噴水の陰から姿を現したディアナ。その後ろにはハイスター公爵様。
人影などなかったのに。なぜ、ここに? いつから?
疑問は浮かんでくるものの聞けるような雰囲気ではありません。
「ディアナ」
ビビアン様が知己の顔を見つけて、味方を得たと思ったのか顔が綻びました。
「そういうわけだから、ご遠慮してくださらないかしら。皆で語り合おうと集まったのよ」
「それなら、わたくしもご一緒させてくださいませ。ディアナ、いいでしょう?」
言葉の意味を理解していないのか、聞こえていないのか、ちょこんと首をかしげてお願いをするビビアン様にディアナがお手上げ状態とばかりに肩を竦めます。
「僕はシュミット公爵令嬢とは面識がないのだけれど、それでも同席したいのかな?」
ディアナの後ろに立っていた公爵様がゆっくりと口を開きました。鷹揚な態度を崩さない公爵様はそこはかとなく威厳があり、冷気を纏った清廉な雰囲気があります。
「……」
図々しくお願いしていたビビアン様も公爵様の一言で黙りました。爵位は公爵ですが、国王陛下の甥なので王家の一員です。しかも陛下の側近でもあるので、機嫌を損ねるわけにはいかないでしょう。
「ディアナとフローラ嬢の友人のようだから、どうしても、というならば同席しても構わないよ。どうする?」
二拓を迫られたビビアン様の顔色が見る見るうちに悪くなっていきます。物言いでは二択などなく一択です。拒否されたも同然のビビアン様は
「お心遣い感謝いたします。わたくしには過分な事と思いますゆえ、これにて失礼いたします」
ドレスをつまんだ手に悔しさを滲ませて、それでも公爵令嬢の矜持を保つように華麗なカーテシーをして去って行きました。
彼女の背中を見送り姿が見えなくなったことを確認すると、やっと弛緩した空気が流れました。
「けっこう、しつこかったわね。ランディー様もギリギリのところを攻めたから、乗ってきたらどうしようかと思ったわ」
「あれで乗ってきたら、まだ攻めるつもりだったけどね」
「そうなの? そうならずにすんでよかったわ。あそこで引いて命拾いしたんじゃないかしら」
世間話でもしているように軽く話している二人だけれど、会話の内容は笑えないわ。
「公爵様ありがとうございました。ディアナもありがとう」
命拾いをしたのは私も同じかもしれません。ビビアン様のあの調子では、いつまでも納得してくださらなかったでしょうから。二人のおかげで助かりました。
「いいのよ。しつこかったものね。お役に立てて良かったわ」
公爵様はディアナの隣でにっこりと笑ってらっしゃいます。
「ローラは大丈夫?」
レイ様が気遣ってくださいます。
「はい。大丈夫です」
恐怖に震えた背中を撫でて下さったので、随分と心強かったわ。レイ様の腕の中から解放されると少しだけ淋しくなりましたが、二人の前でそんな姿は見せられませんもの。
「災難だったわねぇ。レイニー」
同情心たっぷりの言葉を投げかけたディアナに
「お前達、いつからいたんだ?」
わなわなと震えながら疑問をぶつけたレイ様。
私も気になったところだったのですが、もしも、一部始終を見られていたらと思うと顔から火が出るほど恥ずかしいので、事実を知る必要はないかと思って、あえてスルーしてました。でも、レイ様は気になるのですね。
「いつって、たった今よ。ちょうどビビアン様がいた頃かしら? 休憩するために来てみたら、彼女の声が聞こえたじゃない? 何事かと思って顔を出したのよ」
「……」
動じることなくスラスラと状況を説明するディアナに、疑惑の目を向けているのがありありとわかります。ですが、レイ様、些末事は気にせずそのまま信じましょう。その方が私達のためかと思います。
心の中の声。さすがに面と向かっては言えません。
「余計なことをしてしまったかな?」
穏やかでいて飄々としたつかみどころのない公爵様に、何度か口をパクパクさせていたレイ様でしたが、諦めたように大きく大きく息を吐いて目を瞑った後「わかった。ありがとう」と言うに留めました。
本当はなにかしら言いたそうでしたけど、何を言ってもディアナにはかなわない気がします。公爵様にも。
「そろそろ帰らないと。祝賀会も終わるのではないかしら」
「そうだね。ホールに戻ろうか?」
ここに来てからかなり時間が過ぎたような気がします。両親も待っているでしょうし、心配させてしまいます。
「それでは、フローラ。一緒に行きましょう」
ディアナの帰りを促す声にどうするべきかレイ様を見ると
「その方がいいね」
頷いてくださいました。
揃ってホールに戻れば余計な詮索をされてしまうかもしれません。
私はディアナとレイ様は公爵様と別々にホールに戻りました。幸せだった時間は一瞬で、瞬く間に泡のように消えてしまい、やるせない気持ちはどうしようもなく心の奥に沈んでいきました。
そして、レイ様の話は聞けないまま夜が更けていきました。
何だったのかしら? 不思議に思っていましたが、柄のようなもの。
ひゅっ。
その正体に気づいた刹那、喉がなり息を呑みました。
扇子。
右手に持っていたのは扇子です。
ぽっきりと折れてしまった扇子の半分は失われて地に落ち草むらの中。
バキバキッ。さっきの音の正体は……
ちょっとやそっとの力では折れないはず。ましてや女性の力で簡単に折れるはずはありません。
どれほどの力であれを? 想像した途端、今なお、睨みつけているビビアン様の相貌に、ぶわっと鳥肌が立ちました。
思わず、レイ様の腕にしがみつきました。レイ様はあやすようにポンポンと背中を軽く叩くと私を隠すように背を向けます。
「君は……シュミット公爵令嬢だね。どうしてここに?」
レイ様はビビアン様に問いました。
ファーストダンスを踊った相手ですから記憶に新しかったのでしょう。
私を睨みつけた鬼のような形相はほんのわずかの時間だったのかもしれません。レイ様に名前を呼ばれた彼女の表情がとろけるような甘やかな表情へと瞬時に変わりました。
「申し訳ございません。少し道に迷ったようで、気づいたらここへ。申し訳ございません」
しおらしく謝るビビアン様の様子に先ほどの瞋恚の目つきなどどこにもありません。気のせいかもと思ってしまうくらいに見事な変身ぶりです。
私はまだあの表情が頭に焼きついていて、恐怖が先に立ち、ぎゅっとレイ様の服を握りしめました。
「そう。ここは王族専用の庭園なんだ。貴族が足を踏み入れる場所ではないんだよ」
「申し訳ございません」
穏やかに諭すレイ様に謝るビビアン様ですが、一向に立ち去る気配はありません。
「わかったのなら」
「フローラ様がご一緒のようですが、それならば、わたくしもよろしいのではありませんか。フローラ様とはお友達ですから」
私だとばれているのですね。こちらもビビアン様だとわかっているのでお互い様なのでしょうか。
顔を上げたビビアン様は自信ありげな笑みを浮かべてレイ様を見つめていました。嫣然たる様は私の目から見ても美しくて、男性なら一目で心を奪われるのではと思ってしまいます。
「俺は許可していない」
「なぜ、フローラ様と? 貴族は立ち入り禁止ではなかったのですか?」
拒否されているのはわかるはずなのに、レイ様が何を言っても聞く耳を持たず、なおも食らいつくビビアン様の態度に空恐ろしくなりました。
「それは……」
レイ様が言葉に詰まります。その時に
「わたしが誘ったのよ。約束していたの」
空を割くように涼やかで澄んだ声がしました。
そして、噴水の陰から姿を現したディアナ。その後ろにはハイスター公爵様。
人影などなかったのに。なぜ、ここに? いつから?
疑問は浮かんでくるものの聞けるような雰囲気ではありません。
「ディアナ」
ビビアン様が知己の顔を見つけて、味方を得たと思ったのか顔が綻びました。
「そういうわけだから、ご遠慮してくださらないかしら。皆で語り合おうと集まったのよ」
「それなら、わたくしもご一緒させてくださいませ。ディアナ、いいでしょう?」
言葉の意味を理解していないのか、聞こえていないのか、ちょこんと首をかしげてお願いをするビビアン様にディアナがお手上げ状態とばかりに肩を竦めます。
「僕はシュミット公爵令嬢とは面識がないのだけれど、それでも同席したいのかな?」
ディアナの後ろに立っていた公爵様がゆっくりと口を開きました。鷹揚な態度を崩さない公爵様はそこはかとなく威厳があり、冷気を纏った清廉な雰囲気があります。
「……」
図々しくお願いしていたビビアン様も公爵様の一言で黙りました。爵位は公爵ですが、国王陛下の甥なので王家の一員です。しかも陛下の側近でもあるので、機嫌を損ねるわけにはいかないでしょう。
「ディアナとフローラ嬢の友人のようだから、どうしても、というならば同席しても構わないよ。どうする?」
二拓を迫られたビビアン様の顔色が見る見るうちに悪くなっていきます。物言いでは二択などなく一択です。拒否されたも同然のビビアン様は
「お心遣い感謝いたします。わたくしには過分な事と思いますゆえ、これにて失礼いたします」
ドレスをつまんだ手に悔しさを滲ませて、それでも公爵令嬢の矜持を保つように華麗なカーテシーをして去って行きました。
彼女の背中を見送り姿が見えなくなったことを確認すると、やっと弛緩した空気が流れました。
「けっこう、しつこかったわね。ランディー様もギリギリのところを攻めたから、乗ってきたらどうしようかと思ったわ」
「あれで乗ってきたら、まだ攻めるつもりだったけどね」
「そうなの? そうならずにすんでよかったわ。あそこで引いて命拾いしたんじゃないかしら」
世間話でもしているように軽く話している二人だけれど、会話の内容は笑えないわ。
「公爵様ありがとうございました。ディアナもありがとう」
命拾いをしたのは私も同じかもしれません。ビビアン様のあの調子では、いつまでも納得してくださらなかったでしょうから。二人のおかげで助かりました。
「いいのよ。しつこかったものね。お役に立てて良かったわ」
公爵様はディアナの隣でにっこりと笑ってらっしゃいます。
「ローラは大丈夫?」
レイ様が気遣ってくださいます。
「はい。大丈夫です」
恐怖に震えた背中を撫でて下さったので、随分と心強かったわ。レイ様の腕の中から解放されると少しだけ淋しくなりましたが、二人の前でそんな姿は見せられませんもの。
「災難だったわねぇ。レイニー」
同情心たっぷりの言葉を投げかけたディアナに
「お前達、いつからいたんだ?」
わなわなと震えながら疑問をぶつけたレイ様。
私も気になったところだったのですが、もしも、一部始終を見られていたらと思うと顔から火が出るほど恥ずかしいので、事実を知る必要はないかと思って、あえてスルーしてました。でも、レイ様は気になるのですね。
「いつって、たった今よ。ちょうどビビアン様がいた頃かしら? 休憩するために来てみたら、彼女の声が聞こえたじゃない? 何事かと思って顔を出したのよ」
「……」
動じることなくスラスラと状況を説明するディアナに、疑惑の目を向けているのがありありとわかります。ですが、レイ様、些末事は気にせずそのまま信じましょう。その方が私達のためかと思います。
心の中の声。さすがに面と向かっては言えません。
「余計なことをしてしまったかな?」
穏やかでいて飄々としたつかみどころのない公爵様に、何度か口をパクパクさせていたレイ様でしたが、諦めたように大きく大きく息を吐いて目を瞑った後「わかった。ありがとう」と言うに留めました。
本当はなにかしら言いたそうでしたけど、何を言ってもディアナにはかなわない気がします。公爵様にも。
「そろそろ帰らないと。祝賀会も終わるのではないかしら」
「そうだね。ホールに戻ろうか?」
ここに来てからかなり時間が過ぎたような気がします。両親も待っているでしょうし、心配させてしまいます。
「それでは、フローラ。一緒に行きましょう」
ディアナの帰りを促す声にどうするべきかレイ様を見ると
「その方がいいね」
頷いてくださいました。
揃ってホールに戻れば余計な詮索をされてしまうかもしれません。
私はディアナとレイ様は公爵様と別々にホールに戻りました。幸せだった時間は一瞬で、瞬く間に泡のように消えてしまい、やるせない気持ちはどうしようもなく心の奥に沈んでいきました。
そして、レイ様の話は聞けないまま夜が更けていきました。
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