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第三王子殿下の恋Ⅱ
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「あいつって、シフォナード殿のことか?」
「……そうだよ」
ふてくされたように言い捨てるエドアールの態度にラフェールは驚いたように目を見開いた。すでに婚姻も済んで二人は新婚生活真っ只中である。今更何を言うというのか? わけがわからない。
「だって、僕。ティーアと結婚したいって、ずっと父上と母上にお願いしてたんだもん。それなのに……」
「はっ? それって本当か?」
エドアールの突然の告白に、がばっと身を乗り出したラフェールはまじまじと彼の顔を見つめた。今にも泣きだしそうに瞳には涙が浮かんでいる。
「うん。何年も前からお願いしてた」
「いつからクリスのこと好きだったんだ?」
「わかんないけど、最初からだと思う。だってティーアにしか目がいかなかったもん」
(知らなかったし、気づきもしなかった)
小さい頃から王城に顔を見せていたクリスティアは、ラフェールの幼馴染でもあるし幼いエドアールの遊び相手でもあった。母上と公爵夫人とのお茶会の横で大人の会話に入れない彼女がエドアールの相手をしていたのだ。
小さい頃から面倒を見ているだけあってクリスティアによくなついていたのは知っている。まるで本当の姉弟のように仲睦まじい様子が微笑ましく周りにも映っているようだったのだが……ラフェールももちろんその中の一人だった。まさか、エドアールに恋愛感情があるなんて思いもしなかった。
「なんで、今頃、そんな話を俺に持ってくるんだ」
「今頃って言われても。父上も母上も聞いてくんないし、そしたら、あっという間にティーアの結婚決まっちゃったし」
「で、クリスとお前の結婚について、父上と母上はなんて言ってたんだ?」
「まだ早いからもう少し待っててとか、エドがもう少し大きくなってからねとか」
「それって……」
「今思えば、はぐらかされてたんだよね。もともとから僕のことは眼中になかった。ホントのところは別の相手がいたからね。それを聞いていたから早くから先手を打っとこうと思ったのにな」
「別の相手って……」
(何か聞き捨てならないことを聞いたような?)
「それは、内緒。願望というかプライベートな話で結局立ち消えちゃった話だしね」
母親である王妃と公爵夫人とのごくごく個人的なお茶会での話。二人の願望が駄々洩れの会話を耳にして小さいながらにも聞いているうちに、クリスティアはいつかは誰かのものになるということがわかってきた。だから、直談判していたのに。
「まあ、それはいいけど」
実現していないものを聞いても仕方ない。内緒にしているところを見ると聞かない方がいいのだろう。それよりも……
「父上と母上の許可が下りなかったのは当たり前だと思う。エドにはクリスは無理だろう」
「兄上まで……そんなこと言うんだ。ひどいよ」
ペリドットの瞳をウルウルさせながら恨めしそうに唇を尖らせた。まだ子供のような態度にそういうところだろうと思いつつ、ラフェールは大きくため息をついた。
「……そうだよ」
ふてくされたように言い捨てるエドアールの態度にラフェールは驚いたように目を見開いた。すでに婚姻も済んで二人は新婚生活真っ只中である。今更何を言うというのか? わけがわからない。
「だって、僕。ティーアと結婚したいって、ずっと父上と母上にお願いしてたんだもん。それなのに……」
「はっ? それって本当か?」
エドアールの突然の告白に、がばっと身を乗り出したラフェールはまじまじと彼の顔を見つめた。今にも泣きだしそうに瞳には涙が浮かんでいる。
「うん。何年も前からお願いしてた」
「いつからクリスのこと好きだったんだ?」
「わかんないけど、最初からだと思う。だってティーアにしか目がいかなかったもん」
(知らなかったし、気づきもしなかった)
小さい頃から王城に顔を見せていたクリスティアは、ラフェールの幼馴染でもあるし幼いエドアールの遊び相手でもあった。母上と公爵夫人とのお茶会の横で大人の会話に入れない彼女がエドアールの相手をしていたのだ。
小さい頃から面倒を見ているだけあってクリスティアによくなついていたのは知っている。まるで本当の姉弟のように仲睦まじい様子が微笑ましく周りにも映っているようだったのだが……ラフェールももちろんその中の一人だった。まさか、エドアールに恋愛感情があるなんて思いもしなかった。
「なんで、今頃、そんな話を俺に持ってくるんだ」
「今頃って言われても。父上も母上も聞いてくんないし、そしたら、あっという間にティーアの結婚決まっちゃったし」
「で、クリスとお前の結婚について、父上と母上はなんて言ってたんだ?」
「まだ早いからもう少し待っててとか、エドがもう少し大きくなってからねとか」
「それって……」
「今思えば、はぐらかされてたんだよね。もともとから僕のことは眼中になかった。ホントのところは別の相手がいたからね。それを聞いていたから早くから先手を打っとこうと思ったのにな」
「別の相手って……」
(何か聞き捨てならないことを聞いたような?)
「それは、内緒。願望というかプライベートな話で結局立ち消えちゃった話だしね」
母親である王妃と公爵夫人とのごくごく個人的なお茶会での話。二人の願望が駄々洩れの会話を耳にして小さいながらにも聞いているうちに、クリスティアはいつかは誰かのものになるということがわかってきた。だから、直談判していたのに。
「まあ、それはいいけど」
実現していないものを聞いても仕方ない。内緒にしているところを見ると聞かない方がいいのだろう。それよりも……
「父上と母上の許可が下りなかったのは当たり前だと思う。エドにはクリスは無理だろう」
「兄上まで……そんなこと言うんだ。ひどいよ」
ペリドットの瞳をウルウルさせながら恨めしそうに唇を尖らせた。まだ子供のような態度にそういうところだろうと思いつつ、ラフェールは大きくため息をついた。
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