命を救った美女令嬢の家でVRMMOをプレイする。いつか彼女と付き合いたい。

茜色 一凛

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十六話 『掲示板のお祭り』

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「折角だから私も掲示板に何か書いてみようかしら! これにするわ!『俺がVRMMOの攻略法を教えてやんよー!』」

 エリカはイキイキとした表情で、新しい板のタイトルを決めると掲示板へ細い綺麗な指をスっスっと走らせていく。

 ──何だか嬉しかった。エリカは令嬢でこんなゲームなんかミジンコほどもハマるとは思ってなかったから・・・・・・。

1 ユウキ

 Lack the worldの攻略法を教えてやんよ!

「ちょ、ちょい、待て待て! 嘘だろ? なんで俺の名前で書いてんの? こういうサイトは本名使ったらダメだと学校で習わなかったか?」

 俺は焦るが、そんなことはお構い無しで、エリカは微笑んでいる。

「いいじゃない! このゲームのプレイヤーは1万人いるのよ! 同じ名前なんて星の数ほどいるから大丈夫に決まってるじゃない!」

 ・・・・・・いやいや、これが逆の立場なら絶対怒るだろうに・・・・・・。
 ──まあいいか。今日は外は豪雨でダンジョンに出かけることもないし。部屋で二人っきりで過ごすことになる。より親睦を深めて更なる先へと・・・・・・いってみたい。

「分かったよ。でも何を書くの?」

 エリカは天井に視線を向けて考えると、

「スキルの使い方とか、ボス攻略とか書いたら他のプレイヤーがどんどんダンジョンを攻略してくれて、この掲示板に書いてくれるはずよ! それぐらい分かるでしょ? 頭ん中ピーマンなの? ユウキ頭使いなさいよ!」

 エリカは胸を張り、右手をグーにして口元にそっと置き、エヘンと咳払いしてみせた。

 確かに理にかなってる。三本の矢みたいなもんか? 大勢集まって攻略法を並べていけば、より早く最終ボスを撃破できるアイディアが集まることだろう。ただ問題はバカが集まってもバカな意見しか集まらないからどうしようもないと、いうことぐらいか?

 まさかな。これだけ流行りのゲームなら攻略班みたいなのが作られて、そろそろ攻略サイトとか出てきそうなものだが。それにしてもエリカは仕草も可愛い。社長の真似事みたいだ!

 「あら、書き込みよ! 早速餌に食い付いたわね!」


2 戦士

 お前誰だよ! まだ誰も『1の扉』さえクリアしてないんだぞ。偉そうなこと言ってるけど弱いやつだろ! こういうイキった奴に限って初期の町のスライムにボコられてたりするんだよ!

3 メイド オムレットの女神 めぐにゃん降臨

 攻略法はいらないにゃん! 私は自分で好きなペースでやるから。ほっといてにゃん。私にはドラゴがいるにゃんよー

「戦士に何故かディスられてるし、こいつさっきの紐パン隊のやつか? あと3の人はめぐにゃんだよな? このゲームなんで皆バレるようなハンドルネームで書き込んでるんだ?」

「知らないわよ! 自意識過剰なタイプが多いんじゃないかしら。ええとー。公園の噴水はゆうきが腐ったイカを投げ込んだせいで、臭い水が循環してるから飲まないように気をつけなさいと書いとくわね!」

「やめてくれよ! あの後ドラゴが頭で噴水のコンクリートかち割って壊れたからチャラだろ。そんなことより、『1の扉』のボスについて書いたらどうなんだ?」

 エリカは何やら思い出すとコーヒーを噴き出した。

「イカでボスを倒すとか有り得ないわね! 何て書こうかしら・・・・・・」

10 ユウキ

 『一の扉』のジャンヌはイカの腐った匂いに弱い。イカを腐らせて、その臭いを嗅がせることでボスは逃走する。それでクリアだ! こんなもの誰でもクリア出来る!

「これで皆、二の扉にいけるわね!」

 フンフンと一人頷きながら、満足気な表情のエリカ。後半何かみんなを煽ってる気がするのは気のせいか? 
 
 しかも、こんな攻略法本当に誰が読むんだろうか? まぁ、人気のない板は誰からも相手にされないから時間とともに下の方に流されることだろう。しかも俺の名前を使ってるから尚更そうなってくれ!

11 ツグミ

 あー、変態見つけました。この人です! この『ユウキ』が私の紐パンを咥えて逃げていった犯人なんです!

12 戦士

 性懲りも無く現れやがったな、絶対捕まえてやる!

13 魔法使い

 変態に裁きを与える! 唸れえええええ! ファイアーボール! ユウキのケツに穴が空いた! よっしゃー!

14 僧侶

 今日は雨降りなので明日皆で地道に探します? このユウキとやらを! ちなみに私、宿屋にログインしてますから、来れる人は作戦会議でも開きませんか?

15 戦士

 奇遇ですね。僕も宿屋に泊まってます。先程モンスターの襲来があったみたいですよ!


「もしかして、みんなこの宿に泊まってるんじゃないの? ユウキ見つかったら袋叩きにあうんじゃない?」

 心配そうな、それでいてワクワクしている様な表情で目をぱちくりさせながら俺を見るエリカ。

「あーーっ! リアルの体はどうなっているか分からんし、こっちはこっちで付け狙われてるし、どうしたらいいんだあああああー!」

 両手で頭を抱えながら、俺はベッドに飛び込む、うつ伏せに顔を布団に埋め、発狂仕掛けた。

 その時エリカが俺の方にスタスタと近ずき、俺の腰の上にそっと腰を下ろして乗っかる。

 ・・・・・・ん?

「心配しないで! 私が巻き込んだことだから責任はとるから・・・・・・」

 俺の手の甲に重なる少し冷えた手。後ろから身を寄せてギュッと抱き枕のように俺の上に被さってきた。エリカのCカップの胸がぷにゅっと当たる。

 電車以来だな。あれっ・・・・・・エリカ? エリカの柔らかい脚が俺の脚に絡まる。

 ふくらはぎの裏でエリカの柔らかい股間を堪能する。とても柔らかい。下の方を見ると、やっぱり、

「エリカっ・・・・・・ズボン履いてないじゃん!」

 俺は振り向きながらそう答える。上のパジャマが大きめのサイズであったことからズボンを履いていなかったのだ。パンツという薄手の生地を通して、・・・・・・これ以上は言えない。

 「折角いいところだったのに・・・・・・、少し冷めたじゃないの!」

 そう言って俺の唇を軽く人差し指で押さえた。

 コンコン。誰かがドアをノックしている。

「どうぞー!」

 エリカが答える。あっと、エリカが言った時には遅かった。

「朝っぱらから何してるんですか? 休憩中に来てみれば、どういうことなんですか?」

 ツグミはカバンの中にビデオカメラを仕込んでいるのだろう。チャックの隙間からカメラのレンズがしっかりと見えているのはどういうわけだ?

 しかも、しかもだ。外が雨雲で暗いこともあり、カメラからはスポットライトのように俺とエリカを照らす光が見えた。

「よくもやってくれたな! 証拠は全て揃ってるんだ! 観念しろ!」

 俺はそう言ってつぐを捕まえようとしたが、エリカが顔をブンブン横に振り、

「ツグちゃんが悪いことするわけないじゃない!」

 エリカは大丈夫よ! といった表情を浮かべ、ツグミの方を見るが、俺の上で両膝立ちになりパンツが見えるエリカ。

 ツグのレンズが下からそれを追うようにキラリと光っていた。
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