命を救った美女令嬢の家でVRMMOをプレイする。いつか彼女と付き合いたい。

茜色 一凛

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三十四話 『リアルな仮想世界』

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「どうすればこのゲームがクリアになるか教えて欲しい。普通に攻略しなくてもクリア出来ることはわかってる」

 俺は腕を組み堂々とした態度で望む。本当はそんなの分かっちゃいない。だが、ゲームには裏技もあるのだ。

 例えば特別なアイテムを使うことで最終ボスといえどもワンパンできることもある。そんなゲームを数多くこなしてきたからこそ、このゲームにも高確率であると確信しているのだ。

「ん、うーむ。んーっ」

 俺たちの顔を見ながら、気難しそうな顔をする最終ボス。

「あなた! あるでしょ? 早く言いなさいよ」

 ジャンヌが加勢してくれている。

「もしそれを言ったとしてプレイヤー間で広まって俺がボコボコにやられてもいいのか? 俺はそんなのはごめんだ。何度も何度も殺されるのは嫌に決まってるだろ。そもそもこの男の事を全面的に信用しても良いのか? どうなんだ?」

 眉間に皺を寄せながら、俺の事を睨みつけてくる。凄まじい気迫が伝わってくる。

 ある意味詐欺師に思われてもしょうがない。今の俺は駆け出しのスキル。初期魔法のファイアーボールしかないのだから、普通に戦闘すれば間違いなくやられてしまう。そんな俺がこんな最終ボスに面と向かって何かを話すこと自体ありえない話なのだ。

「お願いします。何とかなんないでしょうか?」

 めぐニャンはメイドの服から見える豊満な胸をチラチラ見せながら、最終ボスの前に立ち、前屈みになって頬を火照らせる。

「うーむ。少し皆で話し合う時間を貰いたい」

 真面目そうな口調でそう言って入るものの、メグニャンのぷるんぷるん揺れる胸を最終ボスの視線は必死に追っている。

「後、それが分かれば今度はエリカに連絡してゲームの世界が続くように働きかける。ん? ちょっと待てよ。このゲームもしかしたらマイクロSDカードに入れられれば、この世界はずっと続く事になんないのか?」

 皆訝しげな顔で俺を見てくる。1種のパラレルワールドになり得る話だ。データをコピーしてマイクロSDカードに入れればそのデータは永遠に運営には手の届かない物となる。

 こんなの子供騙しか? 何か根本的に見落としているものがありそうだ。

「ねえ、そもそもなんで私はイカに弱かったのよ! おかしくない?」

 ジャンヌは俺に詰寄る。俺の眼鏡型のハードはロット番号が新しい。もしかしたらそれがゲームに何らかの影響を与えているのかもしれない。

「俺も調べたいことがあるから、一度宿屋に戻って考えてみる。結果は明日九時にまたここに来るから」

「メグといられる方法を頼んだぞ!」

 ドラゴは大声を張り上げる。もしかしたら未来はリアルの結婚だけじゃなくてこんな風にゲームのキャラと結婚するような時代が来たとしてもおかしくは無い。

 ゲームの中で結婚して子供が生まれて、育てて、リアルとゲームの狭間でどちらがどちらが分からないようなそんな世界がやってくるのかもしれない。

 そもそもあのリアルの世界も目を開ければリアルだって理解できるだけで、ゲームの世界がリアルと変わらないような世界ならどちらがリアルなのか分からないだろう。

 下手したらリアルの世界がゲームの世界だと言うことも考えられるし。仮想世界に最初から生きていたらそれがリアルの世界だと勘違いしていることも十分考えられる。

 ふとそんなたわいないことを考えながら螺旋階段を登り、宿屋の前でたどり着くと突然、頭が真っ白になり乾電池の電池が切れたかのように足から崩れ落ちた。
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