BL官能ショートショート集

ヤミイ

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第38話 ナルシス⑪

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 自慢じゃないが、僕は躰が柔らかい。
 この際、それが幸いした。
 無理やり逆海老ぞり体勢にさせられても、僕の背骨は軋みこそすれ、折れはしなかった。
 肩甲骨か尻肉にくっつくほど折れ曲がると、僕は自然に両脚を開いていた。
 眼窩の中で上向きに眼球を動かし、両脚の間を見る。
 あった。
 太くて長い、棒状の器官が。
「こうすればいいんだな?」
 右手と右膝で僕を二つ折りにしながら、義兄さんが言った。
 左手を背後から僕の尻肉の間に差し込んで、完全勃起した陰茎を握りしめる。
 それを尻の割れ目の間から後ろに突き出すようにへし折った時、義兄さんの言う意味が分かった。
 そうか。
 そういうことか。
 まさか、そんなアクロバティックなことが、可能になるなんて…。
 上半身と下半身が背中部分で密着するまで折れ曲がった僕は、ある予感に震えながら精いっぱい顔を仰向かせた。
 あった!
 予想通りだった。
 目と鼻の先に、赤紫色に充血した亀頭が来ていた。
 臭いすら嗅げる距離だ。
 ためらいはしなかった。
 いや、むしろ、僕は積極的に難題に挑んだ。
 全身の骨が悲鳴をあげるのもかまわず、全力でのけぞって口を亀頭に近づけたのだ。
 そうしてー。
 ボキッ。
 背骨の折れる音がすると同時に、僕は成功にこぎつけていた。
 自分の口で自分の陰茎を咥える。
 しかも、逆側に躰を湾曲させることで、背骨をへし折ってまで。
「完成だ」
 背中側に躰を反り返らせ、円環状になった僕を、軽々と義兄さんが持ち上げた。
 そしてー。
「あばよ、変態クズ野郎」
 そうつぶやくと、部屋の窓を開け、夜が明けて白み始めた外の路上へと、動けない僕を放り投げてしまった。




 
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