淫美な虜囚

ヤミイ

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64 M男への道⑰

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 姉さんに、剃毛される…。

 夢うつつの状態に陥りながらも、その会話に、僕はすさまじく高ぶった。

 腋毛だけでなく、陰部に茂る、恥毛まで…。

 そういえば、翔の裸体には腋毛も陰毛もない。

 全身脱毛しているのか、すね毛すらもなく、ブロンズ像のようにすべすべした肌をしている。

「巧を、翔さんみたいにしろということですね。できるだけ、卑猥な躰に…」

 姉さんもそれに気づいていたのか、また頬が上気して薔薇色に染まっている。

「ええ。体毛などというものには、何の意味もない。それこそ、肌と肌を密着させる醍醐味を半減してしまう。佐代子さん、できれば、貴女も剃るといい」

「わ、私も、ですか?」

 僕の陰茎を握った姉さんの指に力がこもる。

「巧君が完全なる性奴隷に調教された暁には、家では彼は、貴女にも奉仕することになるでしょう。その時に向けての準備です。ふたりでこの少年を、世にも淫らな一頭の牡犬に仕立て上げてやるのです。ああ、なんなら、彼にあなたの体毛を剃らせてみるのもいい。ただし、絶対に、他の個所に手を出させないこと。彼は恋人や愛人など、貴女と対等の地位にある存在なのではなく、あくまでも、”性奴隷見習い”という立場の下等動物なのですから」

 僕が、翔だけでなく、姉さんの、性奴隷…?

 しかも、下等、動物、だなんて…。

「素晴らしいお考えです」

 姉さんが、うっとりとした目で翔を見た。

「私、これから、ずっと翔さまについて行こうと思います。もう、すっかり、貴方に恋してしまいました」

「ね、姉さん…」

 僕は快楽に浸りながら、ショックのあまり、小声でうめいていた。

 「翔さん」が、「翔さま」に変わっている。

 それにあの、恋する乙女みたいな横顔は、何?

 胸が痛い。

 嫉妬で、息が苦しくなる。

 でも、と思う。

 これは、どっちへの嫉妬なのだろうか?

 姉さんを、翔にとられること?

 それとも、翔を、姉さんに横取りされること?

 ああ、もう、僕には何も、わからない…。

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