アンドロギュノスは眠れない

ヤミイ

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♠9 待ち受けていた罠⑦

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 男はまず包皮に包まれたままの私の亀頭を唇で覆うと、舌の先を余った皮でできたおちょぼ口に入れてきた。
 
 包皮で囲まれたカルデラの中は、すでに男がカウパー腺液と呼んだ先走り汁でいっぱいだ。

 その熱い汁をくちゃくちゃ攪拌しながら、亀頭の表面をおもむろに舐め出したから、もうたまらない。

「あああっ」

 つま先立ちになり、弓のように身体をのけぞらせる私。

「気持ち、いいかい・」

 口を離して、男が訊いてくる。

「や、やめ・・・」

 ないで。

 そう続けそうになり、私はあわてて唇を噛んだ。

「その感じなら、大丈夫みたいだね」

 もう一度、私を口に頬張り直し、男がゆっくり竿を握った手を動かし始めた。

 男の口の中で、仮性包茎の包皮から、徐々に亀頭がせり出していくのがわかった。

 痛い!

 身構えた瞬間だった。

 露出した過敏なその部位を、ふいに男の熱い頬の内側の粘膜が包み込んだ。

「かふっ」

 おくびのようなため息が口をついて出た。

 なにこれ?

 亀頭を触られても、全然、痛くない。

 むしろ、天にも昇るほど、気持ち、いい。

 じゅるっ。

 唾液をたっぷりまぶした男の舌が、蛇のように私のヌメヌメ亀頭に巻きついた。

「はうっ」

 また声が出た。

 こういうのを嬌声というのだろうか。

 私、初めてのおフェラに、感じちゃってる・・・。

 しかも、相手は、見ず知らずの痴漢だっていうのに・・・。

 シュコシュコシュコ・・・。

 私を頬張ったまま、男が右手で扱き始めた。

 左手は私の胸の膨らみに咲いたピンクの蕾をクリクリ弄るのに余念がない。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああああっ、あたし、いく、いっちゃう!」

 生まれて初めて、エクスタシーで痙攣した、その時だった。

「え?」

 逝きそうになった私の勃起ペニスから口を離し、男が頓狂な声を上げた。

「き、君、こ、これは、何?」

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