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ヤミイ

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 ドアが開くと、雪崩を打つようにして十人以上の男たちがこちらの車両に乗り込んできた。
 体格はさまざまだが、全員に共通しているのは、頭にレスラーのようなマスクをかぶっている以外、全裸であることだった。
 体つきからして、高校生か大学生ぐらいの若者がほとんどだ。
 が、中には下腹の突き出た見るからに中年男らしき体型の者もいる。
 まず、先生の両側にふたりが座った。
 華奢な身体つきの少年たちだった。
 マスクを外すと、案の定、双子のようにそっくりな美少年が現れた。
 ふたりとも、僕が思わず嫉妬を覚えたほどの美形である。
 そのふたりの肩を抱き寄せ、先生が交互にキスをする。
 少年たちのしなやかな指が、先生のむき出しの乳首に、あの猥褻なショーツの膨らみにかかる。
「だ、だめっ! 僕の先生に、触るな!」
 カッとなって叫んだ時には、すでに遅かった。
 僕はマスクの男たちに取り囲まれていた。 
 満員電車の中を再現するように、十数人の全裸の男たちが身体をぎゅうぎゅう押しつけてくる。
「あっ」
 僕が声を上げたのは、あちこちから伸びてきた複数の手が、僕の躰をまさぐり始めたからだった。
 布越しに乳首をつねられ、乱暴に引っ張られた。
 レオタードの上からペニスを握られ、もみくちゃにされた。
 Tバックの横から侵入してきた指が、肛門に突き刺さる。
「や、やめてっ!」
 吊り革につかまったまま、無垢な少女のように悲鳴を上げ、僕は海老のように反り返った。
 嫌ではなかった。
 それどころか、期待感で早くも精液を漏らしそうだった。
 リボンでつけ根を縛られていなかったら、うっかり漏らしていたかもしれなかった。
 なぜって…。
 僕がオナニーの時に思い描くエロチックな妄想通りの儀式が、今まさに始まろうとしていたのだ。

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