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ヤミイ

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「そんな光景を目の当たりにして、よく平気だったな。ふつうなら、警察にでも通報しそうなものだが」
 苦笑混じりに先生が言う。
「私だって、最初はびっくりしましたよ。だって、裸の男の人がふたり、自習室の狭いブースの中で絡み合ってるんですから。でも、実は私、BLが大好きで、こういうの、いっぺん生で見てみたかったんです」
 最初こそ少しはにかんだ様子だった柚葉だが、今は悪びれたふうもない。
「生でか…。たしかにこれは、ある意味、エロ動画のライブ版みたいなものだな。何度も何度も、逝かされてしまった気がする…。それこそ、はしたないほどに…」
 先生が、いとおしむように、僕と自分の裸体を見回した。
「すごい迫力でした。肉のぶつかる音、粘膜のこすれる音、それに、汗の臭いとはまた別の、独特のあの青臭いようなイノチの匂い…。おまけにエキス・・・そう、精子まで飲ませてもらえて、もう、感激です。ふふ、さすがの私も、ちょっと濡れちゃいました」
 目の下をぽっと赤らめ、柚葉が告白めいたことを口にする。
「それはいいが、俺たちには、女の君を相手にする趣味はないぞ。また、その時間もない」
「わかってます。それに、私も男女の性交にはあまり興味がわきません。それより早く、あれをやってみませんか? 私、道具、取りに行ってきますから」
「あれ? あれとは、何のことだ?」
 先生が、いぶかしそうに、僕と柚葉の顔を交互に見た。
「カテーテルですよ。僕がさっき頼んだんです。先生を犯すところを見せてあげる代わりに、カテーテルを二本、調達してきてくれないかって」
 満を持して、僕は言った。
「カテーテル…それも、二本?」
 眼鏡の奥の先生の瞳が驚きに大きくなる。
 見つめ返していると、やがてその底に、情欲の炎がともるのがわかった。
 やっぱり、と思う。
 カテーテルオナニー。
 先生もしたかったのだ。
「僕だけがカテーテルを装着して、性器を弄り回されるのはもうやりましたから、今度はふたり一緒に、というわけです。そうしてお互い、相手を射精させて噴き出た精液を飲み合うんです。どうです? 素敵なアイデアだと思いませんか?」
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