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ヤミイ

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 電極を身体中につけた先生の裸体が、ゆっくりと持ち上がる。
「よく見えるようにしなきゃね」
 と、ジュリが先生の両手首を結束バンドで縛り、天井から吊り下げたのだ。
 両手をロープで拘束され、天井から吊るされた先生は、まるで殉教した聖者のようだ。
 十字架にかけられたいにしえの神の子のように、その彫りの深い顔は苦悶に歪んでいる。
 が、それが苦痛からくるものでないことは明らかだ。
 ジュリの話によると、先生は無痛症なのだという。
 それが本当なら、結束バンドによる締めつけも、肩関節にかかる負荷も、先生は、まるで意に介していないに違いない。
 もしや、と思う。
 先生は、これから見舞われる電気ショックすらをも、苦痛とは感じないのではないだろうか。
 だから、かつてジュリと”遊んだ”時、心臓が止まるまで、その危険な行為を愉しむことができたのではー。
「行くわよ。まず、乳首から」
 電流計に似た装置のひとつに手を伸ばし、ジュリが言った。
 装置の上部にはふたつのツマミがあり、どうやらそれが電流の強さを調節するダイヤルになっているらしい。
「ああっ」
 ジュリの指が動くと、それまでうなだれていた先生がふいに顏を上げ、大きくのけぞった。
 胸を突き出し、眼を閉じて、何かを味わうように首を反らせている。
 しばらく刺激から遠ざかり、萎えかけていた陰茎が、無毛の股間でぴくりとうごめいた。
 太腿の間からズル剥けの赤い亀頭をむっくりもたげると、辺りを睥睨するように静かに首を振ったのだ。
「あふ…く、くう」
 微弱な電流が、つないだコードを通して乳首に注ぎ込まれているのだろう。
 先生は絆創膏で電極版を留められた胸に胸筋を浮き立たせ、喉仏を烈しく上下させている。
「塁。開脚させて。いよいよ次はペニスだから、変化がよく見えるように」
「おk」
 ジュリの指示に、素早く塁がベッドに駆け寄った。
「手伝って、少年。君は右足を」
 先生の左足首に結束バンドを取りつけながら、僕に命令する。
 異論はなかった。
 ここはやはり、180度開脚が望ましい。
 なんといっても、先生には、恥辱まみれの姿がよく似合う。
 二本のロープで両足首が緊縛されると、塁が壁のコンソールを操作した。
 左右同じスピードでロープが上がっていき、先生の股が開き切ったところで停止する。
 180度回客させられた先生は、今やTの字形の恥ずかしい姿で股間から陰茎を突き立て、陰嚢を垂らしている。
「いい感じね、じゃ、行くよ」
 ジュリがうなずき、さっきのとは別の一台のツマミに手をかけた。
 塁が取りつけた、先生の陰茎と陰嚢の根元を縛った電気コードにつながっている器械である。
 ジュリの指がダイヤルをひねる。
 そのとたん、
「あきゅっ!」
 先生が嬌声を上げ、眼を張り裂けんばかりに見開いて、ガクンと大きく下半身を震わせた。
 

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