夢のステータスをこの身に!

刹那冥夜

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実技試験

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あの後色々と学園の事を聞くと、入学には筆記試験と実技試験があることが分かった。

「筆記試験かぁ…勉強を今からするとなると一ヶ月くらいはかかっちゃうかなぁ……」
そんなことを呟くとまたもやセシル達が驚いた顔をする。

「一ヶ月で済むことに驚きがあるが、そこの所は私がなんとかしよう。私には学園長と面識があってな、推薦枠としてなら実技試験だけで入ることが出来るのだ。ウミの実力は充分を越している、更にソラはリザードンを倒すほどの実力があるそうじゃないか」

「推薦枠?そんなものがあるの?でもなんかズルした感じがして抵抗あるなぁ」
実際、ほかの人達は必死に勉強して、それでも落ちた人はいるだろうに………

「……そう思うのであれば試験問題を一度やってみたらどうだ?それで覚えるのは無理だと感じたら諦めて推薦枠で入学するしかあるまい!」
セガルはセバスに羽根ペンに試験紙を持ってこさせた。

「あー、分かったよ。確かに遅くなればなるほど都合が悪くなっちゃうもんね」
そう言って羽根ペンを手に取り、試験紙をみる。

「えーっと、あれ?試験って数学しかないんですか?」
「ん?あぁ、算術のことか、そうだが苦手なのか?」

試験紙に書かれた問題は中学校までに習う問題ばかりだった。ソラは勿論スラスラと解けるわけで、間違えてしまうところと言ったら凡ミスをしてしまう所だけであろう。

「いえ、見ての通り算術だったら楽勝だよ」
「わっ、凄いですソラ様!全部あってますよ!」
セシルさんが丸つけをしてくれる。次は問題のウミちゃんだ……はっきり言ってウミちゃんが勉強を出来るとは思ってもいない。

「………………………この問題を作った人は頭がおかしい……………」
「あははは……」

全問空欄だった………







「それじゃあウミは推薦枠、ソラは通常枠で入学でいいな。実技試験はただ単に魔法の実力、武技の実力を点数つけしてクラスを分けるだけの工程だこらもししくじってしまっても大丈夫だ。」

「…………いぎあり!……………………」
ウミちゃんが急に可愛く叫んだ…と言うかどこでそのネタを知ったんだろう………

「どこに意義があるの?ウミちゃん」
「……ん…………ソラと同じじゃない………」
ウミちゃんはソラと同じように入学出来ないことに不満を感じているようだ。
それを解決するにはウミが必死に勉強するか、ソラも推薦枠にしてもらうかのどちらかだ。

「じゃあ、僕も推薦枠にするよ」
「えっ、いいんですか!?」
セシルさんがありえないと言いたげに叫ぶ。

「うん、僕も実際にウミちゃんと同じじゃ無い事はあまりしたくないからね」

(ソラ様………ソラ様達は少しおかしいですわ…)
この時セシルはそんなことを思ってしまう………
それでも嫌いになれないのはソラの魅力の一つなのであろう。

「それでは二人共推薦枠で決定だな。学園長には今から学園に向かって話をつけるが、どうだ?ソラ達も今から向かうか?」

今から行くとなると、明るい内には帰ってこれるだろうが長くは向こうで話などを聞いていることは出来なさそうだ。
早めに入学出来て損は無いし、聞きたいことは後日聞きに行けばいいよね。

「じゃあ、今から僕達も向かいます」
「わ、私もご一緒いたします!」
こうして、セガル、セシル、ソラ達は学園に向かった。










学園に着いたセバスを入れた五人は、白髪の腰が曲がった優しそうなお年寄りの男性…学園長のいる部屋に学園の教師と思われる人に案内された。

「セガル、久しぶりになるのう………じゃが魔物が攻めてきた後の忙しい時間にどうしたのじゃ?そしてそちらのお二人さんはどちら様になるのじゃ?」

「すまんなアルダス、今回は少し頼みがあって来たんだが………この二人を推薦枠で入学させることは出来ないか?」

推薦枠、それを聞いた瞬間学園長…アルダスと言う人の目が鋭くなる。
「ほぅ、セガルお前が推薦枠とな…………それほどの腕をそのお二人さんは持っているというわけじゃな?」
鋭くなった目でソラとウミを見極めるようにじっくりと見つめるアルダス、それにソラ達は迫力に押され少し身体が固まってしまう。

「あぁ、はっきりと言うがこの子…ウミというのだが、こっちはアルダス……お前と同じく二つの適性を持つ少女だ。癒しの魔法を見たがもしかしたらアルダスを超えてるかもしれん。」

「なんと!?二種適性にわしを超えると!?!!」
アルダスは目を見開き先程までの小さくもはっきりと聞こえる声とは逆の、大声で驚いた。
「ふぉっふぉっふぉっ!!!!まさか他にも二種適性を持つ人間がいたとは!!!久しぶりに大声が出てきてしまってるわい!!!」
とても嬉しそうに白い髭を撫でながらそういうアルダスはソラにもなにかあるのだろうと期待した目を向けていた。

「こっちはあのリザードンを何の準備もなく短剣一つ、それも一人で勝つほどの実力だ。」
「他にも一応ものは使いましたが……」

「ふぉっふぉっふぉっ!!!ソラ殿も凄いことをしおる!!謙遜しなくてもよい!リザードンをその年で一人で倒すなんて真似早々できるものなぞではない!」

「分かったぞ!よし!今すぐ実技試験の準備をしよう!お二人さんの実力を見せておくれ!!闘技場で行うのでの、着いてきてくれぬかの」
そうしてソラ達は闘技場へ、セシル達は観客席へと移動するのであった…



















「それでは実技試験を開始いたします。ソラ様は武技、ウミ様は魔法……それぞれを使用してまずはあちらの藁人形に威力の一番高い技で攻撃してください」
闘技場に移動すると、アルダスさんは試験をここの教師に任せて観客席に上がってしまっていた。

「分かりました。それじゃあウミちゃんからやろっか?」
「ん………最大出力…………」
そう言って手の平を人形に向けるとウミは魔力を溜め、水の塊を出し、それを圧縮していった。

「………うぉ~た~び~~む…………っ!……」
ウミがそう叫びながら手のひらに一層力を入れると、溜まった水は開いた小さな穴から逃げようとするように勢いよく藁人形に向かって行った。
藁人形は魔法がぶつかる前から水の迫る勢いに揺れ、ぶつかった瞬間に後ろに押されるでもなく、穴が開くこともなく、風船のように破裂してしまった。

それを見ていたセシル達は当然の様に口を開け、当然の様に驚いた顔で観客席に座っていた。
 
「凄い!凄いよウミちゃん!」
ソラは自分の事のように嬉しくなり、ウミに抱きつき頭を激しくなでていた。

「こ、これは……わしの魔法の実力、魔力の量……どちらにおいても…超えてしまっているのぉ……」
「ま、まさかウミ様がこれ程の攻撃魔法も使えるとは………思ってもいなかったです……」
「………私は何もいえん………………」
アルダス、セシル、セガルは呟いた……それらはソラ達の耳には聞こえず、試験を担当している教師には聞こえていたとしても、驚きにより聞こえていないことになっているであろう。

「それじゃあ次は僕だね。」
「ん……頑張って………………」

ソラは走り出す、いつものように素早く…ではなく、普通の人でも見える速度で、じっくりと力を貯めるように………そしていつの間にか手に持っていたナイフを逆手に前に突き出し、藁人形の位置まで到達するのと同時に斬撃を繰り出した。


ぶぅわぁっさぁ!!!!
そんな音を出しながら藁人形は一気に細かく刻まれた藁に戻り、支えていた棒一本だけとなってしまった。


流石にセシル達はきっとソラも凄いのだろうと予想しており、さほど驚きは無く迎えられた。


「ソラ………神技………………濡れる………///……」
「あはは、ウミちゃんって少し変態っぽいよね…でも褒めてくれてありがとね」
二人の世界に入ったソラとウミをアルダスは真剣な目で見ていた。

(それほどのものだったとは……更にわしの目に移った感じ威力は凄いが技としてはまだまだ磨くことが出来ると見た………ソラ殿のあの斬撃、磨けば倍ほどの量を増やせるのぉ……ふぉっふぉっふぉっ!!成長した姿が楽しみじゃわい!)
















あの後、ソラ達は無事実技試験を終え、クラスを発表された。

「ソラ殿達にはC組に行ってもらう」
「アルダス様!?」
セシルがアルダスの発表に驚き、つい大声をあげてしまった。

「本当なら今すぐにでもSクラスにしてやりたいのじゃがのぉ、すまぬが推薦枠であればC組止まりという学則があるのじゃよ。本当にすまぬのぉ…」
「ですがっ!ソラ様達の実力はSランク以上のものですよ!?学則を無効にするほどの力は証明できると思います!」

セシルの言葉にアルダスは気まずい感じになる。
「それがの、実は頼みたいことがあるのじゃ………」
「頼みですか?」
「うむ………ソラ殿は知らぬと思うが、この学園にクラスはS、A、B、C、Dと5組に実力差で分けられておっての、学ぶ事は同じなのじゃが、問題は偏見、差別的な行動を取るものが多数おっての……」
「それを僕達に変えて欲しい…という事ですか?」

「うむ、そうじゃ……別に言葉で解決せんでもよいのだ…簡単に言うとそ奴らは自分の下の立場にいるものは全てが弱く映っておるのだ、それを壊し下の立場にいるものにも強い者、自分より優れた者がいることを証明すれば考えも変わるであろう」

「…………そう簡単にはいかないと思いますが…できる限りでいいなら協力しますよ、実際C組でも全然大丈夫なので」
「ん……ソラがいるならいい」












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