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第二章 破滅の赤
深紅の女優
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「調子はどう?心配したよ、かなり危ない状態だったと聞いているけど」
「ご心配をおかけし申し訳ございません。殿下のお心遣いのお陰でこのように今まで通りの生活を送ることが出来ております。医師のお墨付きもございますゆえ、これからも婚約者としての責務を果たす所存でございます」
私の体調を考慮してあの手紙の二週間後、我が家にお見舞いに来て下さったのだ。目の前に座る殿下は私のような暗い深紅ではなく、ルビーのように美しい赤色の瞳と長い髪を三つ編みにし後ろで結っている。この歳で言う表現ではないが妖艶という言葉が似合う顔はとても美しいと思う。他の王族といえば国王陛下のご尊顔しか姿絵が出回らず分からないが、皆様これ程美しいのかしら。
いつもながら母はどこかのお茶会へ、父は宰相の仕事で城にいるため私一人で殿下を持て成さなければならない。でもお茶を飲みながら談笑をする時間もこれくらいでいいでしょう。
「殿下、我が家自慢の庭を案内いたしますわ」
「それは楽しみですね。是非ともお願いします」
使用人たちは遠くで待機させ殿下に庭の花や施設の説明をしつつ、少し奥まったところにある小さな温室へ向かう。ここは何代か前、夫に相手にされず孤独な公爵夫人が作ったと言われている場所で、今は私が管理しているの。以前の私は庭師に任せきりで何をするわけでもなかったけれど、記憶を思い出してからは何度か訪れて花の世話をしているわ。
「ここは…帝国の魔道具がふんだんに使われているようですね」
「えぇ、この温室を作った当時の公爵夫人はインヴェスティガル帝国の出身だったようで、実家から取り寄せたのだと聞いております。現在でも帝国の魔道具は高値で取引される程高価なものですし、意匠も歴史的価値の高いものとなっております。」
にこやかに会話を交わしていてもお互いそんな気持ちは微塵もないでしょうね。特に殿下は私の様子を探っているはず。それは彼の立場が非常に複雑な位置にいるから…。でもそれは私も同じですのよ殿下。
元々この国には王子21人、王女13人の王族が居た。そして今いらっしゃる王族や臣下に下ったもしくは降嫁した元王族は国王陛下を含め63人。歴代の王も全員が側室を40人前後持ち、沢山の子供を設けている。それなのに今いる王族が《63人》。そうこの国の王族は虚弱短命なのだ。私が前世の記憶を思い出して二週間、この国の人間から経済、武力などを出来る範囲で調べつくした。王族の婚約者としての勉強をしているとはいえ五歳児の知識は微々たるもので、私の知らない現実は沢山あり疑問が多く残っている。
まず今いる王の子供は昨年お生まれになった王女を含め王子11人、王女9人…。そして正妃は空席で側室が42人…から38人になっている。
さらに現国王陛下のご兄弟は臣下に下った王弟が1人と降嫁された元王女が2人、側室は全員無くなっている。
その一世代前、つまり今目の前にいらっしゃるコーラル殿下の祖父である先々代国王陛下の代の王族は一人だけ。
いくら虚弱短命と言っても魔道具があり比較的文明の高い世界でこの死亡率は不自然すぎない?それに側室までが短命なのはどうして?おまけに王族の顔が国王以外公に公表されておらず意図的に王族の歴史が残されていない。
ただし私の目の前にいるコーラル殿下を除いて。
私の予想が正しければ殿下と私の立場はこれから先ますます重くなるはず。だから殿下は私という婚約者がどう出るかが重要になる。ならば…。私はハサミを取り出し殿下の髪と瞳の色と同じ薔薇を一凛摘み棘を落とす。今この場には私と殿下しかいないのだ。パチンパチンという音と私たちの会話だけが温室に鳴り響く。
「薔薇といえば私たちが初めて出会った庭の薔薇も見事でしたわね。殿下がうらやましいですわ、いつも見ることが出来るのでしょう?」
「ええ、ですが私はあまり足を運ぶことはありません」
「まぁ、では普段は何を?」
そう言って私は棘を落とした殿下に差し出す。殿下はそれを受取ろうと茎を持ったが私もそれを持ったまま動かずジッと彼の目を見つめる。触れる手は五歳児とは思えないほど固く豆がいくつも出来ていた。
「剣をなさるのですか?」
「そうです。体を動かすことが得意でして、将来は軍に所属し兄上の役に立ちたいと考えているんです」
あぁ…その言葉を待っていたわ。嬉しそうに笑った殿下だがその目は私の真意を探ろうとしているのが分かる。フフッ、多分今までの私ならこの言葉は看過できなかったでしょうね。世界の中心であり頂点だと思っている『太陽神の愛し子』が国の頂点を目指さないだなんてって怒り狂いそう。でも私はもうそんなこと考えない。
「まぁ!では私も殿下のお傍に添い遂げられるよう剣を学ばなければなりませんね!」
「は?」
「私は殿下の婚約者であり同じ『太陽神の愛し子』ですのよ?魔法はおそらく問題ないでしょうが、やはり剣でも背中を守れるよう強くならなくては!」
「令嬢が?剣で、守ると?」
「えぇ、女性にも軍門は開いているのですからなんの問題もありません」
殿下はポカンと口を開け私の顔を見つめ呆然と立ち尽くしてしまった。未だに一つの薔薇を二人で持っていることも忘れているのか、私はその薔薇を殿下の胸元に押し当てよろめかせそれを引き抜きぬく。そしてその薔薇の香りを楽しみつつ練習した悪い顔で笑いかける。
「私はバーグマン公爵ではありません。貴方の敵は私の敵。私を味方にして貴方に損はさせません。どうです?『太陽神の愛し子』というカード、欲しくありません?」
貴方はどうしても力が欲しいはず。13王子という地位は普通なら到底王になりえない継承順位。でも貴方は『太陽神の愛し子』として生まれ公に公表されてしまった。国王以外公表されていない肖像画を。
『将来は軍に所属し兄上の役に立ちたいと考えているんです』
この言葉はおそらく本心で本人は王になるつもりなんてない。でも現実はそうはいかないんでしょう?その証拠に私という婚約者とある程度の自由を渡されたのですもの。それに歳に似つかわしくない知性と目。どれくらい《兄上》が生き残っているのかは知らないけれど、慕うくらい交流があるならば貴方は王を貴族をこの国を信用できないんでしょ?野心がないならばなおさら許せない。
だから貴方は戦争に行くのよね?王太子としての箔付けでも傷つく民を助けるためというわけでもなく、死ぬために。まぁ結果的にヒロインが何かして助かるのでしょうけれど、そんなことどうでもいいわ。でもおそらく私が戦死しなければ貴方が戦争に行くのは無理。だけど残念私死ぬ気はないわ、戦争に行かなけでばならない未来が待っている以上少しでも生き残る可能性を上げたいの。だから…仲良くしましょう?そうすれば貴方は『太陽神の愛し子』が2人参戦する戦争に参加でき、死ねる。私は攻略対象たちという戦力の多い場所で戦え生存率が上がるの。
「ぷっ!フッ…フ、ハハハハハ!そう来るか!これは予想外だぜイングリッド嬢。謀反の手伝いでもしてくれるのか?」
「必要ならば。ですが殿下はそれを望んではいないのでしょう?」
「さっきの言葉を信じてんのか?ハッ、あんなの建前に決まってんだろ。俺は野心家だからなぁ?13王子だが『太陽神の愛し子』でさらにお前まで得た。そして功績を立て立太し必ず「王を殺してやる」……何を、馬鹿なこと」
殿下は理想の王子様の仮面を外したのか先ほどまでの丁寧な口調と優し気な表情ではなく、挑戦的でヤンチャな印象を受ける歳相応といった顔を見せた。そして私は彼の耳元で呟き踊るように回り距離を置いた。余裕気に、貴方のことはお見通しだというような笑みを浮かべて。
「だって野心なんてなくても貴方は王太子にならざる負えない状況ですもの。ふふっ私お父様からも家庭教師の先生たちからも更には教会からまでも《未来の王妃》って洗脳教育を受けていますのよ。だから貴方は私の反応を伺ったんでしょう?国王派か味方か。それに…」
そして私は最後のカードを出す。
「見たのでしょう?ご兄弟が殺されると、こ、ろ」
「っ!?」
どうやら私の予想は当たったようね。
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口の中乾きまくって心臓バクバクの女優
次回 悪役令嬢と王子様
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私の体調を考慮してあの手紙の二週間後、我が家にお見舞いに来て下さったのだ。目の前に座る殿下は私のような暗い深紅ではなく、ルビーのように美しい赤色の瞳と長い髪を三つ編みにし後ろで結っている。この歳で言う表現ではないが妖艶という言葉が似合う顔はとても美しいと思う。他の王族といえば国王陛下のご尊顔しか姿絵が出回らず分からないが、皆様これ程美しいのかしら。
いつもながら母はどこかのお茶会へ、父は宰相の仕事で城にいるため私一人で殿下を持て成さなければならない。でもお茶を飲みながら談笑をする時間もこれくらいでいいでしょう。
「殿下、我が家自慢の庭を案内いたしますわ」
「それは楽しみですね。是非ともお願いします」
使用人たちは遠くで待機させ殿下に庭の花や施設の説明をしつつ、少し奥まったところにある小さな温室へ向かう。ここは何代か前、夫に相手にされず孤独な公爵夫人が作ったと言われている場所で、今は私が管理しているの。以前の私は庭師に任せきりで何をするわけでもなかったけれど、記憶を思い出してからは何度か訪れて花の世話をしているわ。
「ここは…帝国の魔道具がふんだんに使われているようですね」
「えぇ、この温室を作った当時の公爵夫人はインヴェスティガル帝国の出身だったようで、実家から取り寄せたのだと聞いております。現在でも帝国の魔道具は高値で取引される程高価なものですし、意匠も歴史的価値の高いものとなっております。」
にこやかに会話を交わしていてもお互いそんな気持ちは微塵もないでしょうね。特に殿下は私の様子を探っているはず。それは彼の立場が非常に複雑な位置にいるから…。でもそれは私も同じですのよ殿下。
元々この国には王子21人、王女13人の王族が居た。そして今いらっしゃる王族や臣下に下ったもしくは降嫁した元王族は国王陛下を含め63人。歴代の王も全員が側室を40人前後持ち、沢山の子供を設けている。それなのに今いる王族が《63人》。そうこの国の王族は虚弱短命なのだ。私が前世の記憶を思い出して二週間、この国の人間から経済、武力などを出来る範囲で調べつくした。王族の婚約者としての勉強をしているとはいえ五歳児の知識は微々たるもので、私の知らない現実は沢山あり疑問が多く残っている。
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さらに現国王陛下のご兄弟は臣下に下った王弟が1人と降嫁された元王女が2人、側室は全員無くなっている。
その一世代前、つまり今目の前にいらっしゃるコーラル殿下の祖父である先々代国王陛下の代の王族は一人だけ。
いくら虚弱短命と言っても魔道具があり比較的文明の高い世界でこの死亡率は不自然すぎない?それに側室までが短命なのはどうして?おまけに王族の顔が国王以外公に公表されておらず意図的に王族の歴史が残されていない。
ただし私の目の前にいるコーラル殿下を除いて。
私の予想が正しければ殿下と私の立場はこれから先ますます重くなるはず。だから殿下は私という婚約者がどう出るかが重要になる。ならば…。私はハサミを取り出し殿下の髪と瞳の色と同じ薔薇を一凛摘み棘を落とす。今この場には私と殿下しかいないのだ。パチンパチンという音と私たちの会話だけが温室に鳴り響く。
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「ええ、ですが私はあまり足を運ぶことはありません」
「まぁ、では普段は何を?」
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「ぷっ!フッ…フ、ハハハハハ!そう来るか!これは予想外だぜイングリッド嬢。謀反の手伝いでもしてくれるのか?」
「必要ならば。ですが殿下はそれを望んではいないのでしょう?」
「さっきの言葉を信じてんのか?ハッ、あんなの建前に決まってんだろ。俺は野心家だからなぁ?13王子だが『太陽神の愛し子』でさらにお前まで得た。そして功績を立て立太し必ず「王を殺してやる」……何を、馬鹿なこと」
殿下は理想の王子様の仮面を外したのか先ほどまでの丁寧な口調と優し気な表情ではなく、挑戦的でヤンチャな印象を受ける歳相応といった顔を見せた。そして私は彼の耳元で呟き踊るように回り距離を置いた。余裕気に、貴方のことはお見通しだというような笑みを浮かべて。
「だって野心なんてなくても貴方は王太子にならざる負えない状況ですもの。ふふっ私お父様からも家庭教師の先生たちからも更には教会からまでも《未来の王妃》って洗脳教育を受けていますのよ。だから貴方は私の反応を伺ったんでしょう?国王派か味方か。それに…」
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「見たのでしょう?ご兄弟が殺されると、こ、ろ」
「っ!?」
どうやら私の予想は当たったようね。
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口の中乾きまくって心臓バクバクの女優
次回 悪役令嬢と王子様
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