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第二章 破滅の赤
深紅の薔薇
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生まれた瞬間に私と彼との婚姻は決まったようなものだった。筆頭公爵家の娘でありこの国で敬われる『太陽神の愛し子』である私と彼はなるべくしてなった婚約者。政略結婚であり互いに興味を持てなかった両親は生まれた私にももちろん関心はなく家族仲は冷めきっていた。でも私には彼がいるから、まだ一度もあったことのない特別な私と同じ特別な婚約者。周囲は私が彼に相応しいと、彼も私に相応しいと声高に言い聞かせる。
そうこの国で赤系統の髪と同色の瞳は強い魔力を持ち《太陽神の愛し子》として敬われ、絶対的存在として国の頂点に君臨する王族へ迎えられるのだ。
「イングリッド嬢」
私が五歳の春、暖かい風に吹かれ彼と私を繋ぐ赤いバラが咲き乱れる庭園での顔合わせ。そこで私は…
気を失った
――どうしてそんな顔をしているの――
「うっ…うぅん」
「お嬢様!?あぁよかった!お目覚めになられたのですね」
「今すぐに旦那様と奥様、それとお医者様をお呼び致しますね」
「お食事はいかがなさいましょう?」
目が覚めると見慣れた天井見慣れた侍女たち。そして全てが見覚えのある世界。侍女から受け取った水で喉を潤し、未だぼんやりとした思考で自分の小さな手を見つめているとノックの音がした。返事をすることなくそれは開きお父様と医師であろう中年の男性が入ってきた。
医師は私に挨拶をし診察を終えると異常はなく体力が回復次第いつもの生活に戻れることを説明した。それを聞いたお父様は部屋に入って以来一度も目を合わすことなく「そうか。体だけは大切にしろ」とだけ言い医師と共に去っていった。私は侍女を下げ一人になった部屋で、鏡に映る少女へ向かって呟いた。
「私…乙女ゲームの世界に転生しちゃったんだわ」
いや真顔で何を言っているの私、頭おかしくなったの?乙女ゲーム?転生?ちょっと待って私は私、イングリッド=バーグマン。公爵家の一人娘で深紅の髪と瞳この国で二人しかいない『太陽神の愛し子』として、同じ立場の第八王子コーラル=バハルカンズ殿下の婚約者。好きなものは読書、嫌いなものは…関心を持たないからないわ。
目の前の鏡に映る見覚えのある顔。私が王子殿下の前で倒れてから高熱で一週間生死の境をさ迷っていたらしい。やつれて血色はあまりよくないが、幼い顔立ちながらもキリッとした猫のような目とバラ色の小さな唇。キツイ印象を与えるが他を圧倒するバラのような美人な幼女がそこにいた。
「客観的に見ると私ってすごい美人ね、ちょっとキツイけど。……変顔しよ」
中々のクオリティだったが馬鹿らしくなりフラフラとベットに倒れ込むと、柔らかい布団に包まれぼんやりと天井を見つめた。そして両手で顔を隠し大きく息を吸い込んだ。
「はぁぁぁぁ、知りたくなかった真実、思い出したくなかった記憶!前世の記憶って熱出して思い出すようなものなの?というか異世界に転生って何?どの宗教にも属してなったから神様異世界に匙を投げちゃったの?しかもこの顔と王子殿下の顔なんだか見たことあるのだけど!?ソシャゲでインストールしてそのまま放置した乙女ゲームに似てる気がするのは気のせいかしら、気のせいね。……はぁ、テンプレじゃないこれ、無理無理、寝よ。」
そして前世の記憶をまるで『あ、そういえば昨日の夕飯サムギョプサルだったわ』的な感覚で思い出した私の一日は終わった。
「はい目覚めても私は私イングリッド=バーグマン、内容は知らないけどおそらく悪役令嬢予備軍の五歳児。諦めて現実を見ましょう」
私は身支度を終え一人になった部屋で机に向かいペンを持った。とりあえず覚えていることを…と考えて数秒。前世の記憶と言っても個人名や顔などの細かいことを殆ど思い出せないことに気づいた。私どんな顔してたっけ?家族…友達…好きなアイドル…は覚えてるわ、なんでだよ。
肝心の乙女ゲーム…イングリッド=バーグマン公爵令嬢、コーラル=バハルカンズ第13王子…いや王子多いな!あの人の下にまだ8人近く兄弟いたし、国王陛下も頑張られますね。いやそうじゃない乙女ゲームの詳細!……題名なんだっけ?
…あぁぁぁ無理だ思い出せない!というか絵に惹かれてインストールしたあとプレイし忘れてたし粗筋しか読んでないわ!そもそも今初めてキャラの名前知ったんだけれど、キャラの数多くて全員の顔までは把握してないのよ詰んでるわこれ。
というか私客観的に見て明らかに虐待されてない?ネグレクトよこれ、心の成長に良くないわ。まったくお母様来なかったしあの男自分の所有物というか駒が無事か確かめにきただけよ絶対。『体だけは大切にしろ』……《だけ》
「ふふふっ…体だけですって?『大丈夫か?』とかちょっとくらい心配しなさいよ、鼻に脱毛ワックス入れて棒ツッコんで引っこ抜いてやるわよ馬鹿野郎!はぁはぁはぁ…怒ったら疲れたわ」
まぁ記憶を思い出す前の私も両親には興味を持っていなかったから別に思うことは無いのだけれどね。イングリッドにとって両親という存在はあまりにも関りがなさ過ぎて、偶に口を出してくる面倒な小父さんと同居してる小母さんというくらいの認識だったし。
「すごいわ私…両親の愛が欲しい~とかじゃなくて、世界が自分中心に回っているのだから自分に興味を持たない両親はそこらの有象無象と変わらない、って本気で思っていたんだから。殿下への思いも愛情であなくステータス的な意味で執着していたんだから天性の悪女ね!いや悪女じゃダメなんだって更生しよう。」
そうおそらくテンプレの乙女ゲー転生であろう現状でこれから私が波乱万丈な人生を回避するためには、とにかく脱悪女を目指さなければいけない。まずこの物語はどの道を進んでも結果的に我が国イデアーレ王国を救うという壮大な結末に回帰する。第一部は学園での友情、恋愛などの青春ストーリー、第二部からは資源の豊かな島国であるイデアーレ王国を狙う隣国インヴェスティガル帝国との戦争編へ突入。しかしここで一番問題なのが細かいストーリーを知らない私こと悪役令嬢イングリッドが、本来のストーリーとは異なる行動をして結末を変えかねないということ。
「バーグマン公爵家は宰相を歴任してる名家…しかも私は『太陽神の愛し子』で…あ。ヒロインも赤系統の髪と瞳の色の『太陽神の愛し子』じゃない。つまり最悪私の価値は『太陽神の愛し子』としての人間兵器、それとも愛し子の量産機かしら?どちらも酷すぎない?泣けてくるわ」
特に悪役令嬢イングリッドは第二部の広告でシルエットが登場していたことからも人間兵器の可能性が高い。さらに言うとヒロインが王子と結ばれ婚約者となった場合私は予備という扱いになるはず。予備でも『太陽神の愛し子』という存在を戦争に駆り出さざる負えないほど戦況は悪化するという未来も捨てきれない、単に厄介払い…の可能性もあるわね。
例え私が王子と良好な関係を持ち婚約者の地位を確立させたりヒロインが他の攻略対象と結ばれたとしても所詮は第13王子の婚約者。国の存亡の危機に準王族の義務とかで駆り出されるという可能性もある。現に王子殿下は戦争編の表紙を飾っていたし『太陽神の愛し子』が象徴としてだけではなく最終兵器として見られる可能性は十分にあるわ。
国を捨て逃げようにも公爵令嬢という立場だけでなく『太陽神の愛し子』が他国に渡ることを国が教会が許すはずがない。現に洗脳レベルで異常な自尊心とプライドを植え付けてくる教会と周囲の人間たちがいるもの。恐らく私という兵器もしくは次代の『太陽神の愛し子』を産める可能性を思いのまま操るため…は考えすぎであってほしいけれど。
そして公爵令嬢、この国だけで敬われる『太陽神の愛し子』が大国に戦争を止めるよう要求するのは不可能。戦力向上も同様ね。
「フフフ…戦争不可避でどのみち駆り出される未来が来るって?ならば向い打つまでよ。」
コンコンッ
「入って頂戴」
「お嬢様コーラル第13王子殿下からのお見舞いの品とお手紙でございます」
目の前には視界を埋め尽くす深紅のバラの花束と王家の家紋の入った手紙。
少女は幼い顔立ちに似つかない知性を秘めた深紅の瞳で窓の外を見つめ、大人びた顔で微笑んだ。
――さぁ、新たなイングリッド=バーグマンの幕開けよ――
ーーーーーーーーーー
安心してください『Sランク冒険者はお姫様!?今さら淑女になんてなれません!』であってます。
次回 深紅の女優
そうこの国で赤系統の髪と同色の瞳は強い魔力を持ち《太陽神の愛し子》として敬われ、絶対的存在として国の頂点に君臨する王族へ迎えられるのだ。
「イングリッド嬢」
私が五歳の春、暖かい風に吹かれ彼と私を繋ぐ赤いバラが咲き乱れる庭園での顔合わせ。そこで私は…
気を失った
――どうしてそんな顔をしているの――
「うっ…うぅん」
「お嬢様!?あぁよかった!お目覚めになられたのですね」
「今すぐに旦那様と奥様、それとお医者様をお呼び致しますね」
「お食事はいかがなさいましょう?」
目が覚めると見慣れた天井見慣れた侍女たち。そして全てが見覚えのある世界。侍女から受け取った水で喉を潤し、未だぼんやりとした思考で自分の小さな手を見つめているとノックの音がした。返事をすることなくそれは開きお父様と医師であろう中年の男性が入ってきた。
医師は私に挨拶をし診察を終えると異常はなく体力が回復次第いつもの生活に戻れることを説明した。それを聞いたお父様は部屋に入って以来一度も目を合わすことなく「そうか。体だけは大切にしろ」とだけ言い医師と共に去っていった。私は侍女を下げ一人になった部屋で、鏡に映る少女へ向かって呟いた。
「私…乙女ゲームの世界に転生しちゃったんだわ」
いや真顔で何を言っているの私、頭おかしくなったの?乙女ゲーム?転生?ちょっと待って私は私、イングリッド=バーグマン。公爵家の一人娘で深紅の髪と瞳この国で二人しかいない『太陽神の愛し子』として、同じ立場の第八王子コーラル=バハルカンズ殿下の婚約者。好きなものは読書、嫌いなものは…関心を持たないからないわ。
目の前の鏡に映る見覚えのある顔。私が王子殿下の前で倒れてから高熱で一週間生死の境をさ迷っていたらしい。やつれて血色はあまりよくないが、幼い顔立ちながらもキリッとした猫のような目とバラ色の小さな唇。キツイ印象を与えるが他を圧倒するバラのような美人な幼女がそこにいた。
「客観的に見ると私ってすごい美人ね、ちょっとキツイけど。……変顔しよ」
中々のクオリティだったが馬鹿らしくなりフラフラとベットに倒れ込むと、柔らかい布団に包まれぼんやりと天井を見つめた。そして両手で顔を隠し大きく息を吸い込んだ。
「はぁぁぁぁ、知りたくなかった真実、思い出したくなかった記憶!前世の記憶って熱出して思い出すようなものなの?というか異世界に転生って何?どの宗教にも属してなったから神様異世界に匙を投げちゃったの?しかもこの顔と王子殿下の顔なんだか見たことあるのだけど!?ソシャゲでインストールしてそのまま放置した乙女ゲームに似てる気がするのは気のせいかしら、気のせいね。……はぁ、テンプレじゃないこれ、無理無理、寝よ。」
そして前世の記憶をまるで『あ、そういえば昨日の夕飯サムギョプサルだったわ』的な感覚で思い出した私の一日は終わった。
「はい目覚めても私は私イングリッド=バーグマン、内容は知らないけどおそらく悪役令嬢予備軍の五歳児。諦めて現実を見ましょう」
私は身支度を終え一人になった部屋で机に向かいペンを持った。とりあえず覚えていることを…と考えて数秒。前世の記憶と言っても個人名や顔などの細かいことを殆ど思い出せないことに気づいた。私どんな顔してたっけ?家族…友達…好きなアイドル…は覚えてるわ、なんでだよ。
肝心の乙女ゲーム…イングリッド=バーグマン公爵令嬢、コーラル=バハルカンズ第13王子…いや王子多いな!あの人の下にまだ8人近く兄弟いたし、国王陛下も頑張られますね。いやそうじゃない乙女ゲームの詳細!……題名なんだっけ?
…あぁぁぁ無理だ思い出せない!というか絵に惹かれてインストールしたあとプレイし忘れてたし粗筋しか読んでないわ!そもそも今初めてキャラの名前知ったんだけれど、キャラの数多くて全員の顔までは把握してないのよ詰んでるわこれ。
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「バーグマン公爵家は宰相を歴任してる名家…しかも私は『太陽神の愛し子』で…あ。ヒロインも赤系統の髪と瞳の色の『太陽神の愛し子』じゃない。つまり最悪私の価値は『太陽神の愛し子』としての人間兵器、それとも愛し子の量産機かしら?どちらも酷すぎない?泣けてくるわ」
特に悪役令嬢イングリッドは第二部の広告でシルエットが登場していたことからも人間兵器の可能性が高い。さらに言うとヒロインが王子と結ばれ婚約者となった場合私は予備という扱いになるはず。予備でも『太陽神の愛し子』という存在を戦争に駆り出さざる負えないほど戦況は悪化するという未来も捨てきれない、単に厄介払い…の可能性もあるわね。
例え私が王子と良好な関係を持ち婚約者の地位を確立させたりヒロインが他の攻略対象と結ばれたとしても所詮は第13王子の婚約者。国の存亡の危機に準王族の義務とかで駆り出されるという可能性もある。現に王子殿下は戦争編の表紙を飾っていたし『太陽神の愛し子』が象徴としてだけではなく最終兵器として見られる可能性は十分にあるわ。
国を捨て逃げようにも公爵令嬢という立場だけでなく『太陽神の愛し子』が他国に渡ることを国が教会が許すはずがない。現に洗脳レベルで異常な自尊心とプライドを植え付けてくる教会と周囲の人間たちがいるもの。恐らく私という兵器もしくは次代の『太陽神の愛し子』を産める可能性を思いのまま操るため…は考えすぎであってほしいけれど。
そして公爵令嬢、この国だけで敬われる『太陽神の愛し子』が大国に戦争を止めるよう要求するのは不可能。戦力向上も同様ね。
「フフフ…戦争不可避でどのみち駆り出される未来が来るって?ならば向い打つまでよ。」
コンコンッ
「入って頂戴」
「お嬢様コーラル第13王子殿下からのお見舞いの品とお手紙でございます」
目の前には視界を埋め尽くす深紅のバラの花束と王家の家紋の入った手紙。
少女は幼い顔立ちに似つかない知性を秘めた深紅の瞳で窓の外を見つめ、大人びた顔で微笑んだ。
――さぁ、新たなイングリッド=バーグマンの幕開けよ――
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