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第二章 破滅の赤
眼前の炎
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――世界を照らす太陽が一日の別れを告げ、辺りが暗闇に包まれた王都
人々が一日の疲れを癒し眠りについたその時、大地を震わし闇を祓う炎が立ち昇った――
その光景を見た男は巨大な炎の前に動くことも出来ずにいた。寝静まった東の港は一瞬で赤に染まり、その轟音は王都の端々にまで轟いたのだった。
「殿下…」
絞り出すようにでた音は周囲の悲鳴に掻き消され、飲み込まれた。
『イデアーレ王国第一騎士団副団長』肩書は大したものだが実際は人使いの荒い上司と権力にこき使われるだけの苦労人。複数ある騎士団の中でも第一騎士団は王都の治安を守るのが主な役目だ。その中には城の守護も含まれ数多い王族の護衛も任務に含まれる。魔物の対処や国防を任務とする他の騎士団と比べ権力が身近にある分気苦労も多い。まぁ俺はそんなこと気にしないからこそ上司である団長があんな…いや気のせいだ。あのスキンヘッドは抜け毛が原因じゃない、団長なりのオシャレだ。さて今日も今日とて可愛い奥さんと子供たちのために頑張ろうかね、そう思って家を出て数時間後……
「コーラル殿下とその婚約者バーグマン家のイングリッド公女が姿を消した」
王都にいる要人が集められた会議で内密に宰相補佐から告げられた内容は現場を凍り付かせた。そんな中で俺は密かに白目を剥いていた。マジかーいやまぁ正直「とうとうこの日が来たか」くらいの気持ちでいたからか、他の連中より衝撃は少なかったんじゃないか?あの猫かぶり王子が今まで大人しくしていたことに俺は感謝しているよ。おっと俺個人の意見は置いといて、この問題が国家機密並みの最重要問題であることには変わりないんだよな。なんせ…
「【太陽神の愛し子】が……」
あーあ魔法師団長様も真っ青じゃないか。そう、問題なのは消えた二人の生家の身分もだが彼ら自身が国で最も敬われる【太陽神の愛し子】という重要人物だってことだ。本来教会で象徴として君臨する立場も、王子と公女という身分がそれを許さない。教会の力が強いからこそ手中の象徴を国は手放したくない。
今すぐに集められる複数の騎士団と魔法師団の上層部が一堂に顔を合わせるってことで嫌な予感はしていたが、こりゃとんでもねぇな。
「何故そんな事態に!?お二人の警備は厳選された者たちが常にお傍に付いているはずですぞ。」
「確か殿下は最近バーグマン家にてイングリッド公女と共に勉学に励んでいるそうですね。とういうことはそこで?」
「その通りだ。お二人は予定された授業を終えバーグマン家の庭でお茶をしていた所、使用人に少し席を外すよう要求したのを最後に姿を隠されたと報告を受けている。詳しいことは配布した資料を見てもらいたい。しかし事態は一刻を争う。故に誘拐の線を視野に城壁の封鎖と検問を。ただし【太陽神の愛し子】が行方不明だという情報はくれぐれも外に漏れることのないように動いてほしい」
荒れた会議をモノともしない能面のような宰相補佐は話をまとめると部屋から出て行ってしまった。これもいつも通りっていうか、騎士や魔法師団っても所詮結局俺たちは上役から命令されて動く下っ端な訳で、まぁ分かてはいたが第一騎士団の領分だよなこれ。ついでにやらかしたのもうちって認識だなこりゃ。俺はチラッと隣に座る団長の様子を伺って後悔した。え、顔怖すぎない?思わず剣に手を伸ばしそうになったわ。場内で帯剣を禁じられて助かる日が来るだなんてな!いや今この状況じゃ全く笑えないがな。
俺はそんな現実逃避を繰り返しながらも、頭の中では第一騎士団が抱える各隊への指示と燃える瞳を思い出していた。
「こちらが殿下専属騎士となるものです」
そう紹介され集められた騎士たちは緊張した様子で主となる子供の前に伏せていた。彼らが緊張するのは殿下に対してなのか重責ゆえにか…これは両方な気がするな。それほど目も前に立つ存在はとてつもないプレッシャーを放っていた。教会の壁画から抜け出したかのような顔と纏う色は、神の代行者たる【太陽神の愛し子】そのもので…ようは美しすぎてビビッてるってことだな。俺の息子たちとそう変わらない年齢の子供に何言ってんだと思うが、そういう次元じゃないっていうか…
あーあアイツらあんなんで専属騎士なんて大丈夫か?この国には俺たち第一騎士団でも顔すら見たことのない王族は大勢いる。というか陛下だって公布されている絵姿でしか把握できてないってくらいだ。つまり王族の警護は専属関係なく、陛下に至っては顔も名前も知らない特別な騎士がいるらしい。そんなんで本当に大国の騎士やってんのかって話だが、正直俺だって聞きてぇ。なんでこの国はこんな秘密が多いんだろうな?まぁそんな中殿下に専属の騎士が付くということは、その謎の騎士の仲間入りを果たすんだろうな。だから専属騎士として選ばれた三人は【太陽神の愛し子】である殿下の護衛という重責を背負うことになっているんだ。
名誉なんだろうが面倒ごとが大嫌いな俺は、部下を気の毒に思いながらその様子を眺めていた。
しかし
「僕の護衛は彼一人にお願いするよ」
その言葉と共に向けられた視線は……俺ですか!?
「それでさ~アイツなんて言ったと思う?なぁなぁ?」
あー何がどうしてこうなったんだろう自問自答が止まらない…殿下いやこの派手な赤髪小蔵にやけに懐かれた俺は、子どもとは思えない太刀筋で襲い掛かってくる剣をいなしながらも現実逃避していた。誰だ神々しいとか思ってたやつ!俺だな!いや本当になんかよくわからんうちに懐かれ、口調が変わり、こうして立派な遊び(?)相手として元気に日々を送っている。
正直自分の息子たちと比べて本当に同じ人間か?と思わずには要られない聡明さと身体能力を持つ殿下の相手は、子供だからと舐めてかかっていたら痛い目を見る。まず本当の殿下は見た目とは想像もつかないほど口が悪い。俺に懐いてくれているってのは感じるが、その言葉をどこから覚えてくるのか不安になる。
俺自身殿下以外の王族と関わったことがないため何とも言えないが、後宮での生活はどうなっているんだ。殿下の周りにいる人間の影響なのか?とても貴族が使う言葉とは思えない語彙や物騒な思考が飛び出してくると、流石に教育係の資質を疑ってしまう。
もっとも殿下は俺以外の前では猫を被っているし、それ以外だと最近婚約者になったというバーグマン家の令嬢とは問題なく打ち解けているようだ。だから心配する必要は無いのかもしれないが…
「そう言えばセドリックはインジーに会ったことは無いよな?」
そう。専属騎士を拝命した俺だが第一騎士団の副団長という立場も兼任しているため、ぶっちゃけ滅茶苦茶忙しい。しかも本来は三人いるはずのところをこの赤毛の悪魔によって俺一人に押し通され、なのに副団長はお前しかいないとかいう団長。もう訳が分からない。
ということで城内での護衛や剣の指導などは俺が、外出…と言っても例外として許された婚約者殿への訪問時のみ第一騎士団員が受け持つことになっていた。第一騎士団は王都や王城内の警備が主な仕事でありその団員数は各団の中で最も多い。それに比例して副団長の俺の仕事も多いってのは理解していただきたいんだが、分かっていて楽しんでいる気がするなこの悪魔。
「あはっ本当にセドリックは顔に出やすいな~」
そんなことを言うのは俺の嫁と師匠である団長くらいだ。鍛えている大きな体と不機嫌そうに見える目付き故か、俺はどうも人に怯えられやすい。
子供なんて自分の息子たちにも抱っこを嫌がられるくらいには嫌われているし、内面に反して口数が少ないせいで寡黙とか冷血とか好き勝手言われている。もし俺の心が読めたらみんなビックリするだろう。俺も殿下に負けず劣らず口悪いし結構好き勝手言ってるしな。
「セドリックにも会ってもらいたいな」
えぇ。俺も貴方にそんな顔をさせるバーグマン嬢に会ってみたいですよ殿下。
だから
もう一度名前を呼んでください
燃え盛る炎の前でセドリック=マティスロアは瞳の渇きに瞼を落とした。
ー----------------
寡黙な人の内心ってその分、荒ぶってるといいな
次回 暴走児
人々が一日の疲れを癒し眠りについたその時、大地を震わし闇を祓う炎が立ち昇った――
その光景を見た男は巨大な炎の前に動くことも出来ずにいた。寝静まった東の港は一瞬で赤に染まり、その轟音は王都の端々にまで轟いたのだった。
「殿下…」
絞り出すようにでた音は周囲の悲鳴に掻き消され、飲み込まれた。
『イデアーレ王国第一騎士団副団長』肩書は大したものだが実際は人使いの荒い上司と権力にこき使われるだけの苦労人。複数ある騎士団の中でも第一騎士団は王都の治安を守るのが主な役目だ。その中には城の守護も含まれ数多い王族の護衛も任務に含まれる。魔物の対処や国防を任務とする他の騎士団と比べ権力が身近にある分気苦労も多い。まぁ俺はそんなこと気にしないからこそ上司である団長があんな…いや気のせいだ。あのスキンヘッドは抜け毛が原因じゃない、団長なりのオシャレだ。さて今日も今日とて可愛い奥さんと子供たちのために頑張ろうかね、そう思って家を出て数時間後……
「コーラル殿下とその婚約者バーグマン家のイングリッド公女が姿を消した」
王都にいる要人が集められた会議で内密に宰相補佐から告げられた内容は現場を凍り付かせた。そんな中で俺は密かに白目を剥いていた。マジかーいやまぁ正直「とうとうこの日が来たか」くらいの気持ちでいたからか、他の連中より衝撃は少なかったんじゃないか?あの猫かぶり王子が今まで大人しくしていたことに俺は感謝しているよ。おっと俺個人の意見は置いといて、この問題が国家機密並みの最重要問題であることには変わりないんだよな。なんせ…
「【太陽神の愛し子】が……」
あーあ魔法師団長様も真っ青じゃないか。そう、問題なのは消えた二人の生家の身分もだが彼ら自身が国で最も敬われる【太陽神の愛し子】という重要人物だってことだ。本来教会で象徴として君臨する立場も、王子と公女という身分がそれを許さない。教会の力が強いからこそ手中の象徴を国は手放したくない。
今すぐに集められる複数の騎士団と魔法師団の上層部が一堂に顔を合わせるってことで嫌な予感はしていたが、こりゃとんでもねぇな。
「何故そんな事態に!?お二人の警備は厳選された者たちが常にお傍に付いているはずですぞ。」
「確か殿下は最近バーグマン家にてイングリッド公女と共に勉学に励んでいるそうですね。とういうことはそこで?」
「その通りだ。お二人は予定された授業を終えバーグマン家の庭でお茶をしていた所、使用人に少し席を外すよう要求したのを最後に姿を隠されたと報告を受けている。詳しいことは配布した資料を見てもらいたい。しかし事態は一刻を争う。故に誘拐の線を視野に城壁の封鎖と検問を。ただし【太陽神の愛し子】が行方不明だという情報はくれぐれも外に漏れることのないように動いてほしい」
荒れた会議をモノともしない能面のような宰相補佐は話をまとめると部屋から出て行ってしまった。これもいつも通りっていうか、騎士や魔法師団っても所詮結局俺たちは上役から命令されて動く下っ端な訳で、まぁ分かてはいたが第一騎士団の領分だよなこれ。ついでにやらかしたのもうちって認識だなこりゃ。俺はチラッと隣に座る団長の様子を伺って後悔した。え、顔怖すぎない?思わず剣に手を伸ばしそうになったわ。場内で帯剣を禁じられて助かる日が来るだなんてな!いや今この状況じゃ全く笑えないがな。
俺はそんな現実逃避を繰り返しながらも、頭の中では第一騎士団が抱える各隊への指示と燃える瞳を思い出していた。
「こちらが殿下専属騎士となるものです」
そう紹介され集められた騎士たちは緊張した様子で主となる子供の前に伏せていた。彼らが緊張するのは殿下に対してなのか重責ゆえにか…これは両方な気がするな。それほど目も前に立つ存在はとてつもないプレッシャーを放っていた。教会の壁画から抜け出したかのような顔と纏う色は、神の代行者たる【太陽神の愛し子】そのもので…ようは美しすぎてビビッてるってことだな。俺の息子たちとそう変わらない年齢の子供に何言ってんだと思うが、そういう次元じゃないっていうか…
あーあアイツらあんなんで専属騎士なんて大丈夫か?この国には俺たち第一騎士団でも顔すら見たことのない王族は大勢いる。というか陛下だって公布されている絵姿でしか把握できてないってくらいだ。つまり王族の警護は専属関係なく、陛下に至っては顔も名前も知らない特別な騎士がいるらしい。そんなんで本当に大国の騎士やってんのかって話だが、正直俺だって聞きてぇ。なんでこの国はこんな秘密が多いんだろうな?まぁそんな中殿下に専属の騎士が付くということは、その謎の騎士の仲間入りを果たすんだろうな。だから専属騎士として選ばれた三人は【太陽神の愛し子】である殿下の護衛という重責を背負うことになっているんだ。
名誉なんだろうが面倒ごとが大嫌いな俺は、部下を気の毒に思いながらその様子を眺めていた。
しかし
「僕の護衛は彼一人にお願いするよ」
その言葉と共に向けられた視線は……俺ですか!?
「それでさ~アイツなんて言ったと思う?なぁなぁ?」
あー何がどうしてこうなったんだろう自問自答が止まらない…殿下いやこの派手な赤髪小蔵にやけに懐かれた俺は、子どもとは思えない太刀筋で襲い掛かってくる剣をいなしながらも現実逃避していた。誰だ神々しいとか思ってたやつ!俺だな!いや本当になんかよくわからんうちに懐かれ、口調が変わり、こうして立派な遊び(?)相手として元気に日々を送っている。
正直自分の息子たちと比べて本当に同じ人間か?と思わずには要られない聡明さと身体能力を持つ殿下の相手は、子供だからと舐めてかかっていたら痛い目を見る。まず本当の殿下は見た目とは想像もつかないほど口が悪い。俺に懐いてくれているってのは感じるが、その言葉をどこから覚えてくるのか不安になる。
俺自身殿下以外の王族と関わったことがないため何とも言えないが、後宮での生活はどうなっているんだ。殿下の周りにいる人間の影響なのか?とても貴族が使う言葉とは思えない語彙や物騒な思考が飛び出してくると、流石に教育係の資質を疑ってしまう。
もっとも殿下は俺以外の前では猫を被っているし、それ以外だと最近婚約者になったというバーグマン家の令嬢とは問題なく打ち解けているようだ。だから心配する必要は無いのかもしれないが…
「そう言えばセドリックはインジーに会ったことは無いよな?」
そう。専属騎士を拝命した俺だが第一騎士団の副団長という立場も兼任しているため、ぶっちゃけ滅茶苦茶忙しい。しかも本来は三人いるはずのところをこの赤毛の悪魔によって俺一人に押し通され、なのに副団長はお前しかいないとかいう団長。もう訳が分からない。
ということで城内での護衛や剣の指導などは俺が、外出…と言っても例外として許された婚約者殿への訪問時のみ第一騎士団員が受け持つことになっていた。第一騎士団は王都や王城内の警備が主な仕事でありその団員数は各団の中で最も多い。それに比例して副団長の俺の仕事も多いってのは理解していただきたいんだが、分かっていて楽しんでいる気がするなこの悪魔。
「あはっ本当にセドリックは顔に出やすいな~」
そんなことを言うのは俺の嫁と師匠である団長くらいだ。鍛えている大きな体と不機嫌そうに見える目付き故か、俺はどうも人に怯えられやすい。
子供なんて自分の息子たちにも抱っこを嫌がられるくらいには嫌われているし、内面に反して口数が少ないせいで寡黙とか冷血とか好き勝手言われている。もし俺の心が読めたらみんなビックリするだろう。俺も殿下に負けず劣らず口悪いし結構好き勝手言ってるしな。
「セドリックにも会ってもらいたいな」
えぇ。俺も貴方にそんな顔をさせるバーグマン嬢に会ってみたいですよ殿下。
だから
もう一度名前を呼んでください
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