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密会
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学校から帰っていると、スマホに知らない番号から電話があった。
僕は怪しがりながら通話のボタンを押し、聞こえた声にすぐに笑顔になった。
「先生!」
「先生は止めて、本当に悪いことしてる気になるから」
「分かりました。スミレさん、連絡してくれて、とても嬉しいです!」
「しつこいようだけど、私でいいの?」
「スミレさんだから、僕は嬉しいんです」
「分かったわ。次の土曜日か日曜日なら大丈夫よ」
「ちょっと待ってください」
僕はバイトのシフト表を見た。
「土曜日の昼過ぎなら、大丈夫です」
「うん、分かった。1時に〇〇駅まで来れる?」
「はい、分かりました。改札の前でいいですか?」
「それでいいわ。じゃあ、土曜日に」
「はい、楽しみにしてます」
電話を切った。
やった!スミレさんにまた会える!
そして、土曜日になった。開店前の準備、そして接客をして、午後のバイトと交代した。
僕は、自転車を飛ばし、電車に乗った。
明菜とデートを重ねていて、バイト代もあるので、ちょっと前の自分では考えられないような服装になっていた。
かなり早く着いてしまったが、改札前で待った。スミレさんのことを考えると苦ではなかった。
僕は見逃さないように、改札を出てくる人をキョロキョロ見ていた。
しかし、後ろから声をかけられた。
「待たせちゃった?」
僕は聞き覚えのある声にビックリして振り向いた。
「うわぁ!」
「何よ、変な声出して」
「スミレさんですよね?」
「何言ってるの?」
「凄い綺麗。白衣の時も綺麗だと思ったけど、また違う綺麗さだ」
「もう!いきなりそれ?それに目の前を歩いてきたのに、全然視線が合わないし」
「全然分かんなかった」
「まぁ、白衣の時はほとんど化粧できないから。そんなに違う?」
「いや、美人は美人なんですよ。それもとびっきりの。でも、雰囲気が全然違うんですよ。キリッとした白衣の時と、今の、なんて言ったらいいのか?妖精みたいな優しい雰囲気が」
「妖精?」スミレは赤くなった。でも、目の前の高校生の目には、からかっている雰囲気は微塵も感じられない。
「はぁ、重症ね。ホントに」
「えっ!僕なんか変なこと言いました?」
「もういい!早く行くわよ」
スミレは先に歩き出した。僕は走って横に並んだ。
「手をつないでもいいですか?」
「えっ!」本当に調子が狂う。こっちは少なからず罪悪感を感じている。もちろん旦那にではなくて、高校生とこれからしようとしていることに対して。
「いいわよ」と掌を出した。
「やった!」と小さく言って、自分の掌を合わせた。
こんな手を繋いで歩いたのなんて、いつ以来だろうか?
「お腹すいてない?」
「実は、バイト上がりなので、空いてます。すいません、待ってる間に食べておけば良かったんですけど、スミレさんが来ると思ったら、そんなことすっかり忘れてて」申し訳無さそうに言った。
「行く前に、どこかで食べてく?」
「そんな、時間がもったいないです。早く行きたい」
「急がなくても、私はいなくならないから」
「それは分かってるんですけど。やっぱり早く行きたいです」
「わかったわ。コンビニでいい?」
「あっ、はい!その方が良いです」満面の笑顔になった。
やだ、そんな顔しないで。濡れてきちゃうじゃない。
きっと姙娠した相手も、彼女と言っている相手も、この純粋さに、言葉は悪いけど、付け入っているのかしら?
この笑顔を快楽に溺れさせたい、歪ませたい。そう考えると、股間が熱くなってくる。
途中でコンビニに寄った。
「好きなもの買いなさい」
「これくらい自分で払えます」
「いいから。私はちゃんと働いてるのよ」
「分かりました。ありがとうございます」
買い物を終え、外に出ると、
「そこよ」
「えっ!こんな高そうなところ、僕払えない」
「フフフッ、そんなに高くないわよ。それに、さっきも言ったけど」
「僕が無理に誘ったんだから、僕が払います」
「いつ無理に誘ったのよ。私は自分の意志で来たの。いやいや来たんじゃない。そんなこと言うなら、帰るわよ」
「えっ、そんな、嫌です。絶対に嫌です」
「だったら、素直に私の言うことを聞いていなさい」
「・・・分かりました」
全く、変なところで頑固なのね。それに自分で払うって、フフフッ、本当は、私がお小遣いあげなきゃならないのに。
まぁ、それだけ本気なのか・・・
えっ・・・この子は本気になってるの?そんな訳はない。今の2人に対して、この子は変な考えもなく、それぞれ本気なのだろう。
そして、私?いやいや、そんなことできるわけがない。3人を本気で愛するなんて。
「スミレさん?」
「あっ、何でもないわ。早く行きましょう」
「はい!」
「あっ!手は止めていいかしら?それと、ホテルに入ったら、先にエレベーターの前で待っててくれる?」
「どうしてですか?」
「妊娠した方の女性に言われたことない?あなたと関係を持っていることは、世間的には犯罪だって」
「言われました。でも、僕は」
「いい?あなたがどう思ってるかじゃないの。周りがどう思うのかが大切なのよ。下手したらすぐに通報されるわよ」
「分かりました。スミレさんと一緒にいれなくなるくらいなら、そうします」
はぁ、堪らない。また濡れてきちゃう。
「じゃあ、エレベーターの前で」
僕達は自動ドアを過ぎると、別々の方向に歩いて行った。
僕は怪しがりながら通話のボタンを押し、聞こえた声にすぐに笑顔になった。
「先生!」
「先生は止めて、本当に悪いことしてる気になるから」
「分かりました。スミレさん、連絡してくれて、とても嬉しいです!」
「しつこいようだけど、私でいいの?」
「スミレさんだから、僕は嬉しいんです」
「分かったわ。次の土曜日か日曜日なら大丈夫よ」
「ちょっと待ってください」
僕はバイトのシフト表を見た。
「土曜日の昼過ぎなら、大丈夫です」
「うん、分かった。1時に〇〇駅まで来れる?」
「はい、分かりました。改札の前でいいですか?」
「それでいいわ。じゃあ、土曜日に」
「はい、楽しみにしてます」
電話を切った。
やった!スミレさんにまた会える!
そして、土曜日になった。開店前の準備、そして接客をして、午後のバイトと交代した。
僕は、自転車を飛ばし、電車に乗った。
明菜とデートを重ねていて、バイト代もあるので、ちょっと前の自分では考えられないような服装になっていた。
かなり早く着いてしまったが、改札前で待った。スミレさんのことを考えると苦ではなかった。
僕は見逃さないように、改札を出てくる人をキョロキョロ見ていた。
しかし、後ろから声をかけられた。
「待たせちゃった?」
僕は聞き覚えのある声にビックリして振り向いた。
「うわぁ!」
「何よ、変な声出して」
「スミレさんですよね?」
「何言ってるの?」
「凄い綺麗。白衣の時も綺麗だと思ったけど、また違う綺麗さだ」
「もう!いきなりそれ?それに目の前を歩いてきたのに、全然視線が合わないし」
「全然分かんなかった」
「まぁ、白衣の時はほとんど化粧できないから。そんなに違う?」
「いや、美人は美人なんですよ。それもとびっきりの。でも、雰囲気が全然違うんですよ。キリッとした白衣の時と、今の、なんて言ったらいいのか?妖精みたいな優しい雰囲気が」
「妖精?」スミレは赤くなった。でも、目の前の高校生の目には、からかっている雰囲気は微塵も感じられない。
「はぁ、重症ね。ホントに」
「えっ!僕なんか変なこと言いました?」
「もういい!早く行くわよ」
スミレは先に歩き出した。僕は走って横に並んだ。
「手をつないでもいいですか?」
「えっ!」本当に調子が狂う。こっちは少なからず罪悪感を感じている。もちろん旦那にではなくて、高校生とこれからしようとしていることに対して。
「いいわよ」と掌を出した。
「やった!」と小さく言って、自分の掌を合わせた。
こんな手を繋いで歩いたのなんて、いつ以来だろうか?
「お腹すいてない?」
「実は、バイト上がりなので、空いてます。すいません、待ってる間に食べておけば良かったんですけど、スミレさんが来ると思ったら、そんなことすっかり忘れてて」申し訳無さそうに言った。
「行く前に、どこかで食べてく?」
「そんな、時間がもったいないです。早く行きたい」
「急がなくても、私はいなくならないから」
「それは分かってるんですけど。やっぱり早く行きたいです」
「わかったわ。コンビニでいい?」
「あっ、はい!その方が良いです」満面の笑顔になった。
やだ、そんな顔しないで。濡れてきちゃうじゃない。
きっと姙娠した相手も、彼女と言っている相手も、この純粋さに、言葉は悪いけど、付け入っているのかしら?
この笑顔を快楽に溺れさせたい、歪ませたい。そう考えると、股間が熱くなってくる。
途中でコンビニに寄った。
「好きなもの買いなさい」
「これくらい自分で払えます」
「いいから。私はちゃんと働いてるのよ」
「分かりました。ありがとうございます」
買い物を終え、外に出ると、
「そこよ」
「えっ!こんな高そうなところ、僕払えない」
「フフフッ、そんなに高くないわよ。それに、さっきも言ったけど」
「僕が無理に誘ったんだから、僕が払います」
「いつ無理に誘ったのよ。私は自分の意志で来たの。いやいや来たんじゃない。そんなこと言うなら、帰るわよ」
「えっ、そんな、嫌です。絶対に嫌です」
「だったら、素直に私の言うことを聞いていなさい」
「・・・分かりました」
全く、変なところで頑固なのね。それに自分で払うって、フフフッ、本当は、私がお小遣いあげなきゃならないのに。
まぁ、それだけ本気なのか・・・
えっ・・・この子は本気になってるの?そんな訳はない。今の2人に対して、この子は変な考えもなく、それぞれ本気なのだろう。
そして、私?いやいや、そんなことできるわけがない。3人を本気で愛するなんて。
「スミレさん?」
「あっ、何でもないわ。早く行きましょう」
「はい!」
「あっ!手は止めていいかしら?それと、ホテルに入ったら、先にエレベーターの前で待っててくれる?」
「どうしてですか?」
「妊娠した方の女性に言われたことない?あなたと関係を持っていることは、世間的には犯罪だって」
「言われました。でも、僕は」
「いい?あなたがどう思ってるかじゃないの。周りがどう思うのかが大切なのよ。下手したらすぐに通報されるわよ」
「分かりました。スミレさんと一緒にいれなくなるくらいなら、そうします」
はぁ、堪らない。また濡れてきちゃう。
「じゃあ、エレベーターの前で」
僕達は自動ドアを過ぎると、別々の方向に歩いて行った。
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