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週末
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金曜日になった。
両親に、放課後、先生に相談にのってもらうと話した。両親は、なんていい先生なの!と大喜びしている。
まさか、息子が放った暴言の罰ゲームとは言えるわけが無い。
学校の初めての授業は、誰もが知る当たり前の内容で、僕にとって辛いものだった。魔法のランクとは何か?というものだ。
先生は、
「みんな知ってることだとは思うけど、これから授業を行う上で、とても重要よ」と言った。
「魔法ランクとは、その人が持てる魔力の上限である。一生、その上限は変わらない」と、みなか知っていることを続けて、説明した。
要するに、物を浮かすという魔法が魔力を1消費するとする。Fランクの僕でも使える。
しかし、浮かすものが重くなったり、長い間浮かすようになると、必要な魔力は増える。
魔力が20必要になる重いものは、僕には動かすことは一生てきない。
しかし、熟練度というものがある。
物を配達することを仕事にしている人は、普通の人が魔力1を消費するところを、0.6程度の魔力で運ぶことができる。
しかし、熟練度にも限界はある。僕が魔力20を必要とするものを浮かすことができないのは変わらない。
今は荷物で言ったが、攻撃魔法も同じである。
単に火を起こすだけなら、僕にもできるが、極大の火の玉を放つなんて魔法を打つことは一生ない。
この学校では、生徒数の多いCランクが扱える魔法の習得と、熟練度を上げる方法の習得を目指すと、先生は言った。
合わせて、実践的な剣技の習得。さらに、剣技と魔法の混合技の習得も行う。
その他は、魔法の歴史や体系のお勉強だ。
予め分かっていたこととは言え、僕には既に落第する項目が目白押しだ。実践の魔法と剣技、さらに混合なんて、どうすることもできない。
本来なら、ここで抗議したいところだが、賛同してくれる生徒は、2人のDランクの生徒くらいだろう。
僕に残された道は、勉学でトップの成績をとって、進級するしかない。親ががっかりする顔は、正直、もう見たくない。
その後、教室を出て屋外に出た。
藁でできた人形に、魔法を当てるというものだ。
まずはAランクから始まった。ケンタはド派手な火の玉を人形に当てた。普通の新入生では、扱えない魔法だ。
「さすがAランクね」先生は感嘆の声を上げた。ケンタはドヤ顔をしていた。
続いてサユリは、Cランクの平均的な火の玉を放った。如何にもサユリらしい。
タカシは、ケンタと同じ火の玉を放った。解説すると、ケンジは同じ魔法を4発放てるが、タカシは2発が限界だろう。まぁ、そういうレベルの火の玉だ。
そして、Dランクの生徒と僕は、必要最低限の火の玉を放った。
これが魔法ランクの実践的な差だ。
次は剣技の授業となった。
ハルカとは違う先生に変わった。
みんな得意な剣を握り、次々と先生に向かっていく。
やはり、タカシだけは飛び抜けて上手かった。
意外にもDランクの生徒の健闘が目立った。自分のことをよく分かっていて、鍛錬したのだろう。
僕だけが魔法も剣もダメなグループになってしまった。剣技を習得する気がないサユリにさえ、劣ってしまう始末だ。
ここで今日の授業は終了した。
僕は、言い表せないモヤモヤが心に残った。分かっていたことだ。そう自分に言い聞かせた。
サユリとタカシは、ケンタがずっと人を馬鹿にしたような態度だったと怒っている。
「ねぇ、ユウタ、聞いてる?」サユリが言った。
「僕が劣っていことは間違いない」と言って、黙り込んだ。
能力さえ使えば、と思うと、更に虚しくなった。この能力はチートだ。僕が色々な面で劣っていることは、何も変わらない。少なくともDランクの2人は、他でそれを補おうと必死に努力したのだろう。
僕には、まだまだ必死さが足りないと思い知らされた。
僕は肩を落としたまま、荷物をまとめて、ハルカ先生の研究室に行った。
「どうしたの?」と先生は優しく声をかけてくれた。
「僕がFランクということに甘えて、努力を怠っていたことを痛感しました」
「フフフッ。まだ10歳でしょ。そんなこと考えなくていいわよ」
「僕もそう思ってました。でも、みんな凄くて、ビックリしました」
「そうね。みんな入学するまでに頑張ったみたいね。でも、それはそれ、これからはこれからよ」
「はい、頑張ります」
「じゃあ、給食食べに行こうか?」
他の学年は、普通に授業が始まっているので、給食はある。僕達はお裾分けに授かることにした。
昼食が終わると、研究室で、持ってきたビニール袋にゴミを入れ始めた。あっという間にいっぱいになり、結局、5つの袋を使用した。
「先生、ちゃんとゴミ箱を使ってください」
「分かったわよ。気をつけるから」
僕は本を片付けようとしたが、結構日も落ちてきてしまった。
「はい、先生」僕は鞄から包みを渡した。
「えっ!何?開けていい?」先生は嬉しそうに言った。
「どうぞ」
先生は袋を開けて、
「あっ、お菓子、美味しそう」と満面の笑みになった。
「野菜を乾燥させたお菓子です。飽きないように、味も少し変えてますから、なるべく食べてください」
「どれどれ」先生は1つを口に入れた…
「うん、優しい甘さ。美味しいわ。ユウタ君が作ったの?」
「はい。余った野菜を使ったもので、簡単に作れますよ。それはそうと、明日、何作りますか?」
「あぁ、そうだったわね。ちょっと肉をガッツリ食べたい気分かな」
「分かりました。明日10時頃でいいですか?」
「了解。待ってるわ」
僕は研究室を改めて見回した。
初めてきた時に比べたら、かなり片付いている。僕は満足して、部屋を出た。
両親に、放課後、先生に相談にのってもらうと話した。両親は、なんていい先生なの!と大喜びしている。
まさか、息子が放った暴言の罰ゲームとは言えるわけが無い。
学校の初めての授業は、誰もが知る当たり前の内容で、僕にとって辛いものだった。魔法のランクとは何か?というものだ。
先生は、
「みんな知ってることだとは思うけど、これから授業を行う上で、とても重要よ」と言った。
「魔法ランクとは、その人が持てる魔力の上限である。一生、その上限は変わらない」と、みなか知っていることを続けて、説明した。
要するに、物を浮かすという魔法が魔力を1消費するとする。Fランクの僕でも使える。
しかし、浮かすものが重くなったり、長い間浮かすようになると、必要な魔力は増える。
魔力が20必要になる重いものは、僕には動かすことは一生てきない。
しかし、熟練度というものがある。
物を配達することを仕事にしている人は、普通の人が魔力1を消費するところを、0.6程度の魔力で運ぶことができる。
しかし、熟練度にも限界はある。僕が魔力20を必要とするものを浮かすことができないのは変わらない。
今は荷物で言ったが、攻撃魔法も同じである。
単に火を起こすだけなら、僕にもできるが、極大の火の玉を放つなんて魔法を打つことは一生ない。
この学校では、生徒数の多いCランクが扱える魔法の習得と、熟練度を上げる方法の習得を目指すと、先生は言った。
合わせて、実践的な剣技の習得。さらに、剣技と魔法の混合技の習得も行う。
その他は、魔法の歴史や体系のお勉強だ。
予め分かっていたこととは言え、僕には既に落第する項目が目白押しだ。実践の魔法と剣技、さらに混合なんて、どうすることもできない。
本来なら、ここで抗議したいところだが、賛同してくれる生徒は、2人のDランクの生徒くらいだろう。
僕に残された道は、勉学でトップの成績をとって、進級するしかない。親ががっかりする顔は、正直、もう見たくない。
その後、教室を出て屋外に出た。
藁でできた人形に、魔法を当てるというものだ。
まずはAランクから始まった。ケンタはド派手な火の玉を人形に当てた。普通の新入生では、扱えない魔法だ。
「さすがAランクね」先生は感嘆の声を上げた。ケンタはドヤ顔をしていた。
続いてサユリは、Cランクの平均的な火の玉を放った。如何にもサユリらしい。
タカシは、ケンタと同じ火の玉を放った。解説すると、ケンジは同じ魔法を4発放てるが、タカシは2発が限界だろう。まぁ、そういうレベルの火の玉だ。
そして、Dランクの生徒と僕は、必要最低限の火の玉を放った。
これが魔法ランクの実践的な差だ。
次は剣技の授業となった。
ハルカとは違う先生に変わった。
みんな得意な剣を握り、次々と先生に向かっていく。
やはり、タカシだけは飛び抜けて上手かった。
意外にもDランクの生徒の健闘が目立った。自分のことをよく分かっていて、鍛錬したのだろう。
僕だけが魔法も剣もダメなグループになってしまった。剣技を習得する気がないサユリにさえ、劣ってしまう始末だ。
ここで今日の授業は終了した。
僕は、言い表せないモヤモヤが心に残った。分かっていたことだ。そう自分に言い聞かせた。
サユリとタカシは、ケンタがずっと人を馬鹿にしたような態度だったと怒っている。
「ねぇ、ユウタ、聞いてる?」サユリが言った。
「僕が劣っていことは間違いない」と言って、黙り込んだ。
能力さえ使えば、と思うと、更に虚しくなった。この能力はチートだ。僕が色々な面で劣っていることは、何も変わらない。少なくともDランクの2人は、他でそれを補おうと必死に努力したのだろう。
僕には、まだまだ必死さが足りないと思い知らされた。
僕は肩を落としたまま、荷物をまとめて、ハルカ先生の研究室に行った。
「どうしたの?」と先生は優しく声をかけてくれた。
「僕がFランクということに甘えて、努力を怠っていたことを痛感しました」
「フフフッ。まだ10歳でしょ。そんなこと考えなくていいわよ」
「僕もそう思ってました。でも、みんな凄くて、ビックリしました」
「そうね。みんな入学するまでに頑張ったみたいね。でも、それはそれ、これからはこれからよ」
「はい、頑張ります」
「じゃあ、給食食べに行こうか?」
他の学年は、普通に授業が始まっているので、給食はある。僕達はお裾分けに授かることにした。
昼食が終わると、研究室で、持ってきたビニール袋にゴミを入れ始めた。あっという間にいっぱいになり、結局、5つの袋を使用した。
「先生、ちゃんとゴミ箱を使ってください」
「分かったわよ。気をつけるから」
僕は本を片付けようとしたが、結構日も落ちてきてしまった。
「はい、先生」僕は鞄から包みを渡した。
「えっ!何?開けていい?」先生は嬉しそうに言った。
「どうぞ」
先生は袋を開けて、
「あっ、お菓子、美味しそう」と満面の笑みになった。
「野菜を乾燥させたお菓子です。飽きないように、味も少し変えてますから、なるべく食べてください」
「どれどれ」先生は1つを口に入れた…
「うん、優しい甘さ。美味しいわ。ユウタ君が作ったの?」
「はい。余った野菜を使ったもので、簡単に作れますよ。それはそうと、明日、何作りますか?」
「あぁ、そうだったわね。ちょっと肉をガッツリ食べたい気分かな」
「分かりました。明日10時頃でいいですか?」
「了解。待ってるわ」
僕は研究室を改めて見回した。
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