魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

文字の大きさ
3 / 36

週末

しおりを挟む
金曜日になった。

両親に、放課後、先生に相談にのってもらうと話した。両親は、なんていい先生なの!と大喜びしている。

まさか、息子が放った暴言の罰ゲームとは言えるわけが無い。

学校の初めての授業は、誰もが知る当たり前の内容で、僕にとって辛いものだった。魔法のランクとは何か?というものだ。

先生は、
「みんな知ってることだとは思うけど、これから授業を行う上で、とても重要よ」と言った。

「魔法ランクとは、その人が持てる魔力の上限である。一生、その上限は変わらない」と、みなか知っていることを続けて、説明した。

要するに、物を浮かすという魔法が魔力を1消費するとする。Fランクの僕でも使える。

しかし、浮かすものが重くなったり、長い間浮かすようになると、必要な魔力は増える。

魔力が20必要になる重いものは、僕には動かすことは一生てきない。

しかし、熟練度というものがある。
物を配達することを仕事にしている人は、普通の人が魔力1を消費するところを、0.6程度の魔力で運ぶことができる。

しかし、熟練度にも限界はある。僕が魔力20を必要とするものを浮かすことができないのは変わらない。

今は荷物で言ったが、攻撃魔法も同じである。

単に火を起こすだけなら、僕にもできるが、極大の火の玉を放つなんて魔法を打つことは一生ない。

この学校では、生徒数の多いCランクが扱える魔法の習得と、熟練度を上げる方法の習得を目指すと、先生は言った。

合わせて、実践的な剣技の習得。さらに、剣技と魔法の混合技の習得も行う。

その他は、魔法の歴史や体系のお勉強だ。

予め分かっていたこととは言え、僕には既に落第する項目が目白押しだ。実践の魔法と剣技、さらに混合なんて、どうすることもできない。

本来なら、ここで抗議したいところだが、賛同してくれる生徒は、2人のDランクの生徒くらいだろう。

僕に残された道は、勉学でトップの成績をとって、進級するしかない。親ががっかりする顔は、正直、もう見たくない。



その後、教室を出て屋外に出た。

藁でできた人形に、魔法を当てるというものだ。

まずはAランクから始まった。ケンタはド派手な火の玉を人形に当てた。普通の新入生では、扱えない魔法だ。

「さすがAランクね」先生は感嘆の声を上げた。ケンタはドヤ顔をしていた。

続いてサユリは、Cランクの平均的な火の玉を放った。如何にもサユリらしい。

タカシは、ケンタと同じ火の玉を放った。解説すると、ケンジは同じ魔法を4発放てるが、タカシは2発が限界だろう。まぁ、そういうレベルの火の玉だ。

そして、Dランクの生徒と僕は、必要最低限の火の玉を放った。
これが魔法ランクの実践的な差だ。



次は剣技の授業となった。
ハルカとは違う先生に変わった。

みんな得意な剣を握り、次々と先生に向かっていく。

やはり、タカシだけは飛び抜けて上手かった。

意外にもDランクの生徒の健闘が目立った。自分のことをよく分かっていて、鍛錬したのだろう。

僕だけが魔法も剣もダメなグループになってしまった。剣技を習得する気がないサユリにさえ、劣ってしまう始末だ。

ここで今日の授業は終了した。

僕は、言い表せないモヤモヤが心に残った。分かっていたことだ。そう自分に言い聞かせた。

サユリとタカシは、ケンタがずっと人を馬鹿にしたような態度だったと怒っている。

「ねぇ、ユウタ、聞いてる?」サユリが言った。

「僕が劣っていことは間違いない」と言って、黙り込んだ。

能力さえ使えば、と思うと、更に虚しくなった。この能力はチートだ。僕が色々な面で劣っていることは、何も変わらない。少なくともDランクの2人は、他でそれを補おうと必死に努力したのだろう。

僕には、まだまだ必死さが足りないと思い知らされた。

僕は肩を落としたまま、荷物をまとめて、ハルカ先生の研究室に行った。

「どうしたの?」と先生は優しく声をかけてくれた。

「僕がFランクということに甘えて、努力を怠っていたことを痛感しました」

「フフフッ。まだ10歳でしょ。そんなこと考えなくていいわよ」

「僕もそう思ってました。でも、みんな凄くて、ビックリしました」

「そうね。みんな入学するまでに頑張ったみたいね。でも、それはそれ、これからはこれからよ」

「はい、頑張ります」

「じゃあ、給食食べに行こうか?」

他の学年は、普通に授業が始まっているので、給食はある。僕達はお裾分けに授かることにした。

昼食が終わると、研究室で、持ってきたビニール袋にゴミを入れ始めた。あっという間にいっぱいになり、結局、5つの袋を使用した。

「先生、ちゃんとゴミ箱を使ってください」

「分かったわよ。気をつけるから」

僕は本を片付けようとしたが、結構日も落ちてきてしまった。

「はい、先生」僕は鞄から包みを渡した。

「えっ!何?開けていい?」先生は嬉しそうに言った。

「どうぞ」

先生は袋を開けて、
「あっ、お菓子、美味しそう」と満面の笑みになった。

「野菜を乾燥させたお菓子です。飽きないように、味も少し変えてますから、なるべく食べてください」

「どれどれ」先生は1つを口に入れた…

「うん、優しい甘さ。美味しいわ。ユウタ君が作ったの?」

「はい。余った野菜を使ったもので、簡単に作れますよ。それはそうと、明日、何作りますか?」

「あぁ、そうだったわね。ちょっと肉をガッツリ食べたい気分かな」

「分かりました。明日10時頃でいいですか?」

「了解。待ってるわ」

僕は研究室を改めて見回した。
初めてきた時に比べたら、かなり片付いている。僕は満足して、部屋を出た。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】 魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。 ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。 グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、 「・・・知ったからには黙っていられないよな」 と何とかしようと行動を開始する。 そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。 他の投稿サイトでも掲載してます。 ※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。

チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます―― 金さえあれば人生はどうにでもなる―― そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。 交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。 だがその力は、本来存在してはいけないものだった。 知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。 その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在―― 「世界を束ねる管理者」 神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。 巻き込まれたくない。 戦いたくもない。 知里が望むのはただ一つ。 金を稼いで楽して生きること。 しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。 守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。 金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる 巻き込まれ系異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――

まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。 彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。 剣も魔法も使えない。 だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。 やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、 完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。 証明できぬ潔白。 国の安定を優先した王の裁定。 そして彼は、王国を追放される。 それでも彼は怒らない。 数字は嘘をつかないと知っているからだ。 戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、 知略と静かな誇りの異世界戦略譚。

処理中です...