魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

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兆し

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ハルカは、ユウタの家を出ると王国へ向かった。

「ウォルターデーモンがあんな場所に現れるなんて。何が起こってるの?」

ハルカは王国の城の前に立った。

2人いる門兵の一人に
「モンド・ヴィンスタントに会いたいんだけど」と言った。

「ヴィンスタント様は忙しいんだ。お前なんかに」
もう一人の門兵が慌てて遮った。
「すいません、ウィステリア様、こいつ新人なので許してやってください」と頭を下げた。 

「ウィステリア・・・様?これは大変失礼しました」もう一人も頭を下げた。

「まぁ、いいわよ。モンドはいるの?」

「はい、どうぞ、中へ」門兵が扉を開け、新人じゃない方の門兵が先を進んだ。

ある扉の前で止まり、ドアをノックした。
「ヴィンスタント様、ウィステリア様がいらっしゃいました」と声を出した。

「ちょっと待て」と中から慌てた声が聞こえた。

「相変わらず?」とサユリは門兵に言うと、
「はぁ~、私からは何も申し上げられません」と頭を振った。

「分かったわ。もう戻っていいわ」

「はっ!」と敬礼して、門兵が去っていった。

サユリは扉を開けた。
「ちょっと待てと」と声が聞こえた。

サユリの視界の中に、若いメイドが服を着ている姿が入った。

「いい加減、止められないの?勇者様」

「別にいいだろ。俺も独身なんだから」

「相手が迷惑してるって言ってるのよ。ねぇ」とメイドの方を見ると、

メイドは頭を下げて、服を着ている途中にも関わらず出ていった。

「はぁ、まだしてないのに」

「牢屋にでも入れてもらわないと、治らなそうね」

「はぁ?何の用だよ。いきなり来て」

「ミストムアの森に、ウォルターデーモンが出たのよ」

「えっ!ウォルターデーモンだと!それで倒したのか?」モンドの顔が真剣になった。

サユリはユウタの顔が浮かんたが、話すわけにはいかない。
「もちろん、倒したわ」

「そうか、実は、異質な魔物の報告がちらほら上がってきてるんだ。ウォルターデーモンクラスは、さすがにないがな」

「いつもいる魔物じゃなくて?」

「まぁ、余り違わないから、まだそんなに真剣には受け止められていない。でも、ウォルターデーモンが外を出歩くなんて、何か目的があるはずだ」

「目的って、まさか」

「それしかないだろ。見つかったら、やられるのが分かってるのに、外に出るなんて」

「でも、私達で確実に倒したはず。こんなに早く復活するなんて、あり得ない」

「もしそうだとしたら、倒し切る前に逃げられた、と考えるのが自然だろうな」

「どうやってよ。私達が目を光らせていたのに」

「そんなこと、俺に分かるわけ無いだろ。どちらにしても、万が一を考えなくてはならないようだ。王のところに行こう」

「分かった」

サユリ達は王の間で待った。

「みんな、どうしてるか知ってる?」

「いや、分からんな。ギンノジョウの爺さん、生きてるかな?」

「まだ大丈夫じゃない。そんなことより、あなたは大丈夫なの?鈍ってない?」

「もちろん、剣の腕は上も下も鍛錬を怠ってない」

「はぁ、こんなおっさんになるとは思わなかったわ」

「お前こそ、どうなんだ?いい男は見つかったのか?」

サユリはニンマリと微笑んだ。
「えっ!ホントか!鉄の魔女も女になったか」

「ちょっと、鉄の魔女とか言わないでよ」

そこに王が現れた。
サユリ達は跪く。

「おぉ、ウィステリアではないか?元気にしておったか?」

「はい、お陰様で。実は王にご報告があります」

「なんだ?そんな切羽詰まった声で」

「本日、ミストムアの森でウォルターデーモンを討伐いたしました」

「何!ウォルターデーモンだと。間違いないのか?」

「はい、私が目撃したので、間違いありません」

更にモンドは「最近、亜種の魔物の目撃情報が増えてきています。もしかしたら、魔王を完全に討伐できていなかったことも考えられます」と付け加えた。

「何!魔王がまだ生きていると?」

「いえ、何かしらの事情で完全には復活していないと思われます。それに、ウォルターデーモンまで地表に来たとなると、魔物達は、魔王復活のために、何かを探しているのではないかと推測されます」

「ほぅ、なるほど。確かに理屈が通るな」

「それで国内の警戒強化と、昔の仲間への連絡をお願いしたい」

「うむ。分かった。昔の仲間には緊急招集をかけよう」

「ありがとうございます」

ハルカ達は、王の間の外に出た。
「ハルカ、町に戻るのかい?」

「一応、先生だから、空けるわけにはいかないわ」

「分かった。皆が来たら呼びに行く」

ハルカは、学校に戻り、書斎の椅子に深く腰掛けた。
「今日は色々とあったわね」一日を思い出す。

「料理も美味しかったし、特別な能力もある、きっと私はユウタ君に出会う運命だったのかな。フフフッ」顔がニヤけてしまう。

抑えられた口を触る。
「まだ10歳なのに、男らしくもある。確かに、あそこで魔法を使うのは愚策と言っていい。冷静な判断もできるのよね」

ハルカは、サンドイッチを思い出し、冷蔵庫から出し、少し火の魔法で炙った。
「うんうん、これも美味しいわ。後は私好みに育てるだけ。フフフッ、楽しみだわ」


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