6 / 36
兆し
しおりを挟む
ハルカは、ユウタの家を出ると王国へ向かった。
「ウォルターデーモンがあんな場所に現れるなんて。何が起こってるの?」
ハルカは王国の城の前に立った。
2人いる門兵の一人に
「モンド・ヴィンスタントに会いたいんだけど」と言った。
「ヴィンスタント様は忙しいんだ。お前なんかに」
もう一人の門兵が慌てて遮った。
「すいません、ウィステリア様、こいつ新人なので許してやってください」と頭を下げた。
「ウィステリア・・・様?これは大変失礼しました」もう一人も頭を下げた。
「まぁ、いいわよ。モンドはいるの?」
「はい、どうぞ、中へ」門兵が扉を開け、新人じゃない方の門兵が先を進んだ。
ある扉の前で止まり、ドアをノックした。
「ヴィンスタント様、ウィステリア様がいらっしゃいました」と声を出した。
「ちょっと待て」と中から慌てた声が聞こえた。
「相変わらず?」とサユリは門兵に言うと、
「はぁ~、私からは何も申し上げられません」と頭を振った。
「分かったわ。もう戻っていいわ」
「はっ!」と敬礼して、門兵が去っていった。
サユリは扉を開けた。
「ちょっと待てと」と声が聞こえた。
サユリの視界の中に、若いメイドが服を着ている姿が入った。
「いい加減、止められないの?勇者様」
「別にいいだろ。俺も独身なんだから」
「相手が迷惑してるって言ってるのよ。ねぇ」とメイドの方を見ると、
メイドは頭を下げて、服を着ている途中にも関わらず出ていった。
「はぁ、まだしてないのに」
「牢屋にでも入れてもらわないと、治らなそうね」
「はぁ?何の用だよ。いきなり来て」
「ミストムアの森に、ウォルターデーモンが出たのよ」
「えっ!ウォルターデーモンだと!それで倒したのか?」モンドの顔が真剣になった。
サユリはユウタの顔が浮かんたが、話すわけにはいかない。
「もちろん、倒したわ」
「そうか、実は、異質な魔物の報告がちらほら上がってきてるんだ。ウォルターデーモンクラスは、さすがにないがな」
「いつもいる魔物じゃなくて?」
「まぁ、余り違わないから、まだそんなに真剣には受け止められていない。でも、ウォルターデーモンが外を出歩くなんて、何か目的があるはずだ」
「目的って、まさか」
「それしかないだろ。見つかったら、やられるのが分かってるのに、外に出るなんて」
「でも、私達で確実に倒したはず。こんなに早く復活するなんて、あり得ない」
「もしそうだとしたら、倒し切る前に逃げられた、と考えるのが自然だろうな」
「どうやってよ。私達が目を光らせていたのに」
「そんなこと、俺に分かるわけ無いだろ。どちらにしても、万が一を考えなくてはならないようだ。王のところに行こう」
「分かった」
サユリ達は王の間で待った。
「みんな、どうしてるか知ってる?」
「いや、分からんな。ギンノジョウの爺さん、生きてるかな?」
「まだ大丈夫じゃない。そんなことより、あなたは大丈夫なの?鈍ってない?」
「もちろん、剣の腕は上も下も鍛錬を怠ってない」
「はぁ、こんなおっさんになるとは思わなかったわ」
「お前こそ、どうなんだ?いい男は見つかったのか?」
サユリはニンマリと微笑んだ。
「えっ!ホントか!鉄の魔女も女になったか」
「ちょっと、鉄の魔女とか言わないでよ」
そこに王が現れた。
サユリ達は跪く。
「おぉ、ウィステリアではないか?元気にしておったか?」
「はい、お陰様で。実は王にご報告があります」
「なんだ?そんな切羽詰まった声で」
「本日、ミストムアの森でウォルターデーモンを討伐いたしました」
「何!ウォルターデーモンだと。間違いないのか?」
「はい、私が目撃したので、間違いありません」
更にモンドは「最近、亜種の魔物の目撃情報が増えてきています。もしかしたら、魔王を完全に討伐できていなかったことも考えられます」と付け加えた。
「何!魔王がまだ生きていると?」
「いえ、何かしらの事情で完全には復活していないと思われます。それに、ウォルターデーモンまで地表に来たとなると、魔物達は、魔王復活のために、何かを探しているのではないかと推測されます」
「ほぅ、なるほど。確かに理屈が通るな」
「それで国内の警戒強化と、昔の仲間への連絡をお願いしたい」
「うむ。分かった。昔の仲間には緊急招集をかけよう」
「ありがとうございます」
ハルカ達は、王の間の外に出た。
「ハルカ、町に戻るのかい?」
「一応、先生だから、空けるわけにはいかないわ」
「分かった。皆が来たら呼びに行く」
ハルカは、学校に戻り、書斎の椅子に深く腰掛けた。
「今日は色々とあったわね」一日を思い出す。
「料理も美味しかったし、特別な能力もある、きっと私はユウタ君に出会う運命だったのかな。フフフッ」顔がニヤけてしまう。
抑えられた口を触る。
「まだ10歳なのに、男らしくもある。確かに、あそこで魔法を使うのは愚策と言っていい。冷静な判断もできるのよね」
ハルカは、サンドイッチを思い出し、冷蔵庫から出し、少し火の魔法で炙った。
「うんうん、これも美味しいわ。後は私好みに育てるだけ。フフフッ、楽しみだわ」
「ウォルターデーモンがあんな場所に現れるなんて。何が起こってるの?」
ハルカは王国の城の前に立った。
2人いる門兵の一人に
「モンド・ヴィンスタントに会いたいんだけど」と言った。
「ヴィンスタント様は忙しいんだ。お前なんかに」
もう一人の門兵が慌てて遮った。
「すいません、ウィステリア様、こいつ新人なので許してやってください」と頭を下げた。
「ウィステリア・・・様?これは大変失礼しました」もう一人も頭を下げた。
「まぁ、いいわよ。モンドはいるの?」
「はい、どうぞ、中へ」門兵が扉を開け、新人じゃない方の門兵が先を進んだ。
ある扉の前で止まり、ドアをノックした。
「ヴィンスタント様、ウィステリア様がいらっしゃいました」と声を出した。
「ちょっと待て」と中から慌てた声が聞こえた。
「相変わらず?」とサユリは門兵に言うと、
「はぁ~、私からは何も申し上げられません」と頭を振った。
「分かったわ。もう戻っていいわ」
「はっ!」と敬礼して、門兵が去っていった。
サユリは扉を開けた。
「ちょっと待てと」と声が聞こえた。
サユリの視界の中に、若いメイドが服を着ている姿が入った。
「いい加減、止められないの?勇者様」
「別にいいだろ。俺も独身なんだから」
「相手が迷惑してるって言ってるのよ。ねぇ」とメイドの方を見ると、
メイドは頭を下げて、服を着ている途中にも関わらず出ていった。
「はぁ、まだしてないのに」
「牢屋にでも入れてもらわないと、治らなそうね」
「はぁ?何の用だよ。いきなり来て」
「ミストムアの森に、ウォルターデーモンが出たのよ」
「えっ!ウォルターデーモンだと!それで倒したのか?」モンドの顔が真剣になった。
サユリはユウタの顔が浮かんたが、話すわけにはいかない。
「もちろん、倒したわ」
「そうか、実は、異質な魔物の報告がちらほら上がってきてるんだ。ウォルターデーモンクラスは、さすがにないがな」
「いつもいる魔物じゃなくて?」
「まぁ、余り違わないから、まだそんなに真剣には受け止められていない。でも、ウォルターデーモンが外を出歩くなんて、何か目的があるはずだ」
「目的って、まさか」
「それしかないだろ。見つかったら、やられるのが分かってるのに、外に出るなんて」
「でも、私達で確実に倒したはず。こんなに早く復活するなんて、あり得ない」
「もしそうだとしたら、倒し切る前に逃げられた、と考えるのが自然だろうな」
「どうやってよ。私達が目を光らせていたのに」
「そんなこと、俺に分かるわけ無いだろ。どちらにしても、万が一を考えなくてはならないようだ。王のところに行こう」
「分かった」
サユリ達は王の間で待った。
「みんな、どうしてるか知ってる?」
「いや、分からんな。ギンノジョウの爺さん、生きてるかな?」
「まだ大丈夫じゃない。そんなことより、あなたは大丈夫なの?鈍ってない?」
「もちろん、剣の腕は上も下も鍛錬を怠ってない」
「はぁ、こんなおっさんになるとは思わなかったわ」
「お前こそ、どうなんだ?いい男は見つかったのか?」
サユリはニンマリと微笑んだ。
「えっ!ホントか!鉄の魔女も女になったか」
「ちょっと、鉄の魔女とか言わないでよ」
そこに王が現れた。
サユリ達は跪く。
「おぉ、ウィステリアではないか?元気にしておったか?」
「はい、お陰様で。実は王にご報告があります」
「なんだ?そんな切羽詰まった声で」
「本日、ミストムアの森でウォルターデーモンを討伐いたしました」
「何!ウォルターデーモンだと。間違いないのか?」
「はい、私が目撃したので、間違いありません」
更にモンドは「最近、亜種の魔物の目撃情報が増えてきています。もしかしたら、魔王を完全に討伐できていなかったことも考えられます」と付け加えた。
「何!魔王がまだ生きていると?」
「いえ、何かしらの事情で完全には復活していないと思われます。それに、ウォルターデーモンまで地表に来たとなると、魔物達は、魔王復活のために、何かを探しているのではないかと推測されます」
「ほぅ、なるほど。確かに理屈が通るな」
「それで国内の警戒強化と、昔の仲間への連絡をお願いしたい」
「うむ。分かった。昔の仲間には緊急招集をかけよう」
「ありがとうございます」
ハルカ達は、王の間の外に出た。
「ハルカ、町に戻るのかい?」
「一応、先生だから、空けるわけにはいかないわ」
「分かった。皆が来たら呼びに行く」
ハルカは、学校に戻り、書斎の椅子に深く腰掛けた。
「今日は色々とあったわね」一日を思い出す。
「料理も美味しかったし、特別な能力もある、きっと私はユウタ君に出会う運命だったのかな。フフフッ」顔がニヤけてしまう。
抑えられた口を触る。
「まだ10歳なのに、男らしくもある。確かに、あそこで魔法を使うのは愚策と言っていい。冷静な判断もできるのよね」
ハルカは、サンドイッチを思い出し、冷蔵庫から出し、少し火の魔法で炙った。
「うんうん、これも美味しいわ。後は私好みに育てるだけ。フフフッ、楽しみだわ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます――
金さえあれば人生はどうにでもなる――
そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。
交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。
しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。
だがその力は、本来存在してはいけないものだった。
知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。
その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在――
「世界を束ねる管理者」
神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。
巻き込まれたくない。
戦いたくもない。
知里が望むのはただ一つ。
金を稼いで楽して生きること。
しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。
守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。
金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる
巻き込まれ系異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる