魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

文字の大きさ
5 / 36

未来の旦那様? 2

しおりを挟む
「なんですかねぇ?初めて聞くなぁ」僕は冷や汗をかきまくっている。

「ユウタ君、何か隠してるわね。会った時から不思議だったのよ。Dランクの子たちだって、必死さが伝わってきているのに、あなたは全然そういうところがない。何か余裕があるのよね」

「なっ、何を言ってるんですか?いつもビクビクしてますよ。いじめられないか」僕は分かりやすく動揺した。


その時、木々が倒される大きな音が響いた。

音のした方を見ると、
「ウォルターデーモン!第三階層の魔物が、なんでこんなところに!。ユウタ君、私の後ろに!」

僕は先生の近くに行った。
「このままにしておけないわ」

先生は呪文を唱え始めた。 
僕の周りの精霊達が騒ぎ始めた。

確かに、こんなところで魔法を使ったら、多くの精霊が死んでしまう。
どうしよう?僕の秘密がバレてしまう。
でも、精霊達を見殺しにはできない。

精霊達の悲鳴が耳の中を満たしていく。

僕は後ろから、先生の口を塞いだ。先生がその手を跳ね除けた。

「何やってるの!緊急事態なのよ!」

「僕がやる」と叫んで走り出した。

「ちょっと!危ないわよ!戻りなさい!」


僕は無視をして、お腹の底から低い声を出した。そして、低い声のまま唄っていく。

ウォルターデーモンは、僕に対して闇の魔法を放った。
しかし、僕の体に当たりすぐに消えた。

それからも雷、炎の魔法を次々と放ってくる。しかし、同様に何のダメージも僕に与えない。

僕が足元に来ると、ウォルターデーモンは、拳を振り下ろしてきた。

僕は、ゆっくりと振り下ろされる拳に自分の拳をぶつけた。

ウォルターデーモンの腕が付け根まで、粉々に弾け飛んだ。

続けて足に拳をぶつける。同じように足が弾け飛ぶ。

ウォルターデーモンは大きな音を立てて倒れ込み、僕はトドメの拳を頭に叩き込んだ。

頭も弾け跳んだ。

僕はそれを見て唄うのを止めた。
近くに集まった精霊達は、喜んで僕の廻りを飛び回っている。

「えっ、怖い方じゃないうたを聞きたい?分かったよ。もう隠してもしょうがないし」

僕は頭の先から高い声を出した。その声で唄った。

精霊達は喜んでいる。ウォルターデーモンに折られた木々の折れ目から、新たな芽が芽吹いている。

すごいな、ここは。精霊達の力がみなぎっている、と思った。

気がつくと、先生がそばまで来ていた。

「何をしているの?精霊達が喜んでるけど」

僕は精霊達に、もういいかい?と目で合図してから、
「うたを唄ってるんです」

「うた?」

僕は普通の声でやろうとしたが、やっばりダメだった。いつもできない。

「声を楽器のようにするんです」

「楽器?でも、何も聞こえなかったわよ」

「僕も本で知ったんですけど、人間が聞こえる音って限界があるんです。うたは、その聞こえない音なんです」

「それで、ウォルターデーモンを倒したの?魔法も効いてなかったみたいだし」

「全部話さないとダメですか?」

「えっ?話せないことがあるの?」

「そうですね。できれば話したくないですかね」

「う~ん」先生は考え込んだ。

どうせ無理だろうと僕は思っていた。魔法の研究をしているのに、今のこの状況を見逃せる訳が無い。

「私の下着を見たことは内緒にするから、教えて」

「はぁ?それは不可抗力だから、ダメです」

「じゃあ、ぎゅっとしてあげるから」

「それはこないだ、してもらいました」

「じゃあ、おっ、オッパイ触ってもいいから」先生の顔は真っ赤だ。

僕は唾を飲み込んだ。
「直にですか?」

「少しだけなら、いいよ」

「一応聞きますけど、誰かに触らせたことは?」

「なんでそんなこと聞くのよ。ないわよ」

僕は近づこうとしたが、止めた。
「卒業したらします」

「えっ、それまで教えてくれないの?」

「このことはサユリしか知らないんです。秘密にできますか?」

先生は目を輝かせながら、頷いた。
僕は溜息をついてから、
「僕は2種類のうたを唄うことができます。精霊達が喜んでいる方のうたを、僕は『豊穣のうた』と呼んでいます。木々や生き物の成長を促進させる効果があるようです」

「なるほど、だから精霊達は喜んでいるのね。力を与えられてるみたいで」

「そうかもしれないですね」

「それで、もう一つは?」

「話さないとダメですか?」

「えっ、オッパイより先は、さすがにユウタ君には早いわよ」

「えっ!そんなつもりじゃないてすよ!」僕は赤くなった。

先生はニヤニヤした
「卒業したらね」

「先生は経験あるんですか?」

「えっ!話さないとダメ?」今度は先生が赤くなった。

さっき、オッパイさえ誰にも触らせてないのに、その先なんてあるわけがないだろうと分かっていた。

「それくらい僕は話したくないんです」僕はニヤニヤした。

「分かったわよ。ない、ないわよ。ユウタ君が初めてよ」

僕はその言葉に絶句した。そんな具体的に言われると、からかえなくなってしまう。

「分かりました。話しますよ」と言うのが精一杯だった。

「ふぅ~」と息を吐いてから、
「もう一つのうたを、僕は『呪いのうた』と呼んでいます」

「呪いのうた。尋常じゃないわね」

「そんなに経験がないので、はっきりとは言えませんが、このうたを唄っている間は、相手の能力、つまり、攻撃力や防御力なんかの全ての数値がかなり小さくなっている、と考えています」

「なるほど、その状態で撃たれた魔法なら、ユウタ君の防御力を上回ることができない。つまり、ダメージを与えられないってことか」

「そう考えてます。逆に僕の攻撃力でも、相手の防御力を上回れる」

「お豆腐を殴ってるみたいだったわね」

「そういうことです」

「なぜ、呪いなんて言うの?」

「だって、魔法じゃないんですよ、これは。精霊の力も借りてないし。相手にしてみたら、呪いとしか言いようがないですよ」

「う~ん。もっといい言い方があると思うけどなぁ。まぁ、いいわ。よく分かんないけど、理由は分かったわ」

「本当に内緒にしてくださいね」

「うん、口は堅いから安心して。あっ、もしかして、教室で私の魔法を受けても大丈夫だったの?」

「まぁ、そうなんですけど、この能力の欠点として、聞こえる全員に影響しちゃうんです」

「あぁ、確かに。ここまで来るの、大変だった」

「魔力や体力が低い人だと体調が悪くなることもあって」

「あぁ、それで使えなかったのね。優しいのね」

「いえいえ、あの場で使ったら、秘密になんてできないからですよ」

「あぁ、そっか。フフフッ。じゃあ、帰ろうか?」

「はい」

僕達は精霊達に別れと、また来ると告げて、その場を離れた。

先生にお姫様抱っこされながら、空を飛んでいる。
「家まで送っていくわ」

「えっ、いいですよ」

先生は僕を抱っこしてまま、僕をぎゅと抱きしめた。
顔に柔らかいものが当たる。
「ありがとう。秘密を教えてくれて」

僕は何も言えなかった。
そして、家についた。
「ご両親に挨拶するわ」

「えっ、なんでそんなこと。いいですよ」

「未来の旦那様になるかもしれないんだから」

「えっ!」

先生は扉を開けた。
「初めまして、ユウタ君の担任のハルカ・ウィステリアてす」

僕は続いて中に入った。両親はあっけに取られていた。

「ユウタが何かしましたか?」と父が心配そうな声で言った。

「いえいえ、ユウタ君はとても素敵なご子息です。私が責任を持っていい男、いや立派な人間にしますので、ご心配はいりません」

「あぁ、先生にそう言ってもらえると、安心です。よろしくお願いします」

「はい、お任せください。では、これで失礼します」と先生は会釈をして出ていった。

「はぁ~」僕は、この後どう説明しようか頭を抱えた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】 魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。 ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。 グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、 「・・・知ったからには黙っていられないよな」 と何とかしようと行動を開始する。 そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。 他の投稿サイトでも掲載してます。 ※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。

チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます―― 金さえあれば人生はどうにでもなる―― そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。 交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。 だがその力は、本来存在してはいけないものだった。 知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。 その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在―― 「世界を束ねる管理者」 神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。 巻き込まれたくない。 戦いたくもない。 知里が望むのはただ一つ。 金を稼いで楽して生きること。 しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。 守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。 金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる 巻き込まれ系異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...