魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

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会議

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 そして会議当日になった。

 ハルカが会場のドアを開くと、ツクシとシノビが席についていた。

ツクシが席を立ち、ハルカに近づいてきた。
「ハルちゃん、お久しぶり。元気そうね」

「ツクシさんもお元気そうで」

「さっきモンちゃんに聞いたんだけど、彼氏できたんだって?羨ましいなぁ」

「あぁ、まぁ」モンドめ、余計なことを、と思ったが、
「ツクシさんは?」と話をはぐらかした。

「私には、神様がいるから」

「まだ教会には出てるんですか?」

「なんか偉くされちゃってぇ。やんなくていいって言われてるんだけど、私はみんなの治療をしたいからぁ、まだ毎日、医術院にいるわよ」

「ホントに元気ですね」

「だって、まだまだ若いしぃ」

「そっ、そうですよね」

ツクシさん、王国の教会のシスターだ。本人は若い気でいるらしいが、前回の魔王討伐の時に、医術院でマスターという最高のクラスだった。その時、確か50歳は過ぎていたはずだが・・・。

まぁ、ほんわかした性格だが、パーティでは、私達の回復が主で、その他ギミックの解除も行っていた。ポーション等のアイテムの知識もかなりあり、作ることもできる。


「シノビは相変わらず無口みたいですね」

「そうなのよぉ。シノちゃん、話しかけても全然返事してくれないよぉ」

「ちょっと待て!人聞きの悪いことを言うな」

「だって、最近どこ行った?とか、最近何かあった?とか答えてくれないじゃない」

ハルカは、あぁ、それは答えられないな、と思った。

シノビとは、王国内の情報収集をする組織のことで、目の前にいる男の名前ではない。場合によっては潜入捜査も行うので、名前と顔は極秘とされている。今話している相手も覆面をしている。

しかし、左手の甲に特徴のある紋様が描かれており、それは一人ひとり違い、同じものはないと言われている。

だから、この男が以前のパーティメンバーだと私達は信じる事ができる。

パーティでは、短剣による接近戦も得意であるが、魔弾と呼ばれる魔法と火薬を混ぜたものを扱う中・遠距離攻撃もできる。

その他、魔物や戦術の知識が豊富で、作戦会議では中心となり、戦闘中も指示を出す役目だ。そういう時は、非常に饒舌になる。

「シノビ、最近じゃなくてもいいから、美味しいもの、何か知らない?」

「あぁ、それなら、カノンの町で近くの森の木の実を使ったパイが美味かったよ」

「えっ!ホント?次の視察は、そこにしようかしら?」ツクシさんは楽しそうな顔になった。

「視察ですか?」

「定期的に地方の教会を回って、人員や資材の不足がないか確認してるのよ。まぁ、形式的なものだけどね」

いや、それって、とても重要なんじゃ、とハルカは思ったが、口には出さなかった。

すると、モンド、ハナエ、ギンノジョウが部屋に入ってきた。

ハナエは10年前と変わらない姿なので、私よりも年下に見えてしまうんじゃないかと思えた。

ギンノジョウは、昔からおじいちゃん過ぎて、変わっていても全く分からない。

3人は特に何も言わずに席に着いた。



それから少し遅れて、王が現れた。
私達は立ち上がったが、ハナエとギンノジョウは座ったままだった。

「あぁ、気を使わないでくれ。国を守ったのはそなた達じゃ、律しなければならないのは私の方じゃ」

王は席に着く前に
「本日は集まってくれたこと、大変感謝いたす。改めて、国民を代表して、魔王から国民を守ってくれたことにお礼申し上げる」と深く頭を下げた。

ハルカは、この王の謙虚なところ、国民を第一に考えるところが大好きだった。
だからこそ、力になってあげたい、と思っている。生まれつき、人間にはできることとできないことがあり、それぞれ役目があるのだ。

「国民を代表した王のお気持ち、有り難く受け入れます」とモンドが言った。

王は頭を上げ、席に着いた。

「それで、本日集まってもらった理由なのじゃが」王はモンドを見た。

モンドは王に対して頷いてから、パーティメンバーに向き直った。
「既に知っているメンバーもいると思うが、立て続けにこの近辺で、ウォルターデーモン、アークデーモンが現れるという事件が起きた。幸いハルカのお陰で特に被害はなかったのだが、この魔族の動き、尋常なことではない。

そこで、俺は仮説を立てた。
10年前、魔王を完全に討伐できなかったのではないかと。
間違いなく俺たちの前で、魔王は消滅した。しかし、俺にも分からないが、それはごく一部で、消滅する前に大部分が逃げおおせたのではないかと。

それで10年経った今、魔王を復活させる目処が立ったので、表立って魔族が動き出したのではないかと考えている」

特にメンバー達に動揺はなかった。ハナエとギンノジョウ以外は知っていても不思議ではない。

ハナエは、
「この近くで黒い闇を感じたから、私とギンノジョウは来たの。そうじゃなかったら、わざわざこんなところ来ないわよ」とギンノジョウを見た。

ギンノジョウは
「この王国の近くの町に、黒い闇の力がある。間違いない」

ハルカは立ち上がった。
「それって?」

「そうよ、あなたのいるモルガンの町よ。何も感じなかったの?」ハナエは嫌味を込めて言った。

ハルカを始め、会議室にいる全ての人が動揺した。

「そんな・・・」ハルカは絶句した。

「おい、ハナエ、からかうな。普通の人間には無理なことだ」

「まぁ、そうね。ハルカ、ごめんなさい。あなたを困らせるために言ったんじゃないのよ。でも、あなた、心当たりはないの?」

「えっ!」ハルカは下を向いて考えた。

黒い闇・・・、闇の力・・・、呪い・・・

「まさか!」ハルカは顔を上げた。

「心当たりあるみたいね」ハナエは微笑んだ。
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