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ギンノジョウの家へ
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僕の両親は寂しがりはしたが、ランクアップの太鼓判を押してもらえたことで、Fランクという十字架を息子に負わせてしまった負い目から解放される期待もあるのだろう。快く送り出してくれることになった。
僕は、サユリにだけは話しておこうとも考えたのだが、伝説のハナエ様、ギンノジョウ様が措置を施してくれる超特別待遇であるため、両親も真実は他言無用と厳命されている。
だから、ボロが出やすいサユリには、真実を打ち明けることなどできるわけもない。
僕は後でものすごく怒られることを覚悟して、何も言わないまま出ていくことにした。
そして次の日の朝、先生は僕を迎えに来た。
しかし、飛んでいくことはなかった。
普通にゆっくりと並んで歩いていると言いたいところだが、先生は腕を組んできて、僕にベッタリとくっつきながら歩いている。
僕は歩きながら、サユリたちのことを話すと、
「大丈夫、私に任せて」と言った。
城の扉が開かれると、ハナエ様達は既に待っていた。
先生はそれを見ると、今までにないくらい長い間、僕を抱きしめた。
「先生、待たせてるから」
「うん」先生は僕をやっと解放した。
「いってらっしゃい。気を付けて、と言っても、2人がいるからね」
「はい、頑張ってきます」
「うん、頑張って」
ハナエ様達と城の外に出た。挨拶もそこそこに、ハナエ様達は歩き始めた。
僕はついていこうと先生に背を向けたが、振り返った。
「先生!」
「何?」先生は悲しそうな笑顔だった。
「野菜もちゃんと食べないとダメですからね」
ハルカは堪えていた涙が溢れそうになった。後ろ手で背中を杖できつく叩き。耐えた。
「うん、ちゃんと食べるから、心配しないで。ほら、早く行きなさい」
ハナエは下がってきて、ユウタの背中を押して前を向かせた。顔はハルカを見ている。
ハルカは膝につきそうなくらい頭を下げた。地面には次々と雫が落ちた。
ハナエは頷いてから、前を向いて歩き始めた。
城壁を出てからも、ギンノジョウ様と僕はトボトボとゆっくり歩いた。
ハナエ様はずっと浮かんでいる。
「ハナエ様、魔力が尽きることはないんですか?」
「浮かんてるだけなら、ほとんど魔力は使ってないわ。寝ながら浮かんでることもあるし」
「はぁぁ、なんと羨ましい。ハナエ様はお顔もお姿も古い絵画のように完璧なのに、そのような才能にまで恵まれていらっしゃる。超凡人の僕は、ただただ感心するばかりです」
ハナエ様は少しムッとした顔になった。
「古い絵画って、私の年齢のことを言いたいの?」と強い口調になった。
僕は両手をブンブンと高速で左右に振った。
「とっ、とんでもない!僕の表現が稚拙でご気分を悪くされたなら、謝ります。
でも、僕が言いたかったのは、古くからあるのに、今でも人々を魅了する絵画には、時代が変わっても、見る人が変わっても、揺るがない圧倒的な美があると思うんです。あがらうことのできない、認めざるを得ない美、それがハナエ様だと思いました」
「まぁ」ハナエは両手で顔を隠し、耳まで赤くなった。
そして、顔を覆った指の隙間から、ユウタの顔を見る。そこにある2つの目は、変わらずキラキラと輝いている。濁っている部分など全くない。
「ハッハッハッ」ギンノジョウは大きな声で笑った。
「千年の魔女も形無しだな。赤くなったのは何百年ぶりだ?
「ちょっと、ギンちゃん!年齢が分かるようなことは言わないで!」
「ハナエ様、僕はそんなこと気にならないですよ。ハナエ様が何歳でも、例え今のお姿をしてらっしゃらなくても、ハナエ様はずっとお優しく気高い。本当に素敵だと思います」
「はぁ」ハナエ様は溜息をついた。
「ハルカが骨抜きにされたのも分かるわ。この子は毒よ。一度口にしたら、もう終わり。毒だと分かっていても、また食べたくて堪らない」
「そうだな。これまでFランクとして弱い立場だった。だから、普通には見えな景色が見えていたのだろう」
「そんな大層なことじゃないです。僕は感じたことをそのまま言っているだけです」少し赤くなった。
「はぁ」ハナエも言われたことを思い出し、まだ赤くなっている。
そして日も暮れてきた。
「少し急ぐか」ギンノジョウ様は言った。
「えっ、近くに町などありませんが」
「町には行かん。人が多過ぎて、どうも落ち着かないからな。ワシはアチコチに別荘を作っている。そこに行く」
「別荘?」
「ほら」とギンノジョウ様が手を伸ばそうとすると、ハナエ様が遮った。
「私が連れてく」ハナエ様は僕をお姫様だったした。
「すいません。ハナエ様。でも魔法で浮かせていただければ大丈夫です」
「いいの。私がこうしたいの」子供っぽく聞こえた。
ハナエ様からは、甘い花のような匂いがした。それに先生にも引けを取らない柔らかいものが当たっている。
「行くぞ」ギンノジョウ様は先に飛んていった。ハナエ様も続く。
みるみる景色が通り過ぎていく。
森の中へ入った。全く2人のスピードが落ちない。
僕はハナエ様の腕の中で、ぶつからないかビクビクした。
「見ないで。大丈夫だから」
ハナエ様の腕に力が入り、ギュと小さくされた。柔らかいものに顔が更に押し付けられた。
心臓が高鳴った。
「フフフッ」ハナエ様が笑ったように感じた。体も密着している。僕の鼓動が伝わっていてもおかしくない。
このままだと心臓が破裂してしまう。僕は顔に当たっているものが何か意識することを止めた。
しばらくして、ギンノジョウ様は地上に降りた。
「着いたぞ」
ハナエ様も浮いたまま止まった。腕の力は弱まったが、下ろす気はないらしい。
僕は腕の中から周囲を見た。
「木ばっかりで何も無いですが』
長い髭が生えた口がニヤリとして、上を指さした。
僕が顔を上げると、太い枝が交差する上に、木の家があった。
「うわぁ、凄い!」僕は歓声をあげた。
ギンノジョウ様は僕のリアクションに満足したのか、また飛び立った。ハナエ様も続く。
家の周辺は木の板が敷かれていて、立てるようになっていた。
ギンノジョウ様はその上に立った。ハナエ様はまだ僕を下ろそうとしない。
「ハナエ様、もうそろそろ」
「えっ、もう少しだけ」
空を飛んでいる緊張がなくなったので、改めて近くでハナエ様をみてしまった。
「本当にきれいだ」と僕はボソッと言ってドキドキしてしまった。
「まぁ」ハナエ様も赤くなったようだ。
「サナエ様、申し訳ないんですけど、僕の心臓が持たないです」
「そうなの?残念だわ」やっと下ろしてくれたが、ここが高いところだと思ったら、少しふらついてしまった。
「大丈夫?」
「色んな意味でドキドキし過ぎたみたいです」
「もう!」ハナエ様はモジモジしている。
「はぁ」とギンノジョウ様の溜息が聞こえた。
そのまま木の家の扉を開いて、中に入った。僕も続く。
「うわぁ、広い!」思ったよりも広くできていた。
ベッドが2つとソファー、テーブルと椅子、小さいがキッチンらしきものもあった。
「そういえば食事はどうするんですか?」
「ワシはなくても大丈夫じゃ」
「私もお酒があればいいかな」
「ギンノジョウ様、お酒はあるんですか?」
「あるように見えるか?」
「ええっ!それなら買ってきたのに!」
「分かりました。森の中をずっと見てきましたけど、色々と大丈夫そうです。
お酒も作れそうです」
「えっ!ホント?」
「はい。申し訳ないですが、地上に下ろしてもらえますか?」
ハナエ様は、ギンノジョウ様を見た。
「そう遠くに行かないなら、いいだろう。迷子になるなよ」
「大丈夫てす。精霊達に助けてもらいます」
僕の周りには精霊がどんどん集まってきていた。
「じゃぁ、下ろすわよ」
早苗様は、またお姫様だっとしようとしたので、
「他の方法でなんとかなりませんか?」
「そう?」
ハナエ様は立ったまま、ギュッと抱きしめてきた。顔が柔らかいものに埋もれる。僕達は浮き上がった。
そして、地面に僕の足が着き、僕の身体が離された。
「はぁはぁ」やっと呼吸ができた。
「こっちの方が好き?」とハナエ様は聞いてきた。
「すいません、前のでお願いします」
「そう?私はこっちの方がいいかな?」
「いやいや。死んじゃいますよ。じゃあ、行ってきます」
「気をつけてね」
僕は歩き始めた。
「えっ?唄って欲しいの?みんなと会うのは初めてなのに、何で知ってるの?」
(・・・・)
「みんな知ってるって?そうなんだ。分かったよ」
僕は頭の上から声を出した。そして唄っていく。
唄いながら、様々な木の実や植物を拾っていく。
えっ?運んでくれるの?と頭の中で思った。木の実などが僕の周りに浮かんだ。
そういえば、水はあるのかな?と思った。
精霊たちが案内するといっている。
ても、水筒を持ってきてないよ。えっ、大丈夫?うん、分かった。
僕は精霊達について行った。ずっと唄っているが、全然苦しくない。
すると水の音がしてきて、川が見えた。あたりには動物達もいた。一瞬僕を警戒したようだが、すぐにまた水を飲み始めた。
「凄い綺麗な水だ」すると、葉っぱが組み合わさったバッグのようなものが目の前に現れた。
僕はビックリしてうたを止めた。
「これ、みんなが作ったの?」
(・・・)
「そうなんだ。ありがとう。使わせてもらうよ」
僕は貼っばのバッグで水を掬った。
「凄いや、全然水が漏れてない。えっ、こんなの簡単だって。フフフッ、みんな凄いや」
すると、背中の方からガサガサと音がした。僕はまたビックリして振り返った。
すると、僕より大きい体のイノシシがいた。向こうも僕に気づたようだ
「ぶほぉ~」と鼻息を出した。
僕は少しずつ離れた。
「えっ!唄えって?そんなんでなんとかなるの?分かった、分かったよ」
僕はまた豊穣のうたを唄い始めた。
すると、僕の方を向くのを止め、川の方に向かっていった。後ろから、子供だろうか?小さなイノシシが5匹現れた。
みな川で水を飲み始めた。
子供連れだったのか?それは警戒してもしょうがないな、と頭の中で思った。
気づくと、動物達が増えていた。水を飲み終えた動物達も、くつろいでいるように寝そべっている。
こんなに長く唄ったのは初めてかもしれない。
そろそろ戻らないと、川に背を向けて
歩き始めた。
何匹かの動物達が僕に寄ってきた。僕は背中や頭を撫でた。
「えっ?乗ってみろって?」
「いいよ。歩けるから」
「うわぁ」僕の体は浮いて、鹿の背中の上に降ろされた。
ごめんよ、重いのに。と頭の中で思った。
鹿は短く鳴いた。
しばらく歩くと、ギンノジョウの別荘が見えた。
僕はうたを止めた。ゆっくりと背中から下りた。
「ありがとう」と言いながら撫でた。
動物達はそれぞれ帰って行った。
「随分な大行列で帰ってきたもんだねぇ」ハナエが木の上から下りてきた。
「いつの間にかこんなことになっていて」
ハナエ様が木の上から僕を浮かせた。
そして、ギュッと抱きしめた。
「お帰り」
「たっ、ただいま。はっ、ハナエ様。お酒作れますよ」
ハナエ様は僕を離し、
「ホントかい?」
「はい、中に入りましょう」
僕は扉を開けて中に入った。
「只今戻りました」
ギンノジョウ様は、チラリと見て、頷いた。
僕はキッチンに材料を並べた。
「ギンノジョウ様、この蛇口の水は大丈夫ですか?」
「あぁ、魔法で浄化してあるから、飲んでも問題ない」
「ありがとうございます」
僕は木の実や果物等を洗った。そして、瓶にある果物と草を入れて、水を入れて、フタをした。
「ハナエ様、これで2、3日発酵させれば、お酒になります」
「えっ、そんなに待てないわ。発酵させればいいのよね?」
「はい、そうですけど」
ハナエ様は瓶の両側に手を置いた。
新鮮だった果物が窪んでいき、泡が立っている。
「あっ!その泡がアルコールです」
「フフフッ、もう少しね」
「そのへんで、これ以上は苦みが出てきます」
ハナエはフタをハズして、口をつけようとした。
「ハナエ様!けっこう強いですよ。普通は水で割って飲みます」
「そうなの?』
「僕がやります』
僕は、木のコップを洗って、瓶の中身を少し入れ、水を入れた。そして、少ない魔力で冷やした。
「これで丁度いいと思いますが」
ハナエ様は受け取り、口に入れた。
「あぁ、ほのかな甘みと酸味、口の中がさっぱりする」
「草が余計なものを吸い取ってくれるので、さっぱりします」
「う~ん、もう少し濃いほうが私はいいかな?」
ハナエ様は飲み干すと、コップを渡した。
「はい」僕は瓶の中身を2倍にして作った。
「うんうん。ガツンとくるわ。ユウタ、ありがとう」
ハナエ様はコップを浮かせて、また僕に抱きついた。
「なっ、なんか食べるものも作ります」
「うん、楽しみにしてるわ」
僕は、鍋でお湯を沸かし、木の実を煮た。それを水で冷やしてから潰し、伸ばしていく。
鍋で葉っぱや小さい木の実を炒めて、伸ばしたものの上に置き、焼いていく。
「う~ん、いい匂い」ハナエ様が嬉しそうに言った。
「はい、どうぞ」3人分に切り分けて、木の皿に置いた。
「いただきます」ハナエ様はさっそく口に入れた。
「うん、ちょっとピリ辛でおいしい!」
「調味料がなかったので、アクセントを付けるために入れました」
ギンノジョウ様も口に入れる。
「これをこの森の材料だけで?大したものだ」
「家の近くの森には、小さい頃から行ってました。そんなに強い魔物もいなかったので。そこで本を見ながら、色々と試してたんです」
「これなら、ワシの家でも大丈夫そうだな」
そうして、寝ることになった。
ベッドは2つ。
僕はソファーで寝ると主張したのだが、ハナエ様と寝る事になった。
ということで、ベッドに横になりながら抱き寄せられている。
「こんなんじゃ寝れない!』と思ったが、歩き疲れていたのだろうか?すぐに寝てしまった。
そして夜も更けてきた頃、
「ハナエ!」とギンノジョウが小さい声を出した。
「あぁ、分かってるよ。でも、私は手が離せないんだ」
「あぁ、分かったよ。別に一人でも問題ない」ギンノジョウは家の扉を開ける前に、外の様子を魔力探知で確認した。
「5匹か。この魔力レベルだと雑魚だかな。こっちは朝まで動けない。今倒しても、新しいやつが来るだけだ。
だだ念の為、眠らせておくか」
ギンノジョウは呪文を唱えた。
「うむ、問題ない」とベッドで横になった。
僕はギュと力強く抱きしめられ、目が覚めた。
「マキノ、マキノ」とハナエ様の口からうっすらと聞こえた。
ハナエ様の力が弱まると、僕はゆっくりと身体を離した。
外から明るい日差しが差し込んでいた。
ベッドからゆっくりと下りて、伸びをした。右肩ばかり下にしていたので、回してほぐした。
「えっ?魔物が外にいるって?」
僕は扉に近づこうとした。
「こら、ダメだぞ」ギンノジョウ様の声がした。
「おはようございます。起きていたんですか?」
「年寄りは眠りが浅くてな」
「何か召し上がりますか?」
「そうだな」
「はい、少しお待ち下さい」
魔物は大丈夫なのだろうか?」僕は心配になった。それを見透かされたのか?
「この家が珍しいのだろう。ほっとけばいなくなる」とギンノジョウ様は言った。
「はい」まぁ、この2人がいるんだから、僕の出る幕なんてないだろう。
僕は昨日の余った食材でスープを作り始めた。木の実も葉っぱもたくさん取れたので、問題はない。
「はい、どうぞ」
ギンノジョウ様はスプーンで掬って口に入れた。
「ほう、よく味が出ている。しかし、少し物足りない感じがして思うな。次の町で、調味料と食材を買っていこう」
「それなら、もっと美味しくできます」
「うんうん、期待しているぞ」
そして食べ終わり。僕は洗い物をした。
「ギンノジョウ様、どれくらい旅をするのですか?」
「そうだな」ユウタには、魔族の尾行を巻きながらとは言えない。でも真っ直ぐに向かうわけにもいかない。
「大体、一週間くらいかな」
「そんなに遠いんですか?」
「まぁ、そんなところじゃ」
多分、ハナエ様やギンノジョウ様の魔法を使ったうえでの日数だ。僕一人では数倍かかるかもしれない。
「んっ、ん~ん」とハナエ様がベッドで伸びをしていた。
「んっ、いい匂い」とこちらへ浮かんできた。
僕は皿によそって渡した。
「うんうん。朝にはちょうどいい」
「ギンノジョウ様が、途中の町で調味料を買ってくれるそうです。次はもっと美味しくできます」
「お酒も忘れないでね。ギンちゃん」
「はぁ、分かった。分かった』
「ギンちゃん、ちょっと川で水浴びしてくるから。待ってて」
とウィンクした。
「分かった。待っておる」
「ユウタも行こうよ」
「そっ。そんなことできません!」
「え~!いいじゃん」
「ホントにダメです!」
「分かったわよ。じゃあギンちゃんいってくるね』
「よろしくな」
「はいはい』
ハナエ様は扉を開けて、出ていった。
ギンノジョウ様は、じっとしていたので、僕はまた皿を洗った。
そして袋から。新しい服を出して着替えた。そして、余った食材と共に袋に入れた。
僕は、サユリにだけは話しておこうとも考えたのだが、伝説のハナエ様、ギンノジョウ様が措置を施してくれる超特別待遇であるため、両親も真実は他言無用と厳命されている。
だから、ボロが出やすいサユリには、真実を打ち明けることなどできるわけもない。
僕は後でものすごく怒られることを覚悟して、何も言わないまま出ていくことにした。
そして次の日の朝、先生は僕を迎えに来た。
しかし、飛んでいくことはなかった。
普通にゆっくりと並んで歩いていると言いたいところだが、先生は腕を組んできて、僕にベッタリとくっつきながら歩いている。
僕は歩きながら、サユリたちのことを話すと、
「大丈夫、私に任せて」と言った。
城の扉が開かれると、ハナエ様達は既に待っていた。
先生はそれを見ると、今までにないくらい長い間、僕を抱きしめた。
「先生、待たせてるから」
「うん」先生は僕をやっと解放した。
「いってらっしゃい。気を付けて、と言っても、2人がいるからね」
「はい、頑張ってきます」
「うん、頑張って」
ハナエ様達と城の外に出た。挨拶もそこそこに、ハナエ様達は歩き始めた。
僕はついていこうと先生に背を向けたが、振り返った。
「先生!」
「何?」先生は悲しそうな笑顔だった。
「野菜もちゃんと食べないとダメですからね」
ハルカは堪えていた涙が溢れそうになった。後ろ手で背中を杖できつく叩き。耐えた。
「うん、ちゃんと食べるから、心配しないで。ほら、早く行きなさい」
ハナエは下がってきて、ユウタの背中を押して前を向かせた。顔はハルカを見ている。
ハルカは膝につきそうなくらい頭を下げた。地面には次々と雫が落ちた。
ハナエは頷いてから、前を向いて歩き始めた。
城壁を出てからも、ギンノジョウ様と僕はトボトボとゆっくり歩いた。
ハナエ様はずっと浮かんでいる。
「ハナエ様、魔力が尽きることはないんですか?」
「浮かんてるだけなら、ほとんど魔力は使ってないわ。寝ながら浮かんでることもあるし」
「はぁぁ、なんと羨ましい。ハナエ様はお顔もお姿も古い絵画のように完璧なのに、そのような才能にまで恵まれていらっしゃる。超凡人の僕は、ただただ感心するばかりです」
ハナエ様は少しムッとした顔になった。
「古い絵画って、私の年齢のことを言いたいの?」と強い口調になった。
僕は両手をブンブンと高速で左右に振った。
「とっ、とんでもない!僕の表現が稚拙でご気分を悪くされたなら、謝ります。
でも、僕が言いたかったのは、古くからあるのに、今でも人々を魅了する絵画には、時代が変わっても、見る人が変わっても、揺るがない圧倒的な美があると思うんです。あがらうことのできない、認めざるを得ない美、それがハナエ様だと思いました」
「まぁ」ハナエは両手で顔を隠し、耳まで赤くなった。
そして、顔を覆った指の隙間から、ユウタの顔を見る。そこにある2つの目は、変わらずキラキラと輝いている。濁っている部分など全くない。
「ハッハッハッ」ギンノジョウは大きな声で笑った。
「千年の魔女も形無しだな。赤くなったのは何百年ぶりだ?
「ちょっと、ギンちゃん!年齢が分かるようなことは言わないで!」
「ハナエ様、僕はそんなこと気にならないですよ。ハナエ様が何歳でも、例え今のお姿をしてらっしゃらなくても、ハナエ様はずっとお優しく気高い。本当に素敵だと思います」
「はぁ」ハナエ様は溜息をついた。
「ハルカが骨抜きにされたのも分かるわ。この子は毒よ。一度口にしたら、もう終わり。毒だと分かっていても、また食べたくて堪らない」
「そうだな。これまでFランクとして弱い立場だった。だから、普通には見えな景色が見えていたのだろう」
「そんな大層なことじゃないです。僕は感じたことをそのまま言っているだけです」少し赤くなった。
「はぁ」ハナエも言われたことを思い出し、まだ赤くなっている。
そして日も暮れてきた。
「少し急ぐか」ギンノジョウ様は言った。
「えっ、近くに町などありませんが」
「町には行かん。人が多過ぎて、どうも落ち着かないからな。ワシはアチコチに別荘を作っている。そこに行く」
「別荘?」
「ほら」とギンノジョウ様が手を伸ばそうとすると、ハナエ様が遮った。
「私が連れてく」ハナエ様は僕をお姫様だったした。
「すいません。ハナエ様。でも魔法で浮かせていただければ大丈夫です」
「いいの。私がこうしたいの」子供っぽく聞こえた。
ハナエ様からは、甘い花のような匂いがした。それに先生にも引けを取らない柔らかいものが当たっている。
「行くぞ」ギンノジョウ様は先に飛んていった。ハナエ様も続く。
みるみる景色が通り過ぎていく。
森の中へ入った。全く2人のスピードが落ちない。
僕はハナエ様の腕の中で、ぶつからないかビクビクした。
「見ないで。大丈夫だから」
ハナエ様の腕に力が入り、ギュと小さくされた。柔らかいものに顔が更に押し付けられた。
心臓が高鳴った。
「フフフッ」ハナエ様が笑ったように感じた。体も密着している。僕の鼓動が伝わっていてもおかしくない。
このままだと心臓が破裂してしまう。僕は顔に当たっているものが何か意識することを止めた。
しばらくして、ギンノジョウ様は地上に降りた。
「着いたぞ」
ハナエ様も浮いたまま止まった。腕の力は弱まったが、下ろす気はないらしい。
僕は腕の中から周囲を見た。
「木ばっかりで何も無いですが』
長い髭が生えた口がニヤリとして、上を指さした。
僕が顔を上げると、太い枝が交差する上に、木の家があった。
「うわぁ、凄い!」僕は歓声をあげた。
ギンノジョウ様は僕のリアクションに満足したのか、また飛び立った。ハナエ様も続く。
家の周辺は木の板が敷かれていて、立てるようになっていた。
ギンノジョウ様はその上に立った。ハナエ様はまだ僕を下ろそうとしない。
「ハナエ様、もうそろそろ」
「えっ、もう少しだけ」
空を飛んでいる緊張がなくなったので、改めて近くでハナエ様をみてしまった。
「本当にきれいだ」と僕はボソッと言ってドキドキしてしまった。
「まぁ」ハナエ様も赤くなったようだ。
「サナエ様、申し訳ないんですけど、僕の心臓が持たないです」
「そうなの?残念だわ」やっと下ろしてくれたが、ここが高いところだと思ったら、少しふらついてしまった。
「大丈夫?」
「色んな意味でドキドキし過ぎたみたいです」
「もう!」ハナエ様はモジモジしている。
「はぁ」とギンノジョウ様の溜息が聞こえた。
そのまま木の家の扉を開いて、中に入った。僕も続く。
「うわぁ、広い!」思ったよりも広くできていた。
ベッドが2つとソファー、テーブルと椅子、小さいがキッチンらしきものもあった。
「そういえば食事はどうするんですか?」
「ワシはなくても大丈夫じゃ」
「私もお酒があればいいかな」
「ギンノジョウ様、お酒はあるんですか?」
「あるように見えるか?」
「ええっ!それなら買ってきたのに!」
「分かりました。森の中をずっと見てきましたけど、色々と大丈夫そうです。
お酒も作れそうです」
「えっ!ホント?」
「はい。申し訳ないですが、地上に下ろしてもらえますか?」
ハナエ様は、ギンノジョウ様を見た。
「そう遠くに行かないなら、いいだろう。迷子になるなよ」
「大丈夫てす。精霊達に助けてもらいます」
僕の周りには精霊がどんどん集まってきていた。
「じゃぁ、下ろすわよ」
早苗様は、またお姫様だっとしようとしたので、
「他の方法でなんとかなりませんか?」
「そう?」
ハナエ様は立ったまま、ギュッと抱きしめてきた。顔が柔らかいものに埋もれる。僕達は浮き上がった。
そして、地面に僕の足が着き、僕の身体が離された。
「はぁはぁ」やっと呼吸ができた。
「こっちの方が好き?」とハナエ様は聞いてきた。
「すいません、前のでお願いします」
「そう?私はこっちの方がいいかな?」
「いやいや。死んじゃいますよ。じゃあ、行ってきます」
「気をつけてね」
僕は歩き始めた。
「えっ?唄って欲しいの?みんなと会うのは初めてなのに、何で知ってるの?」
(・・・・)
「みんな知ってるって?そうなんだ。分かったよ」
僕は頭の上から声を出した。そして唄っていく。
唄いながら、様々な木の実や植物を拾っていく。
えっ?運んでくれるの?と頭の中で思った。木の実などが僕の周りに浮かんだ。
そういえば、水はあるのかな?と思った。
精霊たちが案内するといっている。
ても、水筒を持ってきてないよ。えっ、大丈夫?うん、分かった。
僕は精霊達について行った。ずっと唄っているが、全然苦しくない。
すると水の音がしてきて、川が見えた。あたりには動物達もいた。一瞬僕を警戒したようだが、すぐにまた水を飲み始めた。
「凄い綺麗な水だ」すると、葉っぱが組み合わさったバッグのようなものが目の前に現れた。
僕はビックリしてうたを止めた。
「これ、みんなが作ったの?」
(・・・)
「そうなんだ。ありがとう。使わせてもらうよ」
僕は貼っばのバッグで水を掬った。
「凄いや、全然水が漏れてない。えっ、こんなの簡単だって。フフフッ、みんな凄いや」
すると、背中の方からガサガサと音がした。僕はまたビックリして振り返った。
すると、僕より大きい体のイノシシがいた。向こうも僕に気づたようだ
「ぶほぉ~」と鼻息を出した。
僕は少しずつ離れた。
「えっ!唄えって?そんなんでなんとかなるの?分かった、分かったよ」
僕はまた豊穣のうたを唄い始めた。
すると、僕の方を向くのを止め、川の方に向かっていった。後ろから、子供だろうか?小さなイノシシが5匹現れた。
みな川で水を飲み始めた。
子供連れだったのか?それは警戒してもしょうがないな、と頭の中で思った。
気づくと、動物達が増えていた。水を飲み終えた動物達も、くつろいでいるように寝そべっている。
こんなに長く唄ったのは初めてかもしれない。
そろそろ戻らないと、川に背を向けて
歩き始めた。
何匹かの動物達が僕に寄ってきた。僕は背中や頭を撫でた。
「えっ?乗ってみろって?」
「いいよ。歩けるから」
「うわぁ」僕の体は浮いて、鹿の背中の上に降ろされた。
ごめんよ、重いのに。と頭の中で思った。
鹿は短く鳴いた。
しばらく歩くと、ギンノジョウの別荘が見えた。
僕はうたを止めた。ゆっくりと背中から下りた。
「ありがとう」と言いながら撫でた。
動物達はそれぞれ帰って行った。
「随分な大行列で帰ってきたもんだねぇ」ハナエが木の上から下りてきた。
「いつの間にかこんなことになっていて」
ハナエ様が木の上から僕を浮かせた。
そして、ギュッと抱きしめた。
「お帰り」
「たっ、ただいま。はっ、ハナエ様。お酒作れますよ」
ハナエ様は僕を離し、
「ホントかい?」
「はい、中に入りましょう」
僕は扉を開けて中に入った。
「只今戻りました」
ギンノジョウ様は、チラリと見て、頷いた。
僕はキッチンに材料を並べた。
「ギンノジョウ様、この蛇口の水は大丈夫ですか?」
「あぁ、魔法で浄化してあるから、飲んでも問題ない」
「ありがとうございます」
僕は木の実や果物等を洗った。そして、瓶にある果物と草を入れて、水を入れて、フタをした。
「ハナエ様、これで2、3日発酵させれば、お酒になります」
「えっ、そんなに待てないわ。発酵させればいいのよね?」
「はい、そうですけど」
ハナエ様は瓶の両側に手を置いた。
新鮮だった果物が窪んでいき、泡が立っている。
「あっ!その泡がアルコールです」
「フフフッ、もう少しね」
「そのへんで、これ以上は苦みが出てきます」
ハナエはフタをハズして、口をつけようとした。
「ハナエ様!けっこう強いですよ。普通は水で割って飲みます」
「そうなの?』
「僕がやります』
僕は、木のコップを洗って、瓶の中身を少し入れ、水を入れた。そして、少ない魔力で冷やした。
「これで丁度いいと思いますが」
ハナエ様は受け取り、口に入れた。
「あぁ、ほのかな甘みと酸味、口の中がさっぱりする」
「草が余計なものを吸い取ってくれるので、さっぱりします」
「う~ん、もう少し濃いほうが私はいいかな?」
ハナエ様は飲み干すと、コップを渡した。
「はい」僕は瓶の中身を2倍にして作った。
「うんうん。ガツンとくるわ。ユウタ、ありがとう」
ハナエ様はコップを浮かせて、また僕に抱きついた。
「なっ、なんか食べるものも作ります」
「うん、楽しみにしてるわ」
僕は、鍋でお湯を沸かし、木の実を煮た。それを水で冷やしてから潰し、伸ばしていく。
鍋で葉っぱや小さい木の実を炒めて、伸ばしたものの上に置き、焼いていく。
「う~ん、いい匂い」ハナエ様が嬉しそうに言った。
「はい、どうぞ」3人分に切り分けて、木の皿に置いた。
「いただきます」ハナエ様はさっそく口に入れた。
「うん、ちょっとピリ辛でおいしい!」
「調味料がなかったので、アクセントを付けるために入れました」
ギンノジョウ様も口に入れる。
「これをこの森の材料だけで?大したものだ」
「家の近くの森には、小さい頃から行ってました。そんなに強い魔物もいなかったので。そこで本を見ながら、色々と試してたんです」
「これなら、ワシの家でも大丈夫そうだな」
そうして、寝ることになった。
ベッドは2つ。
僕はソファーで寝ると主張したのだが、ハナエ様と寝る事になった。
ということで、ベッドに横になりながら抱き寄せられている。
「こんなんじゃ寝れない!』と思ったが、歩き疲れていたのだろうか?すぐに寝てしまった。
そして夜も更けてきた頃、
「ハナエ!」とギンノジョウが小さい声を出した。
「あぁ、分かってるよ。でも、私は手が離せないんだ」
「あぁ、分かったよ。別に一人でも問題ない」ギンノジョウは家の扉を開ける前に、外の様子を魔力探知で確認した。
「5匹か。この魔力レベルだと雑魚だかな。こっちは朝まで動けない。今倒しても、新しいやつが来るだけだ。
だだ念の為、眠らせておくか」
ギンノジョウは呪文を唱えた。
「うむ、問題ない」とベッドで横になった。
僕はギュと力強く抱きしめられ、目が覚めた。
「マキノ、マキノ」とハナエ様の口からうっすらと聞こえた。
ハナエ様の力が弱まると、僕はゆっくりと身体を離した。
外から明るい日差しが差し込んでいた。
ベッドからゆっくりと下りて、伸びをした。右肩ばかり下にしていたので、回してほぐした。
「えっ?魔物が外にいるって?」
僕は扉に近づこうとした。
「こら、ダメだぞ」ギンノジョウ様の声がした。
「おはようございます。起きていたんですか?」
「年寄りは眠りが浅くてな」
「何か召し上がりますか?」
「そうだな」
「はい、少しお待ち下さい」
魔物は大丈夫なのだろうか?」僕は心配になった。それを見透かされたのか?
「この家が珍しいのだろう。ほっとけばいなくなる」とギンノジョウ様は言った。
「はい」まぁ、この2人がいるんだから、僕の出る幕なんてないだろう。
僕は昨日の余った食材でスープを作り始めた。木の実も葉っぱもたくさん取れたので、問題はない。
「はい、どうぞ」
ギンノジョウ様はスプーンで掬って口に入れた。
「ほう、よく味が出ている。しかし、少し物足りない感じがして思うな。次の町で、調味料と食材を買っていこう」
「それなら、もっと美味しくできます」
「うんうん、期待しているぞ」
そして食べ終わり。僕は洗い物をした。
「ギンノジョウ様、どれくらい旅をするのですか?」
「そうだな」ユウタには、魔族の尾行を巻きながらとは言えない。でも真っ直ぐに向かうわけにもいかない。
「大体、一週間くらいかな」
「そんなに遠いんですか?」
「まぁ、そんなところじゃ」
多分、ハナエ様やギンノジョウ様の魔法を使ったうえでの日数だ。僕一人では数倍かかるかもしれない。
「んっ、ん~ん」とハナエ様がベッドで伸びをしていた。
「んっ、いい匂い」とこちらへ浮かんできた。
僕は皿によそって渡した。
「うんうん。朝にはちょうどいい」
「ギンノジョウ様が、途中の町で調味料を買ってくれるそうです。次はもっと美味しくできます」
「お酒も忘れないでね。ギンちゃん」
「はぁ、分かった。分かった』
「ギンちゃん、ちょっと川で水浴びしてくるから。待ってて」
とウィンクした。
「分かった。待っておる」
「ユウタも行こうよ」
「そっ。そんなことできません!」
「え~!いいじゃん」
「ホントにダメです!」
「分かったわよ。じゃあギンちゃんいってくるね』
「よろしくな」
「はいはい』
ハナエ様は扉を開けて、出ていった。
ギンノジョウ様は、じっとしていたので、僕はまた皿を洗った。
そして袋から。新しい服を出して着替えた。そして、余った食材と共に袋に入れた。
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