魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

文字の大きさ
17 / 36

町へ

しおりを挟む
「ただいま」ハナエ様が帰ってきた。

「すっかり綺麗になったわよ」

「そのようじゃな。それじゃ出発するとしよう』

外に出て、僕はキョロキョロした。
あれ?魔物がいるって言ってたけど、大丈夫なのかな?まぁ、この2人といれば大丈夫か。

「少し飛ばすぞ』ギンノジョウ様はそう言うと、ハナエ様を見た。

「私は準備OKよ」僕は浮かされて、そのままお姫様抱っこされた。

「すいません、お願いします」

「うん、今日も安全運転で行くから」

「はっ、はい」嫌な予感しかしなかった。

ギンノジョウ様はあっという間に見えなくなった。

「あらら。今日は本気みたいね。でも、スピードで私に勝てるわけないわ」
ハナエ様の腕に力が入った。柔らかいものが押し付けられる。
しかし、そんなことを気にしてる余裕はなかった。

目の前に木が現れては、すぐに消えていく、それが高速で繰り返された。僕はハナエ様の体にきつく抱きついた。目の前に柔らかいものが、あろうとも。

「あん。今日は積極的ね。フフフッ」ハナエは呟いた。マキノは私の身体を感じてるのかしら。

そうしていると、
「相変わらず速いな」

「ギンちゃんに負けるようじゃ隠居よ。隠居」

ギンノジョウ様の声で、やっと少し落ち着いた。

「うわぁ。ハナエ様!すいぎませんでした!」僕は顔をできるだけ離した。

「止めなくてもいいのに。ほら、もっと」ハナエ様は腕に力を入れた。

「いやいや、もう十分満喫しました!」

「あら?そうなの」腕の力が弱まる。

「ふぅ~」僕は息を吐き出した。周りを見ると、とっくに森は見えなくなっていた。

それでもかなり早く飛んでいる。
「もうすぐ町だ」


そして、王国の城から南東の町イスタニンの町へ着いた。

僕は地面に下ろされると、少しブラついてしまった。
「あぁ、地面っていいな」

「私は飲んでくる」と言ってハナエ様はどこかに言ってしまった。

「全く酒以外考えることはないのか」ギンノジョウ様は呆れた声を出した。

「さぁ、ワシらは買い出しだ」

「はい」

他の町に来るのは久しぶりだったので、ウキウキした。
見慣れない果物や香辛料が売っていて、店の人に色々と話を聞いた。

更に東に進むと海があり、漁港の村があるのだが、ここでも魚介類は十分豊富だった。

「知らない魚がいっぱいいる」

「ほどほどにしなさい。そんなには持っていけない」

「はい。分かってるんですけど」

僕達は買い物を終え、昼食を食べようと店を探した。

「ここでいいですか?」

「うむ」

店に入ると、けっこう混んでいた。

「空いてる席に座っとくれ」と声がかかった。

空いている席をなんとか探し、座った。
「はい」若い店員さんがメニューを運んできた。

「何がおすすめですか?」

「この町は初めて?」

「はい」

「それなら、このあたりの新鮮な魚介を使ったメニューがおすすめよ。他では食べられないわ」

「分かりました。ありがとうございます」

「おじいちゃんと旅行?」

僕はビックリしてギンノジョウ様を見た。

「うちで孫を少し預かることになってな」

「そうなんですか。優しそうなおじいちゃんでよかったね」

「あっ、はい」

僕が料理を注文しようとしたら、
「こっちにしなさい。この方が色々と入っている」

「はい、じゃあ、僕はこれで」

「ワシも同じものを」

店員は去っていった。

「来たことあるんですか?この町に」

「あぁ、どの町も飽きるほど来た」

僕は、ハルカ先生の言葉を思い出した。
あの2人はずっと生きていると。

「ギンノジョウ様は、長く生きてるんですか?」

「うん?あぁ、そのこともいずれお前には話さないとならない気がする」

「えっ?どうしてですか?」

「なんとなくだ」

「はぁ」

そうして料理が来た。
「うわぁ、海鮮のてんこ盛りですね」

「うんうん、そうじゃろ。この町では、これが一番楽しめる」

「う~ん、新鮮で美味しい」僕は興奮の中、食べ終わった。

「ふぅ~、あれ?ハナエ様ではないですか?」

ギンノジョウが振り返る。
「ん?一緒にいるのは誰じゃ」

ハナエの向かいには、フードで顔を隠した小柄な人が座っていた。

ハナエは酒を飲んでいるようだが、相手は何も頼んでいないようだ。

しばらくするとハナエの前から立ち上がって店を出ていった。ハナエは一人で酒を飲んでいる。

ユウタは席を立って、ハナエの前に座った。
「ハナエ様、あんまり飲み過ぎないでくださいよ」

ハナエはビックリして、キョロキョロし、ギンノジョウを見つけた。

「あぁ、大丈夫。こっ、こんなもんじゃ酔っぱらわないから」

後からギンノジョウも座った。
「誰と一緒だったんだ?」

「あっ、あぁ、前に来た時に知り合ったのよ。たまたま見かけてね」残った酒を飲み干す。

「そろそろ行こうか?」ハナエは立ち上がった。

会計を済ませ、町の外に出た。

「ハナエ、飛ばすぞ」

「あっうん。ユウタ、任せていい?」

「分かった」僕はギンノジョウ様の背中から、しがみついた。
ギンノジョウは先に飛び立った。

ハナエは後ろを振り返ってから、その後を追った。

    


その後もギンノジョウ様の別荘を転々としながら移動した。

そして、自宅を出てから10日後、ギンノジョウ様の家に着くことができた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに

千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】 魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。 ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。 グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、 「・・・知ったからには黙っていられないよな」 と何とかしようと行動を開始する。 そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。 他の投稿サイトでも掲載してます。 ※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。

チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます―― 金さえあれば人生はどうにでもなる―― そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。 交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。 だがその力は、本来存在してはいけないものだった。 知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。 その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在―― 「世界を束ねる管理者」 神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。 巻き込まれたくない。 戦いたくもない。 知里が望むのはただ一つ。 金を稼いで楽して生きること。 しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。 守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。 金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる 巻き込まれ系異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

処理中です...