魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

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先生の秘密

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「じゃあ、ハナエがいいって言うから、進めるわよ」

「はい、お願いします。お母さん」

「えっ、私はハルカの母親じゃないわよ」

「ユウタのお母さんなら、いずれ、私のお母さんにもなりますから」

シオリはユウタを見た。
「先の話だよ」と僕は赤くなった。

「あら?冗談かと思ってた。でも、そうしてもらわないと困るから、良かったわ。それでね、ハルカも同じなの」

「やっぱり、私の特別な魔力は、そういうことなんですね?」

「そうよ。あなたはハナエとマキノの子よ。そして、ハナエの力を半分与えられている」

ハルカは空を見た。ハナエは同じ魔女同士だったから、親近感はあった。しかし、魔王の子供とは・・・。

「でも、なぜ、ハナ・・・、おっ、おっ、おかっ・・・」

「無理しなくていいわよ」

「はぁはぁ、なぜハナエは、おっ、おっ、おっ・・・」

「だから、無理しなくていいって」

「あぁ、もう!どうして、ハナエは魔王を倒すことにしたんですか?」

「そうよねぇ、やっぱり気になっちゃうわよねぇ。私が話していいのかしら?ハナエが戻ってきたら・・・、話すわけないか」シオリはため息をついた。

「その前に、マキノがなぜ魔王をやっていたか?を話すわね」

「あぁ、そうですね。それを先に聞いておきたいです」

「私達4人は、神様から役目を与えられてるの。私は友愛。人間同士をお互いに仲良くさせること。ギンちゃんは調和。人間と他の世界、自然や動物達、人間以外のものと仲良くさせること」

僕は頷いた。ギンノジョウ様の家で色んな話を聞いていたからだ。

「そして、マキノは規律。人間が人間界や自然界のルールを守ることを監視する。最後にハナエは、罰。文字通りルールを破った人間を罰する」

「規律?それがどうして、魔王に?」

「さっき途中で話しが途切れちゃったんだけど、王国を一つにすることで、人間同士がいがみ合わないようにした」

「はい、覚えてます」

「でも、それだけでは足りない。他の世界でもやったんだけど、人間は人間以外に敵を作ると、結束する。それを利用するために、人間の敵として、魔族を作ったの」

「それを、おと、おと、おとうっ・・・さんがまとめていた」

「そうよ。かなりうまくいったわ。これで、この世界は大丈夫だと思ったの。私もハナエも」

「それで、なぜ、おかっ、あ、さんは、おっ、おとうっさんを?」

「その前に、もう一つだけ」

ハルカは頷いた。

「私もハナエも、もう解放されたかった。普通に私はギンちゃんと、ハナエはマキノと全てを忘れて、ゆっくりと暮らしたかった」

僕とハルカは、頷いた。数千万年も生きてきたのだ。そう思っても不思議でない。

「だから、私達の仕事の跡継ぎを作って、私達は解放されようと考えた。先に実行したのはハナエよ」


そこへハナエが戻ってきた。

僕がモンド達を見たら、全員眠っているようだった。

「お母さん」ハルカは言った。

ハナエは耳まで真っ赤になって、目を逸らした。
「私は何も母親らしいことしてないから」

「それでも母親であることには変わりはないよ」ハルカはハナエの手を握った。

「そうね。ハナエが何もしなかったから、マキノを倒すことになった」

ハルカはビックリした顔でシオリを見た。

「どういうことですか?」

「ハナエもハルカを人間に預けた。それ自体はいいことだと思うわよ。でも、ハナエは、ハルカに役目を教えなかった。だから、こんなにも奔放に育ってしまった」

「いいじゃない。明るくすくすくと育ったんだから」ハルカは強く言った。

「そのことを言ってるんじゃないの。本来、ハルカは魔族側にいないとならないの。今、あなたは人間側。目障りな魔族を全滅させられる兵器を人間が持ったとしたら、人間はどうすると思う?」

ハルカは目を見開いた。
「魔族を全滅させようとする」
ついさっきまで、自分がしようとしていたことだ。

「だから、マキノはあなたを殺そうとした。この世界を守るために」

なんてことだ。世界を守るつもりの自分が世界を壊して、世界を壊すと思っていた相手が、世界を守っていたとは。

「でも、お母さんはなぜ?」

「大切な子供を殺すなんて、許せるわけないじゃない!」ハナエが大きな声を出した。

「幸いというか、私達、つまりマキノは殺しても死ねない。すぐに復活するのが分かってるから、ギンちゃんはハナエに協力した。私までいたら、さすがに可哀想だから、私は参加しなかった。マキノもまさか自分の子供に倒されるなんて思ってもみなかったでしょうけど」

「今の私は死んじゃうんですか?」

「そうよ。マキノの半分の力をもらえば、イチになる。そうすれば死ななくなるわ」

「じゃあ僕もお父さんの力をもらうの?」

「そうだ。お前なら任せられる」

僕は何故か寂しさを覚えた。

「別に力を与えたから、いなくなるわけじゃない」

「そうだけど」

「こんなところかな?何か質問ある?」

「さっき、ゆっくりと暮らしたいと言っていたけど、どうするの?」僕は質問した。

「あぁ、それね。いい?すぐじゃないからね。勘違いしないでよ」

僕は頷いた。

「私達は残りの力を使って、全ての記憶を無くし、普通の人間になる。そして、寿命で死ぬ」

やっぱり・・・。

「寂しいよ」

「だから、すぐじゃないって」

「ずっと一緒に生きようよ」

「ユウタもそのうち分かる。ずっと生きていくことの大変さが」ギンノジョウは話し始めた。

「だから、お前もハルカも、相応しい子供が産まれたなら、仕事を引き継ぎなさい。ただ、一つだけ忘れてはならない。この世界は、簡単に壊れてしまう。お前達が捨ててしまえば、すぐに壊れてなくなってしまう。
勘違いするな。捨ててもいいと思えるような世界なら作り直すんだ。今のお前達がこの世界で感じている幸せを、他の人間たちにも与えてやってくれ。
それでも人間に愛想が尽きたなら、終わりにしても構わないよ」

「ありがとう、お父さん」

僕はしっかりと先生の手を握った。
「早くみんなに安心して任せてもらえるようになる」

「うん、お父さん、お母さん、そして、みんなの幸せのために」

シオリとギンノジョウはニッコリと微笑んだ。

すると、
「シオリ、もういいでしょ。早くマキノを」

「分かったわよ。でも、ユウタには負担がかかるんだから、話しておかないとならないわ」

「早くして」

「ユウタ、あなたの呪いのうたは、マキノのせいよ」

「えっ?どういうこと?僕産まれてたっけ?」

「あの日、マキノが倒された日、あなたはまだお母さんのお腹の中よ」

「ん?どっちの?」

「あぁ、そうよね。あなたは数日しか私のお腹にはいないわ。それからすぐに、農場のお母さんのお腹に移った。
あなたが移って、しばらくして、農場の両親は、あなたがいることに気がついた。
たから、農場のお母さんのお腹から出てくる直前だった。
倒されてマキノの体を離れた魂は、膨大な魔力があることに気がついた。
そこに近づき、寄生した」

「えっ、ウソ!マキノさんが僕の体にいるの?」

「魂だから分からないと思うけど、マキノの力の一部だけが出てきてしまった」

「それが、呪いのうた」

「そう。豊穣のうたと似たような魔力の放出をしてしまった」

「魔力の放出?僕、Fランクだよ」

「フフフッ。あなたは、ハルカと同じ特Sランクよ。マキノの力を抑えるための、豊穣のうたの力が本来の魔力量をほとんど抑えてしまっているの」

「とっ、特Sランク!」

「私の半分よ。S以上は測定できないから、特Sと言っているだけで、本来は想像できないほどの魔力があるわ」

「はぁ、夢みたいだ」

「それで今から、マキノの魂をあなたの体の中から出すわ」

「そんなことできるの?」

「大丈夫よ。じゃあ、ハナエ、マキノの依り代を出すように言ってきて」

ハナエは魔族の方に飛んでいった。

「じゃあ、私達も向かうわよ」
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