魔法も剣も身長も最低とバカにされている僕が実は世界最強である理由

ぱるゆう

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僕の秘密

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「じゃあ、まずはユウタ」

 僕はゴクリとツバを飲み込む。

「あなたの本当の親は、さっきも言った通り私と・・・」

 シオリは顔を横にそむけて、ギンノジョウを見た。 
「ギンちゃんよ」

「えぇ~、ギンノジョウ様!」予想もしない名前に足から力が抜けそうになり、フラついた。ハルカが支えてくれたので、倒れずに済んだ。

「何じゃ、ワシじゃ嫌か?」ギンノジョウから、少しガッカリしたような声が聞こえた。

「そっ、そういうわけではありません。ギンノジョウ様が僕を作れるような年齢だと思わなかっただけです」

「フフフッ。そんなカッコしてるギンちゃんが悪いんでしょ。いい加減止めたら?」

「これはこれで受けがいいんじゃよ。安心できるって」

「へぇ~、私がそんなこと言うわけないわよね?ギンちゃん!」シオリは睨んだ。

「あぁ、しまった!分かった、分かった。元の姿に戻るよ」ギンノジョウが白い光に包まれた。

 白い光が解けると、中からモンドよりも若い男が出てきた。

「はぁ、この姿だと、貫禄も何も無くなってしまう」

「あなたがフラフラしてるからでしょ。マキノはちゃんと人望あるわよ」

「はい、耳が痛いです」

「これがギンノジョウ様の本当の姿・・・」

「そうだ。我が子よ」

「なんか複雑な気持ち・・・」

「おいおい、どういうことだ?」

「フフフッ」シオリは笑った。

「あっ、それじゃ、農場の父さんと母さんは何なの?」

「育ての親ってことなんだけど。ちょっと待ってて。ここからは、私達のことをまず話すわ」



 シノビはドキドキしていた。聞かないことはできない。この距離でも聞こえてしまう体なのだ。



「え~と、私達、私とギンちゃん、ハナエ、マキノは・・・」

「マキノさんって?」僕は聞いとかないと、この先の話が理解できないと思い、話を遮った。

「あぁ、そうよね。マキノは、あなた達に分かりやすく言うと、魔王よ」

「はぁ?」僕は口をあんぐりと開け、先生を見た。先生も口を開いている。

「フフフッ。え~っと、この4人は、神様がこの地に作った『初めの人間』よ」

「初めの人間ってことは、この王国を作ったってこと?」僕は聞いた。

「そうだったら、良かったんだけど」シオリは残念そうな顔で、ギンノジョウとハナエを見た。

 見られた2人も暗い顔をしている。

「この王国を作る前、何度も何度も国を作ったわ」

「何度も?」

「そう。何度もよ。4人で嫌になるくらい作った」

「そうなんですか」

「何度作っても、私達が作った人間は、最後にはお互いに憎しみ合い、殺し合ってしまう。私達もそのうち何とかなると期待するんだけど、なぜか破滅を選択して突っ走ってしまう」

「そうすると、作り直す」僕は続けた。

「そう、イチから作り直す。みんなでダメだった点を話し合いながら」

「皆さん、いくつなんですか?死なないんですか?」僕は聞かずにいられなかった。

「そうねぇ、正確に数えることなんて、とっくの昔に止めたわ。虚しくなるだけだから。だけど、数千万年ってところかしら?」

「えっ!そんなに!」僕の想像できる範疇を遥かに超えていた。

 ギンノジョウ様もハナエ様も何も言わない。きっと本当なのだろう。

「それでやっと望む世界を作ることができた。それが、この王国よ」





 シノビはブルプルと誰が見ても分かるくらい震えていた。こんな話、聞きたくない。早く記憶を消して欲しいと思っていた。

「シノビ、大丈夫か?」モンドが心配そうに声をかけた。

「・・・」頭がおかしくなりそうだ。私も、みんなもちっぽけな存在でしかないんだ。蟻の巣を壊すように簡単に消し去られてしまう。

「シノちゃんは聞こえちゃうのよね?可哀想に」ツクシが言った。




「魔王がいる世界が、ですか?」

「この世界の良いところは、王国が一つしかないところ。この広大な世界なのに、王国が一つって、本当はとても不自然なことなのよ」

「よく分からないですけど、そうなんですね」

「もし王国を2つにすると、人間は何故かいがみ合い始める。3つにしても、4つにしても同じこと。力の均衡があると大丈夫な時期もあるんだけど、それが一旦崩れると、破滅へと向かってしまうの」

「僕はそうは思いません。ちゃんと話せば、仲良くできると思います」

「はぁ~。本当に農場の両親に、あなたを育ててもらって良かったわ。素敵な人間に育った」

「そう言えば、なぜ農場に?」

「私とギンちゃんで育てることもできたんだけど、それでは今ここにいる人間のことを知ることはできない。あなたには、正しい人間の姿を知って欲しかったの。正しい人間の姿、それを探したら、農場の両親が相応しかったのよ」

「あぁ、なるほど」

「でも、あなたには大切な役目がある。それを私が夢の中で話していたのよ」

「なんですか?役目って」

「その前にいい?」シオリは少しムッとしている。

「何ですか?話の邪魔したから怒ってるんですか?」僕は怯えた。

「それよそれ、私はお母さんなのよ。なんで余所余所しいの?」

「そんな、急に言われても」

「シオリ、無茶言うな」ギンノジョウも気の毒に思ったらしい。

「でも、夢の中じゃ仲良く話してたじゃない」

「夢の時は、唄が楽しかったんです」

「あぁ、もういいわ。どこまで何したっけ?」
 
「僕の役目ってところです」

「あぁ、そうそう。あなたの役目は、この世界を今のまま守ることよ」

「具体的には何をすれば、いいんですか?」

「一番は、人間達がいがみ合う目を摘むこと。小さい喧嘩とかは、もちろんほっといてもいいわ。今の王様を倒して、自分が王になろうとする輩や、王が死んだ後に、次の王に誰がなるか大事になりそうな時に、こっそりと排除することよ」

「この世界を壊そうとする人間を排除する」

「そうよ。さすが私の子ね。こんな年なのに理解が早い」

「僕も死なないんですか?」

「いずれそうなるわ。あなたには既に私の力を半分渡してある。二十代まで成長して、それ以上は見た目は変わらなくなる。まぁ、ギンノジョウみたいに、いくらでも表面は変えられるから、好きにしなさい。身長も伸ばせるわよ。フフフッ」

「えっ!半分も・・・、それって、まさか」

「そうね。あなたには豊穣のうたとして力の一部が現れてるわね」

「そうだったんだ。なるほど・・・。えっ、でも、僕、Fランクですよ!」

「それも説明するわ。その前に、ハルカの話をしないと」

いよいよだ、とハルカは思った。ユウタの話も、どれも目が飛び出そうな話だった。



その時、
「ギンノジョウ!」と声が聞こえた。

みな、声のした方を見た。

「シノビがおかしくなってしまった。記憶を消して、眠らせてくれないか?」

シノビは、口を開けながら上を向いて、上半身をグルグルと回していた。



「行ってくる」ハナエが飛び出した。

「話進めちゃうわよ」とシオリが声をかけた。

「いいわよ。私は聞きたくない」とハナエは言った。
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