24 / 97
遠道は近道
24
しおりを挟む
「どういうことなんだよ! ……ハッ!」
「どうもこうも、ただ事実を言ったまでだッ! これ以上何を言えってんだ……。そこ! 脇が甘ぇ!」
「くッ!」
カァン、と弾けるように甲高い音が、会話の合間を縫って激しく鳴り響く。音の元を辿れば、小柄な少年と巨躯の男が剣を交え、激しく打ち合っていた。が、少年の剣は大男になかなか届かない。かと言って少年が完全なる劣勢かと言えばそうでもない。男の方が優位なことに違いはないが、二人の実力が拮抗しているのもまた事実であった。
夏の空気に少し肌寒さが混ざっている夕焼けの中、美琳と勇豪は訓練場で青銅剣を使って手合わせをしていた。
初めの頃は棕熊が子猫をあしらうような有様だったが、今では他の兵士が混ざれる余地がない程に高度なものになっていた。故に周りにいる兵士らは二人の激しい剣戟を呆けたように見守る他なく、二人が何を話しているかなど聞き取れる者はいなかった。
そんな周囲の目を知っている勇豪は、先程の質問に対して特に隠す様子もなく普段通りの口調で返す。
「子佑殿が褒賞を授かる。この決定は覆らねぇって何度言わせりゃ気が済むんだッ、オラッ!」
勇豪が重い一撃を放ち、美琳は間一髪で避けて転がる。と、美琳はすぐさま剣を握り直しつつ食い下がる。
「だったらッ、なんで俺の功績がッ! 認められなかったのか教えろよッ! せいッ!」
美琳が今までになく鋭い斬撃を繰り出した、その瞬間。勇豪に一瞬の隙が生まれた。それを美琳が見逃す訳もなく、彼は勇豪の横腹に向けて剣を横薙ぎに払う。少年の細腕がしなって空気を切り裂くと共に、兵士らが息を呑む音が聞こえた。
その渾身の一撃を、勇豪は盾を使って難なくあしらう。弾みで美琳は吹き飛ばされ、派手な音を立てて倒れ伏す。
美琳は顔を顰めると、落とした剣を拾わんと手を伸ばす。が、勇豪に足の甲を剣で突き刺さされてしまい、動きを封じられる。美琳は剣を抜こうと踠くが、ますます力を籠められてしまい、それ以上の抵抗の余地を奪われてしまうのだった。
傍から見ると残酷極まりない所業。しかし訓練場では、勇豪が美琳を縫い留めるのが訓練の終わりの合図となる程、見慣れた景色となっていた。故に他の兵士たちは二人の様子を視認すると、各々訓練を止め、兵舎の中へと帰っていくのであった。
一方で二人の険悪な空気はまだ治まっていなかった。
「まだ話は終わってないんですけど!」
「うるせぇ! そんな何度も何度も聞くんじゃねぇ!」
「じゃあなんであんな奴に褒章が渡されるのかぐらい教えろよ!」
勇豪は溜息を零すと、美琳の足から剣を抜き取る。
「雑兵を沢山殺せるだけの兵ならごまんといるんだよ。お前がどれだけ殺そうが、上にとっちゃ関係ねぇ。戦を勝利に導いた大将が褒章を授かるのが通例で、ちょっと活躍したくらいの平民がもらうなんてありえねぇんだよ」
その言葉に美琳はますます怒りを膨らませる。
「でもあいつの首を斬れそうだっただろ!」
「斬れそうだった、だろう?」
「ッ!」
拘束を解かれたはずの美琳。だのに地面を睨みつけたまま動かない。その姿を勇豪は冷めた目で見やると、血のついてない剣を腰に差す。
「ま、俺に一太刀も当てられないようじゃ、まだまだ遠い夢だな」
すべて言い終えたとばかりに立ち去ろうとした勇豪。しかし袴の裾を引かれ、立ち止まる。
「……そんな駄々捏ねたって何も変わんねぇんだよ。世の中はそうやって回ってるんだ。大人しく聞き入れろ」
勇豪はしゃがんで美琳と額を突き合わせ、裾を掴む小さな手を見る。その手はかすかに震え、けれど凄まじい力で裾を離さなかった。
勇豪は美琳が泣いている気がして、下から顔を覗き込む。と、少年の顔は泣く寸前の子供のそれであった。されどその瞳に浮かんでいるのは涙ではなかった。
「どうすれば……。どうすれば早く褒章をもらえるの? ただ見廻りをしていたら出来ないんでしょう? また戦が起こればいいの? 次こそあいつを殺せばいいの?」
美琳の瞳は絶望の海に呑まれようとしていた。その瞳の底を見た勇豪は、呆れた顔で美琳の結髪をぐしゃぐしゃにする。その予想外の行動に美琳は勢いよく顔を上げる。
「ちょっと! 子供扱いしないでくれます⁈」
美琳は勇豪の手を撥ね除ける。
「お前のそれは子供の我儘以外の何物でもねぇよ」
その声にはどこか慈愛の響きが含まれていた。むしろ同情に近いものもあった。
勇豪は珍しく優しい声色で言葉を重ねていく。
「俺だってお前が今回の戦に貢献してくれたのは分かっちゃいるさ。浩源ですらお前を労ってやれ、なんて言ってたぜ? あいつがそんなことを言うなんて、明日には雨が降るんじゃねぇかと思ったぜ」
〝ま、俺への当て付けな気もするが〟とも呟く。しかし美琳の耳には入らなかった。
「そんなの……。そんなの、なんの意味もないわよ」
少年の仮面が剥がれた美琳。彼女は美しい顔を醜く歪める。対して勇豪は飄々としていた。
「いや? こういうのは案外大事なもんだぜ?」
「……どういうことよ」
「お前さ、何で剣を教えてると思う?」
「え……? 手戟を壊しすぎたからじゃないの?」
「はははは! まぁそれも否定はせんがな。でもよ、よく考えろよ。剣なんて貴重なもん、一番手の下っ端に使わせると思うか? そんなことしないことくらいは流石にこの一年で覚えただろ?」
美琳は頷きながらも眉根を寄せる。どうやら言葉の真意は伝わらなかったようだ。思案顔で首を傾げる。
「お前なぁ……」
勇豪は手で顔を覆う。
「基本的に剣は王族や貴族を護衛するときにしか使わん。戦じゃ近接戦より手戟や戟を使う方が安全だしな」
「……! それって」
「あぁ。俺はお前を護衛兵に昇格させてやろうと思ってんのさ。幸いたった一か月でものになったしな。来月からは護衛兵見習いから始めてもらうぞ」
その言葉に美琳はぱぁっと顔を綻ばせる。
「本当? 本当の本当?」
「嘘吐いてどうする」
「じゃあいつかは文生のごッ「馬鹿!」
勇豪は美琳の頭に思いっきり拳骨を食らわせて、一喝する。
「ここでその名前を言うんじゃねぇ!」
対して美琳は慣れた様子で乱れた髪を直しながら問う。
「いつかは王の護衛も出来るんですか?」
「そこは断言出来ないが、見廻りの仕事よりは可能性は高いな」
「……そっか」
美琳はぐっと拳を作ると、訓練場からかすかに見える宮殿を仰ぎ見る。
「少しは、前進出来たってことよね」
「ま、一応そういうことになるな。先月は死体処理も頑張ってくれたしな。軍の中じゃもう反対する奴はいねぇ」
勇豪はすっくと立ち上がると軽く腰を反らし、目を窄めて沈み始めた太陽を見やる。
「正直な話、戦や日照りで死んじまった奴が多かったせいで人手が足りてねぇってのもある。王が祈祷したのに日照りが続くなんて誰も思わなかったし、今回の件で王に不信感を抱いて襲いに来る奴も増えた」
「町の人たちからもよく愚痴を聞くようになったわ」
「そうらしいな。浩源の報告でもそればっかり来る」
美琳は落ちていた剣を拾って立ち上がると大きく息を吸う。
「……俺がそんなの吹き飛ばしてやりますよ。恐ろしく強い〝男〟がいるってンで誰も王城に近付きたくなくなるようにしてやる」
勇豪は目を見張る。それと同時に口角を吊り上げた。
「はッ! 随分と大きく出たな! 精々気張るんだな」
そう言った勇豪は今度こそその場を立ち去り、帰路に就くのであった。
「どうもこうも、ただ事実を言ったまでだッ! これ以上何を言えってんだ……。そこ! 脇が甘ぇ!」
「くッ!」
カァン、と弾けるように甲高い音が、会話の合間を縫って激しく鳴り響く。音の元を辿れば、小柄な少年と巨躯の男が剣を交え、激しく打ち合っていた。が、少年の剣は大男になかなか届かない。かと言って少年が完全なる劣勢かと言えばそうでもない。男の方が優位なことに違いはないが、二人の実力が拮抗しているのもまた事実であった。
夏の空気に少し肌寒さが混ざっている夕焼けの中、美琳と勇豪は訓練場で青銅剣を使って手合わせをしていた。
初めの頃は棕熊が子猫をあしらうような有様だったが、今では他の兵士が混ざれる余地がない程に高度なものになっていた。故に周りにいる兵士らは二人の激しい剣戟を呆けたように見守る他なく、二人が何を話しているかなど聞き取れる者はいなかった。
そんな周囲の目を知っている勇豪は、先程の質問に対して特に隠す様子もなく普段通りの口調で返す。
「子佑殿が褒賞を授かる。この決定は覆らねぇって何度言わせりゃ気が済むんだッ、オラッ!」
勇豪が重い一撃を放ち、美琳は間一髪で避けて転がる。と、美琳はすぐさま剣を握り直しつつ食い下がる。
「だったらッ、なんで俺の功績がッ! 認められなかったのか教えろよッ! せいッ!」
美琳が今までになく鋭い斬撃を繰り出した、その瞬間。勇豪に一瞬の隙が生まれた。それを美琳が見逃す訳もなく、彼は勇豪の横腹に向けて剣を横薙ぎに払う。少年の細腕がしなって空気を切り裂くと共に、兵士らが息を呑む音が聞こえた。
その渾身の一撃を、勇豪は盾を使って難なくあしらう。弾みで美琳は吹き飛ばされ、派手な音を立てて倒れ伏す。
美琳は顔を顰めると、落とした剣を拾わんと手を伸ばす。が、勇豪に足の甲を剣で突き刺さされてしまい、動きを封じられる。美琳は剣を抜こうと踠くが、ますます力を籠められてしまい、それ以上の抵抗の余地を奪われてしまうのだった。
傍から見ると残酷極まりない所業。しかし訓練場では、勇豪が美琳を縫い留めるのが訓練の終わりの合図となる程、見慣れた景色となっていた。故に他の兵士たちは二人の様子を視認すると、各々訓練を止め、兵舎の中へと帰っていくのであった。
一方で二人の険悪な空気はまだ治まっていなかった。
「まだ話は終わってないんですけど!」
「うるせぇ! そんな何度も何度も聞くんじゃねぇ!」
「じゃあなんであんな奴に褒章が渡されるのかぐらい教えろよ!」
勇豪は溜息を零すと、美琳の足から剣を抜き取る。
「雑兵を沢山殺せるだけの兵ならごまんといるんだよ。お前がどれだけ殺そうが、上にとっちゃ関係ねぇ。戦を勝利に導いた大将が褒章を授かるのが通例で、ちょっと活躍したくらいの平民がもらうなんてありえねぇんだよ」
その言葉に美琳はますます怒りを膨らませる。
「でもあいつの首を斬れそうだっただろ!」
「斬れそうだった、だろう?」
「ッ!」
拘束を解かれたはずの美琳。だのに地面を睨みつけたまま動かない。その姿を勇豪は冷めた目で見やると、血のついてない剣を腰に差す。
「ま、俺に一太刀も当てられないようじゃ、まだまだ遠い夢だな」
すべて言い終えたとばかりに立ち去ろうとした勇豪。しかし袴の裾を引かれ、立ち止まる。
「……そんな駄々捏ねたって何も変わんねぇんだよ。世の中はそうやって回ってるんだ。大人しく聞き入れろ」
勇豪はしゃがんで美琳と額を突き合わせ、裾を掴む小さな手を見る。その手はかすかに震え、けれど凄まじい力で裾を離さなかった。
勇豪は美琳が泣いている気がして、下から顔を覗き込む。と、少年の顔は泣く寸前の子供のそれであった。されどその瞳に浮かんでいるのは涙ではなかった。
「どうすれば……。どうすれば早く褒章をもらえるの? ただ見廻りをしていたら出来ないんでしょう? また戦が起こればいいの? 次こそあいつを殺せばいいの?」
美琳の瞳は絶望の海に呑まれようとしていた。その瞳の底を見た勇豪は、呆れた顔で美琳の結髪をぐしゃぐしゃにする。その予想外の行動に美琳は勢いよく顔を上げる。
「ちょっと! 子供扱いしないでくれます⁈」
美琳は勇豪の手を撥ね除ける。
「お前のそれは子供の我儘以外の何物でもねぇよ」
その声にはどこか慈愛の響きが含まれていた。むしろ同情に近いものもあった。
勇豪は珍しく優しい声色で言葉を重ねていく。
「俺だってお前が今回の戦に貢献してくれたのは分かっちゃいるさ。浩源ですらお前を労ってやれ、なんて言ってたぜ? あいつがそんなことを言うなんて、明日には雨が降るんじゃねぇかと思ったぜ」
〝ま、俺への当て付けな気もするが〟とも呟く。しかし美琳の耳には入らなかった。
「そんなの……。そんなの、なんの意味もないわよ」
少年の仮面が剥がれた美琳。彼女は美しい顔を醜く歪める。対して勇豪は飄々としていた。
「いや? こういうのは案外大事なもんだぜ?」
「……どういうことよ」
「お前さ、何で剣を教えてると思う?」
「え……? 手戟を壊しすぎたからじゃないの?」
「はははは! まぁそれも否定はせんがな。でもよ、よく考えろよ。剣なんて貴重なもん、一番手の下っ端に使わせると思うか? そんなことしないことくらいは流石にこの一年で覚えただろ?」
美琳は頷きながらも眉根を寄せる。どうやら言葉の真意は伝わらなかったようだ。思案顔で首を傾げる。
「お前なぁ……」
勇豪は手で顔を覆う。
「基本的に剣は王族や貴族を護衛するときにしか使わん。戦じゃ近接戦より手戟や戟を使う方が安全だしな」
「……! それって」
「あぁ。俺はお前を護衛兵に昇格させてやろうと思ってんのさ。幸いたった一か月でものになったしな。来月からは護衛兵見習いから始めてもらうぞ」
その言葉に美琳はぱぁっと顔を綻ばせる。
「本当? 本当の本当?」
「嘘吐いてどうする」
「じゃあいつかは文生のごッ「馬鹿!」
勇豪は美琳の頭に思いっきり拳骨を食らわせて、一喝する。
「ここでその名前を言うんじゃねぇ!」
対して美琳は慣れた様子で乱れた髪を直しながら問う。
「いつかは王の護衛も出来るんですか?」
「そこは断言出来ないが、見廻りの仕事よりは可能性は高いな」
「……そっか」
美琳はぐっと拳を作ると、訓練場からかすかに見える宮殿を仰ぎ見る。
「少しは、前進出来たってことよね」
「ま、一応そういうことになるな。先月は死体処理も頑張ってくれたしな。軍の中じゃもう反対する奴はいねぇ」
勇豪はすっくと立ち上がると軽く腰を反らし、目を窄めて沈み始めた太陽を見やる。
「正直な話、戦や日照りで死んじまった奴が多かったせいで人手が足りてねぇってのもある。王が祈祷したのに日照りが続くなんて誰も思わなかったし、今回の件で王に不信感を抱いて襲いに来る奴も増えた」
「町の人たちからもよく愚痴を聞くようになったわ」
「そうらしいな。浩源の報告でもそればっかり来る」
美琳は落ちていた剣を拾って立ち上がると大きく息を吸う。
「……俺がそんなの吹き飛ばしてやりますよ。恐ろしく強い〝男〟がいるってンで誰も王城に近付きたくなくなるようにしてやる」
勇豪は目を見張る。それと同時に口角を吊り上げた。
「はッ! 随分と大きく出たな! 精々気張るんだな」
そう言った勇豪は今度こそその場を立ち去り、帰路に就くのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【時代小説】 黄昏夫婦
蔵屋
歴史・時代
江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。
そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。
秋田藩での仕事は勘定方である。
仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。
ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。
そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。
娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】『紅蓮の算盤〜天明飢饉、米問屋女房の戦い〜』
月影 朔
歴史・時代
江戸、天明三年。未曽有の大飢饉が、大坂を地獄に変えた――。
飢え死にする民を嘲笑うかのように、権力と結託した悪徳商人は、米を買い占め私腹を肥やす。
大坂の米問屋「稲穂屋」の女房、お凛は、天才的な算術の才と、決して諦めない胆力を持つ女だった。
愛する夫と店を守るため、算盤を武器に立ち向かうが、悪徳商人の罠と権力の横暴により、稲穂屋は全てを失う。米蔵は空、夫は獄へ、裏切りにも遭い、お凛は絶望の淵へ。
だが、彼女は、立ち上がる!
人々の絆と夫からの希望を胸に、お凛は紅蓮の炎を宿した算盤を手に、たった一人で巨大な悪へ挑むことを決意する。
奪われた命綱を、踏みにじられた正義を、算盤で奪い返せ!
これは、絶望から奇跡を起こした、一人の女房の壮絶な歴史活劇!知略と勇気で巨悪を討つ、圧巻の大逆転ドラマ!
――今、紅蓮の算盤が、不正を断罪する鉄槌となる!
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―
MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」
「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」
失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。
46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる