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花は根に、鳥は古巣に帰る
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「美琳様。こんなに長く後宮を離れていて大丈夫なんですか? 王城から何か御連絡は?」
「え……?」
それはある夕餉時のこと。
とある兵士がそんなことを美琳に聞いてきた。
美琳は突然のことに虚を衝かれ、一瞬反応が遅れた。が、すぐに薄く頬を染めて微笑む。
「大丈夫よ。これくらいで王の御寵愛を失うことはないわ」
そう言いつつ美琳は、大量に重ねてある食器の山から一枚を手に取って大釜から*羹をよそい、質問してきた兵に渡す。
「ありがとうございます」
礼を述べながら彼は器を受け取る。だが立ち去ることなく、怪訝な顔で美琳を覗き込む。
「でももう五年ですよ? 俺なら好きな人とそんなに会えないなんて寂しくて堪らなくなりますよ」
「…………そうね、王も首を長くして御待ちになってるのは間違いないでしょうね」
「ですよね。それなら一度お戻りになった方がいいんじゃないですか?」
「ふふ。貴方、優しいのね」
美琳の花が綻んだような笑顔に、兵士は茹蛸のように顔を真っ赤にする。
「そんな、美琳様に比べたら……! 美琳様には助けてもらいっぱなしで……。いつも美味い飯を作ってくれるし、怪我したら手当てしてくれるし。何よりも戦場で先陣切っていく勇姿は男の俺らでも惚れ惚れします。そんな貴女様に、兵士は救われてるんですよ?」
「大したことはしてないわよ」
そう美琳が返すと、すかさず兵士が反論する。
「何を言うんですか! 美琳様は俺らの*九天玄女様。貴女様がいるから俺らは頑張れるんです!」
息を荒くして捲し立てる兵士。その反動で手の中の器から羹が溢れそうになる。それを美琳がすかさず支える。
「あ……! す、すみません!」
兵士が慌てて謝ると、美琳は柔和な笑みを浮かべる。
「いいのよ」
と言って美琳はそっと手を離す。
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。それに後がつかえてるから。もう自分の部隊に戻って食べてくるといいわよ」
「あ……」
その言葉で兵士は後ろを振り返る。と、ずらりと並んだ配給待ちの兵士たちが不満――主に嫉妬を滲ませた目で彼を睨んでいた。その目線で我に返った彼は慌てふためく。
「そ、そうですね、そうします! こんなに長くお話出来て光栄でした!」
早口で喋り終えた兵士は、あたふたとその場を去っていくのであった。
数時間後。
満月の柔らかい光の下、修陣営は寝静まっていた。
――ただ一人、美琳を除いて。
彼女は膝を抱えて木にもたれかけ、満天の星空をぼうっと見上げていた。
「まだ起きていらしたんですか?」
「……?」
突如降ってきた声の方を見やる。するとそこには浩源の姿があった。
彼は美琳に一度拱手すると〝失礼します〟と言って地面に胡坐をかいた。
「何? 何か用?」
ぶっきらぼうに聞く美琳。その表情に夕餉時までの面影はない。
浩源は苦笑を浮かべる。
「いえ、特段ございませんよ。ただ、作戦会議が終わって天幕に戻ろうとしたらお見かけしたものですから」
「ふぅん」
途端に美琳は興味を無くす。それを浩源は予想していたのだろう。淡々と話を続ける。
「美琳様は天幕に戻らないのですか?」
浩源がそう言った瞬間、美琳は嫌そうな表情を浮かべる。
「こんなときまでそんな呼び方しなくていいわよ。別に誰も聞いてないんだし」
「そういう訳にはいきませんよ。もう昔とは違うんですから」
「…………そうね」
美琳はそれ以上何も言わず、再び空に目をやる。浩源もそれに倣って、頭上を仰ぐ。
――しばしの間、二人は無言で空を見続けていた。が、不意に、浩源が思い出したように口を開く。
「これはまだ確証を得た情報ではないのですが……。一応お耳に入れておきますね」
「……?」
美琳は浩源の方を向いて耳を傾ける。
「最近、戦場で軍師の雪峰殿を見かけなくなっています。もしかしたら剛国内で何か起きているのではないか、と我々幹部では推測しています」
浩源は真剣な面持ちで話す。だが美琳にはピンと来なかったようだ。
「シェンフォン。……って、どれよ」
「どれって……」
彼女のその口振りに浩源は呆れる。
「夫人である貴女様がそのような言葉遣いは感心しませんね。静端殿が聞かれたらお嘆きになりますよ」
口煩い侍女の名を出された美琳は、軽く手を振って煙たがる。
「いいじゃない、こんなときくらいは自由に話したって。それに…………」
美琳は陣営に多数張られている天幕を眺める。
「夫人としての役目はちゃんと果たしてるでしょう?」
そう言った彼女の瞳に、かつての無垢な煌めきはもうどこにもなかった。
それを見た浩源の顔から、すべての感情が削ぎ落される。
「……そうですね。犠牲を払って勝ち取ったからにはそれくらいはしていただかないと困ります」
美琳は小さく瞠目する。そしてどこかが痛むように眉根を寄せた。
「分かってるわよ。私の我儘に〝あの人〟を付き合わせてしまったんだって。でもあのときはそんなの予想してなかったんだもの」
「ええ。貴女はそうだったんでしょうね」
険のある声色に美琳はたじろぐ。
「そんなこと言ったって……。もう終わってしまったことなんだから、とやかく言ったって仕方ないじゃない。それ言うの何度目?」
「さあ。数えたくもありませんね」
「さあ、って……まあいいわ。そんなことよりもそのシェンフォンって人がどうしたの?」
話題を逸らした美琳。それで浩源も本来の目的を思い出す。
「そうでした。その話でしたね」
浩源は一呼吸置いて話し始める。
「雪峰殿というのは永祥将軍の傍にいつもいる細面の方ですよ。永祥将軍の参謀をしています」
ピク、と美琳は永祥という名に反応する。そして嫌悪感剥き出しの顔で、合点がいったという表情をする。
「あいつとよくいる奴ね。そんな名前だったんだ。言われてみると確かに最近姿を見ないわね」
「ですからそのようなお言葉遣いは…………」
諫めようと口を開きかけた浩源。だがすぐに口を噤んで大きな溜息を吐く。
「ええ。あちらの幹部である雪峰殿がいない、というのはこの五年では初めてです。それに若干ですが、剛兵の数が減っています」
「そうなんだ。気付かなかったわ」
「…………貴女は変わりませんね」
フッと、子供を見るような眼差しで言ってのけた浩源に、美琳は眉を吊り上げる。
「それどう意味?」
「いえ、美琳様の変わらぬ美貌に惚れ惚れとしていただけですよ」
「絶対違うわよね?」
「そんなことありませんよ。……さて」
浩源は腰を上げると、美琳に手を差し伸べる。
「長々とお話して申し訳ありません。もうお休みにならないと明日に響きますよ。短い距離ではございますが、美琳様の天幕までご案内致します」
「ああ……。もうそんな時間なのね」
美琳は浩源の手を取ると、優雅に立ち上がる。
「ありがとう」
「勿体無きお言葉です。それでは参りましょうか」
と、浩源は軽く頭を下げ、美琳を先導して歩くのであった。
*羹…肉・野菜を入れた熱い吸い物。
*九天玄女…戦術と兵法を司る女神。
「え……?」
それはある夕餉時のこと。
とある兵士がそんなことを美琳に聞いてきた。
美琳は突然のことに虚を衝かれ、一瞬反応が遅れた。が、すぐに薄く頬を染めて微笑む。
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「ありがとうございます」
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「…………そうね、王も首を長くして御待ちになってるのは間違いないでしょうね」
「ですよね。それなら一度お戻りになった方がいいんじゃないですか?」
「ふふ。貴方、優しいのね」
美琳の花が綻んだような笑顔に、兵士は茹蛸のように顔を真っ赤にする。
「そんな、美琳様に比べたら……! 美琳様には助けてもらいっぱなしで……。いつも美味い飯を作ってくれるし、怪我したら手当てしてくれるし。何よりも戦場で先陣切っていく勇姿は男の俺らでも惚れ惚れします。そんな貴女様に、兵士は救われてるんですよ?」
「大したことはしてないわよ」
そう美琳が返すと、すかさず兵士が反論する。
「何を言うんですか! 美琳様は俺らの*九天玄女様。貴女様がいるから俺らは頑張れるんです!」
息を荒くして捲し立てる兵士。その反動で手の中の器から羹が溢れそうになる。それを美琳がすかさず支える。
「あ……! す、すみません!」
兵士が慌てて謝ると、美琳は柔和な笑みを浮かべる。
「いいのよ」
と言って美琳はそっと手を離す。
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。それに後がつかえてるから。もう自分の部隊に戻って食べてくるといいわよ」
「あ……」
その言葉で兵士は後ろを振り返る。と、ずらりと並んだ配給待ちの兵士たちが不満――主に嫉妬を滲ませた目で彼を睨んでいた。その目線で我に返った彼は慌てふためく。
「そ、そうですね、そうします! こんなに長くお話出来て光栄でした!」
早口で喋り終えた兵士は、あたふたとその場を去っていくのであった。
数時間後。
満月の柔らかい光の下、修陣営は寝静まっていた。
――ただ一人、美琳を除いて。
彼女は膝を抱えて木にもたれかけ、満天の星空をぼうっと見上げていた。
「まだ起きていらしたんですか?」
「……?」
突如降ってきた声の方を見やる。するとそこには浩源の姿があった。
彼は美琳に一度拱手すると〝失礼します〟と言って地面に胡坐をかいた。
「何? 何か用?」
ぶっきらぼうに聞く美琳。その表情に夕餉時までの面影はない。
浩源は苦笑を浮かべる。
「いえ、特段ございませんよ。ただ、作戦会議が終わって天幕に戻ろうとしたらお見かけしたものですから」
「ふぅん」
途端に美琳は興味を無くす。それを浩源は予想していたのだろう。淡々と話を続ける。
「美琳様は天幕に戻らないのですか?」
浩源がそう言った瞬間、美琳は嫌そうな表情を浮かべる。
「こんなときまでそんな呼び方しなくていいわよ。別に誰も聞いてないんだし」
「そういう訳にはいきませんよ。もう昔とは違うんですから」
「…………そうね」
美琳はそれ以上何も言わず、再び空に目をやる。浩源もそれに倣って、頭上を仰ぐ。
――しばしの間、二人は無言で空を見続けていた。が、不意に、浩源が思い出したように口を開く。
「これはまだ確証を得た情報ではないのですが……。一応お耳に入れておきますね」
「……?」
美琳は浩源の方を向いて耳を傾ける。
「最近、戦場で軍師の雪峰殿を見かけなくなっています。もしかしたら剛国内で何か起きているのではないか、と我々幹部では推測しています」
浩源は真剣な面持ちで話す。だが美琳にはピンと来なかったようだ。
「シェンフォン。……って、どれよ」
「どれって……」
彼女のその口振りに浩源は呆れる。
「夫人である貴女様がそのような言葉遣いは感心しませんね。静端殿が聞かれたらお嘆きになりますよ」
口煩い侍女の名を出された美琳は、軽く手を振って煙たがる。
「いいじゃない、こんなときくらいは自由に話したって。それに…………」
美琳は陣営に多数張られている天幕を眺める。
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そう言った彼女の瞳に、かつての無垢な煌めきはもうどこにもなかった。
それを見た浩源の顔から、すべての感情が削ぎ落される。
「……そうですね。犠牲を払って勝ち取ったからにはそれくらいはしていただかないと困ります」
美琳は小さく瞠目する。そしてどこかが痛むように眉根を寄せた。
「分かってるわよ。私の我儘に〝あの人〟を付き合わせてしまったんだって。でもあのときはそんなの予想してなかったんだもの」
「ええ。貴女はそうだったんでしょうね」
険のある声色に美琳はたじろぐ。
「そんなこと言ったって……。もう終わってしまったことなんだから、とやかく言ったって仕方ないじゃない。それ言うの何度目?」
「さあ。数えたくもありませんね」
「さあ、って……まあいいわ。そんなことよりもそのシェンフォンって人がどうしたの?」
話題を逸らした美琳。それで浩源も本来の目的を思い出す。
「そうでした。その話でしたね」
浩源は一呼吸置いて話し始める。
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ピク、と美琳は永祥という名に反応する。そして嫌悪感剥き出しの顔で、合点がいったという表情をする。
「あいつとよくいる奴ね。そんな名前だったんだ。言われてみると確かに最近姿を見ないわね」
「ですからそのようなお言葉遣いは…………」
諫めようと口を開きかけた浩源。だがすぐに口を噤んで大きな溜息を吐く。
「ええ。あちらの幹部である雪峰殿がいない、というのはこの五年では初めてです。それに若干ですが、剛兵の数が減っています」
「そうなんだ。気付かなかったわ」
「…………貴女は変わりませんね」
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「それどう意味?」
「いえ、美琳様の変わらぬ美貌に惚れ惚れとしていただけですよ」
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美琳は浩源の手を取ると、優雅に立ち上がる。
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