もつ者は主人公になる

せにな

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第十二話  服選び

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「どんなイメージがいい?」

「……なんでもいいよ」

「なんでもね~。とりあえず良いと思ったやつ持っていくか。神楽坂さんと白石さんも良いやつ持って行ってー」



 真斗の言葉に返事を返した美夜と李恋はそれぞれ散らばっていき、真斗も龍馬を連れて服を選び出す。



「とりあえず、パーカーから抜け出すか?」

「それもなんでもいいかな……」



 どことなくやる気がない龍馬は今すぐにでも帰りたいと言わんばかりの表情を浮かべていた。そんな龍馬に溜息を吐く真斗は注意も含めつつアドバイスをする。



「そんなやる気ない感じだしてたら女子に嫌われるぞー?あと、なんでもいいって言葉はこっちのやる気も損ねかねないからやめといたほうが良いぞ~」

「なんでいきなり説教……?」

「注意とアドバイスだ。これは基礎中の基礎、しっかり覚えとくようにー」

「あ、はい」



 面倒臭そうな表情はさほど変わりやしなかった龍馬だったが、一応真斗のアドバイスは真に受けたようで、これから変えていくという意思を感じた。

 パーカー卒業を目標に、真斗が服を手に取って更衣室に移動する。すると、タイミングよく服を手に持った美夜と李恋が更衣室前にちょうどやって来た。



「タイミングバッチシだね~」

「ほんまになー」



 真斗と李恋が軽く話し合うと、真斗に導かれる龍馬は無機物の服達と同じような顔をして更衣室に入っていく。



「着れたかー?」

「まぁ、一応」



 まず初めに龍馬が来たのは真斗の服で、アメカジ系をイメージしたファッションだ。白のTシャツにブルーのデニムジャケットを上に着ており、ボトムスズボンを少しブカブカに履いていた。

 脱パーカーとは言ったものの、デニムジャケットにはかなり汎用性があり、龍馬が持っているパーカーにも合うと思いこれを選んだ。



「おっ、俣野似合ってるじゃん」

「龍馬は顔の質がいいからね。何でも似合うんじゃない?」

「ほんと似合ってるね~」



 素直に感想を伝える3人にバツが悪くなったのか、顔を隠すようにカーテンを閉めた龍馬は次に、美夜が選んだ服を試着する。

 美夜が選んだのは黒のTシャツに青灰色のカーディガンのボレロファッションだ。下にはブカっとしたジーンズを履いており、ブカ目という意見は真斗と同じだった。



「神楽坂さんの選ぶ服いいなぁ。俺も参考にしよ」

「どうぞお好きに?」

「似合ってるね~」



 真斗に褒められたことに対し自分のファッションセンスに誇らしげに胸を張った美夜と、先程と同じようなことを呟く李恋。

 李恋に褒められたことが嬉しかったのか、龍馬はまたもやバツが悪そうにカーテンを閉めて更衣室に入る。だが、問題はここからで、最後の李恋の服を着た龍馬が中々出てこなかった。
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