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4.大人達
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「な…何だよ。これ…。」
ラスクが開けた箱の中身に、ジロ達は戦慄していた。
そのダンボールの中には、無数の銃弾が敷き詰められていたのだ。
「9×19mmパラベラム弾…か。」
「ら、ラスクの旦那…分かるの?」
ラスクは弾丸を一つ手に取り、まじまじと見つめた。
「主に9mm口径自動拳銃で使われる弾丸だ。H &K、S &W社製と、使用拳銃は多岐にわたる。」
「??」
淡々と語るラスクだが、ソーニャにはチンプンカンプンであった。そんなソーニャを放っておいて、ラスクはまだ二つあるダンボール箱の一つを開けた。
その中を見た彼は目を丸くした。
「レベデフ・ピストル…⁉︎バカな…。」
「え?レベ…何?何なのさ。」
「俺はてっきりSFP9かと思っていたが…。」
「それって何なんだよ。旦那…。」
尋ねるソーニャを無視して、ラスクはもう一つのダンボールを開ける。そこには絵具のチューブのような物に透明なカバーと注射針を取り付けたようなものが描かれたパッケージが敷き詰められていた。
「これは…まさか…。」
またしても驚嘆するラスク。
と、そんな一人で勝手に驚いている彼を、ソーニャは自前の靴でパコーンと叩いた。
「おい!いい加減教えろよ!一体何が入ってるんだよ!」
「……。」
ラスクは叩かれた所を撫でながら、ゆっくりと振り向く。
「これは…モルヒネだ。」
「モルヒネ…⁉︎」
モルヒネ。それぐらいはソーニャも聞いたことがあった。
第一次、第二次世界大戦などにおいて、古くから戦傷の鎮痛薬として兵士達に手渡された、麻薬である。
第三次世界大戦でもその例外ではなく、戦場にいく兵士一人一人に簡易の注射キットが手渡された。
しかしその依存性は強く、戦後も中毒症状に苦しむ帰還兵らが後をたたなかった。
「な…なんでそんなもんがここにあんだよ⁉︎」
「分からない。始めは兵舎として使われた名残かと思ったが…。」
「ち…違うの?」
ソーニャの問いに、ラスクは頷く。
「置かれている拳銃が問題だ。俺はSFP9かと思っていた。日本の陸自で使われている拳銃だからな。だがこれはレベデフ・ピストル。ロシアで採用されている拳銃だ。」
「ロシア…⁉︎なんでロシアの銃が…?」
「俺たちの商売相手だからだよ。」
不意に聞こえてきた声に、ラスク達は身構えた。
入り口の方、その先にスーツを着た集団が見える。真っ暗闇の中、ギラギラとした眼の光だけが見えている様は、まるで獣の集団のように見えた。
「ハイエナ」…。
真っ先にソーニャの脳裏に浮かんだ言葉だった。
生き残るために小賢しく立ち回り、獲物を横取りし、下卑た笑い声のような鳴き声を上げる。目の前の集団は、まさにソーニャのイメージする「ハイエナ」そのものだった。
「こそこそ話し声がすると思ったら…ネズミがいやがったか。どこから湧いて出やがった。」
と、「ハイエナ」の1匹がうなる。
「こ、ここはオイラ達がずっと前から使ってたんだ!オイラ達の場所だ!」
「黙れ。」
抗議するジロを男は蹴り飛ばした。
「ままごとするならよそへ行け。ここは今から俺たちの場所なんだよ。」
蹴られたジロは壁に強く叩きつけられた。ゴホゴホと咳き込む口からは血が流れていた。
「ジロ!」
「だ、大丈夫なんだな⁉︎」
「しっかり!」
蹴られたジロの元に、モーモー、メガネが駆け寄る。サチも片手で這いながら近寄り、蹴り飛ばした男を睨みつけた。
「何すんのさ!このチンピラ!」
「チンピラ?」
男は「チンピラ」と揶揄したサチに反応して睨み返したが、その姿を見て指を指して嘲笑った。
「なんだ?そのナリはよぉ⁉︎お前人間か?化け物じゃないのかぁ?ギャハハハ!」
「この…!」
握っていた針を投げつけようとするサチを、ソーニャは止めた。
「やめな。サチ。そりゃアンタの商売道具でしょ。」歯軋りするサチを抑えながら、ソーニャはヘラヘラと笑う男たちを睨みつける。「こんな奴らにくれてやるのはもったいないよ。」
「『こんな奴ら』とは、随分ご挨拶じゃないか。お嬢ちゃん。俺たちだって辛いんだぜ?あの戦争で何もかも焼けちまってよぉ…。」
スーツの男はワザとらしく鼻を鳴らして泣き始めた。
「組長も叔父貴もみーんな死んじまった。世話になった兄貴も本家の組の方々もみぃーんな…。」
メソメソと泣き言を漏らすスーツの男。だが、ソーニャはそんな男を冷めた目で見ていた。
「気持ち悪い嘘泣きはやめろよ。透けて見えてんだよ。アンタの薄ら笑いが。」
ソーニャの指摘に、スーツの男はニィィッと口を吊り上げた。まるで耳まで裂けたかのように。
「全く気の強い嬢さんだ。…そうだよ。その通り。組の奴らが纏めて死んだ、こんな愉快な事はねえ。俺をこんな北の果てに追いやっておいて、自分達は本島でヌクヌクと暮らしやがって。おまけに汚れ仕事は全部俺たちに押し付け、儲けは全部持っていきやがる。死んでくれてせいせいしたよ。ついに来たんだ!俺の時代がな!」
ゲラゲラと高笑いを上げる男とその一派たち。その不快な笑い声が、ソーニャの耳にこびりつく。思わず眉をひそめてしまうほどに。
「お…お願いします!見逃してください!僕ら知らなかったんです!直ぐに出ていきますから!」
そう叫んだのはメガネだった。
「なんなら、け、警察を呼びますよ!そしたらあなたたちも困るでしょう!」
「警察ぅ?」
メガネの言葉を聞いて、男たちはさらに声を大きくして笑い始めた。
「な、何がそんなにおかしいんですか!」
「…は、ははは!小僧、今のご時世に警察が助けに来てくれるなんて、本気で思ってるのか?思い返してみろよ。お前らが今こんな所に住んでんのに、誰か助けてくれたか?誰かが注意してくれたのか?そもそもそこのブツに誰か気がついたのか?」
「ウッ…!」
「殺しや盗みを取り締まる奴がいたか?喧嘩を止める奴がいたか?打ち捨てられた老人を救う奴がいたか?いなかっただろう?そういう時代なんだよ。今は。誰も自分のことで手一杯で、他人に気を配る余裕なんかねえのさ!」
「うぅ…。」
メガネは答えに窮した。男の指摘は全て的を射ていたからである。
大戦後、メガネたちの国だけでなく世界は壊滅的な被害を受け、各国はそれぞれの復興を余儀なくされた。
これによって起こったのが、「法治」の崩壊であった。
殺人、略奪、暴動、強姦…。ありとあらゆる悪事が為されようと、それに目を向けるものがいなくなった。警察機関は一時的に凍結され、全て戦災の復興に充てられた。そのため、悪人を取り締まる者がいなくなったのだ。
力を持つ者が奪い合い、力の無いものはただ怯えて逃げ惑うしかなかった。戦争が終わり一年が経つが、この構図は何処かでいまだに残り続け、そして形を変え始めた。
この「法の空白期間」に乗じて、次の時代に向けての悪事の下地を作らんとし始めたのだ。
今メガネたちを襲っている連中もその類であった。
「誰も来やしない。誰も助けには来ない。そして誰にも邪魔はさせない。たとえお前たちみたいな小汚いガキでも。」
男は勝ち誇るように不敵に笑うと、子分の一人に銃を渡し、ソーニャたちに背を向けた。
「おい。このガキどもを始末して海に捨てとけ。」
「へい。」
「お前らはブツをとっとと運び出せ。残らずな。」
背を向けて立ち去ろうとする男に、ソーニャは叫ぶ。
「ザケんじゃねぇ!テメェらみたいな大人はいつもそうだ!勝手に戦争始めて、好き勝手やって、アタシら子供から何もかんも取り上げるんだ!父さんも!母さんも!居場所も!夢も!」
ソーニャの叫びなど気にも留めず、男の背中は遠ざかっていく。だがその背中に叩きつけるように、ソーニャは泣きながらなおも叫ぶ。
「死んじまえ!お前らみたいな奴らはみんな死んじまえ!」
だが、無情にもその眉間に銃口は迫る。
「お前が死ね。」
その時だった。
ソーニャの背後から、ヌッと両腕が伸び、子分の銃を掴み取った。
銃口は彼女の眉間から外れ、後方で銃弾が壁に当たる音が響く。
「任務…了解…。敵対勢力を…殲滅…。」
昏い闇の中から、ラスクの冷たい呟きがそっと聞こえてくるのであった。
ラスクが開けた箱の中身に、ジロ達は戦慄していた。
そのダンボールの中には、無数の銃弾が敷き詰められていたのだ。
「9×19mmパラベラム弾…か。」
「ら、ラスクの旦那…分かるの?」
ラスクは弾丸を一つ手に取り、まじまじと見つめた。
「主に9mm口径自動拳銃で使われる弾丸だ。H &K、S &W社製と、使用拳銃は多岐にわたる。」
「??」
淡々と語るラスクだが、ソーニャにはチンプンカンプンであった。そんなソーニャを放っておいて、ラスクはまだ二つあるダンボール箱の一つを開けた。
その中を見た彼は目を丸くした。
「レベデフ・ピストル…⁉︎バカな…。」
「え?レベ…何?何なのさ。」
「俺はてっきりSFP9かと思っていたが…。」
「それって何なんだよ。旦那…。」
尋ねるソーニャを無視して、ラスクはもう一つのダンボールを開ける。そこには絵具のチューブのような物に透明なカバーと注射針を取り付けたようなものが描かれたパッケージが敷き詰められていた。
「これは…まさか…。」
またしても驚嘆するラスク。
と、そんな一人で勝手に驚いている彼を、ソーニャは自前の靴でパコーンと叩いた。
「おい!いい加減教えろよ!一体何が入ってるんだよ!」
「……。」
ラスクは叩かれた所を撫でながら、ゆっくりと振り向く。
「これは…モルヒネだ。」
「モルヒネ…⁉︎」
モルヒネ。それぐらいはソーニャも聞いたことがあった。
第一次、第二次世界大戦などにおいて、古くから戦傷の鎮痛薬として兵士達に手渡された、麻薬である。
第三次世界大戦でもその例外ではなく、戦場にいく兵士一人一人に簡易の注射キットが手渡された。
しかしその依存性は強く、戦後も中毒症状に苦しむ帰還兵らが後をたたなかった。
「な…なんでそんなもんがここにあんだよ⁉︎」
「分からない。始めは兵舎として使われた名残かと思ったが…。」
「ち…違うの?」
ソーニャの問いに、ラスクは頷く。
「置かれている拳銃が問題だ。俺はSFP9かと思っていた。日本の陸自で使われている拳銃だからな。だがこれはレベデフ・ピストル。ロシアで採用されている拳銃だ。」
「ロシア…⁉︎なんでロシアの銃が…?」
「俺たちの商売相手だからだよ。」
不意に聞こえてきた声に、ラスク達は身構えた。
入り口の方、その先にスーツを着た集団が見える。真っ暗闇の中、ギラギラとした眼の光だけが見えている様は、まるで獣の集団のように見えた。
「ハイエナ」…。
真っ先にソーニャの脳裏に浮かんだ言葉だった。
生き残るために小賢しく立ち回り、獲物を横取りし、下卑た笑い声のような鳴き声を上げる。目の前の集団は、まさにソーニャのイメージする「ハイエナ」そのものだった。
「こそこそ話し声がすると思ったら…ネズミがいやがったか。どこから湧いて出やがった。」
と、「ハイエナ」の1匹がうなる。
「こ、ここはオイラ達がずっと前から使ってたんだ!オイラ達の場所だ!」
「黙れ。」
抗議するジロを男は蹴り飛ばした。
「ままごとするならよそへ行け。ここは今から俺たちの場所なんだよ。」
蹴られたジロは壁に強く叩きつけられた。ゴホゴホと咳き込む口からは血が流れていた。
「ジロ!」
「だ、大丈夫なんだな⁉︎」
「しっかり!」
蹴られたジロの元に、モーモー、メガネが駆け寄る。サチも片手で這いながら近寄り、蹴り飛ばした男を睨みつけた。
「何すんのさ!このチンピラ!」
「チンピラ?」
男は「チンピラ」と揶揄したサチに反応して睨み返したが、その姿を見て指を指して嘲笑った。
「なんだ?そのナリはよぉ⁉︎お前人間か?化け物じゃないのかぁ?ギャハハハ!」
「この…!」
握っていた針を投げつけようとするサチを、ソーニャは止めた。
「やめな。サチ。そりゃアンタの商売道具でしょ。」歯軋りするサチを抑えながら、ソーニャはヘラヘラと笑う男たちを睨みつける。「こんな奴らにくれてやるのはもったいないよ。」
「『こんな奴ら』とは、随分ご挨拶じゃないか。お嬢ちゃん。俺たちだって辛いんだぜ?あの戦争で何もかも焼けちまってよぉ…。」
スーツの男はワザとらしく鼻を鳴らして泣き始めた。
「組長も叔父貴もみーんな死んじまった。世話になった兄貴も本家の組の方々もみぃーんな…。」
メソメソと泣き言を漏らすスーツの男。だが、ソーニャはそんな男を冷めた目で見ていた。
「気持ち悪い嘘泣きはやめろよ。透けて見えてんだよ。アンタの薄ら笑いが。」
ソーニャの指摘に、スーツの男はニィィッと口を吊り上げた。まるで耳まで裂けたかのように。
「全く気の強い嬢さんだ。…そうだよ。その通り。組の奴らが纏めて死んだ、こんな愉快な事はねえ。俺をこんな北の果てに追いやっておいて、自分達は本島でヌクヌクと暮らしやがって。おまけに汚れ仕事は全部俺たちに押し付け、儲けは全部持っていきやがる。死んでくれてせいせいしたよ。ついに来たんだ!俺の時代がな!」
ゲラゲラと高笑いを上げる男とその一派たち。その不快な笑い声が、ソーニャの耳にこびりつく。思わず眉をひそめてしまうほどに。
「お…お願いします!見逃してください!僕ら知らなかったんです!直ぐに出ていきますから!」
そう叫んだのはメガネだった。
「なんなら、け、警察を呼びますよ!そしたらあなたたちも困るでしょう!」
「警察ぅ?」
メガネの言葉を聞いて、男たちはさらに声を大きくして笑い始めた。
「な、何がそんなにおかしいんですか!」
「…は、ははは!小僧、今のご時世に警察が助けに来てくれるなんて、本気で思ってるのか?思い返してみろよ。お前らが今こんな所に住んでんのに、誰か助けてくれたか?誰かが注意してくれたのか?そもそもそこのブツに誰か気がついたのか?」
「ウッ…!」
「殺しや盗みを取り締まる奴がいたか?喧嘩を止める奴がいたか?打ち捨てられた老人を救う奴がいたか?いなかっただろう?そういう時代なんだよ。今は。誰も自分のことで手一杯で、他人に気を配る余裕なんかねえのさ!」
「うぅ…。」
メガネは答えに窮した。男の指摘は全て的を射ていたからである。
大戦後、メガネたちの国だけでなく世界は壊滅的な被害を受け、各国はそれぞれの復興を余儀なくされた。
これによって起こったのが、「法治」の崩壊であった。
殺人、略奪、暴動、強姦…。ありとあらゆる悪事が為されようと、それに目を向けるものがいなくなった。警察機関は一時的に凍結され、全て戦災の復興に充てられた。そのため、悪人を取り締まる者がいなくなったのだ。
力を持つ者が奪い合い、力の無いものはただ怯えて逃げ惑うしかなかった。戦争が終わり一年が経つが、この構図は何処かでいまだに残り続け、そして形を変え始めた。
この「法の空白期間」に乗じて、次の時代に向けての悪事の下地を作らんとし始めたのだ。
今メガネたちを襲っている連中もその類であった。
「誰も来やしない。誰も助けには来ない。そして誰にも邪魔はさせない。たとえお前たちみたいな小汚いガキでも。」
男は勝ち誇るように不敵に笑うと、子分の一人に銃を渡し、ソーニャたちに背を向けた。
「おい。このガキどもを始末して海に捨てとけ。」
「へい。」
「お前らはブツをとっとと運び出せ。残らずな。」
背を向けて立ち去ろうとする男に、ソーニャは叫ぶ。
「ザケんじゃねぇ!テメェらみたいな大人はいつもそうだ!勝手に戦争始めて、好き勝手やって、アタシら子供から何もかんも取り上げるんだ!父さんも!母さんも!居場所も!夢も!」
ソーニャの叫びなど気にも留めず、男の背中は遠ざかっていく。だがその背中に叩きつけるように、ソーニャは泣きながらなおも叫ぶ。
「死んじまえ!お前らみたいな奴らはみんな死んじまえ!」
だが、無情にもその眉間に銃口は迫る。
「お前が死ね。」
その時だった。
ソーニャの背後から、ヌッと両腕が伸び、子分の銃を掴み取った。
銃口は彼女の眉間から外れ、後方で銃弾が壁に当たる音が響く。
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