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1章
ケツイ
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グローク王国 とある空間 ━━━━━━━━━━
« セカイハヒトツニデキル»
『兄さん……兄さんッ!』
声が薄らと聞こえる。
(俺は……死んだのか?)
アリスは、暗闇の世界で目を覚ますとグローク王国は燃え盛っている。その光景はアリスの五感を硬直させた。
(あぁ……またか……また俺はッ!)
アリスは拳を地面に何度も叩きつける。
そのとき、再びアリスの耳元に掠れる金属音が1つ鳴った。
«ツナゲ……ソシテ……メザメロ»
「だからッ!なんなんだよ!お前は!お前はッ!誰なんだッ!」
アリスはそう叫ぶと声は再び薄れていく。
「まさかッ!これが……俺の…」
━━━━━━━━━━━━━━
グローク王国 演説会場 ━━━━━━━━━━━
暗黒に包まれたアリスは、その場から姿を消しナタの振り切った剣は、地面に刺さる。
「何処に行った!死国アリスッ!俺が『防衛隊』に入った全てがお前だ!」
「刈谷ナタ……カクセイしろ……貴様はまだ己を理解していないッ!」
激昂するナタの肩を掴み、囁くラグナ。しかしナタはラグナの手を振り払って、拳をラグナの手前で止める。
「俺は、お前も味方だと思ってない!だからッ!他人の心に土足で踏み込んでくるな!」
「これはこれは失敬……別に俺は貴様に興味はない!貴様のソレに用があるだけだ!」
ラグナはナタの心臓部を指で指し、ナタはラグナを睨みつける。小声でナタは何かを呟く。
「もう……いいだろ……母さん……」
「そう来るか!愚鬼ッ!」
そう言うとラグナは笑みを浮かべ、足に力を入れて前へ踏み出した。
グローク王国に全域に伝わる巨大な地震。
愚鬼と呼ばれる聖獣の力の全容。ラグナは全てを理解しているかの様だった。
「皆…コレの性だ…この力がッ!」
ナタの感情が荒れていくと同時に、揺れは増していく。拳を握りしめ、迫るラグナへ拳で迎え撃つ。
しかしナタの拳をラグナは微動だにせず、掌で受け止めた。
「ぬるいな……刈谷ナタ……もっと感じろ!『聖痕』をッ!」
「うっせぇ!」
叫ぶと同時に、ナタの拳を黒い炎が覆い始める。ニヤリと笑みを浮かべ、ラグナは後方へ下がり地面に手をかざした。
「『顕現』ッ!『鉄雷槍ッ!』」
「黒鉄の力よ我に力を貸せッ!来いッ!『雷神』ッ!」
ラグナの声と共に、揺れは拡大しグローク王国全土に蠢く。蒼い雷をまとった薄紫の槍を片手に、ラグナはナタの方向へ直進する。
ナタの頭部を捉えたラグナの槍を、ラグナは頭部寸前で止める。
(止まった……)
「お前は……理解していない!そう!理解していないだけなのだ!」
「何の話だッ!」
蒼い雷の槍は、禍々しい光を放ちグローク王国全土を包み込む。光は次第に肥大化し、次の瞬間、ラグナの力とナタの力は共鳴し、激しい爆発を起こした。
逃げ惑う国民、避難誘導を促す生き残りの防衛隊。
その日、新界の歴史に激震が走った。
独立南東国家 グローク王国 消滅 これは、後に旧界崩壊の前例に似て非なる、新しい事例として取り上げられることになる。
━━━━━━━━━━━━━━
グローク王国 とある空間━━━━━━
全身が黒焦げている少年が1人、瓦礫に縋っている。
「まだッ!まだだ!この世界は終わらせない!」
死国アリス グローク王国消滅 唯一の生還者。
これは1人の少年が世界を救う物語、『悪』を粛清し世界を1つにする物語。
« セカイハヒトツニデキル»
『兄さん……兄さんッ!』
声が薄らと聞こえる。
(俺は……死んだのか?)
アリスは、暗闇の世界で目を覚ますとグローク王国は燃え盛っている。その光景はアリスの五感を硬直させた。
(あぁ……またか……また俺はッ!)
アリスは拳を地面に何度も叩きつける。
そのとき、再びアリスの耳元に掠れる金属音が1つ鳴った。
«ツナゲ……ソシテ……メザメロ»
「だからッ!なんなんだよ!お前は!お前はッ!誰なんだッ!」
アリスはそう叫ぶと声は再び薄れていく。
「まさかッ!これが……俺の…」
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グローク王国 演説会場 ━━━━━━━━━━━
暗黒に包まれたアリスは、その場から姿を消しナタの振り切った剣は、地面に刺さる。
「何処に行った!死国アリスッ!俺が『防衛隊』に入った全てがお前だ!」
「刈谷ナタ……カクセイしろ……貴様はまだ己を理解していないッ!」
激昂するナタの肩を掴み、囁くラグナ。しかしナタはラグナの手を振り払って、拳をラグナの手前で止める。
「俺は、お前も味方だと思ってない!だからッ!他人の心に土足で踏み込んでくるな!」
「これはこれは失敬……別に俺は貴様に興味はない!貴様のソレに用があるだけだ!」
ラグナはナタの心臓部を指で指し、ナタはラグナを睨みつける。小声でナタは何かを呟く。
「もう……いいだろ……母さん……」
「そう来るか!愚鬼ッ!」
そう言うとラグナは笑みを浮かべ、足に力を入れて前へ踏み出した。
グローク王国に全域に伝わる巨大な地震。
愚鬼と呼ばれる聖獣の力の全容。ラグナは全てを理解しているかの様だった。
「皆…コレの性だ…この力がッ!」
ナタの感情が荒れていくと同時に、揺れは増していく。拳を握りしめ、迫るラグナへ拳で迎え撃つ。
しかしナタの拳をラグナは微動だにせず、掌で受け止めた。
「ぬるいな……刈谷ナタ……もっと感じろ!『聖痕』をッ!」
「うっせぇ!」
叫ぶと同時に、ナタの拳を黒い炎が覆い始める。ニヤリと笑みを浮かべ、ラグナは後方へ下がり地面に手をかざした。
「『顕現』ッ!『鉄雷槍ッ!』」
「黒鉄の力よ我に力を貸せッ!来いッ!『雷神』ッ!」
ラグナの声と共に、揺れは拡大しグローク王国全土に蠢く。蒼い雷をまとった薄紫の槍を片手に、ラグナはナタの方向へ直進する。
ナタの頭部を捉えたラグナの槍を、ラグナは頭部寸前で止める。
(止まった……)
「お前は……理解していない!そう!理解していないだけなのだ!」
「何の話だッ!」
蒼い雷の槍は、禍々しい光を放ちグローク王国全土を包み込む。光は次第に肥大化し、次の瞬間、ラグナの力とナタの力は共鳴し、激しい爆発を起こした。
逃げ惑う国民、避難誘導を促す生き残りの防衛隊。
その日、新界の歴史に激震が走った。
独立南東国家 グローク王国 消滅 これは、後に旧界崩壊の前例に似て非なる、新しい事例として取り上げられることになる。
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グローク王国 とある空間━━━━━━
全身が黒焦げている少年が1人、瓦礫に縋っている。
「まだッ!まだだ!この世界は終わらせない!」
死国アリス グローク王国消滅 唯一の生還者。
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