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マメ柴のシバ
お留守番してくれ
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スーパー銭湯の食堂で夕飯を済ませた後、さゆりとシバはマンションに送ってもらいえりかたちと別れた。
長すぎる週末だった、とベッドに座ってぼんやり考えていると、シバがやってきて足元に座った。
そのまま寝ころがろうとする。
帰宅時に出したかったら出しても良いと言ったら、耳と尻尾は犬仕様に戻していた。
「シバ、寝るの?」
「うーん。」
まだ9時に差し掛かるとこなのでさゆりは寝るつもりはないが、シバが寝るなら布団を敷かなくては。
「お布団敷こうか?」
本当はそろそろ自分でやって欲しいが、今日くらいはいいだろう。
「うーん。さゆり一緒に寝よ。」
「え、嫌だよ。狭いじゃん。」
明日からまた会社なのだ。
しかも結構忙しい時期に差し掛かっているので、体力はしっかり回復させておきたい。
この1週間でシバの寝相の悪さは分かっている。
夜中に蹴られて起こされでもしたらかなわない。
「なんでー?ハチはえりかと寝てるのに!」
「よそはよそ。うちはうち。」
「うー……。」
鼻をキュンキュン鳴らしている。
これも外ではしないように言わないとな、と思った。
「そうだ。シバ、犬の姿なら良いよ。」
それなら小さいから邪魔にならないし、何より大歓迎、むしろお願いしますだ。
「犬って何?」
シバの言葉に、さゆりは面食らった。
いや、あんたのことだよ。
いや、違うけど。
向こうには犬という言葉がないのか、シバが知らないだけなのか。
いくら犬になれと言っても通じないわけだ。
「えっと、最初来た時の姿。」
「最初?」
「小さかったでしよ。」
「シバ、四つ足だったの?」
あの形態は四つ足というのか。
分かりやすい呼び名ではある。
にしても会話がイマイチ噛み合っていない気がした。
「自分がその、四つ足になってるって気付かなかったの?」
「みつるがしたんだと思う。シバ、四つ足になるの嫌いだからならないもん。」
それは多分、自分を籠絡するためだ。
申し訳ない。
でも視界の高さとかで気付けよ。
「四つ足になるの嫌いなの?」
シバはコクリと頷く。
嫌いなら無理強いするわけにもいかない。
「じゃあ小さくならなくて良いよ。その代わり一緒には寝れないの。明日からまた仕事で、ゆっくり寝たいから。悪いけど分かって?」
「さゆり、また仕事?」
「仕事だよ。残念ながら。」
「シバは一緒に行けないんだよね?」
「そうだよ。」
「……嫌だな。」
やめろ。ショボくれるんじゃない。
こっちが悪いみたいじゃないか。
「シバね、一人で待ってたんだけど、お父さんもお母さんも、帰ってこなかったんだ。だから一人は嫌なの。」
シバの言葉は、さゆりの罪悪感にとどめを刺した。
1ヶ月くらい休職出来ないかなと僅かに頭をよぎったが、理由を「少年に縋られたので。」なんて言えば会社どころか警察にも説明が必要になったうえ休職のつもりが失職しかねない。
「ごめん、なるべく早く帰ってくるから。」
シバを避けるために積極的にタスクを引き受けていた金曜の自分を後悔したが後の祭りだ。
仕方ない。ここは海外に飛ばした親を帰国させてぎっくり腰の要介護にしよう。
シバが渋々頷いたので、さゆりは安堵した。
同時に、シバにとり家族の話は地雷だと心に刻む。
「じゃあ、さゆりの仕事は我慢するから、シバさゆりのお家で働きたい。」
……
なんだと?
「さゆり、シバのご主人様になって。」
なななんだ君!ああああざといじゃないか!
とさゆりはキュンキュンした。
尖った性癖は無いはずだが、思わず頷きそうになる。
しかし、すんでで踏みとどまった。
「し、シバは元の世界に戻らないと……。ほら、コウ君も待ってるし。」
「……そうだよね。みんな行くとこ選べないもん。」
ションボリしているが、案外あっさりシバは引き下がった。
ホッとする一方、さゆりはなんとなくモヤモヤしたまま慰めるためシバの頭をクシャクシャと撫でた。
長すぎる週末だった、とベッドに座ってぼんやり考えていると、シバがやってきて足元に座った。
そのまま寝ころがろうとする。
帰宅時に出したかったら出しても良いと言ったら、耳と尻尾は犬仕様に戻していた。
「シバ、寝るの?」
「うーん。」
まだ9時に差し掛かるとこなのでさゆりは寝るつもりはないが、シバが寝るなら布団を敷かなくては。
「お布団敷こうか?」
本当はそろそろ自分でやって欲しいが、今日くらいはいいだろう。
「うーん。さゆり一緒に寝よ。」
「え、嫌だよ。狭いじゃん。」
明日からまた会社なのだ。
しかも結構忙しい時期に差し掛かっているので、体力はしっかり回復させておきたい。
この1週間でシバの寝相の悪さは分かっている。
夜中に蹴られて起こされでもしたらかなわない。
「なんでー?ハチはえりかと寝てるのに!」
「よそはよそ。うちはうち。」
「うー……。」
鼻をキュンキュン鳴らしている。
これも外ではしないように言わないとな、と思った。
「そうだ。シバ、犬の姿なら良いよ。」
それなら小さいから邪魔にならないし、何より大歓迎、むしろお願いしますだ。
「犬って何?」
シバの言葉に、さゆりは面食らった。
いや、あんたのことだよ。
いや、違うけど。
向こうには犬という言葉がないのか、シバが知らないだけなのか。
いくら犬になれと言っても通じないわけだ。
「えっと、最初来た時の姿。」
「最初?」
「小さかったでしよ。」
「シバ、四つ足だったの?」
あの形態は四つ足というのか。
分かりやすい呼び名ではある。
にしても会話がイマイチ噛み合っていない気がした。
「自分がその、四つ足になってるって気付かなかったの?」
「みつるがしたんだと思う。シバ、四つ足になるの嫌いだからならないもん。」
それは多分、自分を籠絡するためだ。
申し訳ない。
でも視界の高さとかで気付けよ。
「四つ足になるの嫌いなの?」
シバはコクリと頷く。
嫌いなら無理強いするわけにもいかない。
「じゃあ小さくならなくて良いよ。その代わり一緒には寝れないの。明日からまた仕事で、ゆっくり寝たいから。悪いけど分かって?」
「さゆり、また仕事?」
「仕事だよ。残念ながら。」
「シバは一緒に行けないんだよね?」
「そうだよ。」
「……嫌だな。」
やめろ。ショボくれるんじゃない。
こっちが悪いみたいじゃないか。
「シバね、一人で待ってたんだけど、お父さんもお母さんも、帰ってこなかったんだ。だから一人は嫌なの。」
シバの言葉は、さゆりの罪悪感にとどめを刺した。
1ヶ月くらい休職出来ないかなと僅かに頭をよぎったが、理由を「少年に縋られたので。」なんて言えば会社どころか警察にも説明が必要になったうえ休職のつもりが失職しかねない。
「ごめん、なるべく早く帰ってくるから。」
シバを避けるために積極的にタスクを引き受けていた金曜の自分を後悔したが後の祭りだ。
仕方ない。ここは海外に飛ばした親を帰国させてぎっくり腰の要介護にしよう。
シバが渋々頷いたので、さゆりは安堵した。
同時に、シバにとり家族の話は地雷だと心に刻む。
「じゃあ、さゆりの仕事は我慢するから、シバさゆりのお家で働きたい。」
……
なんだと?
「さゆり、シバのご主人様になって。」
なななんだ君!ああああざといじゃないか!
とさゆりはキュンキュンした。
尖った性癖は無いはずだが、思わず頷きそうになる。
しかし、すんでで踏みとどまった。
「し、シバは元の世界に戻らないと……。ほら、コウ君も待ってるし。」
「……そうだよね。みんな行くとこ選べないもん。」
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