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マメ柴のシバ
恋とはどんなものかしら
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「うーん。本当のこと言う方がいいんじゃ?」
近頃すっかりさゆりのメンターと化しているえりかは、移動中の車内で先週のカトレアでの出来事を一通り聞かされた後そう感想を述べた。
「でも、いつき君に申し訳ないですし……。」
「嘘つくほうが申し訳なくない?」
ド正論すぎたその言葉は、このままうやむやに済ませられないかなと考えていたさゆりを抉った。
そこが引っかかっているから、えりかに「黙ってても仕方ないよね。」とお墨付きをもらいたくて話したようなものだったからだ。
「でももし、いつき君が男でも良いってなったら……。」
長谷川のことが頭に浮かんだ。
「そうなったらなったでいつき君の人生だし、シバ君が受け入れるかどうかでしょ。さゆりちゃんがカトレアの人たちに嘘をつき続けるかはさゆりちゃんの問題、いつき君とシバ君の事は二人の問題、なんじゃないの?」
いやだってホモやぞ?
という言葉をさゆりは飲み込んだ。
多分この正論製造機には通じないだろうし、このご時世デリケートなところには違いない。
内心でどう思おうが自由だが、アウトプットをしてしまうとそこに責任が生じる。
LG云々という言葉が、全方向に配慮する結果どんどんアルファベットを増やしている現状を見れば、26文字全てを網羅するのは時間の問題だ。
セクシャリティの話を、「ある意味これは個人の感想と言えなくもなくもない(個人の感想です)。」という体裁にするのが自衛になる世の中である。
それがホモ・サピエンスの生き残り戦略として適切か否かはさゆりには知る由もないとして。
確かに行動には責任が伴う。
さゆりに言われて、シバの気持ちを加味せず決めることではないことに気付いた。
「シバ、こないだ会ったいつき君がシバのこと好きになっちゃったみたいなんだけど、どうする?もう一回会う?」
隣でガラスにへばりついて外の景色を見ているシバに問いかける。
「僕もいつき好き!」
「そ、そうなの!?」
「さゆりも好きだし、コウも好きでしょー。あとみつると、ハチと、えりかと、カイと、あと」
シバは嬉々として知り合いの名前を並べ立て始めた。
「シバ君何か嬉しそうだけど、ポジティブな感じ?」
「いや、てんで話にならない感じですね。」
「あー。分かってなさそうだもんね。」
えりかは察すると、それ以上の掘り下げはしてこなかった。
いつきには申し訳ないが、シバにその気どころか赤い実がはじける予兆もないため、この件は黙殺しよう。
さゆりはそう決めた。
近頃すっかりさゆりのメンターと化しているえりかは、移動中の車内で先週のカトレアでの出来事を一通り聞かされた後そう感想を述べた。
「でも、いつき君に申し訳ないですし……。」
「嘘つくほうが申し訳なくない?」
ド正論すぎたその言葉は、このままうやむやに済ませられないかなと考えていたさゆりを抉った。
そこが引っかかっているから、えりかに「黙ってても仕方ないよね。」とお墨付きをもらいたくて話したようなものだったからだ。
「でももし、いつき君が男でも良いってなったら……。」
長谷川のことが頭に浮かんだ。
「そうなったらなったでいつき君の人生だし、シバ君が受け入れるかどうかでしょ。さゆりちゃんがカトレアの人たちに嘘をつき続けるかはさゆりちゃんの問題、いつき君とシバ君の事は二人の問題、なんじゃないの?」
いやだってホモやぞ?
という言葉をさゆりは飲み込んだ。
多分この正論製造機には通じないだろうし、このご時世デリケートなところには違いない。
内心でどう思おうが自由だが、アウトプットをしてしまうとそこに責任が生じる。
LG云々という言葉が、全方向に配慮する結果どんどんアルファベットを増やしている現状を見れば、26文字全てを網羅するのは時間の問題だ。
セクシャリティの話を、「ある意味これは個人の感想と言えなくもなくもない(個人の感想です)。」という体裁にするのが自衛になる世の中である。
それがホモ・サピエンスの生き残り戦略として適切か否かはさゆりには知る由もないとして。
確かに行動には責任が伴う。
さゆりに言われて、シバの気持ちを加味せず決めることではないことに気付いた。
「シバ、こないだ会ったいつき君がシバのこと好きになっちゃったみたいなんだけど、どうする?もう一回会う?」
隣でガラスにへばりついて外の景色を見ているシバに問いかける。
「僕もいつき好き!」
「そ、そうなの!?」
「さゆりも好きだし、コウも好きでしょー。あとみつると、ハチと、えりかと、カイと、あと」
シバは嬉々として知り合いの名前を並べ立て始めた。
「シバ君何か嬉しそうだけど、ポジティブな感じ?」
「いや、てんで話にならない感じですね。」
「あー。分かってなさそうだもんね。」
えりかは察すると、それ以上の掘り下げはしてこなかった。
いつきには申し訳ないが、シバにその気どころか赤い実がはじける予兆もないため、この件は黙殺しよう。
さゆりはそう決めた。
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