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第一花 二人の出会い
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「ん」
オランジュがずいっとレディノーラの手に金色の刺繡の施されたソレを乗せる。
「本当にもらっていいの?」
「うん!友達の印!
花護り同士だし、王族同士だし!何より私が君を気に入った!
だからあげる!」
オランジュのソレにレディノーラは嬉しくなり、ふわりと微笑み「ありがとう」と言うと、「じゃあ私はコレ…」と自身の白い上着の内ポケットから小さな筒を出した。
「? 筒?」
「お香が入ってるんだよ、いい香りがするの。
グランディア皇羽國はお香の産地としても人気だから、よく部屋でも焚いててね、それで…」
「私達の部屋はいつもお香の香りがするんだよ!」
「!グラドール!」
「誰」
「双子の姉のグラドール・フォン・グランロッテでーす!やっと見つけたわ!」
レディノーラは見つかったことに顔面蒼白になった。
姉のグラドールは紅いドレスに紅い髪が印象的な少女だった。
グラドールが半透明の美しい紅の六枚の羽根を広げると、ふわりと舞い降りた。
「大丈夫よレディノーラ!
誰もココには来てないから!
私ならココに隠れると想ってきただけ!
騒ぎはすごいけど」
グラドールが不安そうに泣き出しそうなレディノーラの頭をよしよしと優しく撫でながら言うと、同じようにしゃがみこんでオランジェ・クライン・オスマントゥス王女に向き合った。
「はじめまして!
アウランティアクス国のオランジェ・クライン・オスマントゥス王女にご挨拶申し上げますわ!
グランディア皇羽國の、グラドール・フォン・グランロッテ第一皇女です。
妹がお世話になってます!」
グラドールがオランジュにウインクする。
ソレにオランジュはふっと微笑むと、「オランジュと呼んでくれ、グラドール」と言った。
三人はこそこそと楽しそうに話をすると、近衛兵や神官達の声が聴こえるたびにいそいそと見つからない場所に移動して、最後には夕暮れ時に三人とも泥だらけになって帰って来た。
レディノーラは「怒られる怒られる」と薄汚れた白いドレスを握り締めて震えていたが、オランジュとグラドールは楽しそうに笑いながら語り合っていた。
大人達は心配する声もあれば、呆れの声も混じっていて、大事に至らなかったのが何よりと言っていた。
*
オランジュがずいっとレディノーラの手に金色の刺繡の施されたソレを乗せる。
「本当にもらっていいの?」
「うん!友達の印!
花護り同士だし、王族同士だし!何より私が君を気に入った!
だからあげる!」
オランジュのソレにレディノーラは嬉しくなり、ふわりと微笑み「ありがとう」と言うと、「じゃあ私はコレ…」と自身の白い上着の内ポケットから小さな筒を出した。
「? 筒?」
「お香が入ってるんだよ、いい香りがするの。
グランディア皇羽國はお香の産地としても人気だから、よく部屋でも焚いててね、それで…」
「私達の部屋はいつもお香の香りがするんだよ!」
「!グラドール!」
「誰」
「双子の姉のグラドール・フォン・グランロッテでーす!やっと見つけたわ!」
レディノーラは見つかったことに顔面蒼白になった。
姉のグラドールは紅いドレスに紅い髪が印象的な少女だった。
グラドールが半透明の美しい紅の六枚の羽根を広げると、ふわりと舞い降りた。
「大丈夫よレディノーラ!
誰もココには来てないから!
私ならココに隠れると想ってきただけ!
騒ぎはすごいけど」
グラドールが不安そうに泣き出しそうなレディノーラの頭をよしよしと優しく撫でながら言うと、同じようにしゃがみこんでオランジェ・クライン・オスマントゥス王女に向き合った。
「はじめまして!
アウランティアクス国のオランジェ・クライン・オスマントゥス王女にご挨拶申し上げますわ!
グランディア皇羽國の、グラドール・フォン・グランロッテ第一皇女です。
妹がお世話になってます!」
グラドールがオランジュにウインクする。
ソレにオランジュはふっと微笑むと、「オランジュと呼んでくれ、グラドール」と言った。
三人はこそこそと楽しそうに話をすると、近衛兵や神官達の声が聴こえるたびにいそいそと見つからない場所に移動して、最後には夕暮れ時に三人とも泥だらけになって帰って来た。
レディノーラは「怒られる怒られる」と薄汚れた白いドレスを握り締めて震えていたが、オランジュとグラドールは楽しそうに笑いながら語り合っていた。
大人達は心配する声もあれば、呆れの声も混じっていて、大事に至らなかったのが何よりと言っていた。
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