中国夜話 毛沢東異界漫遊記

藤原 てるてる 

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オスマン帝国、天界から参戦の巻(二十一話)

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プーチンの起こした戦争は、ウクライナへの西進だけでなく、南下でもある。
歴代ロシアの南下政策は、この20世紀にこんな形で、また現れたのか。
先に乗っ取ったクリミアに、ドンバス地方を繋げアゾフ海を抑える。
次はオデッサを狙って、黒海への出口をなくしウクライナを内陸国にするか。
黒海を、ロシアの内海にする気か。また次は、モルドバか。

本当に、何とかしなければならない。
物語でしかないが、プーチンの野望を砕きウクライナを助けたい。
ここで、ロシアの宿敵だったオスマン・トルコ帝国を出す。
最盛期を迎えつつある、第7代皇帝メフスト2世に登場願おう。
バルカンを席巻し、ロシアに対峙し、黒海をオスマンの海にした。

物語の、主人公の毛沢東は思ったのである……
……あのプーチン退治で、プーチンママ、プーチンパパに嘆願し、だめなり。
……イワン雷帝、ピョートル大帝、エカテリーナ女帝に直訴しても、叶わず。
……エリツィンの尻を叩いて、下界に現れ押し潰せと言ったものの、これしかり。
……そうか、これは個人では無理やな、この天界から軍隊を送り込むしか、あるまいて。
……ここは嘗て、あの地を支配していた、オスマン・トルコのメフスト2世がいいな。
……コンスタンティノープルを陥落し、東ローマ帝国を終わらせた、あの征服王にな。
……お互いにアジア人のよしみで、願い奉ろう、それがよい、そうしよう。


毛沢東   「サラ―ム、これは中国語で言う二―ハオですな、はじめまして」
      「私、アジアの中国人です、毛沢東と言います。今、下界の戦に介入し
      とります」
      「お国とはシルクロードの遥か昔から、お隣です、どうどよろしく願い
      ます」
メフスト2世「サラ―ム、よはスルタンぞ、頭が高い、礼をわきまえよ」
      「それに、もうアジアでもないであろうに、大昔を言うでない」
      「中央アジアの草原の民、そんな突厥の頃とは違うのじゃ」
毛沢東   「遥かなる西攻め、アジア人として、こちらも驚嘆しとります」
メフスト2世「おい、アジアアジアと言うんでない、よの母は、白人の奴隷上がり
      ぞ」
      「オスマン帝国の歴代皇帝、臣下、平民に至るまで、もう血が雑多に
      混じっとる」
毛沢東   「これも西洋への攻め込み、征服していった証ですな、武勇の賜物で」
      「それ故に、オスマン帝国は繁栄していったのです、より強い血へと」
      「バルカン半島征服、黒海北岸を抑えて、ロシアの南下を遅らせました
      な」
      「私が、ここで申し上げたいのは、また南下をし出した事です」
      「メフスト2世様が支配してた地に、堂々と攻め入ってます」
      「スラブの同族争いが熾烈の様相になっております、帝におすがりした
      いと」
メフスト2世「アジア人よ、スラブはスラブでいいではないか、よの宿敵だったわ」
毛沢東   「いやいや、下界の戦は半端ではありませぬ、昔とは違うのです」
      「スラブどころか、全ヨーロッパに戦禍が及びかねません」
      「いや、それどころか、全世界にもと思われます。大惨事になりかねま
      せぬ」
メフスト2世「そうかウクライナか、よの時代にはな、南はクリミア・ハン国だった
      わ」
      「武力を使おうとしたら、向こうから服属して来て属国とした地だ」
      「スラブ人奴隷を、ボスポラス海峡を越えて巷に売り渡し儲けた」
      「あの国を従えたからこそ、黒海をオスマンの海に出来たのだ」
      「そうか、ロシアはまた南下しとるか、クリミアだけではすまんか」
毛沢東   「ロシアと言っても、あのプーチンのみが悪いのです、一人の野望
      です」
      「メフスト2世様、どうかウクライナに味方し、ロシアを押し戻して
      くだされ」
メフスト2世「アジア人よ、ロシアにはその後の露土戦争で押されまくったわ」
      「よの子孫は国を削られ、今やアナトリアとイスタンブールあたりだ
      のう」
      「まさか、こうなるとは夢にも思わんわ。となると、巻き返しか」
      「ロシアの南下を食い止めてみせるわ、捲土重来じゃな、よし」
      「よのオスマン帝国が、下界に参上し目に物見せてくれるわ」
      「露土戦争の敵討ちをする、ロシア平原まで追い払ってやる」
      「さあ、軍楽隊よ奏でよ、イェニチェリよ先陣を切れ、猛進せよ……」
毛沢東   「ウクライナを、どうか救ってくださりませ……」


この帝は、残忍かつ狂信的、激しい気性と合理的精神を持っていたとのこと。
帝国の中央集権化を進め、オスマン朝を帝国へと形作っていった。
アナトリアのアジアの因習にこだわらない、多文化共存を図るルネッサンス君主とも。
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