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その243.死神の道具はなぜ鎌なのか?
しおりを挟む黒衣にガイコツの顔、手には大きな鎌……これだけで「死神」と予想がつきます。
この「誰もが抱くビジョンが統一されている」ってのはすごい発明で、世界中でも、
・黒衣
・ガイコツの顔
・大きな鎌
というトレードマークさえあれば、一発で「死神」と認知されているのです。
ガイコツは、人間がいずれ辿り着く骸(むくろ)のイメージですし、黒色の衣服も葬儀や喪服などの連想、と予想がつくかもしれませんが……でも、なんで「鎌」を持っているんでしょう?
しかもあんなにでっかいやつを。
両手持ちで、人間の背丈より大きい鎌。使いづらくないんですかね。
刃の部分があれだけでかいと、結構重いはずですし。
刀は「斬る」、槍は「刺す」、では鎌は……えーと、「手前に引いて切りつける」?
武器としては、ハズレアイテムかもしれません。
「死神」のイメージはタロットカードの十三番目「死」でも図案化されていますが、こちらは黒衣をまとわず、人体模型のような骸骨が、長い大鎌を「下向き」に持っている図が古くから一般的です。
ホウキで床でも掃くかのように、大鎌の刃の部分を地面に向けて、持っている格好。
この大鎌は、「scythe(サイズ)」と言います。
架空の道具ではなく、広大な土地に農作物を育てる中世ヨーロッパの土地では、麦や牧草を刈り取るために、実際に使われていた農具でした。
トラクターなどの機械が世に出てきてからは、取って代わられましたが、それまでは人力で大量の作物を刈り取るために、あのような「でっかい大鎌」を使って収穫していたのです。
農作物を刈り取るための「大鎌」……そこからの発想で、寿命が尽きた人間の魂を「刈り取る」イメージを想像したのだろう、と考えられます。
死神が持つ「大鎌(サイズ)」は「デスサイズ」と呼ばれます。
キリスト教では「魂の収穫者」とされる他、様々な神話にも登場する「死神」。
神話の種類によっては「最高神に仕える農夫」という異名もあるとされます。
死後の人間の魂がこの世にさまよい続け、悪霊になったりしないように、きっちりと「魂を刈り取って、冥府へ運ぶ」役割。
寿命が尽きる=生命が「実り」を終える、魂の「収穫時期」。
適切に時期を見計らって、刈り取る農夫……そんなのが死神の本来の姿なのかもしれません。
ちなみに、落語でも「死神」ってのがありますね。
ロウソクがふっと消えるシーンで終わるため、照明が暗転して、そのまま緞帳が下ろされるという演出の都合があり、必ず最後の「大トリ」に持ってくる演目です。
この「死神」というのは、日本独自の話ではなく、ヨーロッパの死神の話を聞いた落語家が翻案したものらしいです。
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