婚約破棄がしたくて一人二役をする婚約者が可愛い

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 ノアは男子生徒の一部以外には人気のようで、
 休憩時間になるとノアの席の周りに男子生徒ご集まり、チヤホヤとしていた。

「ノアの声は可愛らしいな」
「えぇ~~そんなことぉないですよぉ」
「ノアは好きなものはあるか?」
「えぇ~そうだなぁ。イチゴ?とかかなあ」
「好きなタイプは?」
「う~~ん。好きになった人、って、キャー恥ずかしい。クラスのみんなカッコいいしぃドキドキしちゃう」
「ふふっ、ノアみたいな純粋で可愛い子は初めてだよ」

 そんな会話が聞こえてきて、うんざりした気分になった。

 ___嫌いな相手と結婚することになるから、最後の思い出作りか??

 そうだとすると、少し悪趣味な気がした。
 態々、謙次が通っている学園の同学年に留学生として偽装までしてくるなんて。

 ___まあ、これで婚約者の気が少しでも晴れるならばいいか。

 転入前に止めるならばいざ知らず、もう"ノア"としてこの場にいるミリスに言えることはなかった。

 ノアが何度かこちらをチラチラと見ている様子には気づいていたが、知らぬフリをした。

 どう対応すべきか、謙次にも分からなかったからだ。

 ___出来るだけ、ことは穏便にしなければ。


 謙次はそう考えていたが、痺れをきらしたこか、放課後になり帰ろうとする時にノアがこちらに話しかけてきた。

「あ、あのぉ~~」
「...ん?なんだい?」
「そのぉ、すっごくカッコいいなぁって見てましたぁ。お友達になってくれませんかぁ?」

 ___お友達???

 ノアのしたいことが一層、よく分からなくなった。
 目の前にいるノアの目は、ミリスの目と同じように眼の奥が冷ややかなままであるのに。

 ノアの意図は分からなかったが、とりあえずノアの提案に乗ることにした。

「...そうだね。いいよ。友達になろうか」
「や、やったあ。じゃあ、また明日、お話ししましょうねぇ」

 パタパタと走り去ったミリスを見送り、首を捻った。

 ___ミリスは何がしたいんだ?
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